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後の人生を決定付ける重要なシーンに立ち向かう仕事

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滝田 賢吾先生

経歴 
 
1992年  埼玉県越谷市  出身
2010年  埼玉県立春日部高等学校  卒業
2014年  明治大学法学部法律学科  卒業
2016年  早稲田大学大学院法務研究科  修了
      司法試験合格、司法修習生(70期・東京)
2017年  弁護士登録、弁護士法人法律事務所フォレスト入所


※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

憧れ一本で弁護士になってみたいというところが始まり

大学に入学するまで弁護士になることなど全く意識していませんでした。入学してみると弁護士を目指す友人が何人か周りにいましたが、私の父親は銀行員であることから、入学当初は普通に就活して銀行員になれれば良いかな程度の思いでした。大学3年生のときに、就活するならそろそろ準備を始めなければと思ったときに、周囲で弁護士を目指している友人がいたことから自分もチャレンジしてみたいという気持ちが少し芽生えました。それは自分の名前で専門的な仕事をしてみたいという思いがあったためです。大学の友人に「就活どうするの?」と聞いたときに、「弁護士になりたいから勉強始めているよ」と言われて、このタイミングで決心しているのだから自分も一念発起しようと思い、本当に単純な憧れみたいなところからスタートしました。法曹になってこういうことがしたいという具体的な思いよりは、最初は憧れ一本で弁護士になってみたいというところが始まりです。決意した当初は、法科大学院があって卒業をし、その後に司法試験を受験し合格を経て、弁護士になるという制度は何となく知っていたのですが、合格率などは詳しくは知らなかったので、ロースクールに行けば弁護士になれるだろうといった軽い気持ちでした。難しい試験だとは思っていたのですが、司法制度改革があって合格率が上がったというし、ロースクールに行けば弁護士になれるだろうということで最初は憧れで決断した次第です。そのあとはとても後悔しましたけど(笑)。

 大学1、2年生の頃は普通の学生生活を送っていました。大学の授業の他、アルバイトもして、友人と遊んでいました。3年生になり司法試験を目指す決断はしたものの大学1、2年生の頃は法律と触れ合う機会は授業だけでしたので焦りはありました。「今からロースクール受験の対策をやろうと思うのですが実際どうですかね」といった具合で先輩に相談したりしましたが「この時期からじゃ厳しいぞ」と言われてしまいました。ですが、弁護士になってみたいという思いがあったので、厳しいことは分かっているけれども、自分の周りに同じような時期に決断した友人もいるわけだし仲間がいるのだからやってみようということでスタートしました。
司法試験を目指すと決意したあと、独学でもできるのかなとは思ったのですが、思い返してみると大学1、2年のときの定期試験も全く分からない状況でしたし、大学3年になっても法律の基礎的なところが分かっているかと言われたら全然分かってない状態であったことから独学は厳しいと判断しました。
 色々な受験指導校があるとは思うのですが比較検討しました。その中から伊藤塾を選んだ理由は、大学3年生のときに大学が御茶ノ水のキャンパスでしたので伊藤塾校舎が近くにあったという距離的な理由もあるのですが、一番の理由は友人に「どうやって勉強しているの?」と聞いたら「もう伊藤塾御茶ノ水校の呉クラスに入塾しているよ」と言われたことが決定的でした。呉先生含め各受験指導校の色々な評判を調べましたが、ネットの情報だと分からないということもあって、その友人に「呉先生のクラスどう?」と聞いたところ「すごく分かりやすいし、スケジュール的にもいい」との回答があったので、呉先生のクラスを選択しました。

やりたいことを「自分の名前」でやれる仕事

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今の事務所に入所したきっかけですが、修習に行く前に法律事務所の合同説明会があり、法律事務所フォレストがブースを出していました。そこで、代表の板垣弁護士が説明会を実施していて、そこが出会いです。業務内容もそうですが、代表弁護士の人柄というか話しやすさというか、そういった面で「この事務所良いな」と思い志望した次第です。あと地元が埼玉だったので、その点も重視しました。私はずっと埼玉に住んでいるので、埼玉で何かしたいという思いもありますし、これまでずっと埼玉に住んで埼玉が一番住みやすいと個人的に思っているので、地元で仕事して地元で何か貢献したいという思いがあったことも理由です。
 法律事務所フォレストの特徴ですが基本的には法人専門です。中小企業さんの顧問業務メインでやっています。日々の契約書のチェックだとか、取引でトラブルが起きたとか、そういった内容のものが多いです。顧問一本でやっているという感じです。会社側の労働問題なども結構多いです。個人案件としては、従業員さんの中で何かトラブルが起きたりすればそこに対応したりもしますし、あとは私個人のことですが、国選登録や法テラスへの登録もしているので刑事事件を担当し、そこで個人案件を受けたりしています。国選や法テラス案件は事務所とは関係なく、自分の名前で受けています。当事務所は説明会のときもそうだったのですが「やりたいことやりなよ」という方針なので、自分のやりたいことができるというのも当事務所を選んだ理由の一つです。そもそも、やりたいことを自分の名前でやれる弁護士に憧れがあったので。
 私の主な業務内容についてですが、先程もお伝えしましたが契約書のチェック、あとはできるだけ紛争の予防の部分です。なかなか難しいところではあるのですが、トラブルまで至らないように会社の体制を整えたりしています。例えば、就業規則の作成から関わったりだとか、あとは問題社員がいて辞めさせてしまうとまたトラブルになるので、それに対してどうやって対応したらいいかといった相談を受け助言したりしています。
 今は事務所全体で約80社の顧問を受け持っていますが、顧問先は埼玉のみならず全国各地ですので遠方のお客様もいます。当事務所の特徴というところでもあるのですが、社会保険労務士の事務所と一緒にやっています。社労士事務所のスタッフは全体で10数名いると思いますが、相互に相談できる体制なので会社さん側から見れば、あの事務所に行けばあらゆる問題に対応できるぞということになると思います。

鑑別所に入っているときの表情と出てきたときの表情は全く異なるものでした

弁護士のやりがいについてですが、事務所としての案件は刑事はあまりやらないので民事案件になるのですが、自分で方向性を決め、代表弁護士のチェックを受けながら下案を作成し、お客様のチェックを経て、その内容で進めるという、自分の思い描いたようなルートで仕事が進められることはやりがいに繋がっています。会社の労働案件だと会社側が厳しいケースが多いので、そこを何とか苦しみながら進めていく、まあ辛いところではありますけど、その点はやりがいですね。
 また、完全に自分でやるという意味においては、刑事事件は私1人でやるので、1対1で話をし、最終的に身柄を解放できたりとかしたときは、その後の生活のためにも早く出てきたいという人達の利益に繋がりますので大きなやりがいを感じます。少年事件も担当したのですが、鑑別所に入っているときの表情と出てきたときの表情は全く異なるものでして、「こんな笑顔になるのだな」という驚きと同時に、「やって良かったな」と思いました。いざ外の世界に出てきて、反省も十分していて、もう二度とこんなことはしないという前提でいい笑顔をしているというのは良かったなと感じます。国選は完全に一人でやらなくてはいけないので、そういったときは事務所の代表弁護士に質問したり、内容に踏み込まないところであれば修習時代の同期にも聞いてみたりなどしています。
 弁護士の仕事の魅力は依頼者との関係にもよりますが、自分で決めて自分で進めていけるというところです。ですが、それには責任が伴います。初めて刑事事件をやったのが、自分の名前で、一人で担当していく事件でした。手続きも内容も曖昧というか経験のない中で、相当なプレッシャーはあるのですが、それでもやっていく楽しさというかやりがいみたいなところは感じました。先程お話した少年事件などもプレッシャーがとても大きかったです。ここでもし少年院に入ったらどうなるのだろう、少年院に入らなかったらどうなるのだろうとか、鑑別所に入るのか入らないのか、そこでも大きく今後違ってくるというのがありますので、そこが後の人生を決定付ける重要なシーンに立ち向かっているのだと思ったりもします。プレッシャーを感じることは多いものの、自分がこうだと思います、こうですと言えば、依頼者さんは「弁護士がそう言っているのだから間違いない」と当然思うだろうし、誤ったことは言えません。そういうプレッシャー、判断を誤っちゃいけないというのはあります。

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法的思考力は受験生時代に自ずと養われていくもの。必要なのは精神力。

受験生時代と実務に出てからの弁護士像の違いについてですが、受験を決意した段階だとボヤっとした弁護士のイメージしかありませんでしたが、法廷に立っているイメージというのが弁護士だと思っていて裁判ばかりやっていると思っていました。ですが、いざ弁護士になってみると当然そんなことはなく、訴訟している時間、裁判所に行っている時間はごく限られた時間で、その準備の時間が大半を占めます。そこはギャップがありました。でも自分のやりたいように自分の名前で自分の看板背負って仕事をするというところでは、思い描いていた通りです。弁護士は外から見えない仕事というか、そういうのが結構あるのだなという印象はありますね。
 弁護士としての仕事をする上で必要とされる力は、法的に物事を考える力というのは当然必要だという前提でお話しすると、精神力は結構必要な力だと思います。思考があってそれに踏み出すメンタル、あとは交渉でもそうですし、途中で折れてしまいそうなことがありますので、そこを諦めずに説得していくだとか、諦めずにこういう方法はないかと考えていく、そういったメンタルの部分は必要だなというのは感じます。
 法的思考力は受験生時代に自ずと養われていくものだと思います。最初は何も分からない状態から勉強を始めて、色々と答案を書いたりしていく中で、事実をどうやって法律に当てはめていくだとか、こういう法律の基本的な考え方があるのだな、とかそういった部分を学んでいきましたので、それは勉強の中で培ってきた部分なのかなと感じています。実務だと初見の法律がいっぱいあって、そこでどういう風に考えていけばいいのかというのは、受験時代に培った基本的な考え方がベースになっています。
 メンタルの強化については、自分はまだ鍛えられてないかもしれないです。鍛え中です。なかなか納得させられないという部分もありますし、自分でどうすればいいんだろうとずっと考えてしまう部分もあるので、とりあえず飛び込んでみる勇気も必要だと思います。今はフットワークとそのようなメンタルで乗り越えていくしかない部分もあると思うので、とりあえず飛び込んでみることを心がけています。まだまだ鍛えられてないですけどね。
 今のところ実務経験は少ないのですが、弁護士になりたての当初よりは考え方や、自分の意識が変わってきたのかなというのはあります。社会人経験もないような状況で、最初は委縮して例えば電話を1本掛けるのも躊躇するような、電話って嫌だなと思っていたのですが、今はとりあえず掛けてから考えるぐらいのつもりで、意識が変わってきたというところです。

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リーガルアクセスの高まりによる職域の拡がり

今までのいわゆる昔の弁護士というか、これまでの法律事務所とはまた別の形ができてくるのではと思います。人数も単純に増えているところがあって、法テラスのような機関もあって、市民からの司法へのアクセスというのは確実に開かれてきている状況になっていると思います。色々な事務所が個人に対する顧問サービスだとか、そのようなことを始めたりもしているので、今後は今まで考えてこなかったサービスが色々と出てくるのかなと思います。
 肌で感じるほど法曹業界にいないというのもあるのですが、例えば、市役所だとかで法律相談を受けたりする際、予約制だったりすると大体埋まります。法テラスに行っても予約が一杯でしたり、市区町村の庁舎でやっているような無料の法律相談も多くの予約が入っているような状況なので、それだけ相談する人もいるし、相談できる環境というのも整ってきているのかなと思います。法律相談会は、相談担当に登録を希望した弁護士を、弁護士会が、この日はこの先生、次の日はあの先生といった感じで割り当てられ私も行っているのですが、さいたま市内は結構やっているのではないでしょうか。私が行ったのは大宮でしたが、お達しがきて、その日がダメであれば別の先生に代わって頂きます。登録しているとランダムでこの日はこの人、この日はこの人といった具合に割り振られて、指定された弁護士が市役所などに行って、法律相談を受けるという感じです。法律相談会に参加し担当すると、日当みたいなのがあるものもありますし、ないものもあります。そこから自分が対応できるものでしたら仕事が入ってくる感じです。私はまだ登録間もないので、仕事がさほど多くはありませんので、行く余裕もあるし行って仕事になればいいなという部分もあります。法律相談会の案件を受け持つかどうかは私の判断になります。要はできるかどうかってところですね。
 私は生まれ育った土地で弁護士をやっているので、例えば埼玉で新しい事業を始めようだとか、既存の会社さんでこういうビジネスをやりたいと言ったときに、安心してリスクを減らした形でやれるようなサポートができる、そういった弁護士になっていきたいなとは思っています。新しいことにどんどんチャレンジできるような体制というのを整えてあげたいというのもありますし、あとは個人的には特定の分野、今は具体的にこの分野というのは思ってはいないのですが、この分野だったらこの人に聞けば、僕に聞けば納得、そういう専門的なものも身につけていきたいなと思います。
 弁護士は本当に自由な仕事です。資格を持っていれば、裁判だけじゃなくて色々な仕事ができると思います。刑事をやりたい人もそうですし、コンサルティング的な部分の仕事もできますし、会社の経営に関わっていくこともできます。弁護士という職業は自分のやりたいことをやれるというのがとても大きいです。あとは様々な分野の方に会って話を聞いていく中で、自分の今まで知らなかった世界の話を聞くことも出来ますし、それが自分の知識になっていくというところなので、本当に広い業界の人と付き合うことができるので、裏も表も含めて様々なことを知れるというのが弁護士の魅力だと思います。

弁護士法人 法律事務所フォレスト

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