初心に返り独立開業。依頼者の御期待にこたえられたときの達成感は言葉では言い表せません
新井 貴志 先生 (弁護士)
はじめに
私は、2年間勤務弁護士として勤め、3年目の2010年9月に世田谷区二子玉川で司法書士とともに二子玉川総合法律事務所を開業しました。
私がそれまで所属していた事務所は、大規模な遺産分割事件、不動産の明渡請求事件や非上場株式の買取請求事件などを多数手がけており、しかもそれらの事件を弁護士1年目から主たる担当者として担当させていただけたため、弁護士としてのキャリアを積むには最高の環境が揃っていました。
独立に至る経緯
独立するに当たっては本当に悩みました。独立した場合、私自身の弁護士としてのキャリア、独立後の事務所のネームバリューのいずれも欠けるため、今までのような大きな事件を手がけることはできないかもしれません。また、勤務弁護士の間は給与という形で安定的かつ十分な収入を得ることができました。しかし独立すれば、自分で仕事を取ってこなければならないため、収入が不安定になるうえ、さらに事務所の経費も負担しなければならず、経済的に困難な状況に陥る危険性もあります。そのため、前の事務所に残留するのか独立するのかを同期や諸先輩方に相談した際、独立せずに、安定的な収入を得ることができる前の事務所でもっと経験を積んだ方がよいのではないかとアドバイスされることが多かったです。しかし、そもそも自分が弁護士を目指した理由は、安定的な収入を得るためではなく、他者の理念・組織の考え方に拘束されることなく、自分の信念に従い、周りの人たちの役に立ちたいと思った点にありました。 また、2年間とはいえ、個人事務所ではなかなか経験できないような大規模な案件を担当者として手がけ、解決してきたという自負もありました。そして、散々悩んだ末、自分自身が経営者として、経営者の苦労等を経験した方が、自分自身を人間的により大きく成長させることができ、かつ、今まで以上に中小企業の経営者の方々の悩み・苦労を理解し、真の意味でのパートナーになることができるのではないか、そうであるとすれば失敗を恐れずに挑戦するべきでないかと考えるに至り、一念発起し、独立するに至りました。
相続・不動産関連業務を中核に
私は、企業法務、非上場株式の買取請求、離婚、交通事故なども手がけておりましたが、主として遺産分割・遺留分減殺請求・遺言書の作成などといった相続関連業務、不動産の明渡・共有物の分割・借地関係の解消などといった不動産関連業務を手がけておりました。今現在も、顧問先や提携先の企業を通じ、相続セミナーや相続・不動産に関する法律相談会を開催しているため、案件の半分以上が相続か不動産に関連する業務です。弁護士業務は、一つ一つの案件が、依頼者にとって非常に重大な事件であり、場合によっては、その結果がその人の人生を左右することすらあります。そのため、弁護士にかかってくるプレッシャーが非常に重く感じられることも多々あります。しかし、その分依頼者の意向に沿った解決が図れ、依頼者から感謝された時の達成感は言葉に言い表せない程のものがあると思います。今後も、得意分野である相続・不動産に関連する業務を中核業務に据えて、一日も早く、相続・不動産といえばこの人ありと言われるよう努力していく所存です。
弁護士業務はやる気次第
弁護士業務は、非常に多岐にわたっており、本人のやる気次第で様々なことにチャレンジすることができます。また、ある分野のスペシャリストとして一つの分野だけを徹底的に追求することもできます。要するに、自分のスタイルに合ったビジネススタイルを選択することができるということです。昨今、弁護士業界について色々言われておりますが、弁護士業務は、非常にやりがいがあり、面白い仕事であることは間違いないと思いますので、一人でも多くの方が法律家を目指していただけたらなと思います。また、すでに法律家を目指している方は、法律家になった後にお会いできることを楽しみにしておりますので、頑張ってください。
(2010年11月・記)
■Profile
2006年 司法試験合格
2007年 司法研修所入所
2008年 弁護士登録
弁護士法人朝日中央綜合法律事務所入所
2010年 二子玉川総合法律事務所 独立開設
■ 事務所プロフィール
二子玉川総合法律事務所
〒158-0094 東京都世田谷区玉川1丁目9番20号
スタンダビル1階
http://nikotama-law.com/
■ 当事務所の所属弁護士数
1名(2010年12月現在)
■ 当事務所の主な業務内容
相続・不動産関連・事業承継・企業法務・その他
■ 事務所の主な業務内容
相続・不動産関連・事業承継・企業法務・その他