解決の糸口を見出し、依頼者に最大の満足を実現。変化の時代にやりがいと可能性は広がっています

尾藤 望 先生(弁護士)

自由なスタイルに魅力

高校2年の進路選択の際に、中学時代にお世話になった恩師から弁護士の道を勧められたことがきっかけとなって、私は法曹を志しました。その後中央大学に進学し、必要な情報が手に入れたいと思ったこと、大学に隣接しライブで講師による講義が受けられることなどから、伊藤塾中央大学駅前校を選んで受験勉強を始めました。 受験回数としては択一5回、論文3回、口述1回での合格で、大学2年の春から卒業後3年目の夏まで、約6年間は徹底して勉強し続けました。
司法試験合格後、私は、以前から、とにかく地元の岐阜に帰って仕事をしたいと思っていましたし、法曹三者の中でも、何時でもだれでもどこでも助けにいくことができる自由な弁護士の仕事のスタイルに魅力を感じ、自分に一番向いていると思い、弁護士を選びました。そして、どんな事件でも引き受けるというスタンスの今の事務所に出会いました。自分の求める弁護士業務にとって一番良い経験になると思い、今の事務所を選びました。

訴訟業務に携わって

私が所属する弁護士事務所の主な業務は、通常の債務整理事件や破産申立事件もあれば、賃貸借に関する事件、労働事件、離婚事件や相続事件といった家事事件、会社間における売掛金回収事件や損害賠償請求事件、顧問会社からの突発的な問い合わせに対する回答や契約書作り、その他刑事事件等など、様々な場面の法律問題を扱っています。その中で私の主な業務としては、それら様々な法律問題における訴訟担当として日々、訴訟事件を扱うことにあります。
事務所が受任する事件の場合、事務所のトップであるボス弁が、依頼者からの事件について訴訟提起を決めると、そこから先の訴状・答弁書・準備書面の作成や、依頼者からの聞き取り、証拠の収集、法廷でのやりとり、尋問、和解等など、訴訟における一連の手続きはほぼ全て任され、常時、ボス弁には状況報告を行い、必要な指示を受けつつもほぼ全体を自分一人で行うことになります。
このように私の業務は主に訴訟業務ということがありますが、その事件の種類は多岐にわたり、難しさや面白さはそれぞれに異なります。
ただ、どの事件にも共通するやりがいは、人が織りなす人間模様の中でどこに解決の糸口があるのかを見つけ出し、そこから依頼者にとって最大の満足が得られる結果が導けた時だと思います。

伊藤塾で得た仲間が道標に

このような仕事に就けるようになったのも、伊藤塾で合格に必要な知識やノウハウ、なによりもその中で一緒に勉強した仲間をたくさん得たことが大きな一因だった気がします。
伊藤塾で司法試験の勉強を始め、伊藤塾の教材を中心に勉強を続けていたので、基本六法の考え方や基礎的な知識は全て伊藤塾ベースになっており、今でも自分の知識を確認する際には、伊藤塾の教材が大いに参考になっています。受験中最後の段階では、民法においては「択一六法」に必要な知識を一元化したこともあり、今でも民法の知識を思い返すときは、「択一六法」を活用していますが、当時勉強していた頃の思い出や、合わせて勉強した民法の記憶が蘇ってきます。
そして、私が伊藤塾の中で得た最大のものは一緒に勉強した伊藤塾の仲間です。伊藤塾の仲間は、一緒に長い勉強生活を超えていく為の支えとなり、自分が法曹になるにあたって何が不足しているのかを知る一番の道標になってくれた存在でした。私は、先に合格した仲間と自分を比較することで、自分の情報整理能力や時間管理能力、基本的な知識の重要性に気づくことができ、合わせて仲間のアドバイスを参考にこれらの必要な知識と能力を身につけることができました。 
これらの基本的な能力は、今現在も仕事において、業務管理や時間管理の場面などで日々活かされています。

変化の世の中だからこそ

法律家の就職難とよばれる時代が到来しているようです
が、これは一つの社会の流れの表れに過ぎず、法律家の世界だけでなく、このような状況は、世の中全体が、何をしたらいいのか、何が本当の幸せなのかがわからなくなって、とにかく目先の進歩や改革だけを追いかけたことの結果の一つである気がします。
今の日本社会は、それまで長年続いてきた共通項の価値観が失われ、その結果、様々な要求や権利主張が増え、その中で何が重要なのかもわからないまま、ただひたすら目先の物事だけ変え、結果的に、様々な歪みも生まれつつあるのだろうと思います。
このような変化の世の中だからこそ、これから先も法曹を取り巻く環境は昔思われていたほど安泰の状況でなくなる事は確かだと思っています。ただ、全く法曹が生きていけない時代になるとも思えません。
単に社会が変わりつつあるだけなのですから、それに沿って変わる努力をし続けなければならないというだけのような気がします。逆に、従来の状況とは変わりつつある以上、個々人のアイデアで新しい事を始めやすい時代であるのは結構楽しい気がします。

これから法曹を目指す皆さんへのメッセージ

これからの時代、法曹の世界は昔よりは安泰の世界ではなくなりますが、いろいろな価値観がぶつかり合う中で、いっそう多種多様な問題や、悩むべき事柄も増え、しかも専門性も増す中、より法曹に対する要求も増えていきます。
それは決して生活としての安定ではないかもしれませんが、様々な問題に直面する方々の手助けをすることができ、時には自分達の権利主張が新しい判例を生み、変化しつつある世の中に一つの歴史を作っていくことができるかもしれません。その意味で、これまでよりやりがいのある仕事ができるようになる可能性が広がっていると思います。 
変化しつつある世の中だからこそ、自分の頭で何をしたいのか、どのようにありたいかを考え、自分なりに法曹の道を目指すことを決めたら、自分なりに納得のいくように最後までやりきってください。

(2010年10月・記)

【プロフィール】
2005年 中央大学法学部卒業
2005年 司法試験合格
2006年 司法研修所入所
2007年 弁護士登録
2007年 坂本法律事務所入所
2011年4月1日 尾藤法律事務所(独立開業)


■事務所プロフィール  尾藤法律事務所  〒501-4224
 岐阜県郡上市八幡町城南町218-1
  ■当事務所の所属弁護士数  1名(2011年5月現在) ■ 事務所の主な業務内容
一般民事・刑事・家事・企業法務 その他
■ 現在の「ある一日のスケジュール」
8:00 起床・朝食
9:30 事務所で執務開始 メールチェック
10:00 法廷(弁論期日)
11:00 事務所に戻り報告書作成、電話対応
12:00 昼食
13:10 法廷(弁論期日)
14:00 事務所に戻り報告書作成、電話対応
15:00 依頼者との打ち合わせ 
17:00 準備書面起案
18:00 夕食
19:00 準備書面起案
24:00 帰宅