経済学部ということもあり、法律の基礎知識はほぼ100%基礎マスターで修得しました。

K.T さん(24歳)
 

合格者イラスト
東京大学経済学部4年在学中
【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)、慶應義塾大学法科大学院(既修)、早稲田大学法科大学院(既修)、中央大学法科大学院(既修・半額免除学生) ◆適性試験 / 第1回:221点 第2回:150点 ◆受講講座 / 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニングなど

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。

はじめに

在学中に何か強い資格を取得したいと思い、私は経済学部であったことから当初は米国公認会計士を目指しておりました。しかし、「より強い資格を」という単純な動機から司法試験を目指すようになり、大学2年の春に伊藤塾に入塾しました。このように、私が法律家を目指したきっかけは大したものではございません。しかし、伊藤塾長が信念と誇りをもって活動されている姿を見て、自分の信念と誇りをもって世の中の理不尽と戦う法律家という職業に惹かれていき、次第に、絶対に法律家になりたいと思うようになりました。

私がとった勉強方法

法律科目対策について

(1) 基礎的な法知識・法理論の修得について

私は経済学部ということもあり、法律の基礎知識はほぼ100%基礎マスターで修得しました。基礎修得段階で特に意識していたことは、暗記と繰り返しを厭わないこと、そして覚えるべき対象を絞ることです。毎回A、B+とランク指定された知識のみをカード化し、通学時間を利用して繰り返し覚えていました。伊藤塾長や伊藤塾の講師の説明はとても分かりやすく、自分の弱い分野についてはインターネット講義を利用して何度も聴き直すようにしていました。私は物覚えが悪く、覚えた傍から忘れていくという具合でしたが、それでも根気強く何度も何度も覚えては忘れ覚えては忘れを繰り返していくうちに、次第に知識が定着していったように思います。この繰り返しの中で理解も伴っていきました。 
また、基礎マスター段階でも、答練を積極的に受けました。当然無茶苦茶な答案しか書けませんでしたが、知識をどのように答案に表現するかを学習初期段階で知ることができ、その後のインプットを効率的にできるようになったように思います。

(2) 実践段階の学習について

論文対策は問題研究に挙げられた問題を実際に書くことによって行いました。ただ、問題研究の問題数は膨大で、自分では絶対消化不良を起こすと思ったので、平成10年以降の旧司法試験と予備試験の過去問だけを解いていきました。問題を1問書いては該当箇所を基礎マスターテキストで確認し、余力があれば自分なりの完全解を作成するという作業を繰り返していました。実践段階でも覚えるべき対象・理解すべき対象は基礎マスターテキストに絞り、あとは、その知識・理解を前提として自分の頭で徹底的に考えることを意識していました。私が論文を書く際に特に気を付けたことは、論理を貫くということです。論理を貫こうとすれば事案の特殊性に配慮せざるを得なくなります。
論文を書く上で強力なツールだと感じたのは、やはり論証パターンです。伊藤塾の論証パターンを加筆修正して、実践的に使えるようにコンパクトにストックしていきました。論証パターンについては昨今否定的な意見をよく聞きますが、論文を書く上での有用性は否定できないと思います。論証パターンを何も考えなくても吐き出せるようになると思考経済上良いですし、時間の節約にもなります。望ましくないのは、ほとんどの論点は条文の文言解釈の問題であるのに、条文の文言を無視して論証を張り付けることです。あるいは、事案の特殊性を無視して、何も考えることなく論証を張り付けることです。

適性試験対策について

適性試験対策としては、過去問3年分を解き、本番で注意すべきことを紙に書き出して自分の行為規範としていました。適性試験対策としてより重要なのは、試験当日の体調を万全なものにすることだと思います。私は第2回目の適性試験に、発熱し咳が止まらないという最悪の体調で臨みました。咳のし過ぎで度々呼吸が止まり、試験途中で放棄を考えたほどです。結果として第2回の点数は第1回より70点も低くなってしまいました。適性試験は試験時の体調に大きく左右される試験だと思いますので、体調管理をしっかりと行うべきです。

パーソナル・ステートメント対策について

ステートメントについては、点数を取ろうということは考えず、自分の書きたいことを素直に書きました。ただ、①設問に答えること、②正しく読みやすい日本語を使うこと、の2点だけ注意していました。これは法律科目の論文試験でも意識すべきことであり、同じようにステートメントを書く上でも意識すべきです。

学部成績について

恥ずかしながら、私の学部成績は非常に悪いです。ただ、ロースクール入試では「法律科目で十分な点数が取れれば問題ない」と開き直っていました。変えることができない成績について心配するより、開き直って法律科目に尽力することの方が大切だと思います。余談ですが、願書提出の際も推薦状や特記事項の類は一切提出しませんでした。これは、「私は法律科目だけで勝負します」という意思表示のつもりでした。あるいは、「法律科目で点数を取れなければ落ちる」と自分を追い込む意図もありました。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

私は4年次までサークルで代表をしていたことから、可処分時間の絶対量が不足しておりました。伊藤塾ではインターネットを利用して講義を聴くことができるので、通塾時間を節約でき便利でした。伊藤塾は可処分時間を使い切ることができるようなサービスを提供しており、それが受験指導校選択の際の重要な考慮要素でした。

入学前準備として

まだまだ七法の基本的な知識と理解が不十分なので、七法の基礎を固めることを第一目標にしていきたいと思います。その上で、司法試験の過去問も一通り検討したいと考えています。ゴールを知ると、より効率的な勉強をすることができるからです。

最後に

「これから何度も諦めたくなる時が来ます。それを超えてみんな合格していくのです」これは私が尊敬する呉講師が初学者に向けたお言葉です。長く、勉強しても成績が上がらないという状況が続き、私の1度目のロースクール入試は失敗に終わりました。自分には才能がないと感じ、他の道を選択することも考えました。それでも呉講師の言葉を信じて勉強を続けたことが、2度目のロースクール入試の成功に繋がったのだと思います。合格のために一番大切なのは、諦めないことです。司法試験合格までまだまだ道のりは険しいですが、「最後まで絶対諦めない」と胸に誓って、これからも精進してまいりたいと思います。