時代が求める法律家とは。

司法試験制度改革を含めた社会の変化に伴い、近年、法律家のあり方も変容しています。
ここでは、世界と日本をリードする第一人者である皆さまや、伊藤塾出身で実務家として活躍されている方々のお話から、新たな時代に求められる法律家像、そしていつの時代も変わらない法律家にしかない仕事の魅力を感じ取っていただければと思います。

Content 1:世界と日本をリードする第一人者が語る!時代が求める法律家とは。

伊藤塾の『明日の法律家講座』より、世界と日本をリードする第一人者であり、豊富な経験を持つ法律実務家の方々の貴重なお話の一部を抜粋しました。 
求められている法律家とはどのような人材か。ぜひ、自分なりに考えてみてください。 
※掲載は五十音順です。

泉 徳治 先生(弁護士、元最高裁判所判事)

常識を養うとともに、いろいろな経験を積み、本を読んで、実社会を知ることにより、事実認定能力を身につけることが大切です。法律の条文を「暗記」するのではなく、その趣旨・精神を「考える」ことで、法律判断の応用力が生まれ、多様な事件に対応することができるのです。
法曹は、日々新しい事件に直面しますから、20代の人も70代の人も、同じ土俵で対等に議論することができます。大変おもしろく、やりがいのある仕事です。頑張ってください。
(2009/12/2実施 明日の法律家講座第159回「最高裁と憲法判断~国民から信頼される司法のために」より)

【泉 徳治 先生プロフィール】
京都大学法学部卒業。1961年4月司法研修所に入所し、1963年4月 東京地方裁判所判事補に任官。以降、最高裁判所の調査官や事務総長などの経歴を重ね、2002年11月に最高裁判所判事に任命される。2009年1月に退官し、弁護士登録。2009年3月「TMI総合法律事務所」顧問就任、現在に至る。
最高裁判事時代、「国籍法3条1項は憲法14条に違反する」などの2件の大法廷違憲判決に関与する。また、36件の個別意見を書き、そのうち反対意見は25件にものぼる。
「一人一票実現国民会議」の発起人の一人。

園部 逸夫 先生(元最高裁判所判事、弁護士)

社会や世間をしっかり見る目を持つことが法律家に求められる資質です。目先の出世ばかり考えているようでは、立派な裁判官にはなれません。それから、ロースクールに入る前から法律の勉強ばかりしている人に、ろくな法律家はいません。勉強を始めて最初の2年くらいは、とにかくいろいろな本を読んでください。法律とは間全く関係のない哲学、歴史、文学、小説等何でもいいから読んでください。小説を読まない法律家は人生の隅々にまで目を届かせることができないので、ものになりません。恋愛もたくさんしてください。あらゆる経験が法律家の糧になります。
(2003/12/20実施 明日の法律家講座第102回「裁判所の内外」より)

【園部 逸夫 先生プロフィール】
京都大学法学部卒業。
1959年コロンビア大学法科大学院へ留学。その後京都大学法学部助教授、東京地方裁判所などの経験を重ね、1989年最高裁判所判事に任命される。1999年定年退官し、同年弁護士登録。現在は弁護士、立命館大学客員教授、外務省参与などを務める。
2004年12月皇室典範に関する有識者会議座長代理となる。また、最高裁判所の裁判官として所属していた第三小法廷は、原告の上告を棄却した1995年2月の判決における判決理由の中で、外国人の地方参政権についての憲法判断を示した。

高須幸雄 先生(外務省参与、人間の安全保障担当大使、前国際連合日本政府常駐代表)

試験の合格が皆さんの人生の到達点ではありません。試験を受けて、受かって、どうしたいのか。合格の先に山があり、その先にもまた山があります。試験に合格するのも大切ですが、それはプロセスです。(合格の)次の山というのが、皆さんの超えるべき本当の山だと思います。
何を達成したいのか、自分の人生を賭けて何をしたいのか、考えて欲しいと思います。皆さん目標をお持ちでしょうけれど、自信と誇りを持って、また使命感と情熱を持って、取り組んで欲しいと思います。誰にも負けない専門知識を持って、できるだけ高い山を目指してほしいと思います。
山はすぐには越えられませんが、少しずつ少しずつ、着実に丘を超え、山を超えられれば、頂に登れると思います。悔いのない人生を送ってほしいと思います。
(2010/11/20実施 第172回「理想は高く、足元は着実に!」より)

【高須幸雄 先生プロフィール】
1969年 外務省入省。同年、オックスフォード大学マートンカレッジ卒業。
2007年 特命全権大使、国際連合日本政府常駐代表となる。
2010年 外務省参与、人間の安全保障担当大使となり、現在に至る。

土井 香苗 先生(弁護士、ヒューマン・ライツ・ウォッチディレクター)

私はあまり成績が良くなかったので、勉強を始めて間もないときは、皆に無理だろうと言われていました。もう辞めたいと思うときもありましたが、最後まで諦めませんでした。電車の中や試験の一分前でも教材を読み続けていました。そういった執念がよかったのだと思います。
駄目かも、と思って勉強していても受からないので「やればできる」という気持ちでいることが大切です。そして、あまりいろいろ手を回さずに、信頼できる教材、先生をひとつ見つけるのがいいと思います。私の場合はそれが伊藤塾長でした。
(2009/11/29実施 明日の法律家講座第147回 「国際組織で働く弁護士になる」より)

【土井 香苗 先生プロフィール】
1996年東京大学在学中に司法試験に合格。1998年 単身エリトリアに渡り、同国で法律改正委員会調査員として刑法に関するリサーチ作業に従事する。
帰国後司法修習を経て、2000年に弁護士登録。2005年ニューヨーク大学ロースクールで1年間の留学生活を送り、国際法の修士号を取得。その後さらに1年、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ でフェローとなる。現在、ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京ディレクター。

但木 敬一 先生(弁護士、元検事総長)より

法律家にとって一番大切なのは何か。それは法律ではありません。真実です。検事になっても、裁判官になっても、弁護士になっても、一番大切なのは法律解釈ではなく、自分が追求すべき真実です。真実が何かということさえわかれば、皆さんは95%のことが解決できます。
(2010/2/13実施 明日の法律家講座第161回「深まる社会と万民参加の時代~前検事総長が熱く語る」より)

【但木 敬一 先生プロフィール】
東京大学法学部卒業
1966年 司法試験合格、1969年に東京地方検察庁検事に任官。以降、法務大臣官房秘書・法務事務次官・東京高等検察長検事長などの経歴を重ね、2006年6月検事総長に就任。2008年6月に定年により退官し、弁護士登録。2008年10月「森・濱田松本法律事務所」客員弁護士就任し、今に至る。
検事時代は、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律の成立に尽力。

福田 博 先生(弁護士、元最高裁判所判事)より

私がモットーにしているのは、「視野は広く、発想は柔軟に」ということです。外交官のときも、裁判官のときも、今の弁護士のときも同じです。物事にはいろいろな事象があるので、同じ事件でもどういう切り口で見るのか、頭を柔らかくしておかないと問題に有効に対処することはできません。皆さんが法律家になるときも、ぜひ視野は広く、発想は柔軟にということを意識してほしいと思います。
(2010/5/22実施 明日の法律家講座第164回「日本の民主主義の将来」より)

【福田 博 先生プロフィール】
学歴:東京大学法学部卒業(1959年3月第2類、1960年3月第1類)、米国エール大学ロースクール修士課程卒業(1962年6月)
職歴:1960年4月外務省入省、条約局、経済局、アメリカ局などに勤務。アメリカ局北米第二課長、第一課長、大臣官房人事課長、アジア局審議官、条約局長などを歴任。外国勤務は米国2回、タイ、フランスに勤務(いずれも大使館)。その間内閣総理大臣秘書官も務めた。1990年9月-1993年7月まで駐マレーシア大使、1993年8月-1995年8月まで外務省外務審議官を務めた後、1995年9月最高裁判所判事に任命される。2005年8月最高裁判事を定年退官し、弁護士登録(第一東京弁護士会)。2006年3月 現在の「西村あさひ法律事務所」オブ・カウンセルに就任し、現在に至る。

『明日の法律家講座』とは

伊藤塾では、法律家の役割と仕事を受験生の皆さんとともに学び考える講演会「明日の法律家講座」を毎月無料で開催しています。各界の第一線で活躍する方を定期的に伊藤塾へお招きし、ご自身の経験や考えをお話いただいています。法律家の仕事の役割を具体的に学ぶことで、自らの法律家としての将来像をイメージすることができます。

ライブでの参加は塾生以外の方も可能です。ぜひお越しください。
※過去の「明日の法律家講座」は、受講生のみWEB講義ログイン後画面から視聴できます。


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Content 2:全国で活躍する伊藤塾出身実務家の今

伊藤塾出身の実務家は、弁護士・検察官・裁判官をはじめ、議員・起業家など多様なフィールドで活躍しています。そして、「合格後を考える」という伊藤塾の理念が、将来への指針を得るうえで、また現在の実務でも価値判断の基準とするうえで役立ったという声が多くの実務家から寄せられています。
司法試験合格は中間地点であり、本当の目的地は法律家として社会で活躍することです。

依頼者の幸せのために働く何十時間、何百時間「ありがとう」の言葉に、充実感や達成感を覚えます

渉外・ビジネス法務 等
【東京都】 アンダーソン・毛利・友常法律事務所
岩崎 大 弁護士

「反省」に向き合い立ち直る被疑者・被告人の姿に手ごたえ、刑事弁護人冥利に尽きる瞬間です

一般刑事、顧問弁護士業務 等
【東京都】 桜丘法律事務所 
高木 良平 弁護士

法曹資格者の活躍の場は社会の隅々にあります。新しい世界は司法界の内外に広がっています

主に社会福祉分野
【東京都】都内法律会計事務所  
岩﨑 雄大 先生(弁護士)

充足感とやりがいにあふれた弁護士業務 子育てと社会人経験が役立っています

一般民事/家事/刑事
【大阪府】やわらぎ綜合法律事務所 
高山 未奈子 先生(弁護士)

大きな案件が無事クローズした時、チーム全体で喜びを共有できる、なにより嬉しい瞬間です

渉外・ビジネス法務 等
【東京都】 森・濱田松本法律事務所 
岡本 紫苑 弁護士

弁護士という仕事の醍醐味は、常に責任感をもって働くことができ人から感謝を受けることにあります

渉外・ビジネス法務 等
【東京都】 森・濱田松本法律事務所
蓮本 哲 弁護士

伊藤塾長に学んだ憲法の素晴らしさに感動、平和や人権のため、民衆の弁護士を志す

弁護士
(現・国際人権NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ 東京代表)
土井 香苗 先生

テクニカルな知識や試験対策だけでなく伊藤塾で得たたくさんの「大切なもの」

留学、起業
ハーバード・ビジネス・スクール留学
(現・ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長兼COO) 
岩瀬大輔 さん

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伊藤塾で”活躍する”法律家になろう!『司法試験入門講座』

伊藤塾には、法律知識ゼロでも、あなたの決意をサポートするためのカリキュラムと学習環境がそろっています。
また“合格後を考える”という理念をもった伊藤塾だからこそ、できることもあります。
ぜひ、ご自身の持つ無限の可能性を信じ、法律家を目指してください。
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