大学3年の6月まで、テニスに集中し、そこからの本格受講で予備試験受験2回目で合格

顔アイコン

L.Oさん:慶應義塾大学法科大学院(既修)2年
◆出身大学/東京大学法学部卒業

◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験論文過去問マスター、コンプリート論文答練、予備試験論文直前答練+全国公開論文模試、予備試験口述模試など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

 私は、法曹を志すことをなんとなく視野に入れながら大学に進学したものの、進学当初はあまり具体的に将来を思い描いておらず、なんとなく大学生活を送っていました。しかし、大学1年生の終わり頃に電車内でトラブルに巻き込まれ、「こういう時に法律の知識があれば」と思ったことをきっかけに、大学2年生の春に伊藤塾に入塾しました。もっとも、当時はテニスサークルに所属しており、入塾から1年ほどはテニス中心の生活を送っていました。大学3年生の6月ごろ、最後の目標としていたテニスの試合を終えた段階で、法科大学院入試や予備試験に向けて勉強を本格化させていきました。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

学習法についての後悔は多々あるのですが、最も後悔しているのは基礎マスター段階での学習法についてです。上述のような経緯もあり、入塾から1年はあまり講義を聴けておらず、聴いた講義についても復習が疎かになってしまっていました。また、勉強を本格化させてからも、「講義を早く消化しないと」という意識が強く、講義を聴くばかりで復習が疎かになってしまっていました。そもそもちゃんとペースを守って講義を聴くべきですし、間に合わないにしてもしっかり復習の時間をとるべきでした。基礎マスターの復習は、論文マスターを聴き始めた大学3年生の11月頃から本格的に行い始めました。論文ナビゲートテキスト(以下、「論ナビ」とします)に基礎マスターテキストのA、B+ランクの知識を補充し、基本事項や論証などとして使えそうなフレーズ・規範については赤シート等で隠せるようにして頭に入れるように努めていました。こうすることで、基礎マスターテキストにも自然と目を通すことになり、基礎マスターテキストの通読にもつながりました。この論ナビを使った勉強法は、基礎知識を頭に入れやすく、自分に合っていたと感じています。また、論文マスターの聴講と並行してこれを行っていたため、アウトプットも自然と行うことができました。

〈論文学習について〉

前述のとおり、私は論文マスターの聴講と並行して、基礎マスターの知識を頭に入れておりました。また、論文マスターの講義に合わせて基礎マスターの該当部分を学習し、学習を終えた段階で、次の講義で扱う問題について、やや丁寧に答案構成をしてから講義を聴講するという流れで学習していました。そして、講義を聴き終えた後は、重要な問題や予習段階でわからなかった問題を中心に、答案の流れや思ったことなどをルーズリーフにまとめていました。また、解答例の論証部分についても赤シート等で隠せるようにして、論文マスター問題研究テキスト(以下、「問研」とします)でも重要知識の確認ができるようにしていました。この時期に多くの知識を修得できたとは思うのですが、基礎マスター段階であまり知識を修得できていなかったために一回の予習に時間がかかりすぎてしまい、効率はあまりよくなかったように思います。なお、論文マスターの講義を聴き終えた後も、問研記載の問題について答案構成をし、それを何周かして知識の定着を図っていました。

〈短答式試験対策について〉

私は予備試験を2度受験しているのですが、1度めの短答試験の段階ではまだ論文マスターを聴き終えておらず、「とりあえず短答合格を目指そう」と思い、『伊藤真の速習短答過去問(ソクタン)シリーズ』を5周以上して短答対策を行っていました。その結果、合格最低点より1点高い点数で短答試験に合格することができました。2度目の短答試験の際には、ソクタンに加え、正答率が高いものから順に短答試験過去問を解いていき、徐々に正答率が低い問題に手を出していくという形で対策していきました。科目にもよりますが、各科目正答率50%以上の問題を35周ほど解いていったと記憶しています。また、定着しにくいと思った点については特に目立つようにマークをし、直前に何度も見返せるようにしていました。

〈論文式試験対策について〉

論文試験の対策は、論ナビ、問研を何度も学習することを軸とし、それに加えて、予備試験の過去問、コンプリート論文答練、直前答練の問題を解いていくという形で行っていました。問研については、重要性、出来の観点から問題を分類し、自分なりに優先順位をつけて復習していました。具体的には優先順位の高い問題については、やや丁寧に答案構成をした後に解答を確認し、優先順位の低い問題については、頭の中で少し考えた後に解答を読んで確認するという形で復習していました。また、特に直前期には、重要判例の事案とあてはめを意識的に読むようにしていました。こうすることで、論点を抽出する力がついていったと感じています。

〈口述試験対策について〉

 民事系科目については、民事実務基礎の基礎マスターテキストの「請求の趣旨」、「訴訟物」、「要件事実」等についての記載を赤シートで隠せるようにして何周も回しながら、執行・保全や手続については基礎マスターテキストの該当箇所を読み返すことで対策していました。刑事系科目については、犯罪の構成要件をまとめたプリントを作ったうえで、特に各論部分の論ナビを復習するとともに、訴訟法分野については山本講師の『刑事実務基礎の定石』と刑事訴訟法の論ナビを何周か読み返すことで対策していました。

学生生活との両立について

前述の通り、私は入塾から1年間はテニス中心の生活を送っており、法律の学習とテニスを両立させていたとは到底言えないと思います。しかし、法律の学習は範囲がとても広く、他のこととの両立が難しい場合も多いのではないかと思います。法律の学習と並行して何をなさっているのかにもよると思いますが、それをやりきってから法律の学習を本格化させるという選択肢もありなのではないかと考えています。両立を目指してどっちつかずになってしまうよりも、どちらか一本に絞ってそれに集中する方が、達成感、効率の両面から良いのではないかと考えています。また、試験等が一段落した際の息抜きがあると、心が休まって良いと思います。私は試験期にはテニスを封印し、試験が落ち着いている時期には週1回くらいでテニスをするようにしていました。
 

おわりに

 この体験記をお読みになっている方の中には、「頑張っているのに上手くいかない」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。私も、そのようなネガティブな気分になった時によく合格体験記を手に取っていました。たしかに、資格試験においては結果が大事です。しかし私は、ネガティブな気分になれるほどこの勉強に打ち込んでいること自体が凄いことなのではないかと考えています。そして、たとえ途中経過が良くなくとも、しっかり勉強に打ち込んでいればチャンスはやってくると思います。私自身も、法科大学院入試で失敗を経験したり、試験直前期を含め答練で何度も悪い点を取ったりと、良い経過を辿って来たとは到底言えないと思います。大変な道のりですが、目標に向けてともに頑張っていきましょう!