落ち込んだ時は、電話でコンサルタントに励ましてもらい、冷静な意見をいただきました

Y.Tさん(22歳)
 

東京大学法学部4年在学中
【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)
・中央大学法科大学院(既修)
・早稲田大学法科大学院(既修)
【受講講座】
入門講座基礎生7科目
※プロフィールは、2010年合格時点のものです。


はじめに

高校生のころから、漠然と法曹を目指し始めました。何かきっかけがあったというよりは、比較的勉強が嫌いではないうえ、性格上も法曹に合っているのではないかと考え始め、法曹としてなんらかの社会貢献ができれば、やりがいもあり、いい仕事人生が送れるのではないかと思ったため目指すことにしました。大学入学後はさまざまな分野の法曹の先輩方にお話をうかがえるチャンスを逃さないように過ごしてきたため、法曹のイメージもだんだん具体化してきました。
 伊藤塾に入塾したきっかけは、大学2年生の2月の試験の手ごたえが悪かったことです。また、親しい友人が2年生のはじめから受験指導校の講座の受講をスタートさせていたこともあり、焦りを感じていました。
 受験指導校を利用すると、周りと大きく違うことをしてしまっているのではないかという不安感を軽減することができると思います。また、カリキュラムが明示されるので、通塾せずインターネット受講していた私でも、計画的に勉強することが可能でした。つまりペースメーカーになるということです。

私がとった勉強方法 

法律科目試験対策について

(1) 基礎的な法知識・法理論の修得について
 基礎的な法知識は、一度で覚え切れるなどとは考えず、何度も繰り返して教材を読むことに尽きると思います。わからない部分は詳しい教材にあたってみると理解が深まりますし、絶対に無駄にはならないように思います。
 基礎マスターに関しては、とにかく学習範囲の全体像をつかむために利用しました。また、大学の授業と違う立場の解説がなされる場合も多々あり、大学の授業で既修の部分については、理解を深めるために利用できたように思います。私は始めたのが遅いという意識が強く、倍速で講義を聴いてしまいましたが、今思うと、急がば回れであり、暗記の時間もとりながらじっくり聴いたほうが、かえって早く身についたのではないかと思っています。
 入門段階から論文対策を意識した学習をすることは、論点も覚えなければならないということを常に念頭におくことができる点で効率的だと思います。高校までの勉強と異なり、論点を探して書くところも実力のうちに入る、つまり、論点も覚えなければならないということを、私は大学の授業を聴いているだけでは気づくことができませんでした。 (2) 実践段階の学習について
 基礎マスターの受講のみでも、「論文トレーニングテキスト」などをいただけたので、論文を書く際の参考にしました。論文を書く練習をし始めたころは、右も左もわからないので、とにかく丸写しして感覚をつかみました。自分で書けるようになってきてからは、上記の教材を利用して、簡潔な表現の仕方や、重要論点での論証の流れを覚え、試験での時間短縮を狙いました。

パーソナル・ステートメント対策について

 講座は受講しませんでした。無料公開講座を見て、パーソナル・ステートメントの書き方を学び、不安を和らげることができました。  

学部成績について

 大学の授業は伊藤塾の講義と重点を置く部分が異なる場合があるので、学部試験の際にはきちんと授業の復習をすべきだと思います。

志望校の選択について

 志望校は、自身の学費の予算、大学院における学習環境、自分のモチベーションを保てそうな環境かどうか(家からの距離や校風を含む)などを総合検討して各自で決めるしかないと思います。私自身は、新司法試験の合格率は自分のモチベーション維持に直結する重要な考慮要素だと思っています。

直前期と試験当日

 直前期は、大学の仲間と過去問の検討会を週1回行っていました。試験当日は、友人と集まって話すことで緊張感を和らげました。私は東京大学に内部進学することが第一希望でしたが、学部成績が普通程度なので、東大1本でいくには不安が大きく、私立も受けました。私立の方が、受験時期が早いので、よい予行練習になりました。また、そこでいただいた合格は、東大を受ける際に大きな支えになりました。  

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

 大学1年から続けていたサークル活動は、3年の冬でやめました。時期としてはちょうどよかったと思っています。アルバイトは、3年になると同時に、学内でできる軽いものを週1日位で行うのみに減らしました。4年になったらそれすらも終わりにし、勉強中心の生活にシフトしました。ただ、同じ法学部生の友人と遊びに行く機会がある程度あり、よい息抜きになりました。
 私はインターネットのみで受講したので、通学した場合との比較はできませんが、やはりいつでも受講できるということ、途中で中断・再開できるということは利点だと思います。法学既修者試験の結果が振るわず落ち込んだ時、電話でロースクールコンサルタントの方に励ましてもらいました。私は自分に関する現状を悲観的に分析してしまう傾向にあるので、冷静なご意見がいただけてありがたかったです。

入学前準備として

現在は今までできなかった簿記の勉強をしているところです。ただ、2月に学部試験があるので、今後はその準備に追われると思います。学部試験では商法の試験も受けますが、ロースクール入試対策としてはあまり扱わなかった分野(会社法の組織再編など・商法総則・手形小切手法など)の勉強をしっかりしておくいい機会だと思っています。

合格後に必要なこと

 私は現在、一般民事に興味があるので、それらを扱う弁護士か裁判官を志望しています。ただ、幸い法科大学院に合格し、今までの制度より2年間多く学生でいられるので、どのような法曹になるかは今後2年間をも通じてじっくり考えようと思います。合格後の不安要素については気にはなりますが、政策的な話に首をつっこんで積極的に活動する余裕は現在の自分にはありません。「私ならいい仕事が見つけられる」と信じて、その時その時の学習をがんばるのみだと思っています。  

最後に

 伊藤塾での学習においては、「法科大学院入試合格のためにはこれだけの量を暗記すれば大丈夫」というように、学習範囲を把握する(少なくとも、把握した気になる)ことができたことが私にとっては最も役立った点だと思っています。これは、膨大な判例・学説がある中で、「これくらいなら私でも覚え切れるはず」と感じてモチベーションをアップするのに大切なことであるとともに、大学の授業に合わせて基本書を読む際にも「自分はプラスアルファの勉強をしているのだ」と感じることができ、やる気アップにつながりました。(結局は、それによって基本書をきちんと読んだことが直接的には大きな力になったと思います。)
 法科大学院の授業は新司法試験とは別物だという話もよく耳にしますが、実は直結するような授業もあるらしいので、情報戦に負けないようにアンテナを伸ばし、授業も新司法試験もきちんと乗り切りたいと思います。
 学部生の方は、もし内部進学が可能な環境にあるのならば、大学で良い成績をとって安心して内部進学を狙うのが得策だと思います。そうでなくとも、法科大学院入試は、時間をかけて勉強すればきっと報われると思うので、次の受験生にもがんばっていただきたいです。
(2011年1月・記)