メリハリある講義とテキストで、効率的な復習が可能。基礎マスターは、法律をゼロから学ぶために最高の講義です

N.Tさん(22歳)
 

東京大学法学部4年在学中
【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)
・早稲田大学法科大学院(既修・稲門法曹会奨学生)
・慶應義塾大学法科大学院(既修)
【受講講座】
入門講座本科生+リーガルトレーニング、法学既修者試験模試、コンプリート論文答練、東大ロースクール突破小教室、慶應ロースクール突破小教室 など
  
※プロフィールは、2010年合格時点のものです。


はじめに

 大学に入った当初は特に法律家を志していたわけではありませんでした。周りの友人がほとんど法曹志望だったこともあり、せっかくだから自分も挑戦してみようか、といった軽い気持ちで受験を決めました。
 当時は吹奏楽のサークル活動に熱中していたので、それと両立できるよう、在宅受講が可能な受験指導校を探していました。何校か足を運んでみましたが、伊藤塾では、詳しい受験知識を持った方が親身になって受講相談をしてくださったので、この塾なら安心と思うことができました。また、有名な伊藤塾長の最新の講義をすぐにインターネットで受講できることも大きな決め手となり、大学2年の春から入塾しました。

私がとった勉強方法 

適性試験対策について

 大学3年の時に1年分だけ過去問を解いたことがありましたが、本格的に対策に取り組んだのは4年の4月からです。4月~5月中旬は、伊藤塾の適性試験模試を毎週解いていました。法律科目がかなり遅れていた自分にとっては、この時期にあまり多くの時間を適性試験対策に割くことができなかったので、週に1度の模試が非常によいペースメーカーになったと思います。弱点分析にも役立ちました。
 5月末~6月は、過去問を解いたほか、適性試験模試も全て解き直しました。日弁連は特に時間との戦いになるので、時間を計って何度でも解き直すことが大事だと思います。模試の問題は本番より難しいので、かなり力がつきました。
 幸運にも、本番は高い得点を得ることができ、出願にあたっても自信をもって提出することができました。既修者コース志望の方も、比重が低いからといって手を抜くことなく、十分に対策をすることをおすすめします。

法律科目試験対策について

(I) 基礎的な知識・理論の修得について
 基礎マスターは、法律をゼロから学ぶには最高の講義だと思います。特に、(ア)憲法・民法・刑法は伊藤塾長の講義を一貫して受けることができた点(大学では、例えば物権と債権総論と債権各論で教官も教科書も異なり、その都度慣れるのが大変でした)と、(イ)重要度のメリハリをつけた講義とテキストのおかげで、効率的な復習ができた点がよかったです。 
 私は受講をかなりさぼってしまっていたので、本来の受講スケジュールからは何ヶ月も遅れてしまいました。そこで、大学の授業の進度に合わせて、適宜順番を変えて受講しました。こうした自由がきくのもインターネット講義の充実した伊藤塾ならではだと思います。

(II) 実践段階の学習について
 2年生の時にかなりさぼってしまったせいで、基礎マスターを全て受講し終わったのが3年の冬頃となってしまい、アウトプットの練習をはじめたのは4年生になってから、という絶望的な状況でした。
 4月~7月に憲法・民法・刑法の論文マスターを一気に受講しました。本当に時間がなかったので、予習は問題を見て論点を考えたり、基礎マスターのテキストを読んだりする程度でした。復習としては、答案例を参考に、汎用性の高い形の論証にアレンジしてルーズリーフに書きためていきました。この作業は結構頭を使うので、記憶も定着しやすくよかったと思います。8月は、頻出分野を中心に「問題研究」の問題の答案構成をしたり、私立入試の時間制限に合わせて実際に書いてみたりの繰り返しでした。
 民事訴訟法、刑事訴訟法は、夏までに論文マスターを受講することは諦め、「論証パターン集」をひたすら繰り返しました。
 私立入試が終わった後は、東大ロースクール突破小教室を受講していきました。法科大学院入試の過去問演習は、市販の解答がないため独学が非常に難しいのですが、この講座は法科大学院制度開始以降の全ての過去問を解説してくださり、とても役に立ちました。また、東京大学の出題形式に合わせた、短い時間で答案を書き切るためのコツも修得できました。 
 行政法は、9月から本格的に勉強を開始したため、何から始めてよいかわからず、論証パターン実践活用講義を受講しました。短くメリハリのついた講座の中で、「論証パターン集」をより実践的なインプット&アウトプットの素材に加工することができ、これさえ覚えれば大丈夫ではないかという希望が持てました。

パーソナル・ステートメント、面接対策について

 3年生の夏に、東京校で行われた進学相談会に参加した際、伊藤塾長が講演でステートメントの重要性を強調されていたのが印象に残りました。そこで、自分の将来像を考え、大学でもそれに関連するゼミを受講するなど、少しずつ対策を始めました。
 ステートメントに関して、伊藤塾生は非常に恵まれた環境にあると思います。「明日の法律家講座」では、あらゆる分野の第一線で活躍される専門家の方の貴重な講演を、自宅にいながらにして聴くことができます。私は、勉強の息抜きに興味のある分野からどんどん聴いていきました。どの講演もステートメントに役立つだけでなく、勉強のモチベーションを高めてくれる素晴らしいものでした。 
 また、パーソナル・ステートメント対策講座で、骨組みの作り方や具体的な肉付けの仕方を学んだうえで、実際に自分が書いたものを添削していただき、それを元に推敲を重ねたことで、納得のいくものを作成できたと思います。

学部成績について

 東京大学法科大学院は学部成績を重視するという話をよく聞いていたので、できる限り良くするよう努力しました。ただ、あくまで入試全体の一要素に過ぎないので、あまり神経質になりすぎるのもよくないと思います。その時できるだけの努力をすれば十分だと思います。
 大学の授業と併行して基礎マスターを聴く形をとっていたのですが、これは授業を理解するうえでとてもよかったと思います。いわゆるシケプリなどなくても、基礎マスターのテキストで十二分に対応できました。私はできませんでしたが、余力のある人は論文マスター(=プロブレムメソッド論文マスター)も合わせて受講しておくと、学部試験で困ることはほとんどなくなると思います。
 しかし教授の好みや支持学説を完全に無視するのはやや危険なので、試験直前期は、既存の「論証パターン集」をアレンジして、教授の説をベースにした論証を作ってみるなどの作業をするといいと思います。ただあくまで基本的には基礎マスターの知識を身につけておけば十分だと思います。

志望校の選択について

 2年間通うことになる場所なので、合格実績だけでなく雰囲気も重視していました。いわゆる難関校の学校説明会に足を運び、温かい雰囲気のある早稲田大学と慶應義塾大学を私立の受験校として選び、通いなれた東京大学を国立の受験校にしました。
 また、東京校で行われた進学相談会で、色々な法科大学院の先輩と個別にお話しすることができたことも非常に有益でした。本来は4年生向けのイベントかもしれませんが、2~3年生のうちに参加しておくと、志望校選びにとても役立つと思います。

直前期と試験当日

 直前期は、(1)これと決めた暗記素材(「論証パターン集」や自作論証など)を繰り返すことと、(2)志望校の制限時間に合わせて答案を書き上げる練習をすること、この二つだけを徹底して行いました。特に東京大学は法律科目試験の形式が独特なので、時間配分に慣れておくことは必須だと思います。
 また、私はとても緊張しやすく、また緊張すると吐き気やめまいがする体質だったのですが、それも自分の性格とあきらめて試験に臨みました。案の定本番でも具合が悪くなりましたが、それでも受かることはできたので、緊張しやすい人もあまり深刻に考えなくてよいと思います。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

 2年生の時は、サークルや遊びが生活の中心になってしまい、あまりしっかり勉強できなかったと反省しています。3年生以降は、授業の空きコマにパソコン室で受講するなど、インターネット講義の特色を活かして、効率よく学習ができたと思います。ゼミ発表や学部試験の時など、講義を受講する時間がない場合には、ひとまず目の前の課題に集中し、遅れた分の講義は長期休暇で挽回していきました。
 受験期にはインターネットによる質問制度も活用しました。すぐに回答をいただけるので、在宅受講でも全く不自由ありませんでした。
 また、ロースクールコンサルタントの方との面談も2回していただきました。自分に合った受験戦略を具体的にアドバイスしていただけますし、各法科大学院の実情や、その後の就職についてなど、豊富な情報を提供していただけるので、本当におすすめです。

入学前準備として

 合格はしたものの、まだまだ知識があいまいな部分が多いので、基礎マスターのテキストでのインプットを改めて行っていきたいと思います。
 また、法科大学院での学者の先生の方々の講義についていけるように、いわゆる基本書を使った勉強も取り入れていきたいです。

合格後に必要なこと

 私は、消費者問題と過労死問題を中心に、一般市民が直面する問題を法的に解決し、市民の権利を保護していくことで、市民の暮らしやすい社会を実現していく弁護士を目指しています。過労死問題については、「明日の法律家講座」で、労働問題に取り組まれている弁護士の方のお話を伺えたことが、自分の将来像に大きく影響したと思います。
 弁護士の就職難や経済的な問題など、不安要素が多々ある中で、法律家の道を諦めずに進んでいくためには、明確な将来のビジョンを持っておくことが大事だと考えています。伊藤塾では、「合格後を考える」という理念のもと、将来像について考えるためのきっかけをたくさん提供していただけたので、困ることはありませんでした。
 

最後に

 私が合格できたのは、適性試験、英語、学部成績で高得点を得られた点が大きいと思います。実際、それでかなり気分が楽になりました。既修者コースの場合は当然法律科目が一番大事ですが、それ以外の要素も手を抜かないことをおすすめします。法律科目は、正直なところ付け焼き刃になってしまいましたが、Aランクの知識に絞って取り組んだことがよかったかと思います。
 伊藤塾は、ただ受験知識を詰め込ませるのではなく、法律家の基礎として必要な思考方法、論理力を身につけさせてくれる、たいへん魅力的な受験指導校でした。伊藤塾で勉強できてよかったと思います。
 これから法科大学院を目指される方は、早めに対策を始めておくに越したことはないですが、もし出遅れてしまっても、基礎を大事にする姿勢を貫くことで挽回は可能だと思います。頑張ってください。
(2010年10月・記)