予備試験の勉強で培われた基礎・原則の徹底によって守りの答案が書けるようになった

合格者イラスト
A.O さん  慶應義塾大学法学部4年
 
◆受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験答練パック、法科大学院別過去問分析講義など

◆合格校
東京大学法科大学院(既修)
慶應義塾大学法科大学院(既修)全額免除

はじめに

司法試験を目指した理由は、小学校5年次に日本の三大難関資格の1つとして司法試験があることを知り、文系最高峰の試験で自分の腕試しをしたいという思いを抱いたことです。また、幼少期からお世話になっている外国人一家に弁護士がいて、その生き様に憧れたというのも理由の1つです。そして、司法試験に向けてどのように勉強をすればよいか中学生の時に調べていた頃、書店で伊藤真塾長の司法試験に関する書籍に出会いました。これを読むと、伊藤真という人が渋谷で伊藤塾をやっていると知り、いつか入塾したいと思うようになりました。学校の先生にも相談した結果、高校の間は高校生しかできないことをやった方がいいとのことだったので、高校生活は精一杯楽しみ、大学生になる直前の3月に入塾しました。志望校を選んだ理由は、①中学からお世話になっている学校であったため、大学院まで通う機会がほしいこと、②校舎が綺麗であること、③修了後も三田会組織があるため、法曹のネットワークを存分に活用できること、④予備試験合格発表前に受験できることです。

私の勉強方法

【基礎学習について】
伊藤塾の入門講座を受講したため、法律についての知識は大学を除いて1から10まで全て伊藤塾で学びました。体系マスターや基礎マスターでは、法律基本7科目を基礎中の基礎から教えていただきました。憲法・民法・刑法を担当してくださった伊藤塾長の講義では、勉強の中身だけでなく、勉強を続ける意義や現代社会とのつながりなどを教えてくださり、初学者にとって勉強を続ける大きなモチベーションとなりました。また、2年後にテキストを見返すと、気になった情報が、講師が口頭でおっしゃっていたメモという形で残っていて感動しました。商訴を担当してくださった本田講師の講義では、とにかく基礎マスターの読み込みの重要性を叩き込まれました。基礎マスターの知識が特に重要となる商訴において、読みやすいテキストの加工法を伝授してくださった講師の講義は貴重でした。行政法は他の科目に比べて論証も少なく苦手とする受験生も多いですが、伊関講師の講義では、知識の修得とともに論文での表現方法を一挙に学ぶことができました。その結果、今でも行政法は論文で自信を持って書くことのできる科目の1つです。論文の書き方を常に意識して教えてくださる伊関講師、そして1位合格を果たされている本田講師による論文マスターと、加えて実務基礎科目を実務家の赤羽根講師が担当してくださる予備試験ゼミは最強でした。講義に向けてひたすら指定範囲を予習して講義に臨み、そして選ばれた良問を繰り返し解くことで、論文試験に、優に合格する力は身につきました。私はライブクラスに2年間通い続けましたが、その場ですぐに疑問点を周りの受講生や講師に聞いて解消したことで、法律的な思考力・表現力が身についたと実感しております。
 
【法科大学院対策について】
私は司法試験に合格するという大きな目標達成のため、法科大学院入試と予備試験受験を併願して、大学1年次から学習を開始しました。そして、伊藤塾の講師から両者に共通して必要な知識を基礎マスター・論文マスターで修得して、予備試験対策を進めておくことで、法科大学院合格に必要な知識や論述力を十二分に獲得できるというアドバイスをいただきました。そのため、法科大学院を受験する年の7月中旬までは専ら予備試験対策を進めていました。この作戦は結果的に功を奏しました。具体的には、まずは基礎マスターで必死に講義に食らいつき、わからないことは質問をして、そして繰り返し読んだことで、一見読み解きにくい入試の問題でも基礎に立ち返って誰でも書ける最低限の守りの答案を書くことができました。次に、論文マスターの講義に向けて毎回6問の答案構成をして、指定された2通ほどの答案を書くことで、初見の問題について手を動かす、わからないなりに書き始めることが習慣づけられました。厳選された良問を繰り返しとくことで、やがて事実認定に意識を向けられるようになるなど、上位答案を書くコツも会得しました。そして、予備試験の受験そのものも法科大学院入試に役立ちました。
〈慶應義塾大学法科大学院〉
慶應義塾大学法科大学院の入試では、特に刑法において実質的に短答試験ともいえる問題が出題されました。また、民法でも難問が出題されることが多く、短答の学習を通じて出会った判例を想起することも安心材料になりました。入学者向け説明会でも講師の方々は司法試験科目に限らず短答を勉強することの重要性を説いていらしたので、短答の勉強は有益だと思います。論文の受験も、まさに法科大学院入試と司法試験の中間地点に位置づけられるため、非常に勉強になりました。本格的に慶應義塾大学法科大学院に特化した対策を開始したのは7月下旬でしたが、伊藤塾の過去問分析講義が大いに役立ちました。慶應義塾大学は各科目の制限時間が独特であったため、問題はとにかく手を動かして時間内に一定のことを書き終えることを重視して解きました。そのうえで解説講義を聴いて、合格答案2通と全額免除答案を分析することで、受験生のレベルと最低限の合格レベルを把握したうえで、何を書けばさらなる高評価につながるか、逆にどこを長く書きすぎてしまうと時間が足りなくなるかを分析することができました。最終的に私は50分科目については20分、40分科目は10~15分以内で答案構成をできるようにしました。また、受験する友達と自主ゼミを組み、答案を互いに添削しあったり、特に憲法などで最近出ていない分野をリストアップしたりしました。加えて、慶應義塾大学が大好きな財産犯については基礎マスターテキストや判例六法の判例部分をじっくり読み込み、事案分析で誤った方向に行かないようにしました。他の科目については問題研究を1周ずつ解き、あとは論文ナビゲートテキストで論証を確認したり、民訴の定義を復習したりする程度でした。不安な科目についてはWebサイトに掲載されている過去問を見て、瞬時に論点を拾う練習をしました。試験会場では答案冊子を見直したことで、答案を書くイメージを直前までシミュレーションでき、本当に助かりました。 

おわりに

伊藤塾では、法科大学院入試合格に必要な知識だけでなく、表現方法も全て教わりました。試験を経て感じたのは、応用や例外部分がわからなくても、原則部分を丁寧に書き、愚直に事実認定(徹底した事実の評価)をすればその頑張りを採点者の方々は評価してくださるということです。応用部分についてももちろんですが、原則を徹底的に叩き込んでくださった伊藤塾には感謝しかないです。今年は予備試験にも合格することができたので、司法試験まで約半年。試験勉強ができる残り時間も減っていますが、夢見た司法試験合格を勝ち取るべく、全力を注ぎます。