現実味のある答案を目指し、過去問やペースメーカー論文答練を分析しました

\ 法科大学院ルートで司法試験合格 /

T.M さん

合格者
慶應義塾大学法科大学院(既修)修了
◆ 出 身 大 学 / 立命館大学法学部
◆ 受 講 講 座 / 司法試験演習秋生など
※プロフィールは、2019年合格時点のものです。

はじめに

振り返ってみると、司法試験の受験を目指したきっかけは、法学部に進学したことと、強い好奇心や探究心があったことの2点であり、他の志望者と比べると非常に単純なものであったと思います。これが確たるものとなったのは、大学2年次に5日間、大学の授業で法律事務所に伺った際に、訪問先の弁護士の職務を拝見し、お手伝いする機会があったことです。様々な属性を持つ依頼人のために、それぞれの立場を理解したうえで、弁護士として尽力する姿を間近に見たことで、自分もこのような職務に携わりたいと決意しました。

私の勉強法

私は過去問とペースメーカー論文答練で実践経験を積みました。心がけていたのは、問題を必ず制限時間内に書くこと(形式上の途中答案にはしないこと)です。司法試験は、制限時間内にどれだけのパフォーマンスをするかという試験のため、時間厳守は非常に重要であると考えています。時間制限を課して演習すると、自分の出力(筆記速度、頁数あたりの文字数)の限界はどこか、どの段階またはどの箇所に時間をかけてしまっているか、答案構成や悩む時間を短縮することができないかなどの課題が見えてきます。これらの課題につき事前対策が可能なのは、論証の理解や答案の書き方(問題を読み、答案構成する時間も含めたもの)です。これを固めたうえで、さらに、現場で柔軟に対応することができる程度の調整もしていました。司法試験の過去問(ペースメーカー論文答練を含む)では、出題趣旨、採点実感およびヒアリングを分析することに重点を置きました。出題趣旨などに加え、上位合格答案や中位合格答案を用いることで、何が必須事項であり、何が高いレベルの事項(書くことができなくていなくても、相対評価のうえでは問題がないか)であるのかを分析するように努めていました。現場で書くことができる現実味のある答案を目指していたからです。

おわりに

司法試験は、受験する者、受験した者の人生を大きく左右してしまう、ある意味では残酷な試験ではあります。もっとも、受験やそれまでの勉強、学生生活、経験から得られるものは合否に関わらずとても大きく、また、他の資格試験からはなかなか得ることのできないものでしょう。だからこそ、受験すべき価値、合格すべき価値があると思います。法曹は、言葉で他者の人生を左右する重大な職責を負った職業であり、覚悟がなければ務まりません。それを理解しているのであれば、挑戦する覚悟、勉強し続ける覚悟を決めて、司法試験の扉を叩いてください。同じ道を選んだ先輩たちが尽力してくれるはずです。私のこの体験記が一助となっていれば幸いです。