答案は臆せず書き、アウトプット重視。独学では出会えなかった仲間とともに勉強できたことは人生の財産

\ 予備試験ルートで司法試験合格 /
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T.Kさん:東京大学法科大学院(既修)2年
◆ 予備試験合格時 /慶應義塾大学法学部4年
◆ 出身大学 /慶應義塾大学法学部卒業

受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、司法試験論文過去問マスター、司法試験演習秋生など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

将来法曹になりたいと思うようになった大きなきっかけは、高校時代に女性弁護士の方から直接お話をうかがったことです。「弁護士は一生学び続ける仕事である」という言葉を聞いて興味が湧き、自分も将来弁護士になって、社会の役に立ちたいと強く思うようになりました。法学部に進学することが決まった高3の2月、伊藤塾長の説明会があるということで初めて伊藤塾に行き、そこで伊藤塾の輝かしい実績を知りました。また、伊藤塾長のおっしゃっていた目指すべき法律家像に深く共感し、伊藤塾長から直接法律を学びたいと考え、伊藤塾を利用することに決めました。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

基礎マスターについては、たとえわからない箇所があってもそこで止まらず最後まで講座を聴き、その後自分で考えたり復習したりすることで全体を理解するようにしていました。大学1年当時はサークル活動が忙しく、ライブ授業の参加が難しいこともありましたが、オンラインでも講義を受講できたのがとてもありがたかったです。後悔している点があるとすれば、講義と同時並行で短答の過去問を解かなかったことです。基礎マスターの受講はインプット中心ですが、過去問を解きながら学習を進めることで知識のアウトプットもでき、より理解を深めることができると思います。
 
論文マスターについては、予習で書くよう指定された問題については答案構成では足りず、実際に答案を書く必要があります。最初から合格答案を書くことは不可能なので、たとえ現時点の自分では答案なんて書けない…と思っても書くべきです。また、最初から論証を全文暗記しようとするのではなく何となく大事な箇所だけ言えるようにして、その後理由づけなどを詰めていくという形の方が広く記憶を定着させやすいと思います。そして、周囲の友人と答案を見せ合い、自分ができなければならなかったところはどこなのか把握するようにしていました。講師に質問をすることも多くあり、その際答案を読んでいただいてアドバイスをいただくこともありました。誰かに自分の書いた答案を見てもらうのは初めは少し恥ずかしいですが、客観的評価を把握することは大切ですし、「読んでもらうからには、次はもっといい答案を書かなくては」と思うことができる大事な機会であると思います。

予備試験を目指した理由

高3のガイダンスで予備試験の存在を知ったのですが、予備試験ルートならお金と時間がかなり節約できることを知り、まずは法科大学院ではなく予備試験を目指してみようと考えるようになりました。また、勉強を始めるのが遅かったせいで弁護士になれなかった、という事態は避けたかったので、後悔をしないためにも早い段階で勉強を始めようと思っていました。予備試験ルートは就活においてとても有利です。仮に大学在学中に予備試験に合格できなかったとしても勉強を続けた事実は残るので、その後の法科大学院受験にもこの経験は活きます。「もっと早くに始めていれば受かったのに…」という後悔を抱かずに済むという点は大きなメリットだと思います。司法試験に向けて行ったことは、司法試験過去問の演習、選択科目の勉強、改正民法の対策、司法試験ゼミの受講です。予備試験よりも司法試験の方が解くスピードが求められるので、2日に1回は答案を書いて手がなまらないようにしていました。

〈コンプリート論文答練を受講して〉

コンプリート論文答練を受講したおかげで、未知の問題に触れることができましたし、添削された答案を見て自分が今後どのように勉強すればよいか、またどんな答案が好ましいのか学ぶことができました。コンプリート論文答練では全科目をさらってくれるので、全科目を満遍なく復習できたのもよかったです。

〈予備試験論文過去問マスター・論文過去問答練を受講して〉

予備試験の過去問は年数も限られているので、合格を目指すなら全部解くべきだと思います。論文過去問マスターでは過去問の詳しい解説を聴くことができ、どこで差がつくのかを学ぶことができます。また、次に出た場合必ずできないといけない問題なのか、それとも一回限りの難問なのか自分では判断がつかないので、その辺りも含めて講義で教えていただけるのが有難かったです。

〈短答答練・全国公開短答模試を受講して〉

短答答練も全国公開短答模試もともに受講していました。答練での短答の出来がよいのなら論文の比重を増やせばいいし、逆に出来が悪いのなら短答をもっと勉強しなければならないとはっきりわかるので、論文と短答の勉強バランスを考える上でよいメルクマールになりました。マークシートの試験に慣れるという観点からも、短答答練を受けることは非常に有益だと思います。短答模試では本番に近い緊張感を経験することができるので、毎年受講していました。

 司法試験に向けた学習について

〈司法試験論文過去問マスターを受講して〉

司法試験はよく似た問題が繰り返し出る傾向にあるので、できる限り多くの過去問を解いておく必要があると思います。その際、出題趣旨や採点実感を読み込むことがとても勉強になるのですが、その反面で一部に無理難題が書いてあることもあります。自分が出題趣旨のうちどこを参考にすべきか判断するのは困難だったので、論文過去問マスターで「どこを学びとるべきか」メリハリをつけて教えていただけたのが大変助かりました。また、予備試験段階よりも他人に答案を見せる機会が減っていたので、自分の答案を客観的に添削していただけたのもありがたかったです。

〈短答式全国実力確認テストや全国統一模試を受講して〉

全国統一模試を受講しました。4日間連続で初見の問題を解いたことがそれまでなかったので、長時間の受験に備える上で大切な機会だったと思います。本番どれくらい疲れるのか、人が大勢いる中で答案を書くとどれくらい緊張するのか、ペース配分はどのようにすればよいのかなど、1回の模試で学べることは数多くあります。また、模試では短答も受けることになるので、直前期に短答と論文をどんな時間配分で復習すべきかのメルクマールにもなります。経験値を増やすために、そして他の受験生との関係で自分がどのくらいに位置しているのか把握するために、模試は受けるべきものであると感じます。

〈その他の講座を受講して〉

司法試験ゼミに参加させていただけたことが非常に勉強になりました。伊関講師に直接答案を見ていただける絶好の機会であり、司法試験で出題されそうな問題や試験対策上重要な論点に触れることのできる素晴らしい機会であると思います。特に自分は労働法を選択しましたが、労働法をじっくり扱っていただけたおかげで短時間でも全体像を理解することができました。また、伊関講師が「この判例が怪しい」とおっしゃっていた判例が今年の司法試験に出題されており、ゼミを受講していたおかげで落ち着いて本番の問題を解くことができました

〈司法試験対策に必要となる勉強について〉

私は予備試験ルートで司法試験を受験したので、司法試験対策の時間がかなり短かったです。特に選択科目は1から勉強しなければならないので大変でした。時間がない中で最も重要なのは、優先順位とメリハリをつけて勉強することであると思います。論点を全部覚えようとするのではなくまずはA、B+のものから覚えるよう努めたり、過去問についても最新年度からどんどん遡って解いたりしていました。今年は司法試験が延期になったためになんとか間に合いましたが、短答の対策がやや疎かになっていたことが反省点です。論文と短答のバランスを考えて勉強することが大切だと思います。

おわりに

伊藤塾のおかげで、同じ高い志を持った友人に数多く出会うことができました。独学だったら親しくなっていなかったであろう優秀で素敵な人たちと肩を並べて勉強できたことは、一生の財産です。伊関講師からいただいた「努力は無駄にならないが、やり方次第」という言葉を、自分の心のお守りのようにしてこれまで勉強を続けてきました。試験勉強は辛いことも多かったですが、周囲の方々に支えられながら精一杯走り抜くことができました。応援してくださった講師の方々、家族、友人に心から感謝しています。弁護士として社会に貢献することで、恩返しをしたいです。司法試験は決して簡単なものではありませんが、努力に見合った素晴らしい資格が得られる試験です。最後まで諦めずに、淡々と頑張ってください!応援しています。

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