勝因は基礎知識を何度も繰り返して定着させたこと。

大学在学中

 K.Kさん

国公立大学法学部4年在学中
【合格校】
東京大学法科大学院(既修)、慶應義塾大学法科大学院(既修)
早稲田大学法科大学院(既修・稲門法曹会奨学生)
中央大学法科大学院(既修・半額免除学生)

【受講講座】司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、口述模試 など
 
※プロフィールは、2011年合格時点のものです。



はじめに

私が法律家という職業を意識するようになったきっかけは、高校生のときに裁判の傍聴に行ったことです。人の人生に重大な影響を与えてしまうという責任の重さに、漠然とした憧れを持ちました。そして大学入学後、勉強の方向性を見失ってしまうのが怖かったので、司法試験の受験指導校を利用することにしました。周囲に通っている人が多かったことから、大学2年の夏に伊藤塾に入塾しました。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

 基礎知識の修得については、基礎マスター講義及び基礎マスターテキストの読み込みを中心にしていました。講義では、具体的なイメージを持ちやすく初学者にもわかりやすい説明をしてくださいました。また「基本を大切に」、「趣旨から考える」という点をかなり強調されていて、初期の段階から論文式試験対策に通じるような姿勢で学習できました。基礎マスターのテキストは重要な内容がわかりやすくまとまっていて、受験対策にとっての重要度もわかります。また重要な知識は重複して何度も出てきたりするので、学習教材としては優秀だと感じました。AランクやB+とされた部分を中心に何度も復習することで、予備試験の受験に必要な知識のほとんどは修得できました(体感ですが95%程度)。ただ学習を始めた当初は覚えなければいけない事項が多く、復習は結構きつかったです。そこで、今回はAランクの知識だけ押さえよう、とか重要そうな定義のカードを作ろうとかいう風に、毎回小さめの目標を作りながら復習していました。
 また大学の授業や授業で使用されていた教科書、判例集を読むことも有益だったと思います。より理論的に高度な話や制度の沿革に立ち入った話を聴くことができますし、同じ内容でも別の角度から説明されることによって理解が深まることもあります。また法科大学院入試を併願される方は学部での学業成績を上げることも重要になってきますから、手を抜く事はできません。ただし予備試験の受験対策として必要な知識は伊藤塾で習う知識でほぼ十分ですから、時間が限られている場合には自分なりの優先順位を考える必要があるかもしれません。

短答式試験対策について

 短答式試験対策は2月頃から、市販されている肢別本を解きはじめましたが、1.5周程したあたりで時間が足りないことに気づき、基礎マスターのテキストを細かい部分も、含めて読み込む勉強に切り替えました。あまり対策の時間が無い方は、新司法試験の過去に出題された問題を解いて雰囲気をつかんだうえで、基礎マスターのテキストを細かい部分も含めて読み込むというような勉強法が良いのではないかと思います。

論文式試験対策について

 基礎マスターの知識に加えて論文マスターを受講し、論文の書き方を学びました。基礎マスターの内容との一貫性があるので、スムーズに知識を答案につなげることができました。また、論文は人に見てもらって初めて気づける弱点というのがかなりありますので、答案練習(以下「答練」)も行いました。受験仲間同士での答練でも得るものは大きいと思いますが、自分より実力がはっきり上の人に見てもらえる機会も欲しかったので、コンプリート論文答練を受講しました。細かいミスも指摘してもらえますし、かなり辛辣なコメントももらえるので勉強になりました。

法律実務基礎科目対策について

  論文式試験に向けてはほとんど勉強の時間を取れず、本格的な勉強は試験前日に少し行ったのみになってしまいました。民事については要件事実の本を半分くらい読んだ程度、刑事については刑事手続の条文の大まかな位置を把握した程度でした。当然成績もかなり悪かったです。口述試験前に法律実務基礎科目の学習をしてみて、法律実務基礎科目の学習をすると訴訟法の理解が深まると感じましたので、もっと力を入れておけば良かったと反省しています。

一般教養科目対策について

 (1)短答式試験対策について
  試験の前日にサンプル問題を解いて、TOEICの対策のために使っていた書籍で英語の復習を少しした程度でした。時間が無い方に取っては少し優先度が落ちる科目だと思います。大学受験からそれほど年数が経っていない方であれば対策をしなくても半分程度は取れるものだと思いますし、そうでない方も法律科目で高得点を出せるようになっておけば短答式試験は十分突破できるのではないかと思います。
 (2)論文式試験対策について
 論文式試験の一般教養科目対策は全く行いませんでした。受験してみて知識よりも論理的に考える能力や日本語の能力が大切な試験という印象を受けました。その意味では、普段の法律の学習の中で頭を使って考えていくことや表現力をつけていくことが、間接的に対策になるのではないでしょうか。

口述試験対策について

 論文式試験の合格発表後に慌てて対策を始めました。伊藤塾の口述模試では話し方の癖や姿勢の悪さなど自分では気づきにくい部分を指摘していただきました。また口述模試で慣れておいたことで、試験官の先生とのやり取りがスムーズにいきました。

法科大学院入試との併願について 

 私は予備試験に合格できるとは思っていなかったので、法科大学院入試をメインに考えていました。予備試験は法科大学院入試にとってモチベーションを高める道具としてだけでなく、ペースメーカーとして役に立ちました。短答式試験のある5月までに基礎知識を確実にし、論文式試験のある7月までに7科目について一定水準の答案を書けるようになるというスケジュールを立てて勉強すれば、8月以降の法科大学院入試も有利に戦うことができると思います。ただし、論文式試験と私立大学の法科大学院の出願、法学既修者試験が重なる7月は本当に忙しくなります。また法科大学院入試、予備試験それぞれに固有の科目、負担(適性試験や法律実務基礎科目など)にどの程度力を注ぐかを、かなり悩む事になりました。この点についてはスケジュール管理をしっかり行うことと、気持ちを強く持つことが重要になると思います。  

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて 

 私は大学生活との両立はあまりうまくいかなかったかなと思います。入塾後半年程で事情があって学習を中断してしまい、受験まで1年程度のときに学習を再開するという無計画な生活を送ってしまいました。そのように学習が遅れていた私にとって、インターネット講義はとても重宝しました。自分の時間に余裕があるとき、気力が充実しているときに学習を進められるので、インターネット講義は非常に良い制度だと思います。

司法試験受験の準備として 

 司法試験受験の準備はまだほとんどしておりません。まず選択科目の学習の遅れを取り返さなければなりませんし、他の7科目についてもレベルアップが必須ですから、気を引き締めて勉強に励みます。

合格後を見据えて 

 私は将来的には刑事事件を扱いたいと考えています。「明日の法律家講座」では実務家や学者などの講演によって実務の現状や先端的な問題に触れる事ができ、合格後のイメージを形成することができてモチベーションの向上に役立ちました。

最後に 

 私の勝因は基礎知識を何度も繰り返して定着させたことだと思います。そのためのツールとして伊藤塾のテキストが役に立ちました。精神面で前向きな気持ちを持つことも、受験勉強では大切です。これから予備試験を目指される方は、見かけの合格率に惑わされず、自分を信じて頑張ってください。