働きながらの予備試験合格!時間がないことを憂うのではなく、できることを確実に、淡々とこなしていくように努めました。

社会人・既卒者

 A.B さん

国公立大学法学部卒業
※プロフィールは、2012年合格時点のものです。



私がとった勉強方法 

短答式試験対策・論文式試験対策について

司法試験の勉強は、「勉強」ではなく、「訓練」と呼んだ方が近いのではないでしょうか。与えられた問題を時間内に解答できるように訓練することが勉強であり、常にアウトプットを意識して訓練すべきです。
 短答式試験対策は、とにかく問題を何度も何度も解けるようになるまで解くことに尽きると思います。大事なのは、何度やったかではなく、解けるようになったか否か。時間をあけてまた間違えるようであれば、その問題は解けるようになったとはいえません。短答を苦手とされる方は多いと思いますし、私もその一人でしたが、時間はかかるものの、執拗に繰り返すことで、自ずと道は開けてくると思います。
 論文式試験対策については、出題された問題に対し論述例のような答案が書けるように訓練することです。論述例のような答案を書くには、問題の所在を正確に抽出し、正確に論証し、正確に条文が引用できなければなりません。それを時間内にできるように、自分の論述と論述例とのズレを埋めていくことが論文の勉強だと思います。

法律実務基礎科目対策について

法律実務基礎科目については、論文式試験対策と同様、コンプリート論文答練を利用して訓練しました。民事については、紛争類型別の要件事実(法曹会)を読み込み、請求の趣旨や要件事実の記憶に努め、刑事については、事実認定のポイントとなる点を覚え、うまく表現できるように練習しました。
 法律実務基礎科目は予備試験から試験科目となったので、法律基本科目と比べ勉強の日が浅いのですが、短期間である程度できるようになったのは幸いでした。

一般教養科目対策について

いうまでもなく、予備試験は司法試験の受験資格を得るための試験であり、予備試験合格後の司法試験の合格を見据えた勉強をしなければなりません。
 一般教養は、司法試験の受験科目になく、司法試験合格には関係ありません。そして、一般教養の得点に頼らず…極論すれば一般教養科目が0点であっても、法律科目だけで予備試験を合格できる力を備えなければ、法律科目についてそれくらいのレベルに達しなければ、司法試験の合格には到底及ばないと考えるからです。一般教養を勉強する時間があれば、それは法律科目への勉強に充てましょう。

口述試験対策について

口述試験はおそらくほとんどの受験生が最初で最後、つまり1回きりの試験だと思います。口述試験がどういうものなのか、雰囲気をつかむためにも、受験指導校の実施する口述模試は必ず受けるべきです。
 口述模試で雰囲気を掴み、知識整理・記憶喚起のため短答問題を解き、条文に素読に努めれば十分だと思います。

学習と仕事との両立について 

仕事を勉強の言い訳とせず、勉強を仕事の言い訳とせず、勉強の気分転換に仕事をし、仕事の気分転換に勉強をするといった意識を持つように心がけました。
 時間がないことを憂うのではなく、今この時間を余すところなく使い切ろうとしました。もちろん、だらだら過ごしたこともありますが…。
 あれもしなきゃ、これもしなきゃと欲張って中途半端なことを増やすのではなく、できない部分は大胆に切り捨て、できること、やれることを確実に、淡々とこなしていくように努めました。