Vol.16 弁護士 瀨川将平先生

不動産ファイナンスへの始まりは高校時代の進路相談。変わらない、"守る"志。

Profile

所属:TMI総合法律事務所
担当分野:ファイナンス法務

反骨心が火を付けた、法律家への道

Q.自己紹介をお願いいたします。

瀨川将平と申します。
主な業務内容は、不動産ファイナンス業務(不動産の取得・開発(レジ、物流施設、ホテル等)に伴う資金調達(銀行からの融資、投資家からの投資)を巡る法務対応(許認可取得、契約書ドラフト・レビュー)、当該不動産の運用中の期中管理支援等)です。

Q.法律家を志した理由は何でしょうか?

高校生の時から(完全に文系脳だった私が就けそうな職業の中で)なんとなく弁護士がかっこいいなと思っていたが、当時の担任の先生との面談で、私の出身校から弁護士になった人がほとんどいないこと等を踏まえて現実的に難しいのではないかといわれ、火が付きました。
その後、大学受験は全て法学部を受験し、最終的には明治大学法学部に入学することにしましたが、そこで入部した法律相談部にて4年間、週に1回、弁護士の監修のもとで一般の方の法律相談に乗る活動をしていました。また、アルバイトとしても中村国際刑事法律事務所にて刑事事件専門の弁護士の活動を間近で見る機会をいただきました。その際に出会った弁護士の先生のお話し等を聞いて、単にかっこいいからというだけではなく、人の相談に乗り、個人や企業の権利を守り、より良い社会づくりに役立つ弁護士として自分も活躍したいと思うようになり、本当の意味で法律家となることを目指しました。

Q.学生時代から今へ、志は変わりましたか?

人の相談に乗り、個人や企業の権利を守り、より良い社会づくりに役立ちたいという志のコアの部分は何も変わっていません。他方で、学生時代には主には個人をクライアントとする弁護士の先生との交流を持つことが多かったところ、現在は企業法務を業務の中心とする事務所に入所し、担当案件としても銀行やファンドをクライアントとするものが多くなっており、このような立場の変化を踏まえて、実際の業務におけるクライアントの利益の最大化を目指すというのが、現在の私の弁護士としての志となっています。

Q.志を持ち続けるうえで、迷いや葛藤があった時期はありましたか?また、どのように乗り越えましたか?(法曹以外の道との比較など)

司法試験の受験勉強中は合格できるのかという不安に日々悩まされ(現在も日々の業務の多忙さから)、法曹以外の道を考えたこともありましたが、どんな仕事であっても楽な仕事はないなかで、最終的に自分が納得して、苦労や努力を嫌にならない道はなにかを考えたときにはやはり法律家の道が良いなと思うので、日々迷いや葛藤を抱えて悩むたびに考え、自分のなかで整理をつけることで乗り越えています。

多種多様なエキスパートが揃う事務所へ

Q.どうして貴所を選びましたか?

私の就職活動時はコロナの影響で長期休暇中のインターン等の実施が制限されていたのですが、面接の際にお話ししたTMI総合法律事務所(以下「TMI」といいます。)の弁護士の先生方がどの先生も非常に素敵で、人柄もよく、この事務所であれば大規模事務所であることで多種多様な業務経験を、非常に良い環境で積むことができると考えたため、所属先のTMIを選びました。

Q.貴所の魅力を教えてください。

TMIの魅力はなんといっても所員の人柄・面倒見の良さと、それによる事務所としての一体感だと思います。また、業務においても様々な分野のエキスパートが弁護士として所属しており、あらゆる法律事務を高いレベルで、ワンストップで行うことができる点が魅力だと思います。
また、アソシエイトの立場からすると、様々な分野のエキスパートから多様な刺激や学びを得て、同期とも切磋琢磨しながら自らの能力を先鋭化することができる点は魅力的だなと思っています。
また、事務所内の交流もユニークなものが多くあり、事務所内に設置されたピアノを用いたピアノサロン(プロの奏者をお呼びすることもあります)や、ワインセミナー等が実施されています。

教科書では通用しない、実務で知った現実

Q.これまで、具体的にどのような実務に取り組みましたか?

これまでには訴訟、デューディリジェンス、企業統合支援、不正調査の他、現在の主要業務である不動産ファイナンス業務を行ってきました。

Q.実務の魅力や遣り甲斐、苦悩を教えてください。

やはり司法試験で勉強してきたことがそのまま妥当しないところに入所直後は戸惑いを感じていました。実際の案件は法律の教科書には書いていない当事者の心情や、当該取引における取引慣行・実務、当該案件特有の専門知識(例えば建築実務等)を踏まえた検討を行う必要があり、司法試験の延長線というだけでは表現できない難しさが実務にはあると思います。このような実務における難しさも、結局は司法試験で学んだことがベースとなり解決に向かうことは間違いがないため、自分の中の知識・経験をベースに新たな知見も吸収しつつ、実務を解決しようとするのが苦悩でもあり、やりがいだと思います。

Q.これまでで最も記憶に残っている実務やプロジェクトの内容と、理由を教えてください。

これまでで最も記憶が残っている案件は不動産ファイナンスにおいては某ホテルの開発・投資案件に携わったことがあげられます。この案件は早朝から深夜までクライアントの担当者と悩みながら案件対応を進めていたのですが、無事にホテル開発が完了し、開業するにいたりました。このホテルにはまだ宿泊できていないのですが、お昼のワイドナショーで取材されるなど社会的に一定の知名度を取得しており、某ホテルの近くに行くたびに案件を思い起こしています。
また、M&Aの売り手側のアドバイザーとして携わった経験も記憶に残っています。この案件では1年目弁護士の際にクライアントの行っているビジネスに対する理解が不十分なままに、株式譲渡契約の検討をしていた際に、パートナー弁護士からクライアントのビジネスがよくわかっていないだろうとの指摘を受けてクライアントの運営している施設等に見学に行き、実際にサービスを受けてみたりして、より深い検討を行うことができるようになり、クライアント利益の最大化を図ることができたと思っています。

Q.志を実現するため、特に磨いたスキルなどはありますか?

現在、4年目の弁護士でまだまだ至らないところばかりであり研鑽中ですが、クライアントのやりたいことが何かを正確に理解するためのヒアリング力、クライアントの意向を正確に聞き出すためのコミュニケーション能力は特に磨いてきた自負があります。また、聞き出したクライアントの意向を法的に正しい方法・内容でアウトプットするための文章力や知見についても磨いているところです。

合格の裏にあった、「添え木」の存在

Q.伊藤塾で、どのような学びや気付きを得ましたか?

伊藤塾では司法試験に合格するためのベースとして必要となる知識を得るとともに、ベースの知識を応用して個別の問題に対応するために必要となる法的な思考力(リーガルマインド)を授けてもらったと思っています。
また、同じく伊藤塾に通う仲間も沢山いたので自主ゼミを組んでお互いの答案を添削しあったりして切磋琢磨もしました。ベースとなる知識が同じなので考え方や点の伸ばし方も同じようなことが多く、議論のスタート地点が同じであることも非常に良かったです。
また、伊藤塾に通ったことで早期に知識をインプットして、アウトプットの訓練や知識の応用に時間を使うことができ、それによって早期合格を果たせたことが私のキャリア形成の根幹にあると思っています。

Q.伊藤塾の最大の魅力や価値は何だと思いますか?

伊藤塾の魅力は教材の網羅性、講師のレベルの高さにあると思います。多くの人がいうように司法試験の勉強は手当たり次第にやれば良いというわけではなく、自分のキャパシティの限度に手を広げるのを抑えつつ、知識を深化させることが肝要になると思いますが、伊藤塾では網羅的なテキストをベースに講師の授業を受けることで、論点の重要度が理解でき、必要十分な範囲で力をつけていくことができます。
イメージとしては添え木のようなものだと思っていて、伊藤塾は私が法律家として伸びていく方向を一定のところまで支えてまっすぐ伸ばしてくれるからこそ、方向性を誤らないで努力をすることができ、早期合格につながったと思っています。
また、価値という意味でいうと法律家としての知識を習得することも言うまでもなく重要であり、伊藤塾においてそれがかなっているという面もありますが、早期合格が叶うことにより、早くに働き始めることができるので生涯年収や多様な経験値を積むという意味でも価値があると思っています。

平田先生

法律を学ぶと、世界はこう見える

Q.法律家を志す方へメッセージをお願いいたします。

受験勉強中はまさに出口の見えないトンネルで、出口が見えない苦しさがあると思います。しかし、勉強を続けることで確かに前には進んでいて、正しい方向の努力を怠らないことにより道が開けると思います。伊藤塾はまさに皆さんの添え木だと思いますので、伊藤塾で学びを栄養素にしつつ、伊藤塾で出会える人間関係がもたらす情報も糧に、正しい方向の努力を続けてください。伊藤塾の先輩として皆さんと実務の世界で会うことを楽しみにしています。

Q.法律を学ぶ意義はどんな点にあると思いますか?

法律を学ぶことの意義は社会がよりよく見えるようになるという点が1つあると思います。日々のニュースを見ていても例えば刑事事件等は刑事訴訟法を学んでいれば推定無罪の原則等を踏まえて世論に惑わされずに冷静に見ることができると思います。憲法を学んでいれば国会がどのような動きをしているのかより高い解像度で見ることができるようになると思います。法律を知ることで世界を見る目も変わると思いますので、それが法律を学ぶ意義の一つだと思っています。
また、法律は個人や法人の権利を守るものですので、法律を学ぶことにより、自分の大切な人を守ることができたり、それこそクライアントの利益の最大化を図ることができるようになります。人から頼られた時になにもできないもどかしさを感じず済むという意味で法律を学ぶ意義があると思います。

Q.志と実力の関係を、どのように考えますか?

自省も含めてですが、志がなければ実力は身につかないと思います。
また、実力がなければ崇高な志も実現できないと思います。「志半ば、、」ということにならないよう、高い志をもって、日々努力に励むことが法律家として大成するために必要なことだと思います。

「使い勝手の良い」弁護士へ

Q.どのような弁護士像が理想ですか?

クライアントにとって、頼りがいのある使い勝手の良い弁護士になることが理想です。
使い勝手という言葉が色々な受け取り方があるかもしれませんが、困ったときに相談しやすく、要求したアウトプットを適切に出してくれる弁護士というのが「使い勝手の良い弁護士」だと思っています。

Q.今後の展望を教えてください。

今後もきちんと志をもって、大規模事務所の中で埋もれることなく、自分のキャラクターを発揮して自分が活躍できる土俵を探し、作ることでクライアント利益の最大化、ひいてはより良い社会の実現に向けて努力していきたいと思っています。

まとめ

現場を深く理解するために自ら足を運び、相手の立場になって考え抜く姿勢からは、実務への誠実さと探求心が伝わる。
迷いや葛藤を受け止めながらも、納得できる道を選び続けたこれまでの積み重ねが、相手の意図を丁寧に汲み取り、最適な答えを導く現在の実務にも繋がっている。

 
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沖縄スタディツアー参加者の声

沖縄スタディーツアー 感想文

R.M.さん

 
本ツアーに参加したのは、ゼミ合宿として先生からご提案いただいたことがきっかけでしたが、元々自分の中で、行ったことがなく、また第二次世界大戦で唯一の地上戦が行われたり、アメリカ領土になりその後日本に返還されたりなど、特異な戦争経験を持つ沖縄県に関心があったためです。
ゼミ合宿として参加させていただくことを契機として、ツアー前に研究対象としてゼミで発表の題材として、自分なりに調べて興味関心をより深度のあるものとしてから参加いたしました。

3日間の全てが本当に衝撃で印象深く、とにかく毎分毎秒が充実しすぎていて、心も体も大忙しなツアーでしたが、私の中で特に心に残っているのは、ひめゆり学徒らの歴史についてです。
今の自分より歳下の女の子たちが、せっかく真面目に向学心を持って、それぞれに明るい未来を描き、友人たちとの楽しく幸せな学校生活を送っていたのに、突然戦争に駆り出され、それを彼女たちは当たり前に受け入れ、お国のために尽くすんだ!と信じて疑わず、学問を潔く捨て、命を捧げ、日常を捨て、一生懸命に働いて働いて、それでも兵士らから酷い扱いも受けて…本当に私には到底できない、想像もつかないことで、驚愕しました。
彼女たちの、優秀な子たちだからこその細やかな気遣いや、真っ直ぐな頑張り、気持ちの入り方は、考えれば考えるほどに苦しく、自分や周りの大切な友人たちと重ねてしまうと、本当にやり切れなくて、資料を読みながら歩いている間、ずっと涙が止まりませんでした。
ひめゆり学徒隊の1人が兄に宛てた手紙も、自分が忠誠を尽くしお国のために頑張るという意思表示と、兄にも立派な兵士になって欲しいという願いが書かれており、あまりにも純粋に前向きに戦争を捉えていて、胸が締め付けられました。
また、当時のガマの中の様子を綴った資料には、怪我をした兵士たちの言葉や情景がありありと目に浮かぶほど具体的に残され、麻酔なしで患部を切り落とすのに、自分は兵士だから痛くない、と言いながら必死に耐える姿や、こんなに痛いならいっそ殺してくれと嘆く姿は、想像に容易く、あまりにもやり切れなくて、私には衝撃が大きすぎて、資料を見てから1ヶ月半も経った今でもはっきりと思い出すことができます。
考え込んでしまうほど私の中に強い威力で刻まれていますが、本当に知ることができてよかったと思っています。

私は法曹を志した過去がありながら、諦めた身ですが、このツアーに参加
して、過去強く持っていた法学への想いが蘇り、法曹を改めて目指したいかもしれないと思ってしまいました。
法曹という道ではなかったとしても、今回知ったこと、経験させてもらったことを、きちんとより多くの人に語り継ぐこと、そしてその経験をもとに、人が当たり前に持つ権利について考え続け、正しく世界があり続けるための努力を怠らないことを、心に決めました。

いつかこのことを忘れてしまう日が来ないように、日々精進し学び続けたいと思います。またいつか参加したいです!素晴らしい経験をさせていただき、本当にありがとうございました!!

沖縄スタディツアー参加者の声

沖縄スタディーツアー 感想文

司法書士受験生 M.K.さん

 
 会社員としての仕事をしながら伊藤塾で司法書士試験の勉強を始めて以来、沖縄スタディツアーは「合格したら参加」をひとつの目標としていましたが、その前提条件をクリアできないまま還暦を迎えてしまい、少々焦りも感じ始めた中で順序を少し入れ替え、妻を誘って今回のツアーに参加させていただきました。
妻を誘って今回のツアーに参加させていただきました。太平洋戦争末期の沖縄の惨禍については以前より興味はあったものの、沖縄以外の地域で一般的に知られている情報に触れてきた程度であったため、今回の参加を前に沖縄戦について書かれた本を読んでみたのですが、その内容だけでも結構な衝撃を受け、また一方で、沖縄を訪問すること自体は学生時代の夏休み以来で実に約40年振りだったということもあり、久しぶりに伊江島の独特の島影を眺めることも楽しみにしての参加となりました。
 
 充実した3日間のスケジュールの中で訪れた場所はそれぞれどこも印象深く、感じること、考えさせられることは数多くありましたが、その中でも特に印象に残った訪問先3か所について記載させていただきます。
 

・チビチリガマ

 沖縄戦における「集団自決」の話は聞いたことはありましたが、実際にガマの前で小橋川さんの詳細なお話をお聞きしながら、近くには1,000人程度が無事で助かったガマもある中、なぜ、このガマに逃げた人たちが同じ判断ができなかったのか、あるいはさせてもらえなかったのか、運命を分けてしまった原因、また当時の日米軍の違いなど、多くのことを考えさせられました。当日は穏やかな日差しの中で訪問したこともあり、一歩出れば鳥も鳴いて明るい場所であるにも関わらず、生きてガマから出られなかった人たちのことを思うにつれ、教育の持つ意味、正確な情報を知ることや、どんな状況であれ冷静に判断できる力の大切さなど、痛感させられた場所となりました。
 

・沖縄愛楽園

 ハンセン病に関連する問題についても今まではメディアに出てくる記事・情報に触れる程度で、具体的な話を聞かせていただくのは今回が初めての機会でした。自分として何よりもショックだったのは、今回、お話を聞かせていただいた回復者の方は自分の少し上の世代の方でしたが、我々が普通に勉強し、就職し、今まで人生を歩いてきたのとほぼ同じ時代の長い年月を愛楽園の中で過ごしてこられた、ということでした。
 原因も判明し、薬もあり、何より医者が退院してもよいと判断していたにも関わらず、なぜ何ともできなかったのか、ご本人・ご家族が出ることを躊躇されなければならなかったのか、なぜ国がもっと早く法整備含め救済に積極的に動かなかったのかなど、ここまでの自分の人生もそれなりに長かったことと照らし合わせ、考えさせられる時間でした。

それ以外にも沖縄戦前後の悲惨な入所者の状況、差別に起因する何とも悲しい出来事、また、今でも介護を受けながら愛楽園で過ごされている方々のあることなど、この問題に関して何も知らなかったことを思い知らされる訪問となりました。
 

・糸数アブチラガマ

 こちらのガマも訪問した際は天気の良い明るい午後だったため、サトウキビ畑も広がる外の風景と、見学したガマ内部の状況やガイドの方からお聞きした当時の話などとのギャップが強く印象に残った場所です。
ガマ内部の様子、ガマ内でお聞きしたひめゆり学徒隊の悲惨な作業や状況、爆風に飛ばされて天井に突き刺さったままの瓦礫など、どれも忘れることはできないものとなりました。

一番強烈な印象を受けたのは、回復見込みのない負傷兵を収容したとお聞きしたガマ最深部で、ガイドの方の合図で全員、懐中電灯を消灯した瞬間の暗さと静けさです。全く光の差し込まない漆黒の闇の中でなすすべもなく横たわるしかなかった日本兵の無念さや、悲惨な状況下で作業に従事せざるを得なかったひめゆり学徒隊の学生たちのやるせなさなど、戦争の悲惨さを五感で感じることができた場所のような気がしました。

 今回、上記以外の訪問先であった平和祈念公園やその先に見える断崖、ひめゆり平和祈念資料館の展示内容(生存者の方の証言など)など、全てが強く印象に残ったと同時に、改めて今まで何も沖縄のことを知らずに過ごしてきたということを痛感させられる3日間でした。

 戦争の悲惨さ、教育の大切さなど、現在の諸問題にも通ずることをじっくり考えさせられる機会であったと思い、今更ではありますが、これからも引き続き沖縄についての学びを続けていこうと思う次第です。
 
 また、今回のツアーでは同じように法律関係の勉強をされている方や、既に合格されてその業務に携わっておられる方、そのほか様々なお仕事をされている方や学生の皆さん等と同行させていただく中で、楽しく交流をさせていただく機会もあり、普段とはまた違う楽しい時間を過ごさせていただくことができました。
同時に、(順番を入れ替えてしまった)合格に向けての勉強のヒントなども聞かせていただくことができ、その面でも改めてエンジンがかかった3日間となりました。

明日の法律家講座 第383回

ビジネスの現場と法律~法律事務所と企業法務の両視点から~

 

担当は、弁護士の高橋和也先生。
卒業後、大手法律事務所で企業法務を経験。
そして、「趣味と仕事の関係性を高めることは、職業人生における自己実現を図る上でとても重要」という思いから、自動車関連のビジネスを多角的に展開する、トヨタグループの大手総合商社へ転職。

 
 
目 次
ビジネスの現場と法律
法律事務所とインハウスロイヤーの違い
司法試験学習

沖縄スタディツアー参加者の声

伊藤塾 沖縄スタディーツアー2025 感想文

司法書士受験生 うちなーぐちさん

 

1.沖縄スタディツアーに参加したきっかけ・理由

 伊藤塾において司法書士入門講座を受講しています。ツアーを心待ちにしながら、司法書士試験ステディコースの憲法(全11科目中10科目目)まで受講を進めたうえで参加しました。
これまで講義や業務の場以外で、伊藤塾の弁護士である講師の方々やスタッフの皆さま、さらには試験合格者や法律家を志す仲間たちと、会話できる機会を願っていました。
事件の予防や早期解決、とりわけ民事の執行・保全の分野においては、法曹と司法書士、行政書士の連携が重要であり、その基盤となる相互理解を深めたいと考えていたからです。
さらに、ハンセン病で、排菌がなくても長期間社会から隔離されることで生じた問題構造は、現在のコロナや結核といった感染症対応にも、少なからず残っていると感じてきました。
重要な裁判や判決の背景となった証言を、現地で直接伺える貴重な機会であることが、今回の応募理由のひとつとなりました。

 

2.記憶に残った視察先と感想、抱いた考え、衝撃を受けたことなど

 弁護士である伊藤真塾長や伊関祐講師から、ハンセン病の裁判について、当時の新聞記事や寄稿文を実際に手に取りながら解説していただきました。
弁護士会が主導して提起した裁判の背景や訴訟物といった具体的な話を伺うことができ、社会課題の解決は「民事しか勝たん」という確信を新たにしました。
また、司法試験合格者や司法書士の実務家とともに、昭和の沖縄で起きた出来事について、令和における権利義務のデータ構造や要件事実のアルゴリズムへ当てはめを試みました。
たとえば、読谷村シムクガマでの民生部隊による新設分割、ハンセン病患者による早田壕の所有権保存、女師・一高女からひめゆりへの商号及び目的変更など、当時の法の秩序を、合理的でないと判断できなくなってしまった社会通念がありました。その中で、おびただしい即時取得も行われましたが、一方では、80年が経過した今なお、全滅した一家の本人なき土地で、沖縄の人々が事務管理し続けている祠が印象的でした。
当初は外国会社だったコザの商店は、現在では日本生まれの方々へと承継されつつある一方で、建物の老朽化が進んでいるそうです。これは、平和ガイドの方が、屋外におられたインド人テーラー親子に話しかけてくださり、知ることができました。
また、先祖代々の土地を米軍が借り受け、さらに沖縄住民が占有して、バナナなどのリアル果実を取得してきた黙認耕作地帯の存在についても、バスガイドさんから説明を受けました。
沖縄における用益物権は、極めて複雑かつ広範であり、所有者不明土地管理問題をはじめとする社会課題の解決には、司法書士の専門性と人数の両面が不可欠であると強く思いました。
司法書士試験がより多くの担い手を社会に送り出せる(合格しやすい)制度となれば、沖縄のみならず、日本全体の重要な社会課題の解決を前に進めることにつながることでしょう。

 

3.ツアーで得たもの

 「憲法」の司法書士入門講座のテキストに、宇津木卓磨講師によるステディコースのパワーポイント資料を挟んだ状態でツアーに持参していました。懇親の席では、その憲法テキストの巻末に、伊藤真塾長と伊関祐講師のサインをいただく機会に恵まれました。
絶対合格に向けて、「やればできる 必ずできる」という伊藤塾の流儀と矜持を、寄る辺ない受験生の勉強部屋に持ち帰ることができたことは、何より大きな励みとなりました。
また、そのサインには、弁護士としても日本社会の最前線に立つ量り知れない法律実務を「常に未完」と受け止め、ご自身も学び続けながら前進しておられる姿勢が表れているように感じました。
それは、合格後の出口をも見据えたメッセージであり、身の引き締まる思いがしました。これからも、憲法テキストの表紙をテープで補強しながら、大切に拝見してまいります。

 

4.ツアーの企画・運営に関するご意見・ご要望(お褒めの言葉)

 帰路のバスの中で、伊藤塾スタッフの方から、5か月にわたる準備期間を経て企画されたことや、旅行会社の担当者が20年以上伊藤塾のスタディツアーを担当してきたことを伺いました。
沖縄の体験者ご本人や、その証言を長年記録・伝承してきた方々から直接お話を伺える機会としても、配慮が行き届いており、大変貴重なものでした。長年の経験と信頼関係に支えられたスタディツアーを通して、沖縄の歴史について、知識だけでなく、実感を伴って学ぶことができました。次の世代へと受け継がれていくことを願いながら、心より感謝申し上げます。

 

沖縄スタディツアー参加者の声

沖縄スタディーツアー 感想文

司法試験受験生 Y.E.さん

 

1  ツアー参加に際して

 今回が初めての参加でした。また、1人での参加ということで、参加を決めるにも勇気が要りました。しかし、ツアーを終える頃には、まだまだこれから、あと2日くらいは旅をしたい、もっと知りたい、と、ツアーによってエネルギーが充電され、エンジンがかかってくるくらい濃密で貴重な時間でした。
 
 沖縄戦の歴史、また、ハンセン病の経緯は、書籍や医学書など、幼少期から触れる環境にありました。特に島での戦いというのは、祖父が最も過酷だったと言われる島での戦いから生還したと聞いているので、足跡を辿るような、初めてではないような、不思議な気持ちでした。
長崎や仙台、山口、神戸など、他の様々な戦争の跡を見る度に、その土地が育んできた人と、風土への理解が深まります。
そのような意味で、沖縄の人々を育んだ土壌を見て触れることができた今回のツアーは得難い経験となりました。

 

2  ツアー参加のきっかけ

 伊藤塾の先生方や、スタッフの方々、塾生の方や、ツアーに参加される方のお話を沖縄の地で伺いたかったこと、また、海に囲まれた土地の、その特性を目で見たかったことが最も大きなきっかけです。
人や土地の記憶を風化させずに自分の中に残すことは何よりも大切だと思います。海が好きで、「島人ぬ宝」という曲にあるような人々が見てきた景色を実感したいと思い、今回のツアーの参加を決めました。

 

3  それぞれの視察先

 斎場御嶽では、数々の物語や史実に思いを馳せながら巡りましたが、聖地を巡り終わる頃には思い悩むことを晴らすような、目の前のことに注力しようと初心に還るような景色で、前向きな心境の変化がありました。聞得大君について、多くの伝承がありますが、気になった点を質問できたことも、理解を深めることに繋がりました。
 
 3日目の最後の行程、糸数アブチラガマは、ガイドの方が「ツアーに参加した人には全員笑顔で帰ってほしい」と仰っていたことが大変印象的でした。お話一つ一つが丁寧で、当時の状況をなぞるものでした。かつての教訓から、ガイドの方が案内をしてくださる歩みには、誰一人として置き去りにしないという強い意思と使命感を感じました。
奥行きのあるガマ特有の湿度と、陸軍病院の分室となっていたことによる戦争の匂い、内部の岩質は、この旅で最も自分自身と向き合った場所となりました。
暗闇で向き合う自分と他者、そしてその地に今も色濃く残る集団の気配は、一度訪れたら忘れることができません。
 
 1日目のチビチリガマでも、ガジュマルの樹の隙間から見える光に、普段の私達は明るい気持ちになりますが、怯える日があったことを心に留めました。最も恐ろしいのは人を扇動する人の言葉であることを再認識しました。
 
 平和祈念公園では、眼下に海を望む絶景でしたが、「一斉砲撃を受けた際には、海が赤く染まったほどだという声もあった」と、バスガイドの方からお聞きしました。あの広大な青と緑が赤く染まるとはどれほどかと、人間の業の深さを思い知り、目の裏に赤が焼き付くようでした。
その後に訪れたひめゆりの塔と、ひめゆり平和祈念資料館は、当時のまま、その時にいた人が生きて、言葉を伝えてくるようでした。
 
 戦時中でない現在でさえ、病が流行ると人々は狼狽え、真偽不明の情報を受け取りますが、国立療養所 沖縄愛楽園では、施設に入所されている方が入所しなければならなかった当時について、
「高校に通っていたが、急遽入所する経緯について、高校の先生へどういった伝達が行われたのかわからない。その時に先生が何を思ったのか、それが知りたい。」と仰っていました。私はその言葉が重く胸に残っています。
 
 入門講座では伊藤塾長や伊関講師が様々なお話をしてくださいますが、言論の自由や、思想を表現することは、人の営みの中でとても大切だと実感する日々です。
武器と共に言葉も取り扱いが重要な世の中ですが、正確な知識と、正しい状況を知るためには、本だけでは不十分でした。今回のように生の声を聞ける学習機会をいただけたことは、大変有り難いことでした。
 
 渡具知ビーチの無血上陸について、実際の経緯は、平和ガイドの小橋川清弘さんのお話を伺うまで、本で読んでいるだけではわかりませんでした。また、コザ街歩きでは、グループで行動することで、同じものを見ていても視点の違いがはっきりし、伊関講師や他の方々の視点が大変勉強になりました。
 
 そして、エイサー体験は、腹の底から響く太鼓の音と、地面から沸き起こるような活気と韻のリズムに、生命力を感じ、力がもらえるような体験でした。

 

4  宿泊先

 1日目のベッセルホテルカンパーナ沖縄と、2日目の沖縄かりゆしビーチリゾート•オーシャンスパは、どちらも快適で素晴らしい宿泊先でした。その他、御菓子御殿を始めとした沖縄ならではの食事も大変おいしく、特にさんぴん茶は常に持ち歩くほど、素晴らしい飲み物でした。
同室になった方とは初対面でしたが、同志で、空港で別れる際に、固く握手をして再開を誓いました。それほどに、出逢った1人1人の方とお話をした時間は忘れ難く、過ごした時間がまだまだ続けば良いのに、と思う3日間でした。

 

5  ツアーで得たもの

 伊藤塾長が仰るには、法律家は理想だと謗られても、理想を掲げ、現実を理想に近づける仕事だそうです。感銘を受けましたが、まずはより良い理想を知らなければ、夢物語を検討できなければ、現実を良くすることができないことが不安でした。
そのような意味では、伊藤塾の入門講座というのは、講座を通して、現行の法律と判例、学説から、何が正しい理想なのか、より良い理想が何かを学ぶことができると実感しています。
今回のツアーを通して、学んでいることや、自分の考えるより良い未来というものが正しいものなのか、様々な方と交流し、塾長や伊関講師のお話を伺う度に自問自答し、考えを新しくする契機となりました。
 
最後になりましたが、伊藤塾長と伊関講師、スタディツアー事務局の方々、ツアーに参加された方々へ、無事に旅を終えることができたこと、また、言葉を交わし、同じような風景を見ることができたこと、貴重な経験をさせていただいたことに感謝申し上げます。

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Vol.14 弁護士 野口夏佳先生

多様な経験が、視野を広げる。大手法律事務所という環境。

Profile

所属:長島・大野・常松法律事務所
専門分野:労働法、紛争解決

「HERO」への憧れから始まった、法律家への志

Q.自己紹介をお願いいたします。

野口夏佳と申します。
長島・大野・常松法律事務所に所属するアソシエイト弁護士として、企業法務全般を担当しております。
主に労働法分野や訴訟対応を中心に、各種法律相談、人事・不動産関連業務など、幅広い分野に携わっています。

Q.法律家を志した理由は何でしょうか?

高校時代、勉強・運動・芸術など多彩な友人に囲まれる中で、自分も何か強みを持ちたいと考えるようになりました。
そうした中で、ドラマ『HERO』の再放送をきっかけに、地域の人々に信頼されながら働く検察官の姿に強く惹かれました。
自分も専門性を活かして人の役に立ちたいと考え、法律家を志しました。

Q.なぜ貴所を選びましたか?

当初は検察官志望でしたが、弊所インターンに参加した際、実務能力の高さに加え、謙虚で人間的にも魅力ある弁護士の方々に多く出会いました。
このような環境で成長したいと考え、幣所を志望いたしました。

Q.学生時代から今へ、志は変わりましたか?

実務を経験する中で、志はより具体化しました。
依頼者が安心して本業に専念できる状態を作ることこそが、プロの役割であると実感しています。
今後は、知識や経験に加え、先回りした提案や安心感のある対応ができる弁護士を目指しています。

Q.志を持ち続けるうえで、迷いや葛藤があった時期はありましたか?

勉強の成果が出ない時期や、私生活との両立に悩むこともありましたが、検察官への憧れを原動力に、実務家のインタビュー動画などを見返しながらモチベーションを維持しました。

新規事業立ち上げを支えた、実践的企業法務

Q.これまで、具体的にどのような実務に取り組みましたか?

労働法分野及び訴訟対応を中心に、以下の業務に携わってきました。
・各種法律相談(労働法、消費者契約法、景品表示法、個人情報保護法、独禁法等)
・人事労務(不祥事調査、採用・懲戒・退職対応)
・不動産取引支援、企業間、対個人の訴訟、紛争対応
・文献執筆、難民申請支援、教育活動 など

Q.実務の魅力や遣り甲斐を教えてください。

助言が依頼者の意思決定や事業の成長に直結する点に大きなやりがいを感じています。
訴訟で成果が出た際や、助言に基づいてビジネスが前進した際に、特に達成感を得ています。

Q.これまでで最も記憶に残っている実務を教えてください。

新規事業の立ち上げをゼロから支援した案件です。
法人設立から制度設計、人材採用まで短期間で対応する必要があり、日々大量の作業が発生しましたが、チームで連携しながら乗り越え、大変充実した期間でした。

叶った出向、内部の立場で磨かれた法的視点

Q.出向への経緯、勤務先での業務を教えてください。

弊所にて労働分野に多く携わっていたので、いつかは会社の中で実務経験を積みたいと考えていたところ、大企業の人事部へ出向が叶いました。
出向先では労働訴訟、懲戒処分対応、ハラスメント対応、社内制度への法的助言などを担当しました。

Q.出向先でどのような発見や学びがありましたか?

依頼者の真のニーズや意思決定の背景を理解する重要性を実感しました。
外部の法律事務所へ相談するまでに、会社内では様々な議論が行われているので、表面的な相談内容にとどまらず、その裏にある事情を踏まえた助言が不可欠であると学びました。

Q.志を実現するため、特に磨いたスキルなどはありますか?

労働法分野を軸に、継続的なインプットを重ね、専門性の向上に努めています。

キャリアにも繋がっている、伊藤塾での時間

Q.伊藤塾で、どのような学びや気付きを得ましたか?

伊藤塾では、試験合格のために必要な知識が網羅された教材、疑問点にその場で回答してくださる講師陣、優秀かつ志の高い多くの仲間に恵まれていたため、仲間からモチベーションをもらいつつ、安心して学習を継続できました。
仲間と切磋琢磨する環境が、合格とその後のキャリアの基盤になったと感じています。

Q.伊藤塾の最大の魅力や価値は何だと思いますか?

長年の実績に裏打ちされた教材の完成度の高さが最大の魅力であると思います。

平田先生


 

法律家を志すという選択が持つ"価値"

Q.法律家を志す方へメッセージをお願いいたします。

やりたいことやなりたい像を見つけられない人も多い中、法律家を志すという選択自体が、すでに価値のあるものだと思います。
その選択が実を結ぶよう、応援しています。

Q.法律を学ぶ意義はどんな点にあると思いますか?

法律を学ぶことで、日常生活においても、誰の言っていることが正しいのか、自分がどう行動すべきなのか、といったことが分かり、周囲に流されず自分で判断ができるようになります。
また企業法務の観点からは、たとえ良いアイディアが浮かんでも、法律に基づかなければそのアイディアを世の中に出すことができません。
そのサポートができるということは、間接的に世の中をより良くすることに繋がるので、社会に役に立っていると感じます。

謙虚さと専門性を兼ね備えた実務家へ

Q.志と実力の関係を、どのように考えますか?

志を持ち続けることと、地道に実力を磨くことの両立が不可欠です。
両者があってこそ、信頼される実務家になれると考えています。

Q.どんな弁護士像が理想ですか?

専門性を前提として、依頼者に謙虚に寄り添い、精神的にも支えとなれる弁護士を理想としています。

Q.今後の展望を教えてください。

今後は米国ロースクールへの留学を通じて語学力と米国法の知識を習得し、より国際的かつ幅広い分野に対応できる弁護士へと成長していきたいと考えています。

まとめ

大企業人事部への出向を通じて、企業内での意思決定や葛藤も理解したうえで助言できる強み。
深く広く知見を学び続ける姿勢にも加わることで、実務家としての厚みを感じます。

 
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Vol.15 弁護士 高橋和也先生

趣味も使命も、豊田通商で一つになった。

Profile

所属:豊田通商株式会社 法務部
担当分野:機械部門、カーボンニュートラル部門(2026年6月現在)

目次

●学生法律相談での、「ありがとう」
●趣味と仕事の関係性と、自己実現
●学びを一変させた、伊藤塾の衝撃
●多様化し続ける、法律の役割
●貢献したい、豊田通商のミッション

学生法律相談での、「ありがとう」

Q.自己紹介をお願いいたします。

高橋和也です。豊田通商株式会社の法務部に所属しています。

Q.法律家を志した理由は何でしょうか?

大学在学時の「学生法律相談所」での活動です。このサークルでは、地域の皆様に対して無料で法律相談を実施していました。法律を学びたての未熟な私のアドバイスに対して、地域の皆様が「ありがとう」と感謝してくださった経験から、法律が社会の役に立つことを実感し、法律家を目指すことに決めました。

趣味と仕事の関係性と、自己実現

Q.どうして「豊田通商株式会社」の「インハウスロイヤー」、それぞれを選んだのですか?

初めて所属したTMI総合法律事務所では、訴訟・紛争分野を中心に様々な経験を積ませていただきました。ビジネスロイヤーとして生き残っていくためには、特定の法分野の専門性を極めることが重要です。しかし私は、特定分野を絞ることに苦労しており、むしろ様々な分野を広く浅く学ぶ方が性に合っていると感じていました。インハウスロイヤーは、会社で生じる様々な分野の案件を担当することが通常ですので、私の性に合っていると考えて転職を決めました。
 
全世界で多角的にビジネスを展開している総合商社が、私にピッタリと感じていました。その中で弊社を選んだ理由は、私が大の車好きだからです。弊社は総合商社でありながらトヨタグループの一角であり、自動車に関連するビジネスを多角的に展開しています。自分の趣味と仕事の関係性を高めることは、職業人生における自己実現を図る上でとても重要なことですので、他ではなく「豊田通商」を選びました。

Q.実務の魅力や遣り甲斐、苦悩を教えてください。

法律事務所でもインハウスでも、弁護士の仕事は、依頼者の法的な困りごとを解決することです。この人に頼んで良かったと思ってもらえるような法的助言を行うという点では、いずれも遣り甲斐のある仕事だと思います。
法律事務所にとって依頼者とは、クライアント企業の担当者です。私が主に担当していた訴訟・紛争分野では、クライアントが求める方向性で紛争を解決するために、事実・証拠を収集し、それを法的に評価し、法的主張に昇華させることが仕事でした。クライアントが求める結論を導き出すために必要な事実・証拠を逆算して考え「こういった資料は無いですか。」と先行してヒアリングし、求めていた事実・資料が出てきたときは「上手くやったな」と遣り甲斐を感じます。他方で、どう考えても負け筋の案件においてどのようにクライアントの期待値を上回るか、クライアントの期待値をコントロールする手腕が問われるのですが、年次の浅かった私には非常に難しく、苦労しました。
インハウスロイヤーにとって依頼者とは、基本的には相談に来る事業部の皆様です。例えば投資の案件では、組成段階から事業部と一丸となり、時には海外の現場に出張に行くなどして、ストラクチャーの構築や投資の主な条件に関する議論を行います。事業部の皆様が実現したいビジネスをよく理解しストラクチャーや契約条件に落とし込むことは、非常に面白く遣り甲斐を感じます。しかし、インハウスロイヤーの究極の依頼者は会社全体であり、個々のビジネスが会社全体の利益を害する場合には、事業部のやりたいことに対してストップをかけなければならないこともあります。このようなときは事業部の説得に苦労しますが、会社の利益やレピュテーションを守るための砦として鬼の気持ちで頑張っています。

学びを一変させた、伊藤塾の衝撃

Q.伊藤塾で、どのような学びや気付きを得ましたか?

法学部に入ったものの基本六法の基本書が全く頭に入らず、何を勉強しているのか理解できませんでした。そのような私が伊藤塾の講義を受けて、そのわかりやすさに目からうろこでした。弁護士としての私の法的素養の土台は、すべて伊藤塾が作ってくれたものだということは断言できます。

Q.伊藤塾の最大の魅力や価値は何だと思いますか?

伊藤塾の最大の魅力は、圧倒的な実績に裏付けられた信頼性です。
司法試験の受験生が最も価値を置くべきなのは、自分が行っている学習方法に自信を持つことです。「この基本書だけでなくあの基本書も読んだ方がいいのかな」、「通説、判例、有力説、少数説、どこまで覚えなきゃいけないんだ」などと迷いがありながら勉強するのは長期的には深い学びにつながることは否定できませんが、短期で合格するという観点では非効率と考えます。伊藤塾の講義・教材は、これのみ学習すれば問題なく司法試験に合格できるという内容で、私を含めて過去の実績がこれを物語っています。伊藤塾の教材を極めるという一つの目標に集中すれば、余計な迷いなく学習することができます。この合格への信頼性が伊藤塾の最大の強みと考えています。

多様化し続ける、法律の役割

Q.法律家を志す方へメッセージをお願いいたします。

激動の時代の中、法律家の役割は年々拡大しています。AIの台頭により法律職の将来を危ぶむ声もありますが、何が正義なのか、何が正しいのかをAIが定義することはできず、法律家の役割は残り続けると考えています。皆様が私たちの仲間として活躍することを楽しみにしています。

Q.法律を学ぶ意義はどんな点にあると思いますか?

法律を学ぶことで世の中をより深く理解できるようになります。
何のために国家があるのか、どのように運営されているのか、私人間の取引・行為はどのように規律されているのか、会社は何のためにあるのか、なぜ罪を犯してはいけないのかといった社会の根幹にありながら答えを持ち合わせていなかった事項に対して、法律を学ぶことで一定の結論を導き出せます。世の中のことを理解していくと、自分の価値基準が固まり、自己の考え方が一定の基準に従った確固たるものになります。変化の激しい現代において自分の価値基準を持つことは極めて重要であり、これが法律を学ぶ最大の意義だと考えます。

平田先生

貢献したい、豊田通商のミッション

Q.志と実力の関係を、どのように考えますか?

志は、自分が目指す理想という認識です。インハウスロイヤーの私にとっては「未来の子ども達により良い地球を届ける」という豊田通商が掲げるミッションが、私自身の志にもなっていると考えています。
実力は、志を達成するための手段という認識です。「未来の子ども達により良い地球を届ける」ために法務部の私は、当社のビジネスを法的にサポートする必要がありますが、法的サポートを行うためには法律の知識をはじめとした種々様々な能力が必要です。これを総称して実力というのだと思います。
志(理想)を達成するためには手段(実力)が必要であり、実力の伴っていない志は絵に描いた餅です。法律家としての志を達成するために、伊藤塾が実力を付与してくれます。

Q.どんな弁護士像が理想ですか?

杓子定規に法的見解を応えるような弁護士ではなく、依頼者の期待値を常に上回るような存在になりたいです。困っている人を助けるのが弁護士の本懐ですので、頭でっかちの法律屋にはならずに、常に依頼者に耳を傾け、依頼者の困りごとの解決につながるようなアドバイスを行うことができる弁護士になりたいです。

Q.今後の展望を教えてください。

豊田通商でのインハウスロイヤーとしてのキャリアに、非常に満足しています。大好きな車に関係するビジネスに携われるだけでなく、「未来の子ども達により良い地球を届ける」という豊田通商のミッションに強く共感しており、この会社に貢献することが社会にとって大きな価値になると信じています。更に活躍するためには、法的知識のみならず、経営・財経・英語といった多方面のスキルが必要です。法的知識に加えてこれらのスキルも磨きつつ、会社の皆様から信頼される存在、私に相談すれば間違いないと思ってもらえるような存在を目指します。

まとめ

事務所では紛争実務において証拠と論理を積み上げる緻密さを磨き、企業では事業部と一体でビジネスを推進しつつ全社利益の観点から歯止めも担う。
理論と現場を往復しながら実務感覚を深化させ続ける姿に加え、自動車への強い趣味性も際立って映る。

 
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Vol.13 弁護士 青山晃大先生

サッカー留学から刑事弁護へ。異色キャリアの軌跡と自信。

Profile

所属:リコネス法律事務所
専門分野:刑事弁護、債権回収

アルゼンチン帰りの弁護士

Q.自己紹介をお願いいたします。

青山晃大と申します。弁護士法人リコネス法律事務所で勤務しております。主な業務は刑事事件です。

私は高校卒業後、アルゼンチンへサッカー留学をしました。
小さい頃からサッカー選手になりたいという思いがあり、そのために日々練習をしていました。

帰国後は、愛知県警で警察官として勤務することとしました。
愛知県はペルー人が多く、スペイン語の通訳を必要とする場面がありました。私はアルゼンチンでスペイン語を修得していたので、スペイン語を活かして国際的な犯罪捜査に携わりたいという思いでした。

そして今は弁護士になり、警察官だった経験を活かして刑事事件を中心に取り組んでいます。

"自分だけの武器"を磨き続けた半生

Q.それぞれの時代について教えてください。

サッカー選手を目指していた時も、自分より上手い選手はたくさんいました。
警察官の時も、自分より仕事ができる方が多かったです。
その意味では、このままでいいのかと悩むことはありました。
但し、警察官の時は、スペイン語という自分の武器があると思い、他の人と違う方向で努力しようと考えました。
どの時代でも、自分にしかできないことを伸ばそうと意識していました。

Q.印象に残っているエピソードはありますか?

サッカー留学時代、FIFAワールドカップの優勝メンバーがチームメイトにいました。ゴールネットの至近距離から打ったシュートを止められたとき、世界との差を感じたことは印象に残っています。

また警察官の時は、首にロープをかけて自殺しようとしている方がいるという通報を受け、緊急走行で向かい、ロープを切って命を救った経験があります。

警察官と弁護士、双方が持つそれぞれの正義

Q.最も記憶に残っている弁護士実務を教えてください。

刑事事件で、逮捕と勾留をされていた被疑者について、被害者と示談をし、勾留取消しや身柄解放が認められた案件は心が動きました。
依頼者の人生に直接影響を与えることができたと感じました。
そうした積み重ねが、社会への影響につながっているのではないかと思います。

警察官時代は逮捕や勾留する側でしたが、今は逆の立場にいます。
それぞれの立場にそれぞれの正義があり、正義は一つではないと感じています。

警察官という国家権力と被疑者の権利

Q.伊藤塾での学びはいかがでしたか?

社会人として勉強を始めたため、最初は勉強仲間がいませんでした。
しかし、伊藤塾のゼミなどを通じて大学生や社会人など様々な受験生と知り合え、モチベーションを保つことができました。
また入塾した当時、私は警察官として逮捕など身体拘束を伴う、まさに国家権力を行使する仕事をしていました。そのような立場にあったからこそ、被疑者の権利について深く考えるようになりました。
伊藤塾での学びを通じて、被疑者の権利を意識しながら適正な職務執行をしなければならない、ということをより一層強く感じるようになりました。その意味で、伊藤塾での学びは当時の実務にも非常に役立ちました。

他にも、明日の法律家講座を通じて、合格後はどのような法律家になりたいか考える機会が多くありました。実際に活躍している実務家の話を聞く機会が多く、それは他の受験指導校にはない魅力だと思います。

平田先生


 

志が支えた、社会人受験という挑戦

Q.社会人受験生へメッセージをお願いいたします。

何か理由があって目指されているのだと思いますので、その志に従って勉強してもらえればと思います。
社会人ですので、仮にすぐ合格できなかったとしても大きな問題にはならないと思います。できるだけ楽しんで取り組んでほしいと思います。

Q.法律を学ぶ意義は、どんな点にあると思いますか?

弁護士になって以降、身近な人から法律相談を受けるようになりました。
多くの人が、法律問題を抱えていることに改めて気付きました。
法律を学ぶことで、自分の身近な人を助けることができる。それは大きな意義だと思います。

Q.志と実力の関係を、どのように考えますか?

志は、実力を伸ばす源になるものだと思います。
志があるからこそ努力し、勉強し、経験を積むことができます。
志があれば、その分だけ実力もついてくると思います。

目の前を貫いた先にある、次の道

Q.今後の展望を教えてください。

これまでの人生、目の前のことに一生懸命取り組んできました。
これからも弁護士として、目の前の一つひとつの事件に向き合います。
その先に、また新たな道が開けてくるのではないかと思っています。

まとめ

サッカー、警察官、弁護士と、異なる世界を歩みながら、その都度で自分の強みを磨き続けてきた姿勢が印象的だった。
「正義は一つではない」という言葉には、青山先生ならではの経験から出た言葉であり、重みを感じた。

 
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