私が法曹になった理由

<働きながら司法試験合格>先輩弁護士からのメッセージ

法曹の多様性を目指して始まった司法改革!様々な経験や専門知識を持つ方が、法曹として活躍することを、社会は期待しています。
一方、法曹資格があれば、現在の仕事で活躍の幅を広げられるのも事実。自分の経験を活かしてキャリアアップするために、皆、様々なきっかけから法曹を目指しています。
ここでは、民間企業や士業、医師、経営者、主婦経験を活かし、法曹として活躍されている先輩からのメッセージを紹介します。

会社勤めから

大手建設会社に勤務していましたが、31歳の時、将来に対する漠然とした不安を覚え、司法試験を受験するために会社を退職しました。
 現在の仕事は、事務所の顧問先の仕事が中心で、契約書のチェック、会社法を巡る各種案件、労働問題、債権回収にまつわる案件のほか、一般民事全般です。社会人経験があるため、社会通念上の常識、会社のルールなどをイメージしやすい点で、企業関係の依頼者の共感を得やすいのではないかと思います。
 弁護士になり、いろいろな場面で「専門は何ですか」との問いかけを受けます。私は得意な分野を持ち合わせていませんが、今は「交渉が上手な弁護士」になれたらと思っています。人の話を的確に理解でき、相手との交渉に長け、適切な解決を導くことで依頼者に満足してもらえる弁護士を目指しています。
 弁護士業務は決まりきった正解がなく、自分のやり方で仕事ができる点は魅力です。依頼される案件もどのような事件が来るかわからず、毎日が新しい日々です。司法試験は人生をかけるに値する、十分見返りがある挑戦だと思います。
※2012年3月取材。伊藤塾発行「弁護士の魅力vol.3」冊子より抜粋

士業から法曹へ

公認会計士として監査法人や財務コンサルティング会社などで10年以上専ら数字を扱う業務をしてきました。会計士の仕事も十分魅力的ですが、それ以上に日本における事業再生案件や倒産案件のメインプレイヤーは弁護士だと思い、弁護士になるべく司法試験の受験を決意しました。就職は大きな事業再生案件のある現在の事務所を選択しました。現在担当している業務は、事業再生案件、企業法務、一般民事事件、離婚調停、相続案件等々、実にさまざまです。また会計士のスキルを活用して、決算書類の分析や再生計画案のチェック、遺産分割や財産分与という財産関係のシミュレーション作成、各種セミナー(起業会計と法律がクロスする分野)も取扱っています。会計関連の専門用語や知識を所内の弁護士等にわかりやすく説明したり、裁判官や調停委員に対して、事件の概要をA4の紙一枚で分かりやすく伝えるためのポンチ絵を作成したりするのも、会計士時代の経験やコンサルティング時代のスキルが非常に役立っています。自分の歩んできた資格・キャリアを活かし、さらに法律の専門職としてのキャリアアップ、スキルアップをしていけば、大きなステージで仕事ができると思います。純粋培養された弁護士にはない、ハイブリッド弁護士としての能力を最大限発揮し、未開の分野の第一人者の弁護士として活躍してはいかがでしょうか。
※2012年3月取材。伊藤塾発行「弁護士の魅力vol.3」冊子より抜粋。

大学でのボランティア活動を通じて福祉関係の仕事に興味を持ち、卒業後は福祉施設の生活指導員として勤務し社会福祉士の資格も取得しました。福祉施設職員向けの研修で、福祉施設での身体拘束などを通じた人権問題について弁護士の講演を聞く機会がありました。そこで、人権問題の難しさや自分の意識の低さを痛感し、また、たまたま介護保険制度導入の時代でもあり、成年後見制度改正のための民法が改正されたことを知り、法律の仕事の興味を持ちました。その後、司法書士資格を取得し、数年の事務所勤務を経て独立開業。行政のケアワーカー達のケース会議にオブザーバーとして参加し、法的な助言等をする仕事に従事しました。そこで、虐待が疑われるケースや紛争性の高い事案など司法書士では対応できない事例があり、途中までサポートしていたのに弁護士に引き継がなくてはならないことがあったため、司法書士の職域に限界を感じ、弁護士を志す決意をしました。

医療系の仕事から法曹へ

高校時代からスキーをやっていた経験から一流のアスリートと接していたいと思い、整形外科医をしていました。医師をやっていると医療過誤や患者との法的なトラブルなどがあり、医師の仕事の理不尽や医療の萎縮を感じていました。そんなあるとき、スキーで大きな事故を起こし整形外科医を継続していくことに若干支障がある視力の後遺症が残ってしまいました。そこで、多様な人材を法曹の道へというふれこみから弁護士を目指すことを決意しました。
 いろいろな業務を経験したいと思い、今の事務所に入所し、分野を問わずどのような案件も扱っています。もちろん医師の経験を活かし、医療過誤事件や介護事故事件、医療機器の特許関連事件なども手がけます。こういった案件では、医師免許を持っていることで周りの理解も得やすく、クライアントの安心感も増すのではないかと思います。
法曹というのは、別の分野での経験を十分活かすことのできる職業です。医師に限らず建築や金融などあらゆる分野の知識や経験が役に立つので、活躍できる場面は多いと思います。
※2012年2月取材。伊藤塾発行「弁護士の魅力vol.3」冊子より抜粋。

主婦から法曹へ

私は出産してから法曹を目指しました。女の子が産まれて、子どもの人生を考え始めたとき、社会における女性の地位の低さについて考えるようになったことがきっかけです。弁護士として、子供の貧困や子供の教育問題に取り組みたいと思っています。弁護士としてできることには限界がありますが、様々な分野の方と協力して、すべての子供が穏やかな環境で安心して成長できるような社会にしたいと思います。子供がいると、子供が病気になったり、学校の行事があったりなどして、時間の融通が難しいこともあります。そこで、時間を効率的に使う工夫が必要で、先の予定を念頭に、優先順位を考えて行動しています。伊藤塾で学んだゴールからの発想です。
 弁護士に限らず、子育ての主力を担いながら仕事をするということは、少なくとも時間的にとても大変なことです。まだまだ、女性のみが負担していることも多いですが、「子育てをしながら」ということが、女性や母親に特有の問題ではなく、格別タイトルにもならないような時代になればいいな、と思っています。高齢化社会でもあるので、「子育てをしながら」の次には「介護をしながら」となるのでしょう。女性だけが負担することなく、男性とともに、負担しあいながら、ともに仕事をしてゆける社会を実現させなくてはなりません。家庭を抱えて働くことの大変さを実感する女性が、もっと法律家の道を目指すことを期待しています。
※2012年2月取材。伊藤塾発行「弁護士の魅力vol.3」冊子より抜粋。

弁護士として就職活動をする時にはすでに結婚が決まっており、相手は検察官でした。検察官は2年間ごとに転勤があるので私もそれについて行くつもりでした。就職活動の際も、嘘をつきたくなかったので、2年も経たないうちに退所するかもしれないということを面接でも伝えました。不利な条件だとは思いますが、それが理由で断られることはなかったと思います。
 現在は、夫の転勤にともなって事務所を退所し、当面は弁護士業務から離れて主婦になるつもりです。女性は結婚や出産など仕事を続けていくうえで大きな出来事がありえます。でも弁護士はやる気があればいつでも再開することができる職業です。仕事のやりがいも大きいですし、社会からは女性の視点も求められています。依頼者からも「女性の弁護士さんなのでとても話しやすかった」と言われることもあり、やりがいを感じます。最初からあきらめることなく、ぜひチャレンジしてみてください。
※2012年2月取材。伊藤塾発行「弁護士の魅力vol.3」冊子より抜粋。

経営者から法曹へ

大学を卒業して保険会社で勤務した後、家業の不動産業を営んでいたのですが、その頃に法科大学院の制度がスタートするということで、入学を決意しました。
 当初から独立して自分の事務所を開業したいと考えていました。開業当初より新人の勤務弁護士を採用し、社会人としてのマナーも教えながら自分の仕事もこなし、その後新たに弁護士を増員するなど、今思うと無謀だったのかもしれませんが、弁護士の人数を増やすということは対外的な信用にもつながり、仕事の幅も拡げられます。大変なのは覚悟していましたから、これからの展開を考えると意味のあることと考えています。社会人時代の営業経験や家業経営の経験を活かせれば事務所をうまく導けると思っています。
 独立してよかったと思うことは自分で自由に仕事ができること、自分のやりたい仕事ができることです。また周りの弁護士に気兼ねなく、自信を持ってのびのび仕事ができます。
※2012年2月取材。伊藤塾発行「弁護士の魅力vol.3」冊子より抜粋。

 
 

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