講義スケジュール通りに受講していくことで、合格を掴むことができました。

A . S さん(21歳)
 

立教大学法学部4年

【合格校】
・中央大学法科大学院(既修・半額免除学生)
・早稲田大学法科大学院(既修・稲門法曹会奨学生)
・明治大学法科大学院(既修・全額免除学生)

【受講講座】
入門講座本科生、ベーシック論文答練、全国公開択一模試 など

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。


はじめに

私はテレビやゲームの中で活躍する弁護士にあこがれて、法曹を志しました。法学部に入学し、法律の勉強がとても楽しかったことや、大学でのゼミ、そして大学2年の春に入塾した伊藤塾の講義を聴くうちに、弁護士になりたいという気持ちは確実なものとなっていきました。伊藤塾に入塾したのは受験指導校に通わなければ法科大学院には受からないと聞いていたことと、大学の先輩から伊藤塾は指導が丁寧だと聞いたからでした。実際、大学の授業では一つの科目の全範囲をやり切れるわけではないですし、論文の書き方も教えてくれません。今は、伊藤塾を選んで本当に良かったと思っています。

私がとった勉強方法 

適性試験対策について

私はDNCの1部が最初半分くらいしか正解できない状況でした。そこで、本科生のカリキュラムに含まれている適性試験模試を受講し、わからなかった問題を1日1問ずつ解いていきました。結果、1部で36点、合計で83点を取ることができました。適性試験は「慣れ」が一番大事だと思うので、毎日練習していけばおのずと点数は上がっていくと思います。

法律科目試験対策について

(1) 基礎的な法知識の修得について
基礎的な法知識の修得は専ら基礎マスターに頼っていました。とは言っても、基礎マスターの復習はほとんどしていませんでした。もっとも、伊藤塾長に記憶するように言われた定義やフレーズを記憶する時間は一応とっていました。それから私は法学部だったので、定期試験の勉強としてweb deドリルを解いたり、「伊藤塾オリジナル問題集」(弘文堂)を解いたりしていました。 
この時期にもっと基礎マスターの復習をしておけばよかったと今では思います。

(2) 実践段階の学習について
大学3年生の春から、論文マスターを受講しました。基礎マスターで復習をおろそかにしたツケで、最初は全く論文が書けず、予習では思いついた論点を羅列することしかできませんでした。復習の時は、1問ごとに「論文トレーニングテキスト」のようなものをルーズリーフ1ページ分作っていました(以下、「論文ファイル」とします)。論証については「問題研究」と「論証パターン集」、「論文トレーニングテキスト」を参照して自分が書きやすいようなものに書き換えていました。
さらに、夏からはベーシック論文答練を受講し始め、答練前に各回の範囲の論文ファイルをマーカーで色分けしながら覚えました。ベーシック論文答練も最初は覚えたものをただ答案に書くだけでしたが、終わりころになると自分で考えて書けるようになってきました。特に商法・訴訟法・行政法については、基礎マスターの段階では頭の中でバラバラになっていた知識が、論文マスターを受けて一つの体系的な知識にまとまるような感覚を覚えました。これはわかりやすい論文指導と、基礎マスターに比べて短期間で一つの科目が終わる論文マスターのカリキュラムのおかげだと思います。基礎マスターがすべての土台にはなるのですが、論文マスターを受けることで基礎マスターの理解も深まります。論文マスターは私のおすすめ講座です。
択一については、憲法・民法・刑法は旧司法試験の過去問、商法・訴訟法・行政法は市販の問題集を解いて、間違った問題は基礎マスターに戻るということを繰り返していました。法学既修者試験に必要な知識は条文と基礎マスターテキストに載っているのでそれだけ見れば大丈夫だと思います。私はこの勉強法で法学既修者試験において280点中237点、全国6位という成績を収めることができました。

パーソナル・ステートメント対策について

パーソナル・ステートメント(PS)についてはPS対策講座を受講しました。PS対策講座はPSの書き方を基本から教えてくれるのでとても役立ちました。PSは書けば書くほど精度が高まってくるので、早くから準備して自分で納得できるものを添削に出したほうがいいと思います。また、PSのネタ作りのためには大学でいろいろなゼミを受講するのがいいと思います。私は大学で弁護士論ゼミをとっていて、これがPSに大きく役立ちました。

学部成績について

伊藤塾の講義を受けていれば、法律系科目については安心していいと思います。また、大学の授業が伊藤塾の講義の復習にもなるので、大学の授業にもまじめに取り組むべきだと思います。もっとも、大学の先生によっては一筋縄ではいかないこともあるので個別に対策が必要な場合もあると思います。

志望校の選択について

私は新司法試験の合格率、自宅からの通いやすさ、大学院の雰囲気や設備などから、中央、早稲田、明治を受験しました。大学の雰囲気については、伊藤塾の開催した『法科大学院進学相談会』で在校生のお話を聞くことができ、大学院の雰囲気を少しつかむことができました。伊藤塾の相談会では短時間でいろいろな大学院の話が聞けるので参加する価値はあると思います。

直前期と試験当日

私は適性試験直前に急に利き腕が痛くなって文字が書けないというハプニングに陥りました。その時は書けなくなったら元も子もないと思い、とにかく腕を安静にさせていました。適性試験当日は、痛みはまだあったものの、マークシートだったので乗り切ることができました。また、各校の受験の直前も痛みの再発を恐れて自作の論文ファイルの見直しにとどめて論文を書くことはしませんでした。直前期も勘を鈍らせないため論文を書くほうがいいと思いますが、何よりも体調を優先すべきだと思います。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

私はWebで受講していたのですが、Web講義は自分の好きな時間に受講できるのでとても便利でした。また、私はベーシック論文答練のスケジュールについていけなかったのですが、Web講義だと配信期限までならいつでも答案を提出できるので助かりました。

入学前準備として

基礎マスターの重要部分だけでも聞きなおそうと思っています。

合格後に必要なこと

私は司法過疎地域で、他の専門家や機関と連携して依頼人を救える弁護士を目指しています。自分の目標とする将来像の形成にあたっては伊藤塾の「明日の法律家講座」が大変有意義だと思います。私も「明日の法律家講座」で司法過疎地域に勤める弁護士の方の話を聞いて大変感銘を覚えました。これからは、弁護士になっただけでは食べていくことができないというのが「当たり前」の弁護士界になると思うので、自分なりにビジョンを描くことが大切だと思います。

最後に

私が合格することができたのは、運と、基礎マスター、論文マスターの講義をほぼスケジュール通りに消化したことにあると思います。基礎マスター時にもっと復習をしておけばよかったと述べましたが、復習に時間をかけて講義を遅らせるよりは早く講義を消化して、1科目を何回も繰り返すべきだと思います。一通りのことを学んでからの方が、より知識が定着しやすいからです。
法科大学院には合格しましたがここはまだスタート地点です。これからは新司法試験、そして私の目指す弁護士像に向かって、また進んでいきたいと思います。

(2010年9月・記)