弁護士のカウンセリングを受けられるのは、絶対に他校にはない、伊藤塾のよさだと思います。
J.Sさん(27歳)
東京大学法科大学院(未修)修了
◆出身大学/早稲田大学政治経済学部卒業
◆受 講 講 座/入門講座基礎生
※プロフィールは、2010年合格時点のものです。
はじめに
組織に依存した生き方をしたくなかったことや、手に職を付けたかったことから法律家を志しました。そこで、私は他学部だったこともあり受験指導校を選ぶことになったのですが、伊藤塾は、他の受験指導校と違い、真面目に法律家を育成しようとしている雰囲気が全体から感じられました。他の受験指導校が受験指導のみを目的としているように見えたのに対し、伊藤塾は合格後のことまで見据えた、しっかりとした教育を行っているように見えたのです。講義を担当している弁護士の先生の仕事への誇りを一番強く感じることができた受験指導校も伊藤塾でした。このような印象から伊藤塾を選んだのですが、実際に受講してみてその選択は間違っていなかったと思います。
私がとった勉強方法
基礎的な法知識・法理論の修得について
司法試験は範囲が膨大です。まずは一定の範囲の論証や論点、法制度の概要を覚えなければいけません。私がまずその作業に使ったのは「試験対策講座」(弘文堂)でした。
「試験対策講座」は基本書と違って初学者にも読みやすいですし、試験に出やすい論点が明示されておりメリハリがつけやすいです。
私は「試験対策講座」で一応法律の全範囲の知識を入れた後、それぞれの科目をより深く、体系的に理解するために基本書の読み込みを行いました。基本書を読むときは、じっくりと考えながら読み、最終的には基本書をすべて自分の言葉で言い直せるような状態にするのがベストだと思います。また、多くに手を出すよりは、これと決めた一冊を繰返し読むほうが効果的だと思います。基本書を読む際には、当然条文は引かなければいけません。論点というのはあくまでも条文の文言の解釈をめぐって議論がある場合に問題となるものなので、論点の知識を入れる際には、それがどの条文のどの文言についての議論なのかを意識して基本書を読まないと使い物にならない知識になってしまいます。私が1年目に不合格になったのは、条文を意識しつつ、考えながら基本書を読むという訓練をしていなかったからだと思っています。
短答式試験対策について
短答式試験はいまやあまり配点が高くありませんし、司法試験の合否を決めるのはやはり論文式だと思います。まずは論文式の勉強をきちんとやることが重要であり、論文式の勉強をしていれば、短答式突破に必要な知識も入っていくと思います。私が取った短答式対策は、条文を素読し、確認のため肢別本で問題演習をし、過去問を時間内に解くというシンプルなものです。特に民法は配点が高く、また短答用の知識が論文式にも役に立つことが多いので、入念に行っていました。たまに条文を素読したことがないという人がいますが、法律学は条文の解釈を行うものである以上、条文を直接読むことは法律学の修得にとって必須だと思います。ただ、いきなり条文を読んでも意味不明だと思いますので、基本書や「試験対策講座」などで知識を入れた後に読むのがいいかと思います。
論文式試験対策について
過去問や出題趣旨、ヒアリングの徹底的な分析と、実際に過去問の答案を書いてみることは必須です。そして、ゼミを組んで、仲間に自分の答案を批評してもらうといいと思います。誰でも文章を書くときは癖が出ますが、自分の悪い癖は他人に見てもらわないとわからないからです。
合格答案の分析も必須かと思います。どういう答案が評価されるのかについてイメージがなければ、いい答案は書けません。司法試験なんて法律がわかっていれば受かる、と思ってこういう答案分析のような面倒な作業をしない方がいますが、司法試験も試験である以上は点を取るノウハウはあるので、答案を分析して点が取れる答案のイメージをつかんでおいたほうが無難です。
直前期の対策について
直前だからと言って特別なことをする必要は一切ありません。というか、逆に特別なことをしてはいけません。いつも通りの勉強をしましょう。私は今まで使っていた基本書の読み直ししかしませんでした。苦手な部分には付箋を付けて、そこだけ見直すのもいいです。あとは勉強時間を少し減らして、体調を整えておくのが大切だと思います。いつも通りの勉強をし、本番ではいつも考えていることを書き、いつも法律問題を処理しているように事案を処理できればいいのです。
伊藤塾の受講スタイルとフォロー制度
私は通学受講を選択していたのですが、時間的に拘束される上に、深夜になってしまうのが嫌だったので、フォロー制度をよく使っていました。自分に合った受講方法を選べば、受講の負担は極力減らせますし、快適に勉強できます。ここが法科大学院とは違うところです。また、岡崎講師のカウンセリングに励まされることもありました。弁護士のカウンセリングが受けられるというのは他の受験指導校には絶対にないサービスであり、伊藤塾のよさが出ている制度だと思います。
法科大学院での受験対策、伊藤塾の活用
法科大学院での学習は、法律学の基礎的な考え方を学ぶ上では非常に有益ですが、受験対策として見た場合、やはり絶対的に不十分です。まず、授業でやっていない範囲がかなりあると思います。そこは自分で補わないといけません。また、授業でやったことも、それを答案に素早く表現する練習は別途必要です(例えば伝聞法則の処理など)。ただ、授業が忙しい3年次の夏までは、授業優先でいいでしょう。授業を全力でしっかりこなしていれば、3年の夏休みから追い込みをかければ間に合うと思います。
学習スケジュールの管理について
私は基本書を読むという勉強を中心にしていたのですが、手帳に1日にどの本をどれだけ読んだかは逐一記録していました。また、1日24時間が目盛りによって区切られているビジネス手帳を買って、何時から何時まで何を勉強していたかを記録していました。一発で受かる方はよいのですが、私のように浪人すると本当に精神的につらくなり、お金はないし時間はないし受かるかもわからないしで、ほとんど人権剥奪状態のようになります。それでも何とか勉強を続けるには、受かれば法律家になれるんだ、という意思を持つこと、受験をともにする仲間を持つことが大切です。特に、仲間を持つと、一つの目標に向かってともに努力するという、少年漫画のような気分を味わえます(笑)。
合格後に必要なこと
司法試験は受かったら終わりではありません。受かってからも勉強、努力は嫌というほど続きます。しかし、法律家は社会正義や他人の幸福のために働く職業です。そうである以上、努力し続けるのは当然のことだし、またそういう目標のため努力できる環境が与えられるのは幸福なことでもあります。就職がなければ自分で顧客を開拓すればいいんだ、くらいの気持ちでいれば、何の問題もないと思います。法律家としての誇りを忘れなければ、きっと何とかなります。私もそう自分に言い聞かせて頑張っています。
最後に
法曹として、よりましな社会の実現に少しでも貢献したいです。最後に、司法試験は採点基準がわからないとか言われていますが、実はフェアな試験です。地道に王道の勉強を続けていれば、多少本番でミスをしても、パニックになっても、ちゃんと受かります。逆に、暗記に頼ったり、さぼったりしていると落ちます。これは私の2回の受験経験からも確信をもって言えます。努力は必ず報われるので、信じて勉強してください。
(2010年11月・記)