伊藤塾長に従って勉強をすればきっと自分でも司法試験に合格できるという直感のようなものを抱き、入塾を決意しました。

予備試験ルートで司法試験合格

砂田雄土 さん(22歳)

合格者イラスト
慶應義塾大学法学部4年在学中
◆予備試験合格時 /慶應義塾大学法学部3年在学中
◆受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、司法試験演習生 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。

はじめに

私は、高校生の頃から漠然と法律家に憧れており、高校3年次に法律学の授業を選択しました。そこで、法律学の面白さを感じ、その時の先生に背中を押される形で、法律家になろうと決意しました。
そして、司法試験に合格するためには独学では厳しいことを聞いていたので、受験指導校に入ることにし、大学入学前に伊藤塾の説明会に行きました。その時、伊藤塾長に初めてお会いし、この方に従って勉強をすればきっと自分でも司法試験に合格できるという直感のようなものを抱き、入塾を決意しました。

予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

法律家として活躍するためには、法律の勉強ばかりしていればよいわけではなく、勉強以外の様々な経験が不可欠です。私は、早く司法試験に合格して、それによって生まれる時間で様々な経験をしたいと思い、予備試験受験を目指すことにしました。
また、時間に余裕が生まれるという他にも、経済的負担が少なくて済む、予備試験を目指して勉強することが司法試験対策に直結する、といったメリットがあると思います。
法科大学院制度の趣旨として法曹界への多様な人材の確保というものがありますが、金銭的に余裕がなくても司法試験に合格する道のりが開けていて、そのうえ様々な経験をする時間が生まれる予備試験ルートも、その趣旨に十分合致していると思います。

私がとった勉強方法

基礎的な法知識・法理論の修得について

司法試験合格に必要なのは、難解な法知識でもなければ、最先端の法理論でもなく、受験生の誰もが聞いたことのあるような基礎を正確に理解・記憶し、それを具体的な問題において使いこなせるようにすることです。基礎マスターのテキストを何度も読み込んだこと、論文マスター段階で何度も答案を書いたことは、この司法試験合格に必要な基礎力を獲得するうえで大いに活きました。 
学習のポイントは、伊藤塾長・講師の方々のおっしゃることを素直に聞いて実践することに尽きます。ここを覚えろと言われたらしっかりと記憶の時間をとって覚える、手を動かして答案を書けと言われたら書く、過去問を解けと言われたら解く、そういう地道な努力の積み重ねができたかどうかで勝敗は決まると思います。まだ試験まで時間がある今日も、試験直前の1日と同じ価値があることを常に忘れずに、毎日必死に勉強することが大切だと思います。

短答式試験対策について

私は、昨年の予備試験の短答式試験対策として、司法試験の過去問を解き、条文および基礎マスターテキストの該当箇所に戻って読み返すという勉強を行いました。その時の蓄積があったので、司法試験前に短答式試験対策として時間を費やすことはしませんでした。過去問でよく問われる条文と基礎マスターの知識さえ盤石であれば、予備試験のみならず司法試験の短答式試験も十分に合格できると思います。
重要なのは、過去問なり演習書なりを学習して終わりにするのではなく、必ず基礎マスターテキストなど自分がインプットの基本としているテキストに戻って確認する作業を怠らないことだと思います。短答式試験で点数が伸び悩むという方は、やみくもに知識を増やそうとするのではなく、これと決めた一冊の教材を何度も読み込む勉強法をとるのがよいと思います。

論文式試験対策について

論文式試験に合格するために必要だと思うことをいくつか挙げると(ア)基本論点を理解し記憶していること、(イ)わかりやすい日本語で表現できていること、(ウ)時間内に書き切ること、(エ)未知の問題に趣旨や原理原則にさかのぼって対処できていること、などがあります。
私は、(ア)については、論証パターンを加工し、それをすべて記憶することで身につけました。論証パターンを加工するには論点の理解が必要なので、論証パターンを加工・記憶するこの作業は、時間がかかりはしましたが、結果的に論文合格の力をつけるのに大変有用でした。(イ)については、答案をたくさん書いて、自分で読み返し、時には友人やゼミ長にチェックしてもらうことで段々できるようになりました。どんなにたくさんの法知識を頭で理解していたとしても、それを読み手(試験委員)に伝わる筋の通った文章で表現できなければ、書面審査である論文式試験に合格することはできません。したがって、この力をつけることは、ある意味法律以前の問題ですがとても重要なものだと思います。(ウ)については、伊藤塾の答練や模試、さらにはゼミで時間を計って答案を書く作業をたくさんこなしているうちにできるようになりました。論証を思い出すことに時間をかけない、つまり論証を頭で考えなくても書けるくらい徹底して記憶することも、合格答案を時間内に書ききるために必要なことだと思います。そして、(エ)については、伊藤塾長が講義の中で口を酸っぱくしておっしゃっていたことなので、自然にこれが重要なことなのだという認識を持てました。あとは、答案を書くたびにこれを意識して実践することで、試験会場においてもできるだけの力を身につけることができました。

直前期と試験当日の対策について

直前期には、新たな知識を入れるような勉強ではなく、何度も読み込んだ基礎マスターテキストと論証パターンを再度確認する勉強をしました。アウトプットに関しては、毎日最低一通は司法試験の論文過去問を書くようにしていました。
試験当日に関しては、最後まで絶対に諦めないことが何より大切です。私も、本試験では、序盤から普段しないような大きなミスを多数してしまいましたが、それでもなんとか最後の科目の終了の合図が鳴るまで集中力を切らさずに受けてきた結果、合格することができました。ミスはしないように気をつけるべきですが、司法試験でミスせずに書ける人などほんの一握りいるかいないかだと思います。そのため、仮に本試験でミスをしてしまい、それに気づいてしまった時でも、合格者もみなミスをしているものだと割り切って、前だけをみてやってみるのがよいと思います。

学習モチベーションの維持・向上について

まず私は、予備試験、司法試験の他に、行政書士試験、法学検定試験を受けました。具体的な目標が毎年あったことはモチベーション維持に有益でした。それでもやる気がなくなる時は多々ありましたが、そんな時は頼れる人と話をしたり、伊藤塾長雑感を読んだりして自分を鼓舞していました。
また、未熟な私には、こんな仕事がしたいというような高尚な「合格後を考える」余裕はあまりありませんでしたが、司法試験が終わったら今まで我慢してきたことをたくさんやろう、というような想像はいつもしていました。そのためには、早く合格するしかないと思って勉強する気がおきたので、このような想像も「合格後を考える」ものとして有益かもしれません。

最後に

ここまで、多少偉そうなことも申してきましたが、私も少し前まで、合格できるのか不安で仕方ない気持ち、他人がうらやましく思える気持ち、苦しくてもうやめてしまいたい気持ちと闘い、涙をこらえて毎日勉強していた受験生でした。こんな気持ちからどうしたら解放されるか、いつも考えていましたが、やっぱり努力するしかないのだなと思い至りました。家にこもって勉強していた自分を毎日見守ってくれていた家族、たまにしか会えなくても励まし助けてくれた友人、同じ苦しみを乗り越えた合格者、親身になって教え対応してくれた伊藤塾長・講師・スタッフの方々、すべての存在が私の原動力でした。
多くの人に支えられていることを決して忘れず、これからは私も多くの人の力になれるように生きていきたいと思います。最後に、恩師に教わった私の好きな言葉を残します。
 僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる

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