基礎マスターテキストを考えながら読むことで、思考力も養われます。

予備試験ルートで司法試験合格

塚田 智宏 さん(22 歳)
 

合格者イラスト
慶應義塾大学法学部卒業

◆ 予備試験合格時 /慶應義塾大学法学部4 年在学中
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+ リーガルトレーニング、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、基礎マスター労働法、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。


はじめに

私は大学一年次、伊藤塾28期入門本科生として勉強を開始しました。高校生のときから、「大学時代も何かに打ち込んで有意義に時間を過ごしたい」と考えていたところ、ちょうど自身の進学先が法学部でしたので、法律家を目指そうと考えました。
 伊藤塾の入門講座は、難解な法律知識を初学者にもわかりやすいように噛み砕いて教えてくれるものであったため、非常に勉強が捗りました。また、伊藤塾長が講義の途中でされるお話は、「法律家(又は一人の人間)としてどうあるべきか、なにをすべきか」ということを考えさせられる、非常に深いものであり、大変勉強になりました。

予備試験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

「なるべく早く司法試験に合格して実務経験を積みたい。」と思ったことが、予備試験の受験を決心した理由です。私が法律の学習を開始した当初は未だ予備試験が実施されておらず、どのような試験になるかわかっていなかったため非常に不安はありましたが、「それでもやるしかない。」と思いました。何かを達成するにあたって、不安はほとんど誰もが抱くものだと思いますので、不安を抱いている自分を過度に心配する必要はありません。  予備試験ルートの最大のメリットは、予備試験に合格すること自体ではなく、予備試験の合格に向けて必死で自分自身を鍛え上げることによって得られる思考力や精神力であると思います。日常生活ではなかなか得られるものではないと思うので、ぜひ、目指されることをおすすめします。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

基礎的な法知識・法理論の修得のためには、基礎マスターテキストをしっかりと復習することが必要で、かつ、それで十分であり、基礎マスターテキスト以外の基本書等に手を出す必要は、一切ありません。  同テキストを学習する際に気を付けるべきことは、ただ漫然と読むことにならないように注意することであると思います。すなわち、同テキストを「読み込む」ことが必要となると思います。勉強を始めた頃、多くの合格者がいう、この「読み込み」の意味がよくわかりませんでした。「何度読んでも、書いてあることは同じなんだから、何度も読むのではなく覚えてしまえばいいのだろう」と思ってしまい、ただただ同テキストに記載されている内容を覚えることに力を注いでしまっていました。
 しかし、段々と勉強が進むにつれ、合格者のいう、「読み込み」の意味が分かってきました。それは、ただ漫然とテキストを「眺める」のではなく、「考えて」読むということだと思います。「考えて」読むとは、具体的には、テキストの字面を眺めることではなく、具体的な場面を想定してイメージしながら、また、条文との関連を意識しながら、はたまた、抽象的な判例の規範の使い方を考えながら、読むことを意味するものと考えています。
 同テキストは司法試験のプロによって監修・作成されていますから、ただテキストを読むだけでも知識は入ってきますが、それだけでは、既知の問題には対応することができても、本番で出題される未知の問題には全く対処することができません。また、「考えて」読むことによって、今までは気づくことができなかった点に気づくことができると思います。
 したがって、同テキストの「読み込み」が基礎的な法知識・法理論の修得に役立つことはもちろん、それが同時に、論文問題で出題される未知の問題への対応力を養うことにも役立つのです。

短答式試験対策について

短答式試験対策のためには、まずは過去問演習が大切です。どのような問題が出題されるのかということがわからない限り、有効な対策を立てることができないと考えるからです。そして、過去問の傾向等を把握できたら、自分なりに知識をまとめた短答ノートを作成することをおすすめします。ただただテキストを読んで勉強した気になっても、天才と呼ばれる極めて頭が良い人を除き、私のような凡人では、短答で点数を取ることができるようにはなりません。伊藤塾長がおっしゃるように、記憶の時間を取ることが大切なのです。そして、かかる記憶の時間をさらに有効活用にするためには、自ら作成した短答ノートをひたすら繰り返すことが必要だと考えます。
  私は当初、短答式試験への苦手意識が強かったのですが、短答ノートを作成して何度も何度も反芻、修正していく中で、いつの間にか苦手意識は消えていました。皆さんにも、ぜひ、短答ノート作成をおすすめします。

論文式試験対策について

なによりも、論文を実際に書くことが最も大切です。「論文を書くことは演習時間や復習時間でロスが大きいのではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、司法試験や予備試験では実際に論文を何通も書かねばならないのですから、その予行練習として論文を書くということが、最善の司法試験対策と考えます。もっとも、ただひたすらに論文を書くというだけでは限界があります。司法試験では高度な知識や考え方が要求されることもありますから、適宜、それらについて学習して理解し、頭に叩き込んでおく必要があります。したがって、インプットとアウトプットを交互にバランスよく行うとよいと思います。  論文を書くにあたっては、解答する問題を選ぶ必要がありますが、司法試験の過去問題を解き終えた後は、伊藤塾のペースメーカー論文答練を受講されることをおすすめします。他の受験指導校と比較すると、圧倒的な質の高さを誇ることが良くわかります。伊藤塾の塾生に頭が良い人が多いというのは、このことからも証明されるでしょう。

直前期と試験当日の対策について

直前期に模試を受けるべきことは当たり前過ぎて申し上げるまでもありませんが、より大切なことは、「これだけは押さえておきたい!」という知識や考え方等をまとめたノートを何度も何度も反復する、ということだと思います。直前期にはほとんど誰しもが不安になり、新しい教材に手を出そうとします。しかし、司法試験という極めて緊張する試験の中で本当に役立つ知識は、自らの身体に染み込んでいる知識だけです。したがって、直前期は予め作成しておいたノートをしっかりと復習する、という勉強方法のみで十分だと思います。
 試験当日は、最良の精神状態と健康状態で受験できるよう、自己管理に努めるだけで精一杯ですし、それで十分だと思います。   

予備試験からの司法試験対策

予備試験に合格できれば司法試験に合格できる、というわけではありません。予備試験よりも司法試験の方が高度な知識や考え方を問われるため、法科大学院生であればこなしていると思われる演習書や基本書については、しっかりと学習しておく必要があります。
 市販の演習書や基本書で得た知識や考え方を実際に活用する訓練をするためには、伊藤塾のペースメーカー論文答練が最適です。「百聞は一見に如かず」ですので、まずはペースメーカー論文答練の無料受講をお試しください。

伊藤塾のゼミについて 

論文式試験対策のためには、基礎マスター知識を前提として、まず、論文の書き方を知らねばなりません。そのために最も有効であると考えるのが、論文の基礎ゼミという講座(現:ステップアップ論文講義)です。私が受講した当時論文の基礎ゼミは大人気で、現在も看板講師のお一人でいらっしゃる伊関講師が大変わかりやすく、初学者でも論文への苦手意識がなくなるように教えてくださいました。そのおかげで、論文への苦手意識も、だんだんと薄らいでいきました。これから論文を書こうという方、論文を少し書いているがどうやって書いたらよいかわからないという方には、論文の基礎ゼミの受講をぜひともおすすめします。

学生生活との両立 

 確かに、大学生活を十分に満喫しつつも、司法試験予備試験や司法試験に合格される方もいらっしゃいます。しかし、そのような方はごく一部であって、私のような凡人は、努力をしなければ合格することはできません。サークルやアルバイト等もしたいという方は、上記「ごく一部」に当たらない限り、それら以外の時間の多くをしっかりと法律の学習に費やす必要があると思います。

 

予備試験からの就職活動 

予備試験に合格していれば就職活動も有利だ、等と一般的に申し上げることはできません。しかし、予備試験の受験に向けて本気で学習すれば、思考力も精神力も、そうでない方より高くなっていると思われますので、結果的に有利になりうるのかもしれません。

最後に 

「予備試験ルートでいきたい!」と口で言うことはたやすいものですが、それを実現することはそう簡単ではありません。しかし、予備試験は上述のように、目指すだけの価値がある試験です。皆様もぜひ、予備試験に挑んでいただければと思います
 最後になりましたが、これまで私を支えてくださった方々、拙い体験記を読んでくださった方々等、全ての方々に心より御礼申し上げます。有難うございました。