大学在学中の司法試験合格。伊藤塾の基礎マスターが私の法律学習のすべてでした。

予備試験ルートで司法試験合格

I.S さん(22 歳)
 

合格者イラスト
東京大学法学部4年在学中

◆予備試験合格時 /東京大学法学部3年在学中
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+ リーガルトレーニング、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、基礎マスター労働法、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。


はじめに

私は高校生のころから大学は法学部に進学して将来は法律家になりたいとぼんやりと考えていたので、大学受験が終わってすぐの3月に伊藤塾長クラス30期として伊藤塾に入塾しました。
 以前から法律家になるには予備試験ルートと法科大学院ルートの2パターンがあることは知っていたのですが、法科大学院に行くと法律家になるのが最速でも20代後半という年齢になってしまい、しかも2年間の学費も相当なものになると思ったので、法科大学院には絶対いきたくないなという想いがありました。さらに、1年でもはやく法律家になるという観点から大学学部在学中の予備試験及び司法試験の合格を目指そうと決意したので、大学入学と同時に法律の勉強をスタートさせました。

予備試験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私は大学2年生の時に第一回の予備試験を受験したのですが、その時は第一回ということでどんな問題が出るのか、また合格者は何人くらいになるのかなどわからないことだらけで、右往左往しながら勉強していたのを覚えています。とはいえ、予備試験に合格すれば翌年司法試験を受験できるという事実だけははっきりしていたため、ひとりでも合格者が出る限り、自分がそこに食い込んでやろうという意気込みで勉強していました。今思うと、予備試験という高い目標を持てたからこそ、あの頃の自分は頑張れたのかなと思います。
 学部生の中には法科大学院に行けばいいや、と最初から予備試験をあきらめてしまっている人が多々見受けられますが、それはとてももったいないことだと思うので、ぜひこれからの受験生には予備試験に挑戦して欲しいです。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

私の通っていた大学では法律の授業は2年生になってから始まるというカリキュラムだったので、伊藤塾の基礎マスターが私の法律学習の全てでした。  大学1年の前半は勉強開始から間もないということもあり、勉強のペースをつかむために東京校のライブクラスに出席していました。ライブクラスでは週に3回必ず講義が実施されるのでさぼることはできず、強制的に勉強させられるので法律学習の自己ペースをつかむのには最適です。この時期の勉強法としては講義の予習は一切していませんでした。重要なのは講義中と講義後だと考えていたからです。
 まず、講義中は伊藤塾長が話す内容に真剣に耳を傾け、伊藤塾長が「暗記してください」と言ったところはマークをし、「メモしてください」と言ったところは漏らさずにメモしました。全てが自分にとって初めての内容だったので講義中に全てを定着させるのは到底無理だったので、講義中は記憶することよりも伊藤塾長が言ったことをメモしたりする機械的な作業に終始していました。その分、講義終了後は帰宅後その日のうちに記憶の時間をとっていました。定義や論点はもちろん重要判例の言い回しなども実際に紙に書いてみて、そして口で言ってみて一言一句間違わずに暗記しました。これは個人差があることかもしれませんが、私はテキストを読むだけという勉強法ではなかなか定着しなかったので、紙に書いて文字にしてそれを目で見て発音するという3段階を非常に重視していました。
 さらに、人間の脳は就寝中に記憶が定着するという伊藤塾長の言葉を信じて、これらの作業を必ず講義終了後にすぐ寝る前までにやっていました。この時期に覚えた定義や重要判例は2年以上たった今でもすぐに口をついて出てくるので、この勉強法は正しかったのだと思います。
 その後、1年生の後半になると勉強のペースもつかめてきたため、インターネット受講に切り替えました。このインターネット受講は伊藤塾の誇る学習システムだと思います。このおかげで大学の授業の空き時間などを有効活用して伊藤塾の講義を聴き進めることができました。この時期になると常に翌年の予備試験を意識しながら学習していました。まず、基礎マスターの配信が年明けになる科目については前年度の収録講義を先聴き制度を利用して学習しました。そのおかげで大学1年生の12月には法律基本7科目の全ての基礎マスターを受講することができました。予備試験を目指す方は、ぜひこの先聴き制度を利用して他の人たちよりもどんどん早く学習を進めていくのが短期合格の秘訣だと思います。

短答式試験対策について

短答式試験対策については予備試験を受験した段階で仕上がっていたので、司法試験受験時にはほとんど対策しませんでした。その分の時間を論文の勉強に回せたことはかなり合格に近付いたといえます。ちなみに、予備試験受験時には短答対策としては判例六法をひたすら読んで暗記するということを全科目についてやっていました。これは口述試験でも役立つことになるので、おすすめです。

論文式試験対策について

論文対策で一番重要なのは実際に手を動かしてみて答案を書いてみることです。私は、自宅で答案を書いたりすることが苦手だったので、伊藤塾のペースメーカー論文答練を通学クラスで受講していました。通学クラスでは、本番と同じ時間で真剣に演習に取り組むことができ、本試験の予行演習として大いに役立ちました。とくに、ペースメーカー論文答練は本試験問題と同様にいかに現場思考力で未知の問題に対応するかという点について、深く考えられて作成されており、そのおかげで単なる暗記中心ではない答案の書き方をマスターできました。
 具体的には、あてはめの充実さというのを徹底して意識していました。司法試験は予備試験と異なり問題文の事案が長大化するため、あてはめの要素が問題文中にたくさん散りばめられています。それらをうまくピックアップしたうえで、適切に評価するというのは聞いた感じではかんたんそうに思えて案外難しいものです。答練の際にはこの点を重視したうえで、当然のことながら論証のような暗記事項は何度も書いて暗唱できるくらいまで書き続けました。充実したあてはめと正確な論証という、この両者が一体となったときにはじめて合格答案になるのだと思います。

直前期と試験当日の対策について

直前期は基礎マスターテキストを使って、もう一度基礎から全ての範囲を網羅的に復習していました。網羅的に復習することで案外勉強の過程でやり忘れていた分野などが明らかになるものです。そして、伊藤塾の全国公開模試は絶対に必須の講座といえます。これは本試験会場を使用して本番と同じ時間で試験を受けるため、本試験のリハーサルになります。私は、本試験と同じ会場で模試を受けられたことで、会場までの行き方やトイレの位置などを確認できて、本番に余計な心配をしなくてすみました。

予備試験からの司法試験対策

私は、予備試験の論文式試験受験後、直ちに司法試験の選択科目の勉強を開始して、論文発表前までに基礎マスターレベルの学習は終わらせていました。予備試験最終合格後は法律基本7科目の過去問対策などに忙殺されることになるので、選択科目はその前に一通りやっておかないと、後々大変なことになると思います。また、予備試験の論文対策として司法試験の過去問は意外に有効なので、やってみるといいかもしれません。

伊藤塾のゼミについて 

大学1年生のときに参加していた基礎マスターゼミは答案など書いたこともない状況で、論文の書き方の基礎から伝授してもらえたので、大変役立ちました。

学生生活との両立 

私は大学に通いながらの受験生活だったのですが、伊藤塾のインターネット受講のおかげで授業の空き時間などを利用して効率よく法律学習を進めることができました。また、大学2年生からは法律専門科目の講義が大学でも始まったので、伊藤塾で学んだ知識や答案作成方法を学部試験に活かすことができ、両者をともに有効活用することにつながりました。大学の授業も無視するのではなくて、そこで得たものもできるだけ予備試験や司法試験の学習に取り入れるようにするのがいいと思います。

予備試験からの就職活動 

予備試験は始まって間もない制度ですので、あまり就職活動の流れなどは定まってはいないのが現状ですが、弁護士の方々は予備試験合格者に大きな期待を抱いているのは間違いないです。そのような期待に添えるような法律家にならなければならないと実感しました。

最後に 

私が法律の勉強を始めたのは予備試験が始まる1年前の2010年でしたが、そのころは予備試験という未知の試験や司法試験という難関試験に合格しなければ法律家になれないということで、気が遠くなる思いをしたことが何度もありました。しかし、がむしゃらに勉強しているうちに予備試験、司法試験と突破し、気がつけばここまで来たという感じです。みんなが楽しいキャンパスライフを送っている大学1年生のころから毎晩大学の図書館で閉館時間までこもって勉強するというのは確かに苦痛でつらくなることも多かったですが、今ではいい思い出です。逆にいえば、あのころがなければ今の司法試験合格者としての自分も存在していないといえます。  法律というのは難しい学問である上、予備試験や司法試験は難関試験であるのは間違いありません。とはいえ、合格する人がいる以上、正しいやり方でひたむきな努力をすれば必ず報われます。これから予備試験に挑戦される方や司法試験を受けられる方は自分の努力を信じて頑張ってください。私も、社会に役立つ法律家になれるように一生懸命頑張ります!
 最後になりましたが、ここまで自分が勉強を続けてこられたのは適切な指導や役立つ教材を提供してくれた伊藤塾や伊藤塾長、伊関祐講師、スタッフのみなさんのお力添え、また最後まで応援してくれた家族や友人の支えがあったからこそのものです。この場を借りて感謝の気持ちを申し上げます。ありがとうございました。