予備試験も司法試験も基礎が大事。

予備試験ルートで司法試験合格

K・Kさん(26 歳) 
 

合格者イラスト
早稲田大学法科大学院(既修)修了

◆ 予備試験合格時 /早稲田大学法科大学院(既修)3 年在学中
◆ 出 身 大 学 /早稲田大学法学部
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+ リーガルトレーニング、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、司法試験合格答案徹底分析講義、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。


はじめに

私は大学1年生の時に、せっかく法学部に入ったのだからという理由で法曹を目指そうと思っていました。しかし、法学部の授業が難しく、あまり理解できずにいました。もし法曹を目指すのであれば早めに受験指導校に通ったほうがよいという話を先輩から聞いたこともあり、評判が良い伊藤塾の体験講義を受講してみました。伊藤塾長の講義がわかりやすく、受講生も皆真剣だったため、伊藤塾へ通うことに決めました。

予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

法科大学院に入ったばかりの2年生の時に、予備試験を力試しで受験しましたが、結果は惨敗でした。それが悔しくて、私は1年間必死に勉強をし、翌年の予備試験で最終合格を果たすことができました。
予備試験ルートのメリットとしては、確かに、私は法科大学院の3年生だったのであまり意味はないように思われるかもしれません。しかし、予備試験に合格すれば大手事務所の説明会に参加できるなど、就職活動でも有利に働くという点が挙げられます。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

基礎的な知識の修得については基礎マスターを主として、条文、判例百選を利用しました。基礎を学ぶのであれば、これだけで十分だと思います。
基礎マスターのAランク、B+ランクは何度も何度も復習をしました。
最初は面倒だったのでそれぞれの論点について結論だけしか覚えていませんでしたが、いざ論文を書こうとすると理由を書くことができず結論だけしか書けないため、全く説得力がない答案となってしまいました。そのため、答練の点数はとても悪かったです。理由を覚えていないと、覚えたはずの結論もすぐに忘れてしまうことが分かってきたので、それ以後は理由付け、結論ともにしっかり理解するよう努めました。 また、条文については、初学者の頃は文言が難しく何が書かれてあるかよくわからなかったため、しっかり読むことを怠っていました。しかし、短答式試験では条文が問われますし、何より条文は法律を学ぶうえでの最も重要な基礎となるわけですから、勉強が進んでからは何度も読み込みました。また、条文を読み込む際には趣旨を意識することを大切にしました。論文式では受験生が考えたこともないような点について問われることもあるので、それに対処するために条文の趣旨をしっかり理解しておけば、現場思考で乗り切れるからです。
司法試験の問題は、判例をベースとして問題が作成されているといえるため、判例百選については、判旨部分の規範やあてはめをしっかり読みました。また、百選の解説はほとんどがニュートラルな立場から書かれてあるので、論点の整理、他の判例との比較、近時の学説の状況などを知るのに役立ちました。

短答式試験対策について

短答式については、予備試験対策としてすでに司法試験の過去問を解いていたので、予備試験後は過去問の復習、伊藤塾の短答答練・模試の復習、そして条文・判例の読込みをしました。
司法試験の過去問を全て解くのには時間がかかるので、論文の勉強の合間にコツコツと解いていました。問題を解き終えたら、解説を読み、理解が不足している分野は基礎マスターや基本書などを使って復習をしました。
伊藤塾の短答答練は時間配分の練習にもなりましたし、模試の解説が詳しいので知識の確認として、とても役に立ちました。

論文式試験対策について

伊藤塾のテキスト(問題研究)のほか、ペースメーカー論文答練、司法試験論文マスター、全国統一模試を受講して対策しました。
答練については、自力で答案を書いてみることがとても大事だと思います。うまく書けなかったらその分野は理解できていないということがわかるので、勉強しなければならない部分が明確になるということを点で重要だと思います。また、ペースメーカー論文答練は、司法試験と同じ形式の問題を、同じ時間を使って解くことになるので、本番の時間配分の練習にもなりました。解説も冊子のみならず講義もあって、さらにわからないところは採点者に質問できることで疑問点はほとんど解消することができました。
全国統一模試では、実際に司法試験で使用される会場を使って、本番と同じ日程で行うため、本番さながらの雰囲気で受験することができました。 司法試験の過去問については、全年度、全科目を解いたほうがよいと思います。多くの時間を割くことになると思いますが、司法試験論文マスターを利用すれば予備試験合格後、司法試験受験前までに間に合うようになっているので、これを利用しながらひたすら書きました。
また、これに加えて、友人と検討会をし、添削し合うこともしました。

直前期と試験当日の対策について

直前期は、百選に掲載されている有名な判例を読み込みました。司法試験は基礎的な知識を前提として、その応用問題が出題されるため、基礎が身についていなければ対応できません。その意味でも、直前期は難しい論点等に踏み込まず、基礎マスターレベルの基礎的な事項を復習していました。司法試験の配点の関係上、論文中心でしたが、空き時間を有効活用して条文の素読もしました。
試験当日は、会場にたくさん本を持っていく受験生もいますが、その全てを見直すのは不可能なので、私は簡単な論証を記載したノートだけを持っていきました。会場では、判例の規範などを正確に書けるようそれを繰り返し読んでいました。いつも使っている教材を繰り返すことで、心の平静を保つよう心がけることができました。

予備試験からの司法試験対策

予備試験と司法試験との違いは、やはり問題文の長さと答案を書く分量にあります。ただ、問われていることはどちらも基礎的な知識を前提とした応用問題なので、司法試験の問題形式に慣れることで十分だと思います。そして、基礎知識や判例の学習については、予備試験のときと同様に行えば効果的だと思います。

伊藤塾のゼミについて 

私は伊藤塾のゼミを基礎マスター段階から利用しており、少人数クラスで答案の書き方を教わったり添削をしていただいたりして、学習してきました。特に、論文マスター対応ゼミでは、伊関講師に大変お世話になりました。

学生生活との両立について 

講義の日に突然予定が入ってもインターネットで受講することができ、答練も後日提出すれば添削していただくことができたので、学生生活との両立は困難ではありませんでした。
講義や答練をしっかりこなしているかを友人と定期的に確認しあうことで、継続して学習をすることができました。
伊藤塾では少人数のゼミもあるので、友人があまりいない方でもゼミに積極的に参加すれば問題ないと思います。

予備試験からの就職活動について 

私は法科大学院在学中には成績もあまりよくなかったため、サマークラークへ参加するなど特に就職活動はしていませんでした。しかし、予備試験に合格したことをきっかけとして大手事務所の説明会に参加することができ、結果的に就職活動もうまくいきました。

最後に 

私が合格できたのは、普段の勉強のおかげであるのみならず、試験場で諦めなかったからだと思います。予備試験の時もそうでしたが、予想外の分野が出題されることもあり、非常に焦りましたが、皆同じ気持ちだろうと割り切って、落ちついて条文や趣旨など基本的なことを中心に書いてきました。
予備試験も司法試験も基礎が大事となります。今、基礎マスターを受講している方は、その知識が予備試験・司法試験に活かされることになります。学ぶことは多いですが、一つひとつ着実に、がんばってください。