司法試験対策ゼミは「質」に加えて「量」も充実していました。

予備試験ルートで司法試験合格

T・Yさん(24歳)
 

合格者イラスト
私立法科大学院(既修)中退

◆ 予備試験合格時 /私立大学法科大学院(既修)2 年在学中
◆ 出 身 大 学 /私立大学法学部
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+ リーガルトレーニング、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、基礎マスター倒産法、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。


はじめに

大学に入学した当初から、法学部で学ぶ法律の知識を卒業後も活かしたいという思いがあり、法律家はその希望に最も強く結びつく職業であるため、一通り大学生活にも慣れた大学2年生の春から、伊藤塾で本格的に司法試験に向けて学習を開始することとしました。初学者にも読めるよう配慮がなされた基礎マスターテキストを教材とし、難解な法律を平易な言葉で説明する伊藤塾の講義は非常にわかりやすく、この受験指導校を選んで正解であったと感じました。

予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

予備試験に合格すれば、法科大学院を卒業するよりも一年早く司法試験を受験でき、それだけ早く法律家として社会に出られることに、強い魅力を感じました。また、予備試験の短答式試験の問題は司法試験のそれと約八割が共通であることなどから、仮に最終合格できなかったとしても力試しとして受ける意味は十分にあると考え、予備試験の受験を決意しました。
予備試験ルートのメリットとしては、上述のように、法科大学院ルートに要する時間や経費を削減して法律家になれることのほか、就職活動においても(大学在学中合格でなくとも)予備試験合格という肩書きが有利に働くことが挙げられます。さらに、司法試験受験前の不安な時期も、合格率の低い予備試験に合格したという事実は、強く自信を奮い立たせる材料になりました。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

初学者の段階では、そもそも何が「基礎」的な事項なのかということも正確に判断できないので、講師が項目ごとに重要度をランク付けしてくださる基礎マスターの講義が有用でした。
講師がおっしゃるとおり、講義の中でAランク、B+ランクと指定された事項について何度も反復して復習することで、基礎的な法知識・法理論を修得することができました。 このとき重要なのは、個々の項目についてきちんと理解したうえで記憶するということです。単なる暗記では試験問題に対応できない上、基礎的な法知識・法理論はいわば学習の土台となるものなので、この部分に理解の欠如があると、その後の学習に様々な形で支障をきたすことになりかねないからです。また、知識は理解するだけでなく正確に記憶していなければ、試験で使うことはできません。その意味で、理解と暗記の両方に同等の重心を置いて学習を進めていくことが肝要であると考えます。
そして、基礎的な法知識・法理論は、予備試験・司法試験の双方において不可欠の武器となります。
特に論文式試験では、このような基礎的な事項を受験生が修得していることを前提に、そこから自分なりにどう筋を通して考えるかということが問われるからです。
この場合、自分なりに考える部分には明確な正解が存在しないケースも多く、実際には受験生同士に大きな点差は生まれず、勝負はむしろ基礎的な事項を、いかに正確に記述できるかという点にかかっているのではないかというのが、私が予備試験・司法試験を受験して得た印象です。
これらの試験の傾向に対応するうえで、伊藤塾の講義の中でも、特に基礎マスターはとても役に立ちました。

短答式試験対策について

短答式試験については、短答マスターなどを利用して、基礎マスター時点ではBランク以下に指定されていたような細かい知識もある程度押さえたうえで、肢別の問題集を解くという対策を採りました。そして、理解が不十分と判明した箇所については必ずテキストに戻って確認していました。単純ではありますが、知識の正確性が問われる短答式試験の成績を上げるためには、これが一番の方法であると思います。
予備試験と司法試験では、問題の難度に差がなく、予備試験の段階で行った対策を司法試験に活かせるので、少なくとも試験に合格するという観点からは、司法試験の段階で改めて短答式試験対策を重点的に行う必要はないと考えます。

論文式試験対策について

論文式試験については、法律論文の書き方や基本的な問題の解き方は、論文マスターを通じて身につけました。
そのうえで、時間に余裕がない中で長文の問題を解かなければならないという司法試験の出題形式に適応するため、司法試験論文マスターや、ペースメーカー論文答練を活用しました。
前者は、最低限の合格ラインはどこにあるのかを知るうえで非常に有用でした。
後者は、実際に未知の問題を制限時間内に書いてみることで、答案構成にどれだけの時間を使うか、設問ごとにどれだけスペースを割いて記述するかなど、本試験における具体的な解答方針をいくつも定立することができました。

また、講師は他の受講生の出来についても指摘してくださるので、皆が理解しているのに自分が理解していない部分(すなわち、合格のために絶対埋め合わせなければならない部分)を把握し、弱点を補強することにもつながりました。 また、限られた時間の中で難しい問題を解くためには、個別の項目につき試験で出題されたら大体どのように書くかということを、あらかじめ視野に入れつつ学習を進めることが必須であると考えます。現場で逐一書き方を考えていたのでは、到底時間が足りません。
このような意味で、インプットの段階からアウトプット対策を意識した学習をすることは必要不可欠であると思います。
 

直前期と試験当日の対策について

直前期は、相対評価の下で他の受験生に遅れを取らないよう、全科目のテキストを見直して基礎的な事項に穴がないかを確認していました。また、答案を書く感覚を鈍らせないために、毎日一通、司法試験の過去問や、ペースメーカー論文答練で出題された問題のうち成績が悪かったものについて、答案を作成していました。
試験当日は、とにかく終わった科目のことは忘れるように努めました。振りかえっても意味がなく、その後の試験に臨むうえでのストレスにしかならないからです。

予備試験からの司法試験対策

予備試験合格から司法試験までは約半年しかなく、新たに高度な理論や知識を身につけるには時間が不足しています。また、少なくとも合格基準点を超えるという観点からは、そこまでの理解が司法試験で要求されることもないと思われます。そのため、極力手を広げず、これまで身に着けてきた知識の正確度と深度を高めることに重点を置くべきであると考えます。

伊藤塾のゼミについて 

司法試験ゼミでは、伊関講師が科目ごとに重要事項について解説してくださり、答案を評価していただくこともできたので、全科目の復習になると同時に、知識を答案で活かす術についても学ぶことができました。ゼミの回数も多く、「質」に加えて「量」の面でも充実していました。

学生生活との両立について 

基本的には勉強中心の生活を送りながら、気分転換のように趣味等の時間を設けるのが良いと思います。常に勉強だけし続けるのでは嫌気が差してしまいますし、学習の効率も上がりません。私の場合、スケジュールに毎日一時間から二時間ほど自由な時間を組み込み、それを趣味などに充てていました。

予備試験からの就職活動について 

前述のように、予備試験合格者は、大学在学中合格者でなくてもかなり優遇されているように思います。まだ始まって間もない試験であることから、実務家の方々による注目度も高いのかもしれません。
ただ、何よりも重要なのは、自分の目指す法曹像との関係で、なぜその事務所を志望するのかを説得的に述べることであると思います。自分の中に確固としたキャリアプランがあれば、弁護士の就職難が叫ばれる今日であっても、就職に困ることはないのではないでしょうか。

最後に 

今のところ、私は企業法務に携わる弁護士を志望していますが、司法修習の中でそれ以外の法分野に関わる弁護士の仕事や、検察官・裁判官の仕事も見てみたいと思っています。そして、そのうえで、最終的に自身のビジョンを決定するつもりです。
ここに来るまでに、伊藤塾の講師をはじめ、多くの方々によるお力添えをいただきました。簡潔ではありますが、この場を借りて深くお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
これから法律家を目指される方も、助けてくれる人への感謝の気持ちを忘れず、頑張ってください。わが国の司法制度は今なお不安定な状況にありますが、制度がどのように変わろうと、夢を実現するのはあなた自身の意志の力です。