基礎マスターが今の自分をつくったと思います。

予備試験ルートで司法試験合格

S.Y さん(22 歳)
 

合格者イラスト
東京大学法学部卒業

◆ 予備試験合格時 /東京大学法学部4 年在学中
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、基礎マスター労働法、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。


はじめに

私は中学生時代からテレビ番組などを通して法律に興味をもつようになり、大学を選択する際も法学部に進学することにしました。そして、進学後に改めて将来の進路を考えてみたところ、一人の専門家として裁判をはじめとする法社会に主体的に関わっていける点に強い憧れを感じ、法律家を志すことを決心しました。最初は適当に参考書を買い漁って勉強しましたが、やはり独学では長続きせず、大学二年生の時に友人と相談して伊藤塾に通うことにしました。

予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私は2011年の第一回予備試験を、現状の実力を測る目的で受験しました。結果は短答が合格点に1点足りず、不合格でした。無理を承知で受験したとはいえ、主戦場の論文試験に駒を進めることができなかったことで非常に悔しい思いをしました。そのため、来年こそは論文試験で良い成績をとろうと考え、法科大学院への進学とともに、予備試験最終合格もひとつの目標とすることにしました。
予備試験ルートのメリットは何よりも時間面や費用面での負担の小ささです。私はいち早く法律家になって自分のキャリアを築いていきたいと思っていたので、法科大学院を経ずに司法試験を受験できることはこの上なく魅力的で、このことは予備試験に向け必死に勉強していくための原動力にもなりました。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

私は、法律の勉強は主に基礎マスターを利用しました。最初は基礎マスターと併行して有名な基本書を読んでいこうと思っていたのですが、導入本といわれるものでも初学者の自分にはとっつきにくく感じ、基礎マスター1本に絞って学習を進めることにしました。
法律系の試験で出てくる様々な論点は基礎マスターの中に集約されており、思い返してみれば、最初の段階から基礎マスターを熟読してきたことが今の自分を作り上げてきたのだと思います。
基礎マスターを数回繰り返した後は、論文マスターを用いながら答案構成や論点を落とさない練習を行い、テキスト中にある新しい論点や使えそうな論証を覚えるようにしていきました。
また、予備試験前後は、新たな知識を得るために論文の試験対策問題集も併用しました。私はこの本を勉強会で使い、答案を書いて回し読みする形で進めていきましたが、このおかげで大分実力がついたと思います。

短答式試験対策について

短答対策としては、過去問は一通り解きましたが、結局は基礎マスター頼みでした。短期間合格を目指すためには短答対策にあまり時間を割けないので、論文対策も兼ねて、使い慣れた基礎マスターを活用していくのが一番だと思ったからです。幾度と読み進めていくうちに細かい記述にも目を通す余裕が出てきて、論文対策にも短答対策にもなってくるため、最初から基礎マスター中心に学習することが合格への近道なのではないかと思います。

論文式試験対策について

司法試験の論文問題は形式が旧司法試験や予備試験と大きく違い、対策としても、形式へ慣れることを第一に考えるようにしました。その二本柱となったのが、「司法試験論文マスター」という過去問の分析講座と、司法試験形式の「ペースメーカー論文答練」です。
伊関講師が講義された司法試験論文マスターは、出題趣旨や採点実感を読み解きながら、出題の意図、問題となる論点、答案のバランス、落とし穴等を1時間で隅々まで解説してくださるので、司法試験対策のスタートを切るうえで最良の講座だと思います。特に、予備試験ルートの場合には予備試験合格からの準備期間が短いというデメリットがあるため、効率よく過去問を潰せる司法試験論文マスターはほぼ不可欠の講座といっても過言ではないと思います。
一方、ペースメーカー論文答練は、司法試験独特の”誘導に沿って現場思考で解いていく設問”を意識した良問ばかりで、実力の測定や時間配分の調整を行うのに役立ちました。また、添削についても、申し訳ないと思いつつ答案に質問事項をたくさん書き込んで提出することが度々ありましたが、いつも丁寧にご回答してくださり、ひとつの問題からでも多くのことを学ぶことができたのではと感じています。

直前期と試験当日の対策について

直前期は、新しいことに手を付けても緊張するだけだと思い、模試や答練のほかは、いつものように基礎マスターの再確認を行いました。試験当日も、その日の全科目の基礎マスターを持ち込み、休憩時間にできる限り目を通すようにしました。試験会場では多くの受験生が基礎マスターを読んでいて、「基礎マスターに載っていなければ他の人達もできないだろう」と安心して試験に臨むことができました。

予備試験からの司法試験対策

予備試験ルートは法科大学院ルートに比べて数年早く司法試験を受けられる反面、予備試験合格後半年で司法試験の対策をしなければならないため、司法試験の出題形式に早めに慣れていく必要がありますし、総復習も効率よく行わなければなりません。ですが、出題形式については司法試験論文マスターとペースメーカー論文答練で十分対応でき、総復習も基礎マスター・論文マスターで普段通りの勉強をすればいいだけなので、司法試験対策も全て伊藤塾で完結していました。

伊藤塾のゼミについて 

伊藤塾のゼミには、優秀なゼミ生が集まるため、ゼミ内で討論を行うことで、自分では気づかなかった視点や言い回しなどに触れることができます。特に司法試験では、自分の言葉で問題文中の事実を評価しなければならないので、他人の答案に触れることのできるゼミでの学習は、非常に有効でした。

学生生活との両立について 

私は、前記の通り、大学3年生の夏になってようやく進路決定を行い、本格的な学習を開始しました。大学1、2年生の間は、サークル活動や、友人と遊ぶことに没頭しており、法律の学習はほとんど行っていませんでしたが、伊藤塾の講座を受講し、効率のいい学習を行うことで、1年間の学習で予備試験に合格し、2年間の学習で司法試験に合格することができました。正しい学習方法さえとれば、充実した学生生活を送りながらも、最短ルートで法曹を目指すことは可能だと思います。

予備試験からの就職活動について 

現在、司法試験の合格者が増加しており、弁護士資格をとっても就職することが困難であるとの話を聞いていましたが、予備試験合格という肩書きがあれば、前記の通り、就職活動は、非常に有利に進んでいきます。

最後に 

これまで法律の学習を進めてきましたが、教科書から読み取る情報と、実務にあたって得る情報には、相違があるものと思います。これから、司法修習を経験することによって、より実務に近い体験をすることができると期待しており、これを通じて、将来の理想像を構築していきたいです。
現在、私が法曹としての理想像に少しずつでも近づけているのは、これまで私をサポートしてくださった皆様のおかげであると感じています。今後も、こうした方々への感謝を忘れずに、目標の実現に向けて、粉骨砕身、努力していきたいと思います。