基礎マスターのおかげで何とか法科大学院の授業にもついていけました。

予備試験ルートで司法試験合格

堤 茂豊 さん(43 歳)
 

合格者イラスト
大阪市立大学法科大学院(未修)修了

◆ 出 身 大 学 /近畿大学法学部(通信)
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+ リーガルトレーニング、司法試験演習生、基礎マスター倒産法など

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。

はじめに

高校卒業後、法務局という役所で国家公務員として働いていました。仕事はそれなりにやりがいや楽しさもありましたが、このままでいいのかという漠然とした思いはありました。そんなある時、仕事で市民無料法律相談のお手伝いをすることがありました。その時に見た弁護士による相談がとても市民のためになっていると感じて、こんな仕事をしてみたい、弁護士になりたいと思いました。ちょうどそのころ法科大学院制度がスタートした時で、多様な人材を法曹にということだったので、社会人経験のある自分も必要とされているのではと思い(今思えば勘違い)チャレンジしようと決めました。
その後、働きながら通信制の大学を卒業し、仕事を辞めて法科大学院に進学しました。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

大学は法学部でしたが、通信教育だったので自分でテキストを読み課題を提出する勉強方法が中心でした。そのため、よく理解しないままとりあえず単位を取っていた状態でした。法科大学院はできれば既修コースに行きたかったので、法科大学院に入る1年前の4月から伊藤塾の基礎マスターを受講しました。
基礎マスターで使用するテキストは大学の教科書と違い、詳細なうえ、どの部分が重要な論点であるかを明示してあります。そして基本的な論証の仕方も明示してあります。大学が通信制だった私にとってどの部分が重要な論点であり、それをどのように答案で表現するのかはじめてわかりました。大学の法学部でまじめに勉強してきた者には当たり前になっている論点の理解と論証はそれ以外の者にはなじみのない勉強です。法科大学院に入って非法学部出身者が最初苦しむのはここだと思います。私はこの点、基礎マスターのおかげで何とか法科大学院の授業にもついていくことができたと思います。
基礎マスターは、伊藤塾の京都校でライブ講義を受けていたました。その講義は初学者にもわかりやすく、何より熱意が伝わってきました。また、講義が終わってから質問にも長時間答えていただき、疑問がその場で解消できることも勉強を進めるうえでとてもありがたいことでした。ライブ講義は時間場所に拘束されます。でも、それによって勉強のリズムが強制的にしろ生まれます。地方ではライブを受けられない場合もあるでしょうが、もし今後講義を選択する予定の方はライブの選択をおすすめします。
基礎マスターで勉強しはじめてその秋には法科大学院の試験が始まり残念ながら既修コースには入れませんでした。法学未修者が法科大学院の既修コースを合格するためには、少なくとも受験まで1年以上は時間が必要と思います。
基礎マスター講座には、講義をふまえ、簡単な問題を解く論文試験も付いていました。いわゆるアウトプットです。
「アウトプットは基本的な勉強が一通り終わってからで・・」という人もいますが、インプットしたことの復習や理解の確認を行うアウトプットは同時にしたほうがいいと思います。
司法試験は守備範囲が非常に広く効率的な勉強が必要です。したがって、アウトプットすることを理解したうえでインプットをしないと効率が悪いのです。覚えるところ、理解するところ、現場で考えるところ、なんとなく知っていればいいところ、様々なレベルで勉強を重ねなくてはなりません。アウトプットを繰り返しているとなんとなくインプットのレベルがわかってきます。私は仕事をしながら伊藤塾に行っていたので、このアウトプットをほとんどできませんでした。そのため、法科大学院に入ってかなり時間がたってから勉強の様々なレベルがわかってきました。
論証を書き見てもらうのはどう評価されるか嫌なものです。でも、これがインプットを楽にしてくれるのです。基礎マスターに付いているもので十分です。もしこれから基礎マスターを取られる方は、インプットと並行して論文問題に挑戦してください。そして自分の理解を確認してください。そして、もう一度その部分を復習してみてください。この勉強を繰り返してどこを記憶し、どの部分は現場で考えればいいのかを体得してください。たぶん最初はよくわからないと思います。でも、意識していれば1年後ぐらいには自然にわかってくると思います。その後の勉強の効率が徐々にアップします。

最後に 

法科大学院ではよく受験指導校の弊害が言われます。確かに、司法試験ではいわゆる論証パターンでは乗り切れない問題が頻出していますし、自分の頭で考えることに得点が与えられていると思います。
しかし、ペースメーカー論文答練は司法試験の理念である基本知識の理解を基に自分の頭で考え妥当な結論を導くという指導をしています。ペースメーカー論文答練で学ぶことはプラスにこそなれ司法試験とかけ離れることはありません。まじめに勉強しているけれど結果が伴わない方に正しい方向性を与える勉強としてペースメーカー論文答練をおすすめします。

次のページ へ LinkIcon