各分野の体系を頭にしっかりと入れておくことは重要です

法科大学院ルートで司法試験合格
M.Iさん(25 歳)

合格者イラスト
慶應義塾大学法科大学院(既修)修了

◆予備試験合格時/慶應義塾法科大学院(既修)3年在学中
◆出身大学/慶應義塾大学法学部
◆受講講座/司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、司法試験本科生(ハーフ)など

※プロフィールは、2015年合格時点のものです。

 

はじめに

私が司法試験を目指したきっかけは、母が相続争いに巻き込まれて大きな損失を被っていく過程を見てゆく中で、法律を知らないことが時には大変な結果につな がること、法律を学ぶ機会を得たものとして将来は弁護士として人々の手助けをしたいと考えたことです。そして、司法試験、その前提の法科大学院入学を目指 す上で、伊藤塾の講義は入門に最適だという話を聞き、それまで大学でまともに法律の勉強をしてこなかった私は、大学3年生の春に入塾しました。実際に講義 を受講して感じたことは、とても大学の講義と同じことをやっているとは思えない、それぐらいわかりやすく面白いということでした。

私がとった勉強方法

基礎的な法知識・法理論の修得について

この段階では、まず、各分野の法律構造・理論すなわち体系を頭に入れることが重要であると思います。体系が入っていな ければ、いくら知識を増やしてもそれがどういう意味を持つのか真の意味では理解できず、結果、論文式試験で何ら知識を活かせないということになりかねない からです。また、体系を頭に入れておけば、一度入れた知識が抜けてしまっても、すぐに思い出すことができるため、効率的です。各分野の法律が何を目的とし ておよそどのような規律をしているのか、それをある程度具体的に正しく説明できるぐらいになれば、上出来だと思います。このような体系は、一見知識と違い そのまま答案に現れるわけではないので時間の無駄とも思われがちですが、実際に体系を完全に理解した上で書かれる答案は説得力がまるで違いますし、結果と して細かい知識をいくつか書けた答案よりも点数が上ということはよくあります。それは法科大学院入試にはじまり司法試験に至るまで、あらゆる論文式答案に おいて共通しています。自分の今後の勉強をより効率的で質の良いものとするためにも、そして最終的な答案の質をも上げるためにも、各分野の体系を頭にしっかりと入れておくことは重要で す。その際に役立つのが、伊藤塾の基礎マスターの講座です。テキストもそうですが、なにより先生方は何も知らない私達がしっかりと理解できるよう、まさに 「体系」的に分かりやすい説明をしてくれます。先生の一言一句を聴き逃さない勢いで耳を傾けメモを取る、その意味を咀嚼する、これこそが体系の修得にもっ とも有効的な方法です。具体的な各条文解釈や論点は、その後でも十分です。

論文式試験対策について

論文答案は解答者の自由記述なので、その解答者の基礎知識・理論の理解の程度の差がもろに現れます。答案作成の上手さや事案の分析力、応用論点に対する解答等、基礎知識の修得段階では出てこなかった課題がずらりと並ぶため忘れがちですが、あくまで基礎がしっかりと表現できていなければそもそも土俵に立てないことを意識すべきで す。逆に、答案作成や事案分析、応用論点等は、いずれも盤石な基礎があればそこから派生的に解決できる課題であり、しかも、私の経験上、基礎を手薄にした ダイナミックな答案よりも、基礎を手厚く書き応用部分はその問題意識と一応の解答をした答案の方が圧倒的に高評価を得ます。そのためにも、基礎を盤石なも のとしておくことは最重要ですし、単に知識として知っておくのではなく、それがどのような位置付けなのか、例えば問題解決にあたり原則論に位置付けられる のか例外論に位置付けられるのか、抽象的な議論が具体的にはどの条文解釈の問題であるのか等、アウトプットを意識して基礎を修得することが大事です。そして、これについては、数多くの過去問と幅広い参考答案に触れることのできる、論文マスターの講義が最適で す。重要なのは、論文マスターもまたインプットのための講義であること、すなわち、論文マスターをこなしつつも基礎マスターに何回も戻りその都度インプッ トの質を上げていくべきであるということで、論文マスターに進んだから基礎マスターはもう過去のものであると考えるべきでないということです。

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