司法試験対策で大切なのは、勉強時間ではなく、正しい勉強法で学習したかどうか

\ 予備試験ルートで司法試験合格 /
顔アイコン
合格アイコン

A.Mさん:中央大学法学部4年
◆ 予備試験合格時 /中央大学法学部3年 

受講講座
司法試験論文過去問マスター
司法試験演習秋生など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

私が法曹を志すに至った動機は、困っている人々を法律の力で助けたいと思ったためでした。そして、そのきっかけは、小学5年生の時に近所で起こった1つの交通事故でした。その事故では、私と同じマンションに住んでおり、一定程度交流もあった方が、深夜の交差点で無免許運転のバイクにはねられて亡くなりました。被害者の方は、まだ働き盛りの年齢の技術者の方で、妻子もいらっしゃいました。ところが、その運転手は当時定職についておらず、ご遺族の知り合いの弁護士の方が無償で相談に乗ったそうですが、民事的責任の追及は難しいとの助言を受けたそうです。また、検察官の方は、ご遺族に対し、民事的責任を諦めざるを得なかったことも汲んで頑張りたい旨を述べられたのだそうです。ご遺族はその言葉や、弁護士の方の励ましに救われる思いがしたとおっしゃっていました。私はこうした話を聞き、法律家として人を助けたいと考えるようになりました。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

私自身は、もともとは伊藤塾生ではありません。しかしながら、とりわけ学習初期段階(いわゆる基礎学習)においては、伊藤塾から発行されている書籍類に関しては、かなり利用させていただきました。一般論としてですが、学習初期の段階では、いわゆる学者の先生の書かれた基本書というものではなく、受験指導校本や、学者の先生の書かれた本のうちでも比較的薄めの、数日程度で読める本をまずは読むといいのではないかと思います。いきなり厚い本を読むと学習意欲を削がれる可能性がありますし、まずは、アウトラインや、ラフスケッチといった程度でいいので、その法律がどのようなものかをなんとなくでいいのでつかむといいと思います。とりわけ、私にとって有用であったのは、いわゆるシケタイこと伊藤真試験対策講座シリーズ(民法総則、民法物権、民法債権総論、民法債権各論、民法親族相続を利用させていただきました)や、呉明植講師の基礎本シリーズ(刑法総論、刑法各論を利用させていただきました)といった書籍です。これらの書籍は、簡にして要を得た記述が非常に素晴らしく、当該科目を勉強するためにまず最初に読むべき本として、強くおすすめすることができます。また、これらの書籍は、巷にありがちなテキストとは異なり、重要度を明示したうえで、発展部分についても記載がなされており、長く使うことのできる書籍ではないかと考えております。そうした意味でも、私としてはこれらの書籍をオススメしたいと思います。

 司法試験に向けた学習について

〈短答式全国実力確認テストや全国統一模試を受講して〉

模試については、私は伊藤塾・TKC全国統一模試を受験しました。圧倒的に問題が練られており、また最近の出題傾向を反映した出題がなされていたので、本当に良い予行練習になりました。また、受験者数が多く、詳細なフィードバックをいただけるので、相対的な弱みを発見するうえでも非常に有用でした。模試を受験したあとは、民事系科目がやや振るわなかったので、それらの科目の過去問を解いたり、百選や基本書を読んだりしていました。また、新型コロナウイルスの影響により試験が延期されたので、感覚が鈍らないように定期的に過去問をフルで起案する時間を設けることを心がけていました。そのほか、短答式試験については足を切られない程度の勉強をしていました。

〈司法試験対策に必要となる勉強について〉

司法試験対策に関しては、よく勉強時間の多寡が語られる傾向にありますが、勉強時間よりもずっと大事なのは、正しい勉強法で勉強することだと思います。私は、勉強時間は合格者の中では少ない方に位置付けられると思いますが、勉強法には徹底的にこだわってきました。理由はすごく単純で、無駄な勉強に費やす時間があったら、遊んだり、自分の好きな分野の勉強をしたりしたかったからです。わざわざ遠回りをしてできるだけ苦労をしたいというのであれば別ですが、勉強法にはぜひともこだわって、常に効率のいい勉強法ができているか自己点検すべきだと思います。  正しい勉強法を学ぶ上での王道は、伊藤塾のような定評ある受験指導校の講座を最初から受講し、実績ある講師の方にお話を伺うことではないかと思います。

おわりに

法律を学ぶということについて、ある程度才能というものがあることは否定できません。しかし、これはある弁護士の先生のお話の受け売りになりますが、その人に法律の才能があるかどうかは、少なくとも1,2年は勉強してみないと周りからもわからないものだったりします。なぜなら、法律学習の世界における「センス」にあたるものは、法的思考とかリーガルマインドとか呼ばれるものですが、これは大前提として一定程度の知識を溜め込まないと生じ得ないものであり、「やってみなければわからない」という面が多分にあるためです。
ですから、やれば誰でもできるなどと無責任なことを言うつもりはありませんが、やってみなければわからないということは言っておきたいです。
そして、今の司法試験の合格率からすれば、たとえ圧倒的なセンスがなくても、十分に合格することは可能かと思いますので、センスはそもそも決定的要素にはならないというのが私見です。 なので、今司法試験に挑むか迷っている方には、ぜひ伊藤塾の門を叩いて頑張ってみて欲しいなと思います。