司法書士を続けながら予備試験合格、司法試験合格。
暗記よりもキーフレーズを押えることが重要です。

\ 予備試験ルートで司法試験合格 /
顔アイコン
合格アイコン

H.Oさん:法律事務所事務員
◆ 予備試験合格時 /法律事務所事務員
◆ 出 身 大 学 /名古屋大学法学部卒業

受講講座
司法試験論文過去問マスター、司法試験演習秋生など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

私は、平成29年の司法書士試験に合格しました。そこまでになかなか苦労したので、更に深い勉強をしようという気持ちはおきませんでした。司法書士の各種研修を受け、司法書士事務所に就職をしました。合格から、1年ほど経った頃、もうちょっと勉強をしてみようという気持ちが起きてきました。そこで、予備試験を目指すことにしました。私は、もともと学者気質があり、司法書士を志したのも、生きた法の中で、正義を探求したいという気持ちがあったためでした。そんな中、伊藤・加藤・永石編『これからの民事実務と理論─実務に活きる理論と理論を創る実務─』所収、加藤新太郎「弁護士役割論研究の歩み―実務家は実用法学研究に寄与できるか」のご論考を拝読し、実務に就きながら、理論研究をするには、裁判官が最適であると知り、裁判官を目指すことにしました。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

予備試験ルートでの合格を目指すことにしました。司法書士に合格していたので、司法書士試験では全く触れていたなかった、行政法と刑事訴訟法、司法書士試験では簡単にしか勉強していなかった、憲法と刑法に時間を特に割いて勉強しました。勉強を始めたのが、10月ころであり、フルタイムの仕事をしながらで、あまり時間をとることができなかったことから、これと決めたテキストを、何回も何回も読み返すようにしました。司法書士試験においては、書式を覚えることはあっても、規範を覚えることはなかったので、最初は難儀しました。しかし、規範も、一言一句覚えるではなく、その中のキーフレーズを押さえることが大事であり、暗記よりも理解が大事とわかり、次第に楽になりました。
 予備試験合格後は、司法試験の過去問を中心に勉強をしました。仕事で、時間もなかったので、市販の演習書に取り組む余裕はありませんでしたが、かえって、司法試験の過去問に注力できたので、良かったと思います。予備試験の段階で、司法試験の過去問については、目を通してはいても、実際に答案を書くようなことはしていなかったので、形式の違いに戸惑いました。まず、参考答案、テキスト、出題の趣旨や採点実感などを参照しながら、自分で納得できる答案をつくりました。その過程で、試験委員が何を求めているのか、どのような書き方が、評価されるのか、また評価されないのかをつかむことができたと思います。2回目以降は、時間を測って、問題を解き、参考答案や出題の趣旨、採点実感とも照らし合わせながら、ブラッシュアップを目指しました。 

働きながらの学習方法について

 とにかく時間がなかったので、自宅から駅、電車での移動中、駅から職場、お昼休みなど、使える時間は、ほぼ勉強に充てました。テキストを開くことができないときは、音声で、耳で勉強するようにし、また、今思えば、危険なことでしたが、テキストを開きながら、歩いて移動することもありました。Webでの受講がほとんどでしたが、やはり自宅でも、図書館でも、喫茶店でも、電車の中でも、どこでも勉強できるのは、時間がない、私のような社会人受験生にはありがたかったです。

 司法試験に向けた学習について

ペースメーカー論文答練は、司法試験形式の初見の問題として、大変役に立ちました。インプットは、かなり絞り込んでいたので、初見の論点が多数出題されていると感じましたが、そのような初見の論点に対しても、制度趣旨や利益衡量から、どのような規範を立てて、処理すればよいか、を考える、実践的な訓練を積むことができました。

〈短答式全国実力確認テストや全国統一模試を受講して〉

 全国統一模試は、実際の試験と同じタイムスケジュールで、実施されるので、とてもよいリハーサルとなりました。4日間にわたっての試験は体験したことがなかったので、宿泊する予定だったホテルにも泊まって、会場で受験しました。受験生母集団の中での位置がわかるとともに、自分の弱点もわかり、直前期の微修正に役立ちました。

〈司法試験対策に必要となる勉強について〉

 どの講師もおっしゃっていることですが、司法試験は、暗記の試験ではない、ということを強く意識する必要があると思います。多くの論点を知っていることに超したことはありませんが、それよりも、その制度の趣旨や、規範の意味を理解して、具体的な事案にあてはめて、処理する力を養うことが必要だと思います。インプットも絞り込み、司法試験、予備試験の過去問しか取り組むことができなかったので、他の受験生に比べて、知っている論点の数は少なかったと思います。しかしながら、制度趣旨や規範の深い理解に努めていたのでそれらから適切な規範を立てて、処理することができたと思います。

おわりに

伊藤塾は、他の受験指導校と比べても、歴史も実績もあり、安心して、受講することができました。受験生に対するサポートも厚く、講師、スタッフの皆様からも、合格に導こうという熱意が感じられました。伊藤塾の講座なくしては、私の合格もなかったともいえると思います。実務家として、広く教養の涵養と、知識の研鑽に努め、バランス感覚をもちながら、正義の探求をしていきたいと思っています。