ビジネスホテルの部屋で答案を書いたこともありました

\ 予備試験ルートで司法試験合格 /
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E.Mさん:私立大学法科大学院(既修)3年
◆ 予備試験合格時 /私立大学法科大学院(既修)2年
◆ 出 身 大 学 /名古屋大学法学部卒業

受講講座
司法試験入門講座+リーガルトレーニング、司法試験論文過去問マスター、司法試験演習秋生など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

民間企業でのキャリアに続く第2の人生において、弁護士として世の中の役に立つ仕事をすることで自己実現を図ろうと考えました。当初は、働きながら法科大学院に通学することを検討していましたが、夜間や週末開講している法科大学院が限られており、しかも司法試験合格率も必ずしも高くないことを知り、予備試験ルートでの司法試験を目指すこととしました。伊藤塾は、司法試験における圧倒的な実績があると知り、とにかく合格したいとの思いから選択しました。入塾は2009年5月頃だったかと思います。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

入塾した時点で法学部を卒業してから20年以上たっていましたので、実質的に初学者として勉強を開始しました。その意味では逆に知的好奇心を刺激され、基礎マスターは興味を持って受講することができました。特に伊藤塾長の憲法、民法、刑法の講義は毎回欠かさず聴講しました。ただし、仕事を終えてからの夜のライブ講義は正直かなりしんどいものがありました。ゆっくり予習復習をする時間もとれず、毎回の講義についていくのがやっとという状態でした。週末を利用して遅れを取り戻すことに必死だったと思います。基礎マスターのテキストは大変良くできていると思います。その後何年も使用しました。ずいぶん年数がたちましたが、科目によっては今でも利用しています。苦労したのは、独学で勉強仲間がいなかったため、質問したり、勉強方法について相談したりすることができなかったことです。
 
論文マスターも可能な限りライブ受講をするよう心がけました。講義内容や教材はとても良かったと思いますが、自分自身の学力が追い付かず、その場の説明ではわかったつもりでも、なかなか自分のアウトプット能力の開発にはつながりませんでした。今思えば、基礎マスターから始めて2年目での論文マスターは、勉強時間の限られた社会人にはかなりしんどいものだったと思います。 

働きながらの学習方法について

以前働きながら学習していたときは、とにかく可処分時間は全て勉強に当てられるよう慣習化するよう心がけました。平日は、朝に勉強時間を確保するため、4時に起床し、始発電車で勤務地近くまで行き、マックで勉強する毎日でした。通勤電車内では、細切れでも勉強しやすい短答を中心に勉強しました。週末は、コンプリート論文答練など論文中心に勉強しました。国内出張がたびたびあり、海外出張もまれにありましたが、マコタンを携帯して、出張移動中や出張先の宿でも勉強をしました。ビジネスホテルの部屋でコンプリート論文答練の答案を書いたこともありました。

予備試験を目指した理由

仕事をしていたため予備試験しか選択肢がありませんでした。メリットは法科大学院に通うことなく、仕事を続けながらでも受験できることです。司法試験に向けては、その時点では法科大学院生だったため、授業の予習復習に時間をとられて、試験のための勉強が十分にできませんでした。結果として、インプットは相応にできたと思いますが、アウトプットは十分に時間をとることができませんでした。120分での論文は70分での論文と似ているようで大きく異なるものだと、今は認識しています。そのため、司法試験論文用のアウトプットの訓練はしっかり行う必要があると思います。また、選択科目は予備試験後に初めて開始したこともあり、苦労しましたが、他の科目同様基本をインプットし、それをアウトプットできるようにする以外方法はありませんので、地道に取り組みました。

〈コンプリート論文答練を受講して〉

コンプリート論文答練は、予備試験受験において必須のアイテムでした。この答練でアウトプットとその後のインプットの復習を繰り返しました。とても役に立ったと思います。ただ、私の場合は、結果的にインプットの復習がおろそかになってしまっていたとの反省があります。両者のバランスがとても大切だと思います。また、添削者にもばらつきがありますので、慣れが必要だと思いました。 

〈予備試験論文過去問マスター・論文過去問答練を受講して〉

過去問がどんなものか、また模範答案がどういった内容かを知ることは、とても重要であり、役立ちました。 

 
〈その他の講座を受講して〉

予備試験において、短答過去問総まくり講座を受講しましたが、大変役立ったと思います。マコタンでの独習だけではカバーできない理解力が得られたと思います。時間のとれる方には受講をおすすめします。

司法試験に向けた学習について

 
〈司法試験論文過去問マスターを受講して〉

過去問を実際に知り、また、模範答案を見ることができて、どういった問題が出題され、どのような答案が求められているのかを具体的に理解することができたため、大変役に立ちました。 

〈短答式全国実力確認テストや全国統一模試を受講して〉

全国統一模試は、3月に会場で受験しました。本番と同じスケジュールでのシミュレーションとして、実体験できたことが大変貴重な経験となりました。初めて司法試験を受験される方はぜひ受講すると良いと思います。 

〈その他の講座を受講して〉

選択科目は労働法でしたが、労働法の基礎マスターを受講し、基礎知識のインプットに活用しました。また、司法試験ゼミの労働法の資料もいただき、それも活用させていただきました。予備試験合格後、ゼロからも勉強だったため、とにかく必死で答案が作成できるレベルまで到達することを目指しました。 

〈司法試験対策に必要となる勉強について〉

膨大な勉強量が求められますので、長期、中期、短期の計画をしっかり立てて、地道にコツコツと粘り強く勉強することを意識し、着実に実践するよう心がけました。基本が大事なのはいうまでもありませんが、正確な知識・理解が求められます。その元となるのは、条文であり、判例であり、基本書であると思います。言い古されていますが、アウトプットとインプットを繰り返しながら、知識・理解の正確度を上げるとともにアウトプット能力を磨いていくことに尽きると思います。今振り返って、失敗した点は、社会人時代に時間のない中、コンプリート論文答練をスケジュールに沿ってこなすことだけで手一杯で、なかなかそこからインプットに戻り、アウトプットを修正するといった作業をじっくり行えなかったことです。このあたりは、自分の学力や可処分時間との兼ね合いですが、答練の量を適切に調節することも必要だと思います。

おわりに

伊藤塾に出会わなければ今の自分はありませんでした。予備試験、司法試験の勉強のためのみならず、それ以外でも多くのことを得ることができたと思っています。また、伊藤塾長という大変素晴らしく尊敬できる方を知ることができたことも大きな財産です。家族をはじめ協力してくれた方々には大変感謝しています。そうした支援に応える意味でも、合格後は、弁護士として、困った方のために少しでも役立てるよう頑張りたいと思っています。