はじめに

私が伊藤塾に入塾したのは大学1回生の夏でした。小学生のとき、授業で弁護士、検察官の話を聞いたことをきっかけに、高校生の時点で法学部に進学したいと漠然と考えていました。しかし、大学に入学した当初は、将来法曹になりたいと思う反面、この先ずっと合格するまで勉強することの面倒くささ、辛さに思い悩み、悶々とした日々を過ごしていたところ、大学の本屋で伊藤塾がブースを開いているのを見つけました。これは踏ん切りがつくいい機会だと思い、さっそくブースで申し込み用紙を受け取り、夏休み前に学習を開始しました。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

私は大学1回生で入塾したものの、持ち前のサボり癖のため司法試験に向けて本格的に学習を開始したのは大学3回生になってからでした。当時の私はどのように勉強したらよいか全くわからなかったため、伊藤塾の基礎マスターが頼りでした。基礎マスターテキストには、制度趣旨、定義、要件が端的かつコンパクトに示されており、非常に効率的に学習できました。このような知識は、短答は当然ながら、司法試験でよく問われる論文の現場思考問題でなくてはならないものであるため、同テキストに記載されている知識は必要不可欠であったと合格した今実感しています。また、講師の方々はよくテキストの重要部分にマークをするよう要求されますが、特に当時商法・訴訟法・行政法を担当された本田講師の説明は非常に丁寧で、マークも問題提起は青、定義はオレンジというように厳格に色分けを要求されたので、講義の後は非常に整理されたテキストに仕上がりました。私は、それに加えて他の基本書や演習書で得た知識も書き加えて一元化し、より使いやすいテキストに仕上がるよう工夫していました。
 
論文を意識し始めたのは、大学4回当時の予備試験短答に合格してからです(論文は落ちました)。私は短答受験前は短答に全ての時間をかけていたため、論文は短答後に初めて手をつけました。例のごとく、私は論文勉強のノウハウなど持ち合わせていなかったため、論文マスターを頼ることになります。みなさんもご存知のとおり、論文マスターは主に旧司法試験の問題で構成されています。たしかに、現司法試験の問題とでは記載された事実の量が違っており、これを解いても効果が低いと思ってしまうかもしれません。しかし、現司法試験は旧司法試験の焼き直しと思えるような問題が出題されたり、また論点抽出の練習としては非常に有用なため、論文マスターは非常に効果的な講座だと思います。また、記載されている模範答案に加え、講師の方々が示された重要な点を書き加えることで、より有用なテキストに仕上がっていくと思います。私は、この論文マスターの講義を注意深く聞きテキストを何度も繰り返すことで司法試験に耐えうる基本的な論文知識を獲得できました。

司法試験に向けた学習について

〈短答式全国実力確認テストや全国統一模試を受講して〉

全国統一模試の特徴は、実際の司法試験の会場で受験することができ、本番と同じ環境で自分の力を試すことができることと、全国の受験生の中で自分の現在の立ち位置を把握できることです。また、司法試験の予想問題としても有用で、実際に今年の国際私法で全国統一模試と同一の問題が出題され、非常に助かりました。大半の受験生は多かれ少なかれ試験ではミスをしており、合格発表までは落ち着かない日々を送ると思いますが、私は模試で合格推定圏内にいたこと、全国統一模試は大多数の受験生が受けており判定に信用性があることから、自分のミスを自覚しつつも合格発表まで落ち着いたままでいられたと思います。

〈司法試験対策に必要となる勉強について〉

司法試験合格に絶対必要なことは、過去問を押さえることです。すでに新司法試験が始まって15年が経っており相当数の過去問の蓄積があります。試験の対象となる論点は有限であるため、過去問の焼き直しが出題されることは頻繁にあります。そのため、過去問をやっているだけで容易に書くべき論点に気づくことができます。そうであるにもかかわらず、意外と現在の受験生は過去問を押さえていません。なので、過去問をしっかりやることで他受験生と差をつけることができます。私も平成20年前後の過去問をやっていなかったため、今年の試験で書けなかった論点があったことは失敗のひとつです。したがって、自分で、あるいは伊藤塾の講座などで過去問をしっかり研究することは必須です。

おわりに

伊藤塾は現状に合わせて非常に柔軟に対応してくれます。今年はコロナにより、司法試験が3ヶ月延期になりました。これにより、私はモチベーションが下がり、緊張状態が緩まってしまいました。このような状況の中、伊藤塾は非常に廉価で全国統一模試2回目を実施し、受験生のニーズに柔軟に対応してくださいました。このような受験指導校を利用することができて非常に良かったと思います。