はじめに

ありきたりですが、幼少期に見たドラマがきっかけで、将来の夢を漠然と法曹としていて、そこから大学入学後も気持ちが変わらなかったため、司法試験を目指しました。
伊藤塾に入塾した時期は、大学2年生の時です。大学1年生の時は、大学が提携している他の受験指導校の簡易な講座を受講していたのですが、実力が上がっている気配がせず、このままでは受からないと悩んでいました。そこで、司法試験を受験しようとしている周りの先輩に聞いてみたところ、ほとんどの方が、伊藤塾を推していたので実際に調べたところ、実績がずば抜けていたので、お世話になることを決めました。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

 最初は予習復習をきちんとしていたのですが、時間が経つにつれて疎かにしてしまい、講義をライブで受講するだけとなってしまいました。伊藤塾長が最初の方の講義で、寝る前の10分間の復習を長期間続けられる人はほとんどいないとおっしゃっていたのですが、私も途中で挫折した者で、今振り返ると、続ければもっと早く合格できたと後悔しています。
基礎マスターのテキストは、難しい法律を図によってわかりやくしているため、初学者にはうってつけです。また、重要度ランク付けによるメリハリは、試験勉強にとても有用です。
私は、基礎マスター段階でアウトプットの練習をすることができませんでした。今思えば、インプットしながらアウトプットすることにより、答案を書くためにどういう知識が必要であるかを知れてインプットの質も上がるため、同時にこなすべきであったと思います。
恥ずかしながら、インプットの復習を疎かにしたことが原因で、論文マスターについていけなくなり、途中で挫折してしまいました。

司法試験に向けた学習について

〈司法試験論文過去問マスターを受講して〉
伊関講師が作成した民事系の講師作成答案は、とてもレベルが高く、まさに目から鱗のテクニックが散りばめられていました。自分の答案が合格基準に達していないことがよくわかって、マネができるテクニックはなるべく盗んで自分のものにできるように心がけました。
岡崎講師が作成した公法系･刑事系の講師作成答案は、現実的で一般的な受験生が現場で書ける答案でした。かかる答案からは、ここまでは書けないとダメでここは書けなくても合否には影響しないとの線引きを知ることができました。
伊藤塾作成の論述例は、完全解答に近いため、論点や論点のつながりを深く理解するために有用でした。また、解説は、その記述で完結することができるほど詳細に記述されているため、他の基本書等を広げずに済み、時間を節約することができました。

〈短答式全国実力確認テストや全国統一模試を受講して〉

 短答式全国実力確認テストは、自分が通っている法科大学院以外の受験生と並んだ時に、自分がどの位置にいるのかを客観的に知ることができるため、合格には不可欠でした。また、直前の全国統一模試は、多くの受験生が受講するため、その模試で出た内容が本試験にも出た場合に後れをとる可能性があることから、その心配もなくなるという点で、精神安定上役に立ったといえます。

〈司法試験対策に必要となる勉強について〉

 短答式試験の対策としては、とにかく過去問を解きました。そして、知識が長期記憶として定着していないものについては、短答用のまとめノートを作成し、それを繰り返し読みこむことで、いつ解いても正解するような問題を解かなくて済むため、効率的に学習することができました。
論文式試験の対策としては、演習・答練を繰り返して、そこで得た知識を論証集に付け足していくことをベースにして、直前期にはその論証集を読み込んで暗記するようにしていました。
論文の過去問については、法科大学院入学当初、初見の問題として解きたいからもう少し知識をつけてからにしようとして先延ばしにしていたのですが、なるべく早く着手すべきでした。繰り返し解いて、出題趣旨と採点実感も読み込むべきです。特に採点実感は、試験委員から出される数少ないヒントなので、熟読すべきです。

おわりに

 私は他の合格者と比べて能力が低いです。法律を初めて学んだときから合格まで約10年かかってしまいました。今、受験生活を振り返ると、色々なことに手を広げすぎたことも10年かかった原因の1つだと思います。「努力は裏切らない」とよく聞きますが、この意見は少し言葉足らずだと思います。私は、「正しい努力は裏切らない」と考えています。そして、伊藤塾の講座はこの正しい努力の方法を提示してくれているので、手を広げすぎずに、信頼して努力をすれば合格できると信じています。頑張ってください。