司法試験の合格に才能が必要だとすれば、それはおそらく努力の才能。
「やればできる、必ずできる」という標語はとてもシンプルかつ正確な標語です。

\ 予備試験ルートで司法試験合格 /
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Y.Uさん:東北大学法学部4年
◆ 予備試験合格時 /東北大学法学部3年

受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、司法試験論文過去問マスター、司法試験演習秋生など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

私の自己実現は、他人の干渉を受けない環境で、自分の意思で働き成長することだと考えています。そして、弁護士は個人事業者なので被雇用者よりも広い裁量がある上、奥が深い職業だと予想しています。ゆえに、生きているうちに成長限界に達することはないと思いました。このような点に魅力を感じて、司法試験を受験するべく伊藤塾に入塾したのは大学1年生の12月中旬です。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

 私は先述のように入塾した時期が遅かったため、まずは配信されている講義に追いつくことに苦労しました。入塾してから半年ほどはとにかく必死で、基礎マスターの講義を全て2倍速で消化していきました。このときは、復習よりもまずは1周することに重点を置いていたため、30分で講義を聞き終え、講義で扱った箇所を5分くらい眺めて復習したら次の講義へ進む、といった具合です。講義も内容を理解するというよりは、テキストにマークやメモをするために聞いていた側面が大きかったと思います。
法律学は関連性の学問なので、1つの法律を理解するには、その法律の全体を理解していなくてはなりません。つまり、まだ全体を見ていない1周目でその法律を完全に理解することは絶対に不可能です。ゆえに、1周目の段階ではわからないことがあっても深入りせず、とりあえずは1周するという姿勢が重要であると思います。 
また、法律学の世界はとても奥が深く、試験に合格するうえでは知識として不要なものも多くあります。初学者の段階からこのような枝葉の部分にあたる知識まで修得しようとするのは極めて非効率かつ非現実的です。もっとも、初学者にとってはそもそもどの知識が必要で、どの知識が不要なのかを選別すること自体も困難です。この点で、伊藤塾の基礎マスター段階の講義においては、幹となる重要知識の選別を実績ある講師が行ってくれるため、初学者であっても取り組みやすいと感じました。

 難関と言われる論文式試験を突破するためには、曖昧ではなく確実な知識の修得と、それを事案に応じて適用する応用力が必要です。これを培うためには、多くの問題に手を広げるのではなく、良質な問題を繰り返し解いて完璧にすることが有益です。この点、伊藤塾の論文マスターで扱う「問題研究」は旧司法試験の中から良問を抜粋した問題集なので、反復教材としては最適でした。各種答練は、問題研究で身につけた答案の型を実戦で試したり、現場思考力を培うのに役立ちます。また、過去問の検討も、試験委員が求めている水準や出題形式を知るために必須だと思います。そして、問題を検討するときはただ書いて終えるのではなく、模範解答と比べて何が足りなかったのかを認識することが必要です。私は、問題を検討したあとは必ず次回への申し送り事項として改善点を書き記しておきました。これを次回検討したときに見直すことで、自分の成長具合を図ることができます。このようにして問題を反復し、最終的には書き記すべき改善点がなくなるくらいまでやり込みました。

司法試験に向けた学習について

〈司法試験論文過去問マスターを受講して〉

 司法試験では、出題趣旨、採点実感というものが公開されます。これは採点者が作成したもので、出題者が想定していた解答、多く見られた間違いなどを綴ったものです。しかし、そこで綴られているのはいわゆる「模範解答の条件」であって、必ずしも「合格答案の条件」ではありません。受験生が試験会場で導き出すのは困難と思われるような解答筋が紹介されていることも少なくありません。したがって、よほどの上位合格を目指すのでない限り、これら出題趣旨・採点実感の要求を全て満たすべく勉強するのは非効率だと思います。そこで役に立ったのが、司法試験論文過去問マスターです。この講座が優れているのは、講師が現実的な合格答案のレベルを教えてくれる点です。これに沿って学習を進めることで、短期間でも合格に必要な知識を身につけることができました。

〈全国統一模試を受講して〉

 全国統一模試では、実際に司法試験の日程を体験できたことが大きな財産となりました。休み時間などを含めた時間の使い方や、帰宅後の疲労感を事前に知ることができたため、本番でも緊張せずに受けきることができました。

〈その他の講座を受講して〉

 司法試験合格まで通して最も役に立ったのは、やはり論文マスターだと思います。論文マスターは、知識の活かし方、答案への表現方法など、答案作成の技術を教えてくれる講座です。しかも、論文マスターで教わる技術は、司法試験まで通して役に立つようなものが多くあります。この論文マスターを受講できたことこそ伊藤塾を利用した大きな利点であり、合格の要因であったと思います。

〈司法試験対策に必要となる勉強について〉

 司法試験が難関と言われる理由の1つに、試験範囲の広さが挙げられると思います。例えば、憲法を学び終え、民法の学習を始めたとします。民法の範囲は膨大なので、一通り学習するにはかなりの時間がかかります。そうすると、民法が終わる頃には憲法を学んでからかなりの時間が空いているので、せっかく学んだ憲法を忘れてしまうのです。このように、司法試験の勉強は忘却との戦いです。私はこれの対策として、自分が忘れがちな知識をまとめたノートを作っていました。そこに掲載された知識のうち、学習を進める中で完全に定着したと感じたものはノートから消していきます。このような作業を繰り返し、最終的には試験の休み時間で全て見返せる程度まで凝縮したノートが完成しました。

おわりに

 私は、記憶力や理解力が人より優れているわけではないと思います。決して要領がよいタイプでもありません。昔から、何かを成すには人より多くの時間をかけるしかありませんでした。そのため、司法試験の学習を始めるときはかなり迷いました。この合格体験記を読んで、凡才の自分が本当に合格できるのだろうかと思い悩んだのもまだ記憶に新しい日々です。
 そんな私も、今こうして合格体験記を書いています。司法試験の合格に才能が必要だとすれば、それはおそらく努力の才能です。この意味で、伊藤塾が掲げる「やればできる、必ずできる」という標語はとてもシンプルかつ正確だと思います。もし今これを読んでいる人で、かつての私のように悩んでいる人がいれば、この標語を伝えて背中を押したいと思います。