とにかく先に進み、効率よく勉強を進めることが大事。外に出られない中、友人と励まし合ってモチベーションを維持

\予備試験ルートで司法試験合格 /
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斎藤  由里阿さん:  東京大学法学部卒業
◆予備試験合格時/東京大学法学部4年

受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、司法試験演習秋生など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

私が伊藤塾に入塾したのは大学1年生の5月でしたが、本気で勉強をはじめたのはそれから110ヶ月以上も過ぎた大学2年生の春休みでした。私はもともと国連に入ろうと思っていたのですが、たくさんの人を助けるという意味で、専門的知識を持つ弁護士の方がより力があるのではないかと次第に考えるようになりました。また、大学院に行かずになるべく早く実務に出たいという思いから予備試験を目指すようになりました。伊藤塾を選んだ最大の理由は、他の受験指導校に比べて実績がずば抜けていると感じたことです。伊藤塾長という有名な方から法律を学ぶことができるのも魅力のひとつでした。

私の勉強法

<基礎学習について>

私は大学1年生の6月から大学2年生の3月まで110ヶ月以上もの間基礎マスターを受講していませんでした。その理由は11つの講義の内容を完璧に身に付けなければと考えていたため時間がかかり、講義を聴きたくなくなってしまったからだと思います。しかし、大学2年生の3月からは予備試験の短答試験に間に合わせなければならなかったことから、基礎マスターの講座を1.5~2倍速で112~15コマほど聴いていました。基礎マスターの学習において意識したことは、たとえ完璧に覚えていなくても先に進むことです。一度理解すれば思い出すのは容易ですし、完璧にしなければと思って先に進めず、勉強を諦めてしまっては元も子もないからです。法律は量が膨大、内容も複雑なためとっつきにくく、自学や大学の授業だけでは非常に勉強に時間がかかってしまいます。その点、伊藤塾の基礎マスターはテキストに重要なポイントがまとめてあり、理解が難しい部分は講師が図などを利用して説明してくれるので、勉強の効率が一気に上がります。司法試験は論証を並べて解ける問題ばかりでなく、体系的な理解が問われる問題が多く出題されます。そのため、基礎マスターで法律の内容を体系的に身につけることは、論文を書く上で非常に役立ちました。
私は論文マスターを大学3年生時の短答試験後論述試験までに全て聞かなくてはならず、毎日倍速で10講義ほど聞いていました。実際に書くことはせず、答案構成に止めました。これは時間がなかったためですが、そもそもはじめは論述の書き方など全くわからないわけですので、答案構成に止め、論文マスターでは答案作成の作法を学ぶのが最も効率はよいと思います。論文マスターは基本的な論述問題がかなり網羅的にまとめられており、その論述の流れを覚えるのに役立ちました。最終的には論文マスターの内容を暗記し試験に臨みましたが、このことは本番でかなり生きました。

予備試験を目指した理由

私が予備試験ルートを目指した理由は、早く実務家になりたかったこと、法科大学院の費用を抑えたかったことにあります。私は早く実務に出て、実務を経験した後で海外の法科大学院に行きたいと考えていたので、予備試験ルートは理想的でした。また、予備試験ルートのメリットは就職において有利であることです。私は将来弁護士になることを志望していますが、予備試験合格者であることは弁護士事務所に採用される上で有利であると感じています。司法試験は予備試験よりも問題文も論述量も多く、問題内容もより学説や判例に踏み込んだものが求められる点で、明らかに予備試験より難しいです。私はコロナ影響により司法試験の日程が延びたため、学説や判例について予備試験時に使わなかった基本書や演習本を買って知識を広げました。

<コンプリート論文答練を受講して>

私は論文マスターを論述問題の基本のインプット用として使っていたために、コンプリート答練がアウトプット用になりました。コンプリート答練は過去問の傾向に沿った問題構成となっており、問題演習に役立ちました。添削をしていただくことで、自分では書けたと思っていてもうまく論証できていない部分を確認することができました。優秀答案と自分の答案を比べたり、他の受講生の点数と比べたりすることで自分に足りない点を確認することができました。伊藤塾の他の教材に漏れがある部分が問題になっていることもあり、知識を補うことができました。

<予備試験論文過去問マスター・論文過去問答練を受講して>

予備試験の過去問は、出題趣旨しか出されず、採点基準が一切わからないため、伊藤塾の解答例や丁寧な過去問解説が勉強には不可欠でした。伊藤塾の解説は試験問題の材料となった判例を紹介し、重要な学説等もまとめてあって過去問の勉強に役立ちました。また、答案を添削していただくことで、自分が実際にどれほど点数を取れたのか、自分の論証の足りない部分がどこなのか等も知ることができました。

<短答答練・全国公開短答模試を受講して>

私は短答試験前もかなり論述問題の勉強をしており、定期的に訪れる短答答練の直前にのみ短答問題の勉強をしていました。そのため、短答答練は論述試験の勉強をしながら短答の準備をしておくという意味で、ちょうどよいペースメーカーでした。加えて、一般教養は答練以外勉強していなかったので、その練習として役立ちました。短答模試は、短答試験において自分が全国の中でどの位置にいるかを知る上で役立ちました。また、模試の問題は過去問を踏まえて独自に作成されたものだったので、抜け漏れの確認にもなりました。

司法試験に向けた学習について

私は予備試験に合格した大学4年生時の12月にペースメーカー答練を受講しました。ペースメーカー答練は司法試験の傾向に沿った問題を解くことができ、添削も受けられるという点で、非常によいアウトプットの練習の機会になりました。また、伊藤塾その他の教材で漏れていた部分が出題されることもあり、知識の補強にも役立ちました。私は答練は自宅で受け、時間も計っていましたが、時間をオーバーしても納得行くまで書くようにしていました。一度解いた問題も、大枠の答案構成をすることで何度も解き直しました。さらに、答案の添削をしていただくことで、自分では書けたと思っていてもうまく論証できていない部分を確認することができました。

<司法試験論文過去問マスターを受講して>

過去問マスターは予備試験に合格した大学4年生時の12月及び4月以降に受講しました。コロナによる司法試験延期の影響で4月以降はゆったり受講することができました。解く際には時間を計っていましたが、時間をオーバーしても納得行くまで書くようにしていました。過去問の出題趣旨、採点実感は何度も読み直しました。過去問マスターは、出題趣旨や採点実感等に則して伊藤塾が問題を研究し、解説講義及び添削を提供してくださる非常に優れた学習教材です。特に、受験者が実際にはどのような解答をしていたかを踏まえて採点実感の解説してくださった点は、試験問題にどう対処すればよいか考える上で非常に役立ちました。一度解いた問題も、大枠の答案構成をすることで何度も解き直しました。7年分の過去問を5回は解き直したと思います。

 <短答式全国実力確認テストや全国統一模試を受講して>

私は全国統一模試を2度受講しました。2度目の模試はコロナの影響により司法試験が延期された中で勉強へのモチベーションを維持するのに役立ちました。問題の内容がこれまでの司法試験の傾向に則していた上、教室受講の場合にはなるべく本番に近い雰囲気を再現してくださっていたので、本番の予行演習としてよい機会でした。加えて伊藤塾の模試は受験者が多く、受験者全体の中の自分の位置を知る上で非常に参考になりました。中でも、意外な分野で他の受験生より点数が低かったことを知ることができ、弱点強化につながりました。自分以外の受験者と久しぶりに会い、励まし合う機会にもなりました。

<司法試験対策に必要となる勉強について>

私は3月に1ヶ月ほど留学する予定があったので、それを踏まえて計画を立てました。基本的にインプットは予備試験のための勉強で十分できていたので、アウトプットの練習を重点的に行いました。司法試験は問題文も論述量も多く、問題内容も学説や判例に踏み込んだものが求められる点で、極めて難しいです。それだけに演習問題を解くことのストレスが大きく、問題演習に対するモチベーションの維持に苦労しました。私は一緒に司法試験を目指す仲間と励ましあってモチベーションを維持しました。また、問題量に慣れるために、必ず時間を計って演習するようにしました。

おわりに

伊藤塾には長年積み上げてきた合格のためのノウハウがあり、それを自分に合わせて活用することが合格への近道です。また、カリキュラムや教材だけではなく、一緒に伊藤塾に通っている学生と仲良くなれたことは私にとって大きかったです。試験勉強をしているとどうしても家にこもりがちになってしまうため、答練などのために外に出て、他の塾生に会えたことは精神的な支えでした。加えて、講師の方々がいつも受験生の我々を叱咤激励してくださったことは大きな励みになりました。