大学や独学での司法試験対策で感じた限界。伊藤塾を選ぶのは賢明な判断だと思います

\ 予備試験ルートで司法試験合格 /
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J.Pさん:早稲田大学法学部3年
◆ 予備試験合格時 /早稲田大学法学部2年

受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、司法試験演習秋生など

※プロフィールは、2020年度合格時点のものです。

はじめに

私は大学に入学した頃から漠然と、司法試験に合格して法曹になろう、と思っていました。もっともその思いは、何らかの大義名分に基づくものであったわけでなく、単に、せっかく法学部に入学したのだから司法試験を受けてみたい、といった少々かるい気持ちによるものでした。明確に法曹を志すようになったのは、大学1年の夏頃でした。これは、入学してから暫く経って大学生活にも慣れた頃、何か熱中できるものが欲しいと思うに至り、これを機として自らの将来について思いめぐらした折に、思考を駆使して人のためになることのできる法曹という職業に心惹かれたためです。そして、ちょうどその頃、春学期の終わりを迎えて、大学の授業あるいは独学による司法試験の対策に限界を感じたため、当時、大学の友人や先輩方のほとんどが通っていた伊藤塾に入塾することを決めました。

私の勉強法

〈基礎学習について〉

 私は大学1年の7月に伊藤塾に入塾しました。もっとも、7月末に大学の定期試験があったので、実際に聴講を開始したのは8月が始まってからでした。まず8月から9月にかけて、憲法と刑法の基礎マスターを受講しました。春学期のうちに大学の授業で憲法と刑法総論を学んでいたので、2倍速で聴くことができ、結果としてライブ授業の進度に追いつくことができました。10月から1月初頭にかけては、民法のライブ授業があったのでこれに毎回出席し、またこれと並行して、刑訴、民訴、商法、行政法の順に基礎マスターを映像で受講しました。以上の過程により、1月初頭までに実務科目を除く全ての科目の基礎マスターを受講し終えました。1月末に大学の定期試験があったので、1月は中旬以降、法律実務基礎科目の基礎マスターを受講するのみでした。その後、2月の前半に、商法と民訴の論文マスターを受講しました。2月の後半から5月中旬にかけては、予備試験短答式試験の過去問演習に注力しました。科目によりばらつきがありますが、平均して4周ほど演習しました。短答式試験に合格してのちは、すぐさま論文式試験の対策に着手しました。それまで六法のほかに何も見ることなく論文答案を作成するといったことがなかったので、論文直前答練や論文式試験過去問を活用し、ひたすら書く練習をしました。論文答案作成の練習と並行して論証集を回して論文知識のインプットも行っていました。

予備試験論文式試験が終わってから合格発表までは、翌年、予備試験あるいは司法試験の論文式試験を受験することを想定し、市販の基本書、演習書による学習を進めていました。これは1年目の基礎マスターや論文マスターによる学習を経て、応用するに足る基礎が身についたと思ったからです。論文式試験の合格発表の2週間前からは、論文式試験にも口述試験にも役立つ学習を行おうと考え、要件事実や構成要件の理解、記憶を中心とした学習を行いました。論文式試験に合格してからは要件事実や構成要件のほか、手続や民事執行保全、法曹倫理などの学習も行いました。口述試験に合格してすぐに、司法試験の対策に着手しましたが、その内容は予備試験におけるそれと特に変わりませんでした。
 

予備試験を目指した理由

私は当初、大学在学中はのんびりと過ごし、その後法科大学院を修了して司法試験の受験資格を取得し、ひいて司法試験に合格することができたらよいなと思っていました。しかしその後、予備試験の存在を知るに至り、さらに学費をかけることなく最短2年で司法試験に合格できる予備試験ルートに魅力を感じました。そこで、予備試験を目指すことにしました。予備試験の対策が基本的にそのまま司法試験の対策にもなると考えていたので、予備試験に合格するまではすでに述べたような対策を行っていました。

予備試験に向けた学習について

〈予備試験論文過去問マスター・論文過去問答練を受講して〉

 予備試験論文過去問マスターでは、問題、出題趣旨および答案例の載った冊子ならびに解答用紙が配布され、これが便利でした。時間がなかったので講義を聴くことまではしませんでしたが、解答例を自分なりに分析するなどしてこれに代えました。
 

司法試験に向けた学習について

〈司法試験論文過去問マスターを受講して〉

 司法試験論文マスターでも、問題、出題趣旨、採点実感および答案例の載った冊子ならびに解答用紙が配布され、これが便利でした。時間がなかったので講義を聴くことまではしませんでしたが、解答例を自分なりに分析するなどしてこれに代えました

〈短答式全国実力確認テストや全国統一模試を受講して〉

 私は3月と7月の二度、全国統一模試を受講しました。中日含め5日間かけて論文式試験を8科目、短答式試験を3科目、ほかの受験生と同時に受験するという経験は過酷な本番を乗り切るうえでプラスに働いたと思いますし、またこうした経験は模試といった場がなければできないものなので、受講してよかったなと思います。

〈その他の講座を受講して〉

 基礎マスターおよび論文マスターのほかには、経済法の講義が役に立ちました。短期間で経済法の大枠を押さえることができるのみならず、論文式試験過去問数年分の解説により経済法の論文答案作成の作法を身につけることができました。また、テキストに論証が載っていたので、別途論証集を入手する必要がなく、これも良かったと思います。

〈司法試験対策に必要となる勉強について〉

司法試験を受けてまず思ったことは、それほど高度なことは訊かれていない、ということです。基礎的かつ汎用的な知識をインプットし、それを適切な形でアウトプットすること、これさえできればよい、ということです。もっとも、これは大変に難しいことだと思います。ただ、ここで重要なのは、司法試験の問題がいかに発展的な内容を含み難解であるとしても、決してこれに振り回されることなく、基礎的かつ汎用的な知識のインプットおよびアウトプットを徹底するのが最善の策であるということです。これができれば、人によりそれぞれペースは異なるかもしれませんが、しかし確実に、合格に近づいてゆけると思います。以上と関連して、司法試験を受けるにあたって、わからなくても解けること、これが到達すべき目標のひとつであると感じました。司法試験では、見たことも聞いたこともない問題の出されることがあり、これを見ると何か特別な対策をしなければ、といった気にもなってきます。しかし、そのような気持ちをグッとこらえて、基礎的かつ汎用的な知識のインプットおよびアウトプットを徹底する、答案では条文を出発点として流れを外さず、趣旨を出発点とした解釈によって規範を導き、事実を子細に分析して摘示し、評価を加えて規範にあてはめる、これが重要であると思います。 

おわりに

伊藤塾が依然として業界最大手たる地位を有していること、および予備試験と司法試験の山場たる論文式試験が相対評価であることを考え併せると、受験指導校として伊藤塾を選択することは賢明な判断であると言い得ます。また伊藤塾に入塾したことの利点として、横山講師の講義を受けることができたことが挙げられます。横山講師に教わったことは数多く、枚挙に遑がありませんが、特に、趣旨から考える、という法律を学ぶうえで重要な姿勢は、横山講師が講義のなかで繰り返しわかりやすく教えていただいたことによって身についたものであると思います。法律の学習を開始してから司法試験に合格するまで約2年を要しました。これは客観的にみれば短い期間であると思われますが、主観的には長く感じました。特に、司法試験の延期が発表されてから日程が発表されるまでは、遣る瀬ない思いで胸が一杯で、果てしなさを感じました。しかし、こうした状況に置かれることによってはじめて、なりたい法律家像を見つけることもできました。それは、あらゆる他者を尊重し、その権利あるいは利益を守ることのできる法律家、というものです。他者を尊重し、その権益を守ることは、自己を尊重し、その権益を守ることと同値であり、またそうすることが、あらゆる個人の尊重ひいて平等を帰結し、ひいてよりよい社会の実現につながると思うからです。私もいまだ法曹への途上にあり大したことを言える身ではありませんが、私と同じように法曹を目指される方が、自分の力を信じて適切な努力を積み重ね、そして夢をつかみ取られることを切に願っています。