もう一度弁護士を目指してみよう、との思いで伊藤塾の講座を再受講しました。

社会人・既卒者

 V.V さん(33歳)

香川大学法学部卒業
【受講講座】
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験口述模試 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。


はじめに

最初に法律家を目指したきっかけは、大学卒業後、友人が司法試験を受けるというので、なんとなく自分もというものでした。
 当初から伊藤塾の講座を受講していましたが、講義はとてもわかりやすいものでした。大学での授業は、「いかにわかりやすいように伝えるか」という点を配慮して授業してくださる先生は少なかったので、初めて伊藤塾長の講義を聴いたときは、とてもわかりやすく驚きました。しかし、わかりやすい講義で理解できたとしても、記憶しなければ意味がありません。当初法律家を目指したきっかけが、上記のように軽薄なものであったため、平成15年から平成18年まで旧司法試験を受験しましたが、とても合格には至りませんでした。その後、平成20年に司法書士試験に合格し、翌年独立開業しました。開業後、裁判業務等をしながら、もう一度弁護士を目指してみよう、との思いで伊藤塾の基礎からの講座を再受講しました。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

当たり前のことですが、基本が大切です。というより、少なくとも予備試験に関しては基本がすべてだと思います。それを修得するのが、基礎マスタ-です。予備試験合格に必要な知識量とういことでいえば、これのみで十分です。
 例えば、私の場合、特に基礎マスターを重視しました。具体的には、基礎マスタ-が終了した段階で、具体的な事例を想定して、基本的な論証はできるようにすることを心がけました。後に論文マスターで、実際の問題を解くうえでの各パーツを作るイメージです。これだけでも、かなり予備試験の論文で通用します。実際、私が再受講した講座のカリキュラムは平成24年度の予備試験合格を予定していた為、平成23年度の予備試験論文試験時においては、まだ刑事訴訟法の基礎マスターの途中でしたので、刑事訴訟法の問題で「証拠」などの分野が出題されたら全くお手上げだったのですが、既に学習済みの「捜査」の分野からの出題だったので、A評価がとれました。他の科目のいくつかにおいても、基礎マスターのみで、平成23年度の予備試験論文試験において、Aを含む高評価が得られました。平成23年度の予備試験論文試験は、一般教養科目や、実務科目の出来が非常に悪かったため、不合格でしたが、この1年目の経験によって、基礎マスタ-の重要性を再認識するとともに、今後も基礎マスタ-中心の勉強で間違いがないと確信しました。

短答式試験対策について

私は司法書士試験を経験しているので、司法書士試験を経験された方にしか参考にならないと思いますが、予備試験の短答対策として、民事系はほとんど勉強しませんでした。
 レベル的には司法書士試験の方が、難しいと思います。商法も手形、小切手法を少し勉強した程度です。司法書士試験に合格した方ならば、民事系にたいしては、自信を持ってよいと思います。
 公法系、刑事系についても、あまり短答の勉強に時間は使いませんでした。判例の知識が中心ですので、論文の勉強で十分足りると考えたためです。もちろん満点はとても採れませんが、特に予備試験は短答の結果は論文に何ら影響がないので、あまり時間を割くのは得策ではないと考えました。肢別になっている問題集を何度かすれば十分でした。
 一般教養科目については、全く勉強をしませんでした。私は一流大学を出ているわけでもなければ、時事問題に非常に興味を持っているわけでも、英語ができるわけでもありません。一般常識がある方であれば、半分くらいは正解できると思いますし、私としては半分できれば上出来であり、実際それで十分でした。

論文式試験対策について

上記「基礎的な法知識・法理論の修得について」で書いたように、基礎マスタ-で理解し、基本事項(基本的な論証)をカードなどにして記憶するのが、一番重要であったと思います。
 さらに、そのうえで、論文マスターによって、実際の問題を解くうえで、具体的場合にどの論点が問題になるのか、という点を学びました。基礎マスターのみでも十分通用するとはいったものの、やはり実際の問題にあったてみるのは重要です。その意味では、論文マスタ-も必須と言えます。実際の問題をみて、考えることによって出題意図を考える訓練にもなります。伊藤塾の論文マスタ-の問題は、旧司法試験の過去問を含め良問ばかりですので、とても良い素材です。実際私も、今年の予備試験の論文式試験を解くうえで、出題意図がわからない、何を書いていいのかわからないという問題は、法律科目に関してはありませんでした。

法律実務基礎科目について

基礎マスターの民事実務、刑事実務を受講しました。私は、司法書士として裁判業務もしておりましたので、民事実務は得意でした。しかし、刑事実務については、未だに苦手で、今後の課題です。
 基礎マスターの民事実務、刑事実務により、インプットは十分であると思います。私の場合、刑事系の論文はむしろ得意であったのに、刑事実務が苦手だったのは、刑事実務の問題演習が足りなかったからではないかと考えています。本試験では、刑事実務の問題はかなりの長文ですので、実際に問題を解いて、事実認定などに慣れておく必要があります。

一般教養科目対策について

短答、論文とも特に対策していません。短答は半分、論文でもCかDが取れれば十分と思い法律科目に力を入れました。

口述試験対策について

 平成23年の過去問を見る限り、かなり実務的なことを問われると思い、重要条文、刑事訴訟法の短答過去問を解きました。ただし、後述のように、口述試験は大変な試験です。特に今年は、実体法(民法、刑法)の知識も問われました。単に手続きだけでなく、実体法の勉強も必要になります。

伊藤塾の学習と仕事との両立について 

仕事をしつつ、小さい子供もいたため、勉強時間は限られておりました。伊藤塾の講座は、インターネット配信もあったので、夜や休日を使い、講義の速度は全て2倍にして、まとめて受講していました。インターネット講義は時間が取れない受験生にとっては、大変助かります。講義が遅れがちになっても、諦めず目標を立てて、必ず実行するようにしていました。

最後に 

予備試験で一番しんどかったのは最後の口述試験でした。私の場合は、2日目の刑事系の試験で大失敗をしてしまい、最後まで、質問してもらえませんでした。絶対落ちたと思い、発表までは本当に辛かったです。とにかく口述の2週間前後は精神的に辛い日々が続きました。
 私が伝えられるのは、皆さんに同じ思いをしないように、口述も十分準備するべきだということ、そして、何があっても絶対に諦めないということです。頑張ってください。私も、支えてくれている家族と勉強できる環境に感謝しつつ来年の司法試験を突破したいと思います。