大学3年生で予備試験に合格しようと決意したその日から、 日本一勉強したのは自分だと思えるくらいに日々淡々と勉強を続けました。

大学在学中

 A.A さん(21歳)

慶應義塾大学法学部3年在学中
【受講講座】
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、憲民刑集中講義、予備試験ゼミ、コンプリート論文答練、予備試験短答模試、予備試験論文直前答練、予備試験口述模試 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。


はじめに

私は、父親が法曹であったこともあって、小さい頃から漠然と将来は自分も法曹になろうと考えていました。そして、高校3年生の時に、「伊藤真の司法試験に合格する勉強法」と「伊藤真の民法入門」という本を読んで、そのわかりやすさと説得力に感動し、伊藤塾で司法試験の勉強をしようと決めました。伊藤塾で勉強する利点は、どこが重要でどこを重点的に理解しなければならないかを指導してもらえるので、メリハリがつけられ、「試験的に」重要でない部分で悩むという無駄な時間を省けることです。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

私は、合格のために必要な基礎知識の9割以上を、基礎マスターの講義から修得しました。基礎マスターの講義では、講師の方が項目・論点ごとにA+、A、B+、B、B-、Cと細かくランク付けをしてくださり、また、暗記すべき定義・趣旨を逐一指定してくださるので、復習の際にもメリハリがつけられて非常に有難かったです。
 私は、基礎マスターの講義を聴き終えたらすぐに(遅くとも講義の次の日に)、該当箇所を読み直し、自分のとったメモで読みづらい箇所を書き直し、講師からA、B+で暗記を指定された定義・趣旨を単語カードに書く作業をしました。そして、次の講義までにできる限りテキストを読み直し、また、作成した単語カードを通学中や寝る前に覚える作業を繰り返しました。私は、はじめはテキストを読むのにものすごく時間がかかり、また、覚えた定義や趣旨もすぐ忘れてしまい、そのたびに、「また読むのか」、「また覚えなおすのか」と嫌気がさすこともありましたが、何度も何度も繰り返していくうちに読むスピードが上がり、定義を忘れても覚えなおす時間がどんどん短くなっていきました。このように、基礎知識を習得するうえで大事なことは、何と言っても、テキストを読む、重要な定義・趣旨・要件を覚える、出てくるたびに条文を引いて印をつける、(わからない部分は講義を聴きなおす)、という作業を何回も繰り返すということだと思います。

短答式試験対策について

私は、大学2年生の時に第1回予備試験の短答式試験を受験しました。私は、3月中旬に7科目の基礎マスターをすべて聴き終え、そこから試験日までひたすら司法試験の過去問を解き続けました。結果は8点足りず不合格でしたが、知識的には、基礎マスターで修得したものだけで十分合格できるなと強く感じました。そして、今年は、日々の勉強の中で基礎知識の精度を上げており、あとは短答用の細かい知識を多少補充するだけだと考えていたので、ひたすら司法試験の過去問を解き続けました。なお、短答対策としては、全国公開短答模試は必ず受講すべきです。短答試験がどのくらい疲れるのか、受験生の中で自分がどのあたりにいるのか、あるいは自分がどのようなミスを犯す可能性があるのかを知ることができるからです。

論文式試験対策について

まず、私は論文マスターの予習として、必ず講義までに少なくとも答案構成を行っていました。特に全科目とも旧司法試験の平成10年以降の問題については必ず実際に時間を計って答案を書いて論文マスターに臨みました。また、刑法については塾長が実際に手を動かして書いてみるのが大事だとおっしゃっていたので、全問時間を計って答案を作成しました。初見の問題で合格答案を書けたことは一度もありませんでしたが、それでも諦めずに何通も答案を書いたことが論文式試験合格につながったのだと思います。
 そして、論文を実際に書いてみて痛感したのは、論証を用意しておく必要性です。予備試験の問題なら70分という極めて限られた時間の中で、「あてはめ」部分以外の論証をその場で考えて書くのは不可能です。よく「論証パターン」が批判されることがありますが、それは論証を暗記して書くからだと思います。「論証パターン」を叩き台にして、自分の言葉でよりコンパクトな論証を作り出す作業が、論点のより深い理解につながりますし、未知の論点の論証を現場で考える訓練となり、論文式試験に挑むための必須の作業だと思います。そして、当然ですが、作成した論証は暗記する必要があります。
 次に、未知の問題に慣れる点、強制的に答案を作成する機会となる点で、予備試験コンプリート論文答練と予備試験論文直前答練の受講は必須だと思います。また、これらの答練では、添削者の方に質問をすることができるので、論文を解いていて疑問に思ったことなどを質問しそれを解消することができ、非常に有益でした。

法律実務基礎科目について

法律実務基礎科目については、法律実務基礎科目の基礎マスター・論文マスターの受講は必須だと思います。岡崎講師の講義が非常にわかりやすく、比較的短い時間で実務科目の基礎を学ぶことができたのでとても有難かったです。

一般教養科目対策について

<1> 短答対策について
  私は、費用対効果を考えて一般教養科目の短答の勉強はしませんでした。一般教養科目で点数をとるよりも法律科目で点数をとる方が絶対に得策です。
<2> 論文対策について
  論文直前答練などの答練だけを受けました。時間配分を知るうえで非常に有益でした。ただ、私は、一般教養科目では安定した点数を取れなかったので、法律科目でカバーできるようにすべく、法律科目を全力で勉強することにしました。

口述試験対策について

論文発表から口述試験までの2週間、実務基礎マスターで使用した教材などで徹底的に民事訴訟手続きや民事執行法・民事保全法、要件事実、刑事訴訟手続きなどの勉強をしてきました。しかし、本番では想定外の実体法が出題され、ボロボロでした。この点で、口述対策としては、実体法も含めてまんべんなく復習をしておく必要があると感じました。また、口述模試を受講したおかげで、本番を過度に緊張することなく迎えられましたので、この模試の受講は必須だと考えます。

司法試験受験の準備として 

予備試験論文試験終了後から選択科目の倒産法の基礎マスターを受講しました。夏休みはあまり勉強する気になれず、無為に過ごしてしまったので、これから半年間は全力で論文の対策をしていこうと考えています。

最後に 

私の基礎マスターゼミのゼミ長は、大学3年生の時に旧司法試験を7位で合格された方でした。私は、ゼミ長に出会えたからこそ、本気で大学3年生で予備試験に合格しようと決意し、今日まで勉強してきました。ゼミ長は、こうおっしゃっていました。「この2年間で日本一勉強したのは自分だと思えるくらい勉強したつもりです。こう思えたことは本試験の場でも自分の支えになりました。なので、不安であってもとりあえず、日々淡々と勉強を頑張ってみてはいかがでしょうか。」と。私は、論文の成績はゼミ長に遠く及びませんでしたが、3年生で予備試験に合格しようと決意したその日から試験の日まで、日本一勉強したのは自分だと思えるくらいに日々淡々と勉強を続けました。なので、皆さんも本気で予備試験に合格しようと決意したならば、その日から、試験当日に日本一勉強したのは自分だと思えるくらいに日々淡々と勉強してください。努力は報われます。私もそう信じて司法試験合格の日まで勉強します。