記者から転身。
過去問の徹底攻略と論文の完全起案重視で短期合格

\ 学習1年で合格 /E.N
合格者イラスト
東京大学法科大学院(既修)2年
◆出身大学/東京大学法学部
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験口述模試など
※プロフィールは、2019年合格時点のものです。

はじめに

私は東京大学を卒業後、報道機関に就職し、記者としてのキャリアを歩んでいましたが、その中で、過労自殺事件の取材をきっかけに弁護士への方向転換を志すようになりました。亡くなった方の同僚で取材に協力してくださった方も自身の過酷な労働環境に悩み、苦しむ中で報道機関に力を貸してくれたのですが、その方自身の生活は報道後も変わらずじまいでした。「何も力になれていない」と私自身も悩む中、ある日その方に「やっぱり弁護士に相談してみることにした」と言われたことは、一生忘れません。ペンよりも法律を「武器」に戦える弁護士という職業がその時自分の中で強烈に意識されるようになりました。人の力になるには自分自身に力がないといけない、このまま報道機関にいたままではその力を身につけることはできないと最終的に悟り、弁護士への転身のため司法試験を目指すことに決めました。伊藤塾に入塾した理由は、司法試験のその先を目指す考え方を全面的に打ち出していたことと、豊富な実績にあります。「最難関に挑戦する」という伊藤塾長の言葉は会社を辞めて背水の陣で臨む自分にとって勇気をくれた言葉でした。

 私の勉強法 

〈基礎学習について〉

法律学習は全体を見通すまでの速さ、そして繰り返しの回数が命です。会社を辞めたのが3月で、その年の予備試験の出願は間に合わなかったため、目標として6ヶ月後の法科大学院入試、そして1年半後の予備試験と照準を定めました。こうした時間的制約もあったため、3ヶ月程度で7科目全ての基礎マスターの受講を終えることを目標に、Web受講で1日3コマ受講して、わからなくてもどんどん進めていきました。法科大学院入試までの残りの3ヶ月は論文マスターの受講と自分で旧司法試験過去問の完全答案起案をしながら基礎マスターを復習し、知識を補充、強化していきました。もっとも法科大学院入試を経たあと感じたのは、基礎マスターにも行間があるということです。単に受講しただけではわからないその行間を埋めるため基本書を読む、判例百選を読むといった作業も基礎学習として行いました。

〈短答式試験対策について〉

短答対策は過去問一択です。全年分の過去問について全ての肢の正誤を理由つきで一瞬で答えられるようにすること、これが肝心だと思います。基礎マスターや論文マスターで身につけた知識から漏れ出た領域があるのは否定できないので、そこを補うという意識は必要だと感じます。一方で基礎マスターの網羅性の高さも過去問演習を通して実感できるように思います。

〈論文式試験対策について〉

論文マスターで取り上げられた旧司法試験の問題、予備試験の問題をとにかく全て、問題を見た瞬間に答案構成並びに完全答案を書き切ることができる状態にすることを目標にしました。過去問をとにかく重視していました。回数でいうと各科目8回は完全起案をしています。答案構成だけで済ませてよいという方もいて、それは人によるとは思うのですが、私個人としては、答案構成から答案へ至るまでの行間に現れる問題意識こそ重要だと感じていました。答案の「厚み」を生むため、必ず全て完全答案を書くことが必要だと個人的には思います。インプットも代用できますし、なにより本番は必ず答案を書かないといけない。書くという作業のスピード、慣れで他者と差をつけられるのですから、これを頑張らない手はありません。

〈口述試験対策について〉

模試が非常に役立ちました。書く勉強ではなく、話す勉強を中心に据えました。もともと暗記は口で説明するという方式で行ってきていたので苦ではありませんでしたが、そのように勉強していない場合は慣れが必要です。

おわりに

予備試験合格は確かに自分の歩んできた道が間違いではなかったことを示すもので、自信にはなります。それでも所詮スタートラインに立っただけだと今は感じています。半年後と間近に迫る司法試験に向けてすでに競争は始まっていますし、そもそも単に司法試験に合格することが目標ではありません。その先を見据えた勉強をこれからも継続し、社会によい影響を与えることができる「力」をもった法律家になりたいと思います。