伊藤塾にはいつでも相談できる環境があります。いただいたアドバイスが合格への第一歩でした。
Y.O さん
慶應義塾大学法科大学院（既修）修了
◆出 身 大 学／中央大学法学部卒業
◆受 講 講 座／入門講座基礎生、ペースメーカー論文答練、演習秋生 ※プロフィールは、2010年合格時点のものです。
はじめに
子どもの頃からひとの話を聞く立場にあることが多く、この延長でひとの相談に応じられる職業に憧れました。カウンセラーより法という道具のある弁護士の方が働きやすいのでは、と想像し弁護士を目指し始めました。
大学にも司法試験受験向けの法職講座は設置されていましたが、授業の延長と感じられたため、大学２年からは受験指導校を有効利用する必要性を感じました。各校の説明会に参加し比較検討したところ、伊藤塾では伊藤塾長自ら説明をされ講師の顔が見える信頼感、塾だよりで勉強だけではない理念に共感、２年間利用できる講座を全て含んだ安心な費用設定から、伊藤塾に決めました。
私がとった勉強方法
基礎段階
憲民刑の基礎マスターは択一・論文を通じて要になる、との塾長及び合格者の話を信じて、学部定期試験中の２回を除きライブ講義に出席しました。受講後は、次回までに必ず講義を聴き直し、具体例など補足事項を漏れなく書き込んで理解に努めました。また、手間はかかりましたが、併行してＡランク事項を単語カードにまとめ、気軽に持ち歩いて記憶できるようにしました。
一からわかりやすく説明され、前後事項とのリンクにも配慮した講義だったため、旧司法試験、法科大学院入試、新司法試験を通じて、「入門講義テキスト」は“源”で有り続ける安心感がありました。
短答式試験対策について
旧司法試験の択一の壁は厚く、大変に苦労しました。しかし、この間に択一マスター「情報シート」と過去問をセットで利用し続けたことは、新司法試験の短答式対策の省エネ化に繋がりました。
とはいえ、商法・訴訟法の短答式は初めてなので他校の肢別本を利用してみましたが、効率が悪くこのままでは終わらないと焦りました。そこで、「判例六法全条文マーキング講義」を受講しました。回数は多いものの、一緒に読み進めれば気が楽になり、ポイントを押さえてメリハリがついたため、大変に効率よく判例六法が使えるようになりました。受講後も繰り返すことでより親しみやすくなり、２回目の試験でもそのまま利用しました。
ただ、短答式と論文式の勉強割合は大きな悩みのひとつです。
短答式の基礎体力と目標との兼ね合いで人それぞれだと思います。私の場合は、１回目の結果から論文式にウェイトをおくべきと判断したので、短答式は高望みせず１回目レベル（240点台）を維持しようと思いました。また、直前期に短答式対策に集中しすぎて論文式試験で頭が働きにくくなった経験から、２回目は主に３月末の全国公開模試に向けて短答式対策を始め、直前も論文を意識するようにしました。結果230点台は費用対効果として自分なりに納得でした。
論文式試験対策について
入門講座で旧司法試験過去問の答案に触れ、論文の基本的な書き方は自然と見慣れていました。しかし、入門段階で学んだ知識を主体的に使う姿勢の切り替えに苦労しました。
１回目の受験は、ロースクールの予習復習で余力がなく、ペースメーカー論文答練は受講しきれず、答案の検証も過去問検討も不十分なまま、まわりの流れに乗って本番を迎えました。結果、刑事で時間配分を修正できず、致命傷となりました。他方、同じく時間配分に失敗した憲法は致命傷には至らず、新司法試験はまわりとの相対評価であることを体感しました。
では、次回合格するためには何を変えればいいのか。
「やればできる、必ずできる」とはいえ、私の場合は「何を、どのように」やればいいのか。スポーツと違って指南してくれるコーチがいないので、永遠の試行錯誤でした。結果、「自分で自分を育てる」ことがテーマになりました。
まず、費用の捻出は大変でしたが、通学でペースメーカー論文答練を利用し、現に受験生の中に身を置く環境と、演習の機会を作りました。本講座は内容が濃いため、受講の際には、岡崎講師の答案と解説講義でフォローして実践化することが大事だと感じました。
ところが、年内は隔週６回であったにもかかわらず、半分は欠席フォロー利用となり、ペースが乱れ、自己嫌悪に陥りました。このままでは変われないと反省。そこで、前後２期制であることをチャンスと考え、年明けは全６回通学すること自体を目標としました。これを達成すると、こんな些細なことでも変われた経験が、自分だけの自信になりました。自分の目標レベルを下げることも時には必要だとわかりました。
また、身近な合格者の厚意で返却された答案を見てもらう機会に恵まれました。これには、毎回恥を捨てる勇気が必要でしたが、合格者は本試験の視点をもって日頃から勉強していたことを学んで自分の勉強姿勢を反省し、また何度も指摘されると自ずと気をつけようと身に染みました。これを繰り返すうちに、アドバイスを受けたことを活かすことこそが自分が変わるために必須であり、合格者への恩返しにもなると考え、その方法は大変に悩みました。同時に、「主人公は自分」と強く意識し始めました。
そこで、本試験のベクトルを知るべく新司法試験過去問を検討するにあたり、自分の答案を声に出して読み客観視することにしました。そして、出題趣旨やヒアリングと答案を見比べ、改善点だけでなく維持すべき点も書き出しまとめました。これを繰り返すことで、ようやく主体的な姿勢の感覚がわかってきました。
最後まで悩み続けたひとつに、大幅な時間不足問題がありました。結局、改善したというより、その意識をもってペースメーカー論文答練、模試、本試験を経たら、必死に時間内に終わらせるように本番ではなっていた、ということしかわかりません。
伊藤塾の受講スタイルとフォロー制度について
私は、できるだけ通学ライブ講義に参加し、受講しながらモチベーションも得ていました。また、伊藤塾にはいつでも相談できる環境があります。路頭に迷った新司法試験１回目受験直後にいただいたアドバイスは、こうして本望の実現に寄与した初めの一歩でした。適宜開催された無料オープンスクールも、費用面だけではなく精神的なフォローになりました。
法科大学院での受験対策と伊藤塾の活用
ロースクールでは、演習教材と授業が充実していました。
しかし、実践の機会は定期試験しかなく、それも本試験とはスタイルが違いました。
そこで、本試験の練習にはペースメーカー論文答練の活用が不可欠でした。自主ゼミで練習している人もいましたが、受験指導校を有効利用すれば余計なしがらみがない気楽さと、本試験からぶれない信頼があり安心でした。特に法科大学院修了後は、受験環境を作るために効果的なうえ、同じ立場の仲間の存在にも勇気づけられました。
最後に
伊藤塾での基盤と、長い間そっと温かく見守ってくれた友人や家族のおかげで新たな道を歩むことができます。また、いくつものアルバイト先で、私をありのままに受け容れて仲良くしてくださった皆さんの優しさに強く励まされ生きてきました。感謝の念を忘れず、この試験を通じて癖になった発想の転換を工夫して歩んでいきたいと思います。
特に、新卒ではない方がロースクールに進学されたのは、それぞれに特別の思いがあってこそだと思います。家族面、健康面、経済面など様々な問題が容赦なく生じてしまうこともあります。そういう時こそ、法律家を目指す、という当たり前ではない自分の行動にぜひ誇りを持ってください。法律家になれば自分と同じように辛く苦しんでいる人へのサポート力が増すからです。そして、それが大きな原動力となることを願っています。 （2010年11月・記）