国家公務員試験とのW合格。予備試験ルートでは、人生の選択肢を増やせます。

予備試験ルートで司法試験合格

M.A さん(22歳)
 

合格者イラスト
東京大学法学部4年在学中

◆予備試験合格時 /東京大学法学部3年在学中
◆受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、基礎マスター労働法、司法試験演習生 など 

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。

はじめに

私は幼い頃から法律家の方々と接する機会が多かったため、なんとなく法律家になろうと思っていましたが、実際の裁判傍聴を経て紛争解決の役に立ちたいと思い、明確な志望を固めるに至りました。
そして、大学入学時に伊藤塾のことを知り、面倒くさがりな性格からノウハウのある受験指導校に頼る方が独学で勉強するよりも要領よく進めるだろうし、通っている人の多い伊藤塾であれば失敗はないだろうと思い、大学1年生の8月末に入塾しました。
 

予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私が法科大学院ではなく予備試験を選んだ理由は、時間的・金銭的理由からです。まず、時間的理由としては、法科大学院で2、3年勉強することで実務に出ることがそれだけ遅れてしまうと思ったからです。法科大学院では最先端の理論が学べますし、同様の志望を持った仲間ができるというメリットがありますが、私は受験勉強としてそれほど長く法律の勉強をすることが飽きっぽい性格上できると思いませんでしたし、実務の勉強は実務で身をもって学ぶのが一番だと考えました。
次に、金銭的理由としては、私には弟が2人いるため親の金銭的な負担を考えると、法科大学院に行くよりは早く働きはじめてその負担を減らすのが最良の選択肢だと感じたからです。
そして、実際に予備ルートから司法試験に合格して、前述したメリットに加えて2つのメリットについて実感しました。まず、1つ目としては法曹としての就職活動の有利さ 
という点です。予備試験に合格したことにより一定程度の能力は証明されたことになるので弁護士事務所への就職活動が多少楽になると思います。次に、2つ目としては公務員など他のルートを選ぶ機会が与えられる ということです大学在学中に司法試験に合格することで4年次に公務員試験や一般企業の就職活動をできる余地があるため人生の選択肢を増やすことができます。 
また、初年度は合格者数もわからないままでの受験であり、厳しい合格率になることに対して受験を躊躇する方もいたかとは思いますが、予備試験を受けないメリットというものはほとんどないと思いました。なぜなら、予備試験を受験しても回数制限はありませんし、むしろ受験することで合格できないとしても自分の実力を確かめるきっかけになる 
感じたからです。
 

私がとった勉強方法

基礎的な法知識・法理論の修得について

私の大学では、はじめの2年間の教養課程においてほとんど法律の勉強をしないため、基礎知識がゼロの状況で勉強を始め、そのような私にとって予備試験および司法試験の科目は膨大な量であり、どの辺からどのように手を付ければいいのか全くわからない状況でした。その中で役に立ったのは基礎マスターと基礎マスターテキストであり、短答式問題や論文式問題を解くうえで最低限度必要な知識は網羅されていたので、難しい基本書を読むよりも理解が深まり、何度もテキストを読み込むことで基礎知識を得ました。確かに基本書は権威のある先生方が書いており、最新の議論がなされていたりするため興味深いものではありますが、試験合格という点においてはあまり必要ではなく、早く実務家になりたい私としては読みたいのならば司法修習までに読めばいいのであって今読んでも初学者の頭を混乱させるだけだと思ってこのような手法をとるに至りました。具体的には、講義ごとに復習してその分野の知識を得たうえで次の分野に進むのが望ましい勉強方法だと思いましたが、その方法では完璧主義に陥ってしまう恐れがあり、2011年の予備試験および次年度の司法試験には間に合わないと考え、とりあえず講義をすべて聴いて全体をつかもうとしました。その点において伊藤塾ではインターネットに講義よるフォローが充実していたことから、学校から帰ってきた夜、自由な時間や授業の空き時間に勉強を進められ、通学時間も節約できたため自分の生活リズムに合わせた勉強ができました。そして、聴き終わった講座については空いた時間にテキストの読み込みを行い、その後論文式試験や短答式試験の勉強を通じてわからなかったものについてはテキストで確認し、知識を補完しました。そのうえで学校へ行く時間などはテキストを読むには腕が痛くなるものでしたので、携帯電話でも利用できる「Web de ドリル」や六法の素読によりテキストで得た知識を確認していきました。
このようにして修得した基礎力は予備試験および司法試験において重要な役割を果たしました。特に司法試験においては今まで考えたことのない応用的な論点や実務的な事実認定が出題されるため、現場思考が非常に大切なものとなりますが、現場思考をするうえで基礎的な知識が入っていなければ原則や趣旨に戻っていかなる法律構成を組み立て、事案の解決に至ることができないからです。
 

短答式試験対策について

予備試験前には、司法試験や旧司法試験の過去に出題された問題を解き、解説を読み、わからなかった問題についてはその範囲のテキストを確認し直すことにしていましたが、司法試験の前には時間もなく、予備試験時において短答対策もしていたことから特別な対策はせず、自分の苦手な分野のみ短答問題を解いていました。また、直前期に短答式試験の模試を実際の試験時間に沿って受けることで本番の感覚をつかむことができ、本番でも緊張せず、模試のような気分で受けることができました。ですから、これから予備試験を受験する皆様には模試を受け、その解説を読み込むことで本番の空気になれると同時に典型問題について落とさないようにしてもらいたいです。
 

論文式試験対策について

 
論文の基礎ゼミで論文の書き方を学び、論文マスターに入っている問題の一部や過去問を友人と実際に解いてみることを繰り返すことで、自分の書き方の癖や知識の足りないところ、論証の仕方を確認することができました。また、答練で添削してもらうことで自分の実力を知ることができ、次回に活かせるようになり、友人と書いてみるにしろ答練を受けるにしろ、時間的制約を含め、実際に書いてみないことにはわからないことは多いため、答案構成だけで終わるのではなく手を動かして書いてみることをおすすめします。 
そして、実際に論文を書くときには想像力を駆使することが重要だと思います。司法試験は実務家登用試験であるし、実際の事件においてどのように解決すべきか想像できない方は実務においても実力を発揮できないと考えるからです。

 

直前期と試験当日の対策について

直前期には全国公開模試を受けることで、実際に受けるときの雰囲気、時間的制約、体力的なものについて認識することができました。これによって実際の試験においてもあまり緊張することなく模試と同様の気分で受けることができたと思います。また、この時期には余計な知識はいれず、自分の苦手範囲や出題が予測される範囲を基礎マスターによって確認し、過去問を書くことで実際の現場でどのような点に着目すればよいか認識しました。
 

予備試験からの司法試験対策について

予備試験合格から司法試験を受ける際には、最短で半年の時間しかないことからとにかく無駄な知識を入れず、基礎的な知識の確認と過去問の反復に終始すべきだと思います。なぜなら、時間的制約があることから応用的な範囲をやっていてもすべて中途半端になってしまいますし、そのような範囲については現場思考を働かせ、論理的な結論を書くことができれば実際の試験では点数をもらえると考えるからです。
 

大学生活との両立について

私は、大学1、2年生の間サークルやアルバイトを行っていたので、時間を有効活用するのに役立ったのはインターネット講義による学習フォローでした。自分の空き時間に勉強を進められる点でインターネット配信による講義の受講は生活リズムに合わせた勉強方法を確立させてくれました。また、予備試験合格後はアルバイトや学校の授業に出つつも、空いた時間に図書館で論文を書き、インターネット受講によって講義を聴いて復習することで試験に対する勉強と両立させることができました。
 

予備試験からの就職活動について

私は、公務員志望でしたので法律事務所に対する就職活動は行っていませんが、公務員試験の受験および官庁訪問をするうえで予備試験合格という経歴が役に立った気がします。なぜなら、公務員試験の勉強は一部を除いて司法試験の勉強と重複していますし、予備試験合格という経歴によって一種の個性が主張できると思うからです。
 

最後に

私は、今後どうなるかわからないものの、今のところ法曹の道を歩みませんが、公務員として司法試験に対する勉強で得た知識を用いて、今後どのような日本にしていきたいのかじっくりと考え、日本のために働こうと考えています。
そして、合格に至るまで支援してくださった友人、伊藤塾の講師およびスタッフの方に心からお礼を申し上げます。