サークルの代表をしながらの伊藤塾。学生生活でしか得られない様々な経験は、法律学習にも大いに役立ちます。

予備試験ルートで司法試験合格

伊藤 雄馬 さん(22歳)
 

合格者イラスト
慶應義塾大学法学部卒業

◆ 予備試験合格時 /慶應義塾大学法学部4 年在学中
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、基礎マスター労働法、最新判例講義、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。


はじめに

私は、社会のためになる仕事がしたい、弱い立場の人を助けたいという漠然とした想いから法律家を目指し勉強をはじめようと決意しました。そこで私は1年生の秋に伊藤塾に入塾し、伊藤塾長の入門講座を受講しました。伊藤塾長の講義は、初めて法律を学ぶ人にとっても、丁寧でわかりやすいものでした。そして大学や伊藤塾で法律の勉強を進めるにつれ、論理的思考・法的思考に魅力を感じるようになりました。実務家の先輩方に具体的なお話をうかがえたことも、法律家に対する志望を強めた要因といえます。

予備試験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私は元々法科大学院に進学しようと考えていました。しかし、できるだけ早く実務家として仕事をしたいという思いと、法科大学院入試に向けた腕試しをしたいという思いがあったため予備試験受験を目指すことにしました。
法科大学院入試でも、予備試験でも、そこで問われている能力は本質的に同じものだと感じています。予備試験の対策として7月半ばまで論文式試験に向けた勉強をしていれば、それがそのまま8月から始まる法科大学院入試の対策となります。また、いずれ司法試験を受験することを考えれば、司法試験委員会に自分の答案を評価してもらうことはまたとないチャンスです。法科大学院を受験する年の春の段階で学習が十分でないとしても、積極的に予備試験にチャレンジすべきです。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

伊藤塾の基礎マスターでは、各科目の必要な知識を重要度に応じてランク付けし、メリハリをつけて解説してくれます。もっとも、講義は聴くことが目的ではなく、必要な知識を自分のものにすることを目的としています。基礎マスターで学ぶ知識を自分のものにするために、私がとった勉強方法は2つです。
ひとつは、テキストを読むときに目的意識をもつことです。1度目にテキストを読むときには法律用語の定義の部分に赤いマーカーで線を引く、次に読むときは判例の規範の部分に緑のマーカー線を引く、といった具合です。こうすることで、なあなあにテキストを眺めるのではなく、自分の頭で整理しながら知識をインプットできます。基礎マスターテキストは定義や趣旨、基本判例がコンパクトにまとまっており、無理なく勉強を進めることができました。
もうひとつは、学習の成果を1冊のノートにまとめることです。問題演習で法律構成をするときや、法律用語の暗記をするときはそのノートに書き込んでいくのです。1冊にまとめることで、その日の学習をひと目で思い返せるので、学習の効果をよりいっそう高めることができます。また、「今日は5ページしか使わなかった。明日はもっと頑張ろう。」というように勉強に対するモチベーションになります。

短答式試験対策について

短答式試験の対策としては、伊藤真セレクションで演習を繰り返しました。まずは全ての問題を解き、2度目以降は間違えた問題だけを解くといった具合です。短答式試験の学習にはいくつかメリットがあります。
ひとつめは法律の全体像を把握できるということです。問題集で演習をひととおり行うと、その法律を総覧することができ、どこにどのような論点があるのかを頭に入れることができます。
ふたつめは短答式試験の勉強がそのまま論文式試験の対策にもなるということです。司法試験の短答式試験の問題には、( i )論文式試験でも問われる知識に関する問題と、( ii )短答式試験でしか問われない知識に関する問題の2種類があります。前者についてきちんと勉強することは、それが論文式試験対策にもなるのです。
伊藤塾では司法試験短答答練を受け、本番を意識した演習をすることができました。予備試験対策の段階で問題集を何度も繰り返して解いており、知識もある程度定着していたので、司法試験直前期の仕上げとして利用しました。

直前期と試験当日の対策について

論文式試験対策としては、日ごろから( i )法律用語の定義を正確に覚えること、( ii )「なぜそうなるのか?だから何なのか?」を考えることが特に大切だと思います。
司法試験では、説得的に法を解釈し、事実を法にあてはめ、結論を示すことが求められています。出題者・採点者である司法試験委員会に対し、自分の答案を説得的だと思わせるためには、「なぜそうなるのか?だから何なのか?」という論理的な思考過程をわかりやすく伝えることが必要です。そのためには三段論法でいう大前提となる条文の文言や法律用語の定義を正確に述べることが不可欠なのです。
私は伊藤塾のコンプリート論文答練を受講してこのことを痛感しました。出題される問題はどれもシンプルです。しかし、論理の過程をわかりやすく示さなければ、自分の考えを採点者に伝えることができず、結果として点数も伸びてきません。出題者に対するプレゼンテーション能力を高めるために、答練を受けることは必須だと思います。

予備試験からの司法試験対策

予備試験合格から司法試験を受験するにあたっては、過去問を解いて、解いて、解きまくることが大切だと思います。予備試験と司法試験との最大の違いはその出題形式です。まずは司法試験の問題文のボリュームに慣れる必要があります。少ない時間で問題文中の事実を正確に拾い上げ、それに対し適切な評価を加える作業をすることになります。予備試験の段階で基本的な知識の定着は十分にできていますから、実戦をイメージした問題演習が何よりも重要なのです。伊藤塾のペースメーカー論文答練は、事実を拾い上げ、評価を加える良いトレーニングになりました。

学校生活との両立について 

私は大学3年生の冬までサッカーサークルの代表を務めており、週4日は練習や遠征に時間を費やしていました。そのため、まとまった学習時間が確保できませんでした。伊藤塾ではインターネット上で講義を受けることができるうえ、答練の日程が複数用意されているなど、少ない時間を有効に活用できる工夫があちこちになされています。このように、学生生活と法律学習の両立は十分に可能ですし、むしろ、学生生活でしか得られない経験を積むことは法律学習にも大いに役立つと考えています。

予備試験からの就職活動 

就職活動においては、予備試験合格者向けの説明会やインターンを行う法律事務所が多く、予備試験合格は間違いなく就職活動において強みになると感じました。

最後に 

私は目の前の人、仕事を大切にできる法律家になりたいです。これからもたくさんの人と出会い、困難を経験しながら、自らを鍛えていきたいと考えています。
最後になりましたが、今までお世話になった伊藤塾の講師の方々、スタッフの皆さまに心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。