働きながらの司法試験合格。伊藤塾のテキストだけで予備試験・司法試験に合格できました。

予備試験ルートで司法試験合格

水野 智成 さん(28 歳)
 

合格者イラスト
東京大学法学部卒業
◆ 予備試験合格時 /東京大学法学部卒業
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+ リーガルトレーニング、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。


はじめに

私は法学部を卒業しました。しかし、法律学科ではありませんでしたので、また、大学時代は法律の勉強から、ひたすら逃げ回っていたので、法律については実際のところ、ちんぷんかんぷんでした。しかし、社会人として働きはじめ、最初に配属された部署は法律知識が必要不可欠な部署。とにかく、今の自分には法律の知識が不十分だと思いました。法律資格の最高峰である(と言われている)司法試験の勉強をすれば間違いなく十分だと考え、また、せっかく勉強するからには大きな目標が必要だと考え、伊藤塾の門をたたきました。社会人一年目の秋のことです。
そういった事情から、この体験記がほんのわずかでも、社会人で法曹を目指されている皆様のお役にたてば、これ以上にうれしいことはありません。

予備試験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私は、法科大学院の入学のために会社を辞めるつもりは毛頭ありませんでしたので、私のとりうる現実的な選択肢は、(1)伊藤塾で基礎を固めてから夜間の法科大学院に進学する、(2)予備試験(ただし、私が伊藤塾の門をたたいた翌年に最後の旧司法試験がありました)ルートで法曹を目指す、という2つのみでした。しかし、(1)の選択肢については勤務先で夜間の大学院に通った先輩から非常に大変だと聞かされており、怠け者の私には到底無理でしたので、そもそも選択肢は(2)しかありませんでした。そういった意味では、そもそも私には、予備試験を目指すという選択肢しかなかったというのが実際のところです。
ただ、選択肢が多い学生さん等でも、就職活動では予備試験組の評判はよいと聞きますし、旧司法試験とは違い、(受験回数等が)減るものではありませんので、積極的に挑戦されるのがよいと思います。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

私は、実際のところ伊藤塾のテキストでしか勉強をしていません。(体験記ではそういった記述をよく見ますが、ほとんどが眉唾物だと思います。私が伊藤塾に入塾したときに、旧司法試験の合格体験記をもらい、その中に大学時代の知り合い(法律の神みたいな人)の体験記がありました。そこに「基礎マスターの知識があれば十分です」のコメントがあり、「●●くん、うそやん!」と思ったのは、もう、いい思い出です。)予備試験ルートでも、独学・ゼミ等でより深い勉強をしている方が多いでしょうし、法科大学院では高度な法知識が教授されるのでしょうから、本当に伊藤塾のテキスト・教材だけで、予備試験・司法試験に最終合格できることを、自分が証明できたのではないかと、(少々)自負しています。
具体的には、基礎マスターのテキストは、(熟読・流し読みを含めて)何十回(科目によっては100回を超えているかも知れません)も読みましたので、基礎・基本を反復するのが、必要な知識を修得する早道であると思います。基礎マスターのテキストは、定義・趣旨・論点・重要判例等重要な知識について、見やすく・わかりやすくまとめてあり、さらに大阪梅田校講師の草島講師が記載の内容を初学者にも解説してくださいましたので、勉強を始めた時点で最低限の理解と情報の一元化ができていました。あとは、それを何度も反復するだけで、合格に必要な力が得られたと考えます。
そして、基礎マスターで得られた知識を論文に落とし込むためのノウハウを学ぶ論文マスター・それを実践する答練と、伊藤塾のカリキュラムに沿って勉強したところ、合格に必要な力が得られたというのが、実際の認識です。

短答式試験対策について

昨年、予備試験に合格しており、その際に基準点落ちにあわない程度の点数が取れることがわかっていたこと、限られた勉強時間を配点の大きい論文対策に回したかったことから、この一年はほとんど短答式試験に向けた対策はしていません。ただ、初めて予備試験の短答式試験に臨んだときのことを思い出すと、とにかく過去問の反復が必要だと考えます。私は、過去問集を解いて、わからないところについては基礎マスターテキスト(多くの方にとっては、基本書・判例集でしょうが)で確認していました。過去問集を2回程度繰り返せば、基準点は軽く超える程度の力は得られるのではないでしょうか。

論文式試験対策について

本試験(司法試験)の問題文は長大であり、しかも、科目によっては予備試験よりも高度なことが求められています。また、試験時間も非常に限られています。予備試験合格後、初めて(本来はもっと早い段階で見ておくべきでしたが)問題を見たときには、とても書けるような気はしませんでした。今でも、どのような力をつければ、上位合格が可能であるかは、いまだによくわかりません。
ただ、合格点を取るだけであれば、(1)予備試験合格までに得た知識(実際には、予備試験論文式試験後は怠けてしまいがちで、力が落ちていることが多いと思いますが・・・)を、予備試験論文式試験直前までの水準まで回復する、(2)(1)の知識を本試験向けにカスタマイズする、という2点ができれば、なんとかしのげると考えます。そうした意味では、伊藤塾の論文過去問分析講座(現:司法試験論文マスター)では、本試験でどのような答案を書けば合格レベルに達するのか、形式面・戦略面で注意するべきことをわかりやすく解説していただきましたので、大変参考になりました。また、合格答案との距離を知るという意味で、特に、(慢心しがちな)予備試験合格者は積極的に答練(ペースメーカー論文答練)を受講するべきと考えます(私自身も、答練で目が覚めるような点数・コメントを頂いたことが、試験に向けたモチベーション維持につながったと思います)。

直前期と試験当日の対策について

直前期は、不安になりがちですが、とにかく自分を信じること、とにかくこれまでやってきたことを反復することが重要だと思います。私は、自分を信じきれず、ストレスで体重が3kgほど増えましたが・・・。

予備試験からの司法試験対策

本来は、ゴールからの発想という意味では、予備試験段階から本試験を意識するべきですが、予備試験ルートしか法曹を目指す途がない多くの社会人は、予備試験合格を目標にしてしまい、そのための勉強に注力すると思われます(私自身もそうでした)。そのため、その合格後は予備試験と本試験のギャップに苦しむと思います。
ただ、上でも書きましたが、合格するためには、これまでやってきたことを司法試験向けにカスタマイズすれば十分です。上位合格をするには、プラスアルファの「何か」が必要だと思いますが、私は最後まで、その「何か」をつかむことはできませんでした。

伊藤塾のゼミについて 

私は、予備試験合格までに山本ゼミ(大阪梅田校)、予備試験合格後に伊関ゼミを受講しました。特に、社会人で法曹を目指されている方は独りよがりになりがちですので、ゼミを通じて、他の受験生のレベルを知り、他の受験生から刺激・批評を受けることが非常に重要です(この点では、日々相互に刺激を与え合っている法科大学院生に比べて、社会人はやや劣位に立っていると思われます)。

働きながらの学習法 

社会人は、とにかく勉強時間が限られており、仕事が忙しいとモチベーションを維持することも難しいので、勉強時間を確保する努力と効率のよい勉強法の確立が必要です。私は、時間があるときは積極的に自習室に行くようにし、また、自習室に行けない日も、仕事が終わった後にはそのまま家に帰らず、カフェ等で勉強するようにしていました(勉強中にかなり寝ていましたが・・・)。また、基礎マスターテキストを使った勉強は非常に効率がよいことは、上述のとおりです。

予備試験からの就職活動 

私は、今後も現在の勤務先に引き続き勤務しますので、就職活動はしていません。ただ、予備試験ルート経由の学生さんは、就職活動でも非常に有利と聞きます。

最後に 

まずは、入塾以来最終合格までお世話になりました伊藤塾の講師・スタッフの皆様に御礼申し上げます。そして、社会人で司法試験を受ける心構えを教えていただきましたO法律事務所のH先生、本当にありがとうございました。予備試験合格後、論文の指導までしていただきましたK法律事務所のM先生、本当にありがとうございました。また、始めは否定的であったにもかかわらず最後はサポートをして頂いたU部長、本当にありがとうございました。Mグループ長、試験直前にはご迷惑をおかけしました。また、発表の際には、ご一緒いただき、ありがとうございました。Mさん、ご自身の受験経験がありながら、暖かく見守っていただき、ありがとうございました。Nさん、厳しくも暖かいご指導、ありがとうございました。そして、ばあちゃん、父さん、母さん、本当にありがとう。
お読みの皆様からすれば、うざったいの一言でしょうが、私は多くの方に支えていただき、また、お力をいただき、何とか合格できました。社会人で司法試験に合格するには、周囲のサポートが不可欠です。私は本当に、恵まれていたとしか言いようがありません。私をここまで導いてくれた、全ての偶然と必然に深く感謝します。

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