働きながらでも、伊藤塾で何の不安もなく合格を目指すことができました。

予備試験ルートで司法試験合格

S.K さん(31 歳)
 

合格者イラスト
慶應義塾大学法学部卒業

◆ 予備試験合格時 /慶應義塾大学法学部卒業
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。


はじめに

私が弁護士を目指したきっかけは、私が中学生の頃、祖母の友人である弁護士の先生とお話しさせていただく機会があり、その所作、振る舞い、言動全てに、漠然とした憧れのようなものを抱いたことに始まります。その後、弁護士という職業が持つ仕事内容の専門性・倫理性と、大きな社会的意義を学ぶにつれ、自分の一緒の仕事にしたいと思い、司法試験を受験することを決めました。
そのような中で、大学の先輩に伊藤塾をすすめられて、大学1年生の夏に入塾しました。毎講義後の私のしつこい質問にも懇切丁寧に回答してくださる講師のご指導に触れて、伊藤塾を選択して本当によかったと感じたことを覚えております。

予備試験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私が司法試験予備試験から司法試験受験を目指したきっかけは、やはり法科大学院にかかる経済的支出と時間的支出を工面できなかったことです。特に後者は大きかったです。私は、大学卒業後、一時司法試験の受験勉強を中断し、一般企業に勤めていたのですが、通常の会社員の場合、2年間ないしは3年間職歴に空白ができてしまうと、転職・復職はかなり難しくなります。私は、このような法科大学院に通った場合の時間的支出を考えて、予備試験のルートを選択しました。
予備試験ルートの場合、法科大学院とは異なり(夜間を除く。)、仕事をしながら勉強が可能ですし、1~2回の受験で合格すれば、法科大学院ルートと同じ、ないしはより早いタイミングで司法試験を受験できます。また、法科大学院とは異なり、11月の予備試験の合格発表後、直ちに司法試験の勉強に専念できるというメリットもあります。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

とにかく「理解」と「反復」に尽きると思います。
初学者の頃は、司法試験の範囲が膨大で、ついつい表層的な勉強に終始してしまいます。その結果、正確で深い「理解」と、「反復」学習を怠ってしまいがちです。そうすると、基礎事項を学び終えた後、結局何も頭に残らずに、また1からのスタートということになりかねません。このような事態を防ぐため、初学者の頃は、伊藤塾の基礎マスター講義で、講師の方々がおっしゃるAランク、B+ランクに絞ったうえで、きちんと「理解」できるまで講師の講師やクラスマネージャーに質問することが大事です。また、「理解」した基礎事項を自分の血肉にするために徹底した「反復」学習が重要です。
そして、上記の基礎的事項の「理解」と「反復」には、基礎マスター講義が最適です。
まず、「理解」の面では、司法試験を熟知し、合格に必要な知識の範囲と深さが体に染みついている伊藤塾の講師の方々がメリハリをつけて、テキストの行間を埋めてくださいます。それにより、基礎マスターテキストの記載が、有機的につながり、司法試験合格に必要十分な範囲と深さの「理解」を身につけることができます。
次に、「反復」の面では、私が勉強を始めた頃は特に意識してなかったのですが、後になって振りかえってみると、基礎マスターテキストには司法試験に合格するために必要な情報が過不足なく記載されています。初学者の頃は、どの情報が必要で、どの情報が不要であるかを取捨選択することができないと思いますが、基礎マスターテキストは、非常に高い精度で、その取捨選択がされています。そのため、情報量が適正に絞り込まれており、抜け漏れなく、効率的な「反復」学習が可能となります。

短答式試験対策について

短答式試験対策は予備試験段階で十分やっていましたし、インプット用の判例六法の加工も済んでいたため、過去問を2年分解いたのみで、残りの時間は全て論文式試験に費やしました。また司法試験における論文と短答の配点比率からも、この程度の比重が適切だと考えています。ただ、予備試験とは異なり、司法試験では短答式試験の点数も、総合点数に一定の影響力があるため、250点程度は安定して取れる力を身につけておくことが肝要であると考えています。

論文式試験対策について

論文式試験対策のポイントは、とにかく「手を広げすぎない」ということです。司法試験の勉強範囲は膨大で時間的制約がありますし、また予備試験も司法試験も結局は基本的事項の正確な理解で合否が決まるため、勉強開始の時点から基礎事項に絞って、反復して学習することが大事だからです。
そして、合格にとても役立ったのが伊藤塾の『司法試験ゼミ』です。
まず、周りのゼミ生が全員予備試験合格者であったという点がよかったです。同じスタートラインにたっている者同士で議論が可能ですし、情報交換や質問等も気軽にすることができました。
また、ゼミで配付されるレジュメが秀逸でした。当該問題で気をつけるべき部分と優秀答案があるのですが、前者については、行為規範として、すなわち現場での問題文の読み方と抱き合わせで進行していくため、結果論ではなく、次回からどのように問題文に向き合うべきかの指針になります。後者については、同じ母体のライバルが、同じ環境で作成できる実践的な答案を学ぶことができるため、現実的な目標を設定することができます。
そして何より伊関講師の指導が素晴らしかったです。「どのように問題文を読めばいいのか」、「問題文のどのような事実に着目すればよいのか」、「どのように構成すればいいのか」、「どのように答案を作成し、表現すればよいのか」を、科目の特性を捉えて、また各人の書くスピードや考える速さに応じてアドバイスしてくださいます。これもまた模範答案と同様に行為規範として解説してくださいます。また、法科大学院に通っていない予備試験合格者の受験生に、法科大学院の情報や合格のために必要な教材を教えてくださいますので、法科大学院に通っていないことについても何の不安もなく、合格を目指すことができます。さらに、ゼミ中に疑問に思ったことをその場ですぐに質問できるので、効率的な学習が可能になりました。

直前期と試験当日の対策について

直前期の試験対策の時間配分は、平日の2時間を答案作成またはインプットに充て、休日は1日使ってじっくりインプットをするというものでした(平日の勉強は、仕事が遅くなった場合にはインプット、早めに終わった場合には答案作成という振り分けをしていました)。
インプットについてはあまり手を広げずに、自分で作成したインプットの素材(各科目1~2時間で見直すことができるもの)を読み込むという作業を全科目繰り返していました。そのため、インプットにあまり時間をとられずに、アウトプット(過去問学習)に時間を割くことができました。

予備試験からの司法試験対策

なるべく多くの過去問を解くということに尽きると思います。私は、伊藤塾の『司法試験過去問分析講座』(現:司法試験論文マスター)を受講し、これをペースメーカーにして、過去問学習をしていました。
『司法試験過去問分析講座』は、「問題文を読んで、模範答案を読んで、再現答案を読んで、論点の解説をする」という普通の解説とは一線を画した解説講義です。
まず、問題文の解説ですが、当然事案の整理は行うのですが、その際に、「どのように読めばいいのか」、「どの段階で、どの程度、どのような事実に着目すればよいのか」、及び「どのように構成すればいいのか」を、科目の特性を捉えて、また各人の書くスピードや考える速さに応じてアドバイスしてくださいます。
また、模範答案の解説ですが、これについてもどの部分を重点的に書けばよいのか、どの部分を省略してもよいかを解説してくださいます。そして、それは事後的な評価ではなく、行為規範として、すなわち現場での問題文の読み方と抱き合わせで進行していくため、実践での答案構成、答案作成の良好な指針となりました。
そして何より役に立ったのが、出題趣旨、採点実感の読み方についての解説です。司法試験ではかなり長文の出題趣旨、採点実感が出されており、中には、百花繚乱になりすぎてしまいどれに重点をおけばよいのかがよくわからないことがあります。この点を解説講義では、出題趣旨、採点実感のうち「どこを重点的に読めばよいのか、答案作成において気をつければよいのか」「どのような答案を作成すれば試験委員の採点で印象がよくなるのか」「どのようなことを書くと大幅な原点をくらってしまうのか」を、再現答案と成績の対応関係についての膨大な知識をもとに、これもまた模範答案と同様に行為規範として解説してくださいます。

伊藤塾のゼミについて 

上述の通り、伊関講師の『司法試験ゼミ』を受講していました。上述の特長のほか、伊関講師は、ゼミ中のわかりやすく、ポイントをついた実績的な指導のみならず、ゼミ外でも、頻繁に連絡をくださって、勉強の進捗管理、陥りやすい非効率的な勉強への警鐘、直前期の過ごし方のポイント、精神的なフォロー等、全てに気を配ってくださいます。特に、法科大学院生でしか入手できない最新の判例動向や問題意識について、出題可能性が高いものに限って効率的にフォローしていただけたことは非常に役に立ちました。

最後に 

まずは、基礎を盤石にすることが重要です。そのうえで、早めに過去問を実際に書いてみることが大事です。これによって、本試験で要求されているレベルと自分の実力のギャップを正確に把握することができ、効率的な学習に結び付くと思います。あとは、基礎のインプットと過去問学習を、ひたすら反復することに尽きると思います。
皆様の合格を心よりお祈り申し上げます。