働きながらでも司法試験を目指せる予備試験。絶対的な時間が少なくても合格できました

予備試験ルートで司法試験合格

A.S さん(39 歳)
 

合格者イラスト
滋賀大学経済学部卒業
◆ 受 講 講 座 /予備試験合格パック、司法試験演習秋生、司法試験合格答案徹底分析講義、基礎マスター倒産法、司法試験対策ゼミなど

はじめに

大学卒業後、何か資格でも取ろうとの思いで、法律事務所に就職しました。そこで、弁護士の先生や修習生の方と話しているうちに、司法試験(当時は旧司法試験)を目指そうと決意しました。ちょうど、今から15年程前で、過払い金のバブルが始まる前でした。当時、法科大学院ができる前で、旧司法試験があったころでした。
ただ、私は経済学部出身で、法律については全くの無知でしたので、受験指導校に通う必要がありました。しかしながら、当時は、私の住所地から通える範囲に伊藤塾がなく、また、通信教育では私の意志の弱さから勉強を継続できるかどうか非常に不安でしたので、通学できる他の受験指導校の入門講座を受講することになりましたが、後述の通り、これが大失敗となります。

予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私は前述の通り、旧司法試験受験者で、平成22年に旧司法試験が終わり、今までの勉強が活かせるのは予備試験しかないといったことと、このままあきらめるのは悔しいという思いで予備試験受験を目指しました。
予備試験ルートは法科大学院ルートと異なり、働きながらでも司法試験合格を目指すことができます。また、予備試験合格者が多くなったといっても法科大学院経由の合格者の約10分の1ですので、予備試験合格というのは目立ちますし、何よりも自力で司法試験受験資格を得たという自信もつきます。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

私は、前述の通り、勉強を始めた当時、某受験指導校の入門講座を受講しました。けれども基本を軽視した講義で、何が基本なのかわからないまま、2年が経過しました。
勉強時間だけは長いのに、なかなか、法律の知識は身につかず、ただただ、時が流れました。その間に、自分より勉強時間が少ないはずの大学生たちが次から次へと合格し、その大学生たちの勉強方法を調べてみると、伊藤塾でみっちり勉強をしてきたということでした。 自分が旧司法試験時代になかなか受からなかったのは、勉強をスタートした時に基礎理論の修得を非常に怠っていたためだと思っています。旧司法試験も結局は基本しか問うていないのに基本ではないと思い込み、長い間論文に受からずにいました。
そして、旧司法試験が終わり、予備試験に移行するときに、一からやり直そうという思いで、短期合格者が多いことで評判の伊藤塾の講座を受講しようと思い、そこで、伊藤塾の予備試験向けの講座を申し込み、仕事で忙しいながらも、伊藤塾の予備試験向けの講座のみをこなしました。
そのおかげで予備試験に合格でき、司法試験資格を得ることができました。
伊藤塾の講座は重要なことを繰り返し、しかもわかりやすく、講義しています。また、試験に出ることを強調して、講義しております。実際に、伊藤塾の講義で試験に出るといったところは、本当に試験に出ました。
このように、伊藤塾の講座はただ基礎的な知識を教えるだけではなく、試験に出ることをきっちり教えてくださるので、集中して講座を受けることができると思います。旧司法試験の基礎段階から伊藤塾の講座を、自分ができないと思っていた通信(在宅)で学んでいれば、旧司法試験の時に受かっていたのではと、思います。

短答式試験対策について

短答式試験対策は、旧司法試験、予備試験の時の勉強が活かせました。
旧司法試験の勉強当初、短答式に苦戦しておりましたが、呉講師の短答対策の講座を受講してからは、短答は順調に突破し続けました。
具体的な勉強方法は、伊藤塾の短答式の講座で使われる情報シートを使ったものですが、短答式の過去問を解いて、できなかったところの条文にアンダーライン等を引き、再び過去問を解いて、できなかったら条文に戻るといった勉強をしました。
このように短答式は条文、過去問が命だと思います。条文を使った勉強として情報シートは役に立ちました。

論文式試験対策について

私は予備試験合格後、一度司法試験に失敗しております。それは、過去問分析が足りなかったからだと思います。司法試験では過去問分析は重要だと思います。
過去問分析といっても過去問でどんな論点が出たということではありません。どのように書いたらよいかということです。このことは予備試験合格後、2度目の司法試験合格に至るまで参加させてもらった伊関講師のゼミで学びました。 予備試験合格者は基礎的な知識はあるはずです。また、予備試験合格者は問題に直面した時に論点抽出能力はあると思います。けれども司法試験は論点抽出能力や知識よりも、長文問題に直面したときに、具体的に事案解決をしなければならないのです。このような趣旨のことはゼミでも繰り返し、言われていました。
ところが一度目の司法試験の時は、後述のようにいろんな資料を集めてしまい、消化不良のまま、本番を迎えてしまいました。
こういった一度目の失敗を踏まえて、資料を集めることはやめて、伊藤塾のペースメーカー論文答練や模試のみだけを利用して、しかも答練や模試は論点抽出能力があるか、論点を落としてないかを確かめ、また、時間配分の練習台として使いました。そして、ゼミを通じて、過去問を書いて、実際の事案解決の仕方、答案の書き方を学び、本番に活かしました。

直前期と試験当日の対策について

1度目の直前期は、知人等を通じていろんな受験指導校の資料まで集めてしまい、その結果、消化不良に終わってしまいました。こういった反省から二度目の試験では、自分がこれまで使っていたペースメーカー論文答練や伊藤塾模試の問題のみを使って、論点抽出能力を確認し、過去問分析、過去問書きのみにしました。
過去問書きは、働いていたため、直前1ヶ月は毎朝5時に起きて、1時間半で書くという毎日でした。2時間みっちり使うと、会社に遅刻してしまうため、1時間半で無理やり書かざるを得なかったのです。それが本番での時間不足を防止できたのではないかと思っています。
また、試験当日、試験会場で配られた「伊藤真からの手紙」に書いてあった「事実の摘示と評価は分ける」を意識して答案を書きました。本番直前に重要なポイントを教えてもらったと思っています。

予備試験からの司法試験対策

予備試験に合格するためには基本的な知識や論点摘出能力がなければならないと思います。そして、基本的な知識、論点抽出能力を付けたうえで、長文問題の司法試験対策で事案解決能力を身につけます。
伊藤塾では予備試験用の講座で行政法、訴訟実務を特に学びました。行政法は予備試験の勉強を始める段階で行政法とはなにかという初歩から始まり、半年で予備試験論文本番を迎えました。また、訴訟実務では岡崎講師が事実認定の仕方、事実認定の考え方を具体的に教えてくれ、その具体的に教えてくれた内容を本番で答案に表し、合格することができました。行政法は司法試験でも出ますし、訴訟実務の事実認定は、司法試験の刑事系や民事系の事実認定、事実の摘示、評価でも活きますので、予備試験の勉強は司法試験にそのまま活きます。だから予備試験の訴訟実務は予備試験オンリーだとは思わないで、勉強しなければならないと思います。

伊藤塾のゼミについて 

私が司法試験に合格したのは、伊関講師のゼミのおかげと言っても過言ではありません。
1週間おきに開かれるゼミでは答案書きが必須で、答案を書くペースメーカーにもなりましたし、また、ゼミでは、知識を入れるよりはどのように答案を書くのかということに重点を置いていました。 予備試験に合格した人が一番戸惑うのは、司法試験の長文だと思います。けれど、ゼミで、問題文の使い方、問題文の読み方、過去問分析の仕方、答案の書き方を教えてもらい、そのまま、答案に表しました。たとえば問題文のナンバリングごとに意味があるとか、主体の属性や数字には注意しろということなどを教えてもらい、そのことは長文問題の司法試験のあてはめに活きました。
私は予備試験の段階で初めて行政法を学んだのですが、伊関講師のゼミで、司法試験特有の行政法の書き方を学びました。旧司法試験は長くかかったのに、行政法は伊藤塾を利用して基礎から学び勉強を始めてからわずか2年弱で、しかも働きながら、司法試験に合格することができました。

働きながらの学習方法について 

予備試験の時は、一度も仕事を休まず、司法試験の時は試験のあった週だけ休みをもらいました。また、司法試験に合格する前年に結婚し、家事もしなければならない状況でした。
しかし、仕事の合間や、家事で手が空いたときには、パソコンでのインターネットや問題研究などの問題文のページのみが載っているところをコピーして、それを見て答案構成をしていました。この答案構成は仕事や家事の合間という関係上、短時間で答案構成をしなければならないので、本番での時間不足防止につながります。 通勤は電車を利用し、30分くらい乗っていましたが、この30分の間に定義趣旨などを繰り返し覚えました。覚えるのが飽きた時には、短答の問題を解いていました。短答対策に時間が取れない中、通勤時間の短答対策は有用であったと思います。
1日にどこかでまとまった時間が取れた時は、伊藤塾のインターネット講義を2倍速で聴きました。予備試験の学習の時も同様でした。2倍速で聴けることにより、時間がない社会人でも、講座を最後まで聴けますし、倍速と言っても重要なところは強調してくれるので、重要なところが心配でもう一度聴きたいとなれば、1倍速にして聴くこともできました。
伊藤塾のインターネット講義はiphoneでも聴けますので、直前にまとまった時間が取れなくても、通勤時間で聴くことができます。現に私は直前の最新判例講義を通勤時間にiphoneで聴きました。

予備試験からの就職活動 

予備試験合格者は増えたとしても、法科大学院経由の10分の1くらいしかありません。就職難の中、予備試験合格というのは目立ちますし、相手の印象に残ります。
ですので、厳しい中ではありますが、自分は予備試験に合格し、社会人であるゆえに、実務経験もあるという誇りをもって、就職活動をしていきたいと思います。

最後に 

社会には困っている人たちがたくさんいます。そんな困っている人たちが気楽に相談できるような法律家になりたいと思います。 私は予備試験合格後、一度、司法試験に失敗しております。司法試験に失敗しながらも、伊藤塾はゼミ等を通じてフォローしてくださいました。伊関講師には再現答案を見て、何が敗因なのか冷静な分析をしてもらいました。この分析は今年の民事系に活きました。
また、家族や勤務先の協力もあり、最後まで学習を続けることができました。
このようにいろんな方々が協力してくださったおかげで、今年合格することができました。
私は働きながら、家事をしながらで、ほかの受験生に比べて絶対的な時間は少ないと思いますが、それでも合格することはできました。働いている方や家事をされている方は、現在自分の置かれている環境で、司法試験受験をあきらめたりせず、合格に向けて頑張ってほしいと思います。