膨大な法律の森から、試験に必要な部分を教えてくれるのが基礎マスターです。

予備試験ルートで司法試験合格

大段 徹次さん(22 歳)
 

合格者イラスト
慶應義塾大学法学部4年在学中

◆ 予備試験合格時 /慶應義塾大学法学部3年在学中
◆ 受 講 講 座 /受講講座:司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、基礎マスター倒産法、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。

はじめに

私は、父親が法曹であったこともあって、小さいころから漠然と将来は自分も法曹になろうと考えていました。そして、高校三年生の時に、「伊藤真の司法試験に合格する勉強法」(中経出版)(と「伊藤真の民法入門」(日本評論社)という本を読んで、そのわかりやすさと説得力に感動し、伊藤塾で司法試験の勉強をしようと決めました。
伊藤塾で勉強する利点は、どこが重要でどこを重点的に理解しなければならないかを指導してもらえるので、メリハリがつけられ、「試験的に」重要でない部分で悩むという無駄な時間を省けることです。

予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私は、在学中に司法試験に合格すべく、予備試験ルートで法曹を目指しました。予備試験ルートのメリットは、時間とお金を節約できること、及び就職活動が有利に進められることにあると考えます。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

私は、合格のために必要な基礎知識の9割以上を、基礎マスターの講義から修得しました。基礎マスターの講義では、講師の方が項目・論点ごとにA+、A、B+、B、B-、Cと細かくランク付けをしてくださりまた、暗記すべき定義・趣旨を逐一指定してくださるので、復習の際にもメリハリがつけられて非常に有難かったです。
私は、基礎マスターの講義を聴き終えたらすぐに(遅くとも講義の次の日に)、該当箇所を読み直し、自分のとったメモで読みづらい箇所を書き直し、講師からA、B+で暗記を指定された定義・趣旨を単語カードに書く作業をしました。そして、次の講義までにできる限りテキストを読み直し、また、作成した単語カードを通学中や寝る前に覚える作業を繰り返しました。私は、始めはテキストを読むのにものすごく時間がかかり、また、覚えた定義や趣旨もすぐ忘れてしまい、そのたびに、「また読むのか」、「また覚えなおすのか」と嫌気がさすこともありましたが、何度も何度も繰り返していくうちに読むスピードが上がり、定義を忘れても覚えなおす時間がどんどん短くなっていきました。このように、基礎知識を修得するうえで大事なことは、何と言っても、テキストを読む、重要な定義・趣旨・要件を覚える、出てくるたびに条文を引いて印をつける、(わからない部分は講義を聴きなおす)、という作業を何回も何回も繰り返すということだと思います。

短答式試験対策について

私は、大学2年生のときに第1回予備試験の短答式試験を受験しました。私は、3月中旬に7科目の基礎マスターを全て聴き終え、そこから試験日の5月15日までひたすら(新)司法試験の過去問を解き続けました。結果は8点足りず不合格でしたが、知識的には、基礎マスターで修得したものだけで十分合格できるなと強く感じました。そして、今年は、日々の勉強の中で基礎知識の精度を上げており、あとは短答用の細かい知識を多少補充するだけだと考えていたので、4月9日まで論文と実務科目の勉強をし、4月10日から試験日までひたすら(新)司法試験の過去問を解き続けました。なお、短答対策としては、全国公開短答模試は必ず受講すべきです。短答式試験がどのくらい疲れるのか、受験生の中で自分がどのあたりにいるのか、あるいは自分がどのようなミスを犯す可能性があるのか(私の場合には、模試でマーク箇所を間違えて10点以上無駄にするというミスを犯したので本番でマークミスに十分注意することができました)を知ることができるからです。
このように、予備試験受験の段階で短答式試験対策を十分にしていたので、司法試験受験の段階では、短答式試験に向けた勉強は特段行いませんでした。

論文式試験対策について

まず、私は論文マスターの予習として、必ず講義までに少なくとも答案構成を行っていました。特に全科目とも旧司法試験の平成10年以降の問題については必ず実際に時間を計って答案を書いて論文マスターに臨みました。また、刑法については伊藤塾長が実際に手を動かして書いてみるのが大事とおっしゃっていたので、全問時間を計って答案を作成しました。初見の問題で合格答案を書けたことは一度もありませんでしたが、それでもあきらめずに何通も何通も答案を書いたことが論文式試験合格につながったのだと思います。また、論文問題を解くことで、基礎マスター段階で理解しきれていなかった論点などの正確な理解が得られることもありました。 そして、論文を実際に書いてみて痛感したのは、論証を用意しておく必要性です。旧司法試験の問題なら60分、予備試験の問題なら70分、司法試験の問題なら120分という極めて限られた時間の中で、「あてはめ」部分以外の論証をその場で考えて書くのは不可能です。よく「論証パターン」が批判されることがありますが、それは無批判に指導校から与えられた論証を暗記して書くからだと思います。伊藤塾の「論証パターン」も実際に書くには長すぎますし、そのまま答案に丸写しするのは実際的ではありません。「論証パターン」を叩き台にして、自分の言葉でよりコンパクトな論証を作り出す作業が、論点のより深い理解につながりますし、未知の論点の論証を現場で考える訓練となり、論文式試験に挑むための必須の作業だと思います。そして、当然ですが、作成した論証は暗記する必要があります。
次に、未知の問題に慣れる点、強制的に答案を作成する機会となる点で、ペースメーカー論文答練の受講は必須だと思います。また、これらの答練では、添削者の方に質問をすることができるので、論文を解いていて疑問に思ったことなどを質問しそれを解消することができ、非常に有益でした。

直前期と試験当日の対策について

直前期は、基礎の復習を徹底して行いました。また、書く訓練として司法試験の過去問を一日一問実際に書いていました。
また、実際の試験の雰囲気を味わうべく、全国公開模試を受講しました。5日間という試験期間がいかに過酷かを試験前に実感することができ、とても有益でした。

予備試験からの司法試験対策

予備試験合格者が司法試験に合格するために必要なのは、予備試験よりも長文の問題を120分という試験時間内に解くことに慣れることであると考えます。したがって、司法試験の過去問を実際に書き、徹底的に分析することが必要であると思います。その際に、司法試験過去問分析講座(現:司法試験論文マスター)を活用すると、その勉強を効率よく進めることができると思います。

伊藤塾のゼミについて 

私は、大学在学中に旧司法試験に合格された方の基礎マスターゼミを受講していました。このゼミにおいて、短期合格者の勉強法に触れることができたので、早い段階で自分の勉強方法を確立することができました。また、高いモチベーションを保つことができた点でも、上記ゼミは有益でした。

伊藤塾の学習と大学生活の両立について 

結論から言えば、本気で大学在学中での司法試験合格を目指すのであれば、サークル活動と学習の両立は、難しいと考えます。というのも、司法試験に合格するためには、7科目に加え、選択科目も学ばなければならず、これだけの科目をマスターするには、やはり3年間は集中して勉強する必要があると考えるからです。また、私は、大学の授業は、語学の授業と演習科目以外は出席しませんでした。司法試験に短期合格するためには、必ずしも大学の授業は必要ないと考えたからです。ただ、3年生の秋になって今更ながら感じたのは、大学の授業(特に演習科目)の中には非常に有益なものもあるということです。ですので、必ずしも大学の授業を全て切るのが得策であるとは言い切れないと思います。

予備試験からの就職活動 

早い段階で法律事務所から内定をいただけたので、就職活動においてはとてもスムーズにいきました。

最後に 

私の基礎マスターゼミのゼミ長は、大学3年生の時に旧司法試験を7位で合格された方でした。私は、ゼミ長に出会えたからこそ、本気で在学中に司法試験に合格しようと決意し、今日まで勉強してきました。ゼミ長は、こうおっしゃっていました。「この2年間で日本一勉強したのは自分だと思えるくらい勉強したつもりです。こう思えたことは本試験の場でも自分の支えになりました。なので、不安であってもとりあえず、日々淡々と勉強を頑張ってみてはいかがでしょうか。」と。私は、論文の成績はゼミ長に遠く及びませんでしたが、在学中に司法試験に合格しようと決意したその日から試験の日まで、日本一勉強したのは自分だと思えるくらいに日々淡々と勉強を続けました。なので、皆さんも本気で司法試験に合格しようと決意したならば、その日から、試験当日に日本一勉強したのは自分だと思えるくらいに日々淡々と勉強してみてください。努力は報われます。