合格に必要なことは多くの受験生が身につけている知識と答案作成能力。いずれも特別なものではなく、反復と訓練により誰でも修得可能です

予備試験ルートで司法試験合格

H.S さん
 

合格者イラスト
公務員
◆ 予備試験合格時 /公務員
◆ 出 身 大 学 /大阪大学法学部
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門本科生、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、司法試験論文過去問答練など

※プロフィールは、2017年合格時点のものです。

はじめに

私がはじめて伊藤塾に入塾したのは今から約10年前、大学2年に進級するときでした。ただし、当時受講をはじめたのは司法書士試験対策のもので、在学中に合格し合格後司法書士になることを目標にしていました。しかし、残念ながら在学中の合格がかなわず、卒業後は公務員となりました(公務員試験も伊藤塾の講座を受講していました。)。就職後すぐに司法書士試験に合格し、その後簡裁代理権の認定も受けましたが、法律に関わる仕事であったため、より知識を深めたいと思い、また予備試験という法科大学院を経ないルートが脚光を浴びはじめていたこともあり、司法試験を目指す決意をしました。

私がとった勉強方法

基礎的な法知識・法理論の修得について

基本書や問題集に手を広げるのではなく、司法書士試験や公務員試験対策講座で経験した伊藤塾の、少ない知識を洗練させて周りに差をつけられないようにするという方針が短期合格には最善だと確信していましたので、受験指導校選びに迷いはありませんでしたが、伊藤塾の講座の中でも入門講座では呉シケタイクラスを選びました。この最初の選択が短期合格を果たせた最も多大きな要因だと思います。呉講師の講義はわかりやすいことは当然として、一切の無駄がそぎ落とされコンパクトにまとまっている印象で、なるべく必要最小限の知識で合格したいと思っていた自分に合っていました。基本的に知識は基礎マスターで学んだことのみです。答練で「こんなの基礎マスターでやったかな?」という箇所があれば、基礎マスターのテキストに戻って、あれば復習し、なければ無視していました。このように、最初から開き直って基礎マスター以外知識は入れないと決めておけば、手を広げて勉強が迷走することもありませんし、なにより気が楽です。

論文式試験対策について

とにかく過去問や答練の問題を題材に答案を多く書きました。伊藤塾の「司法試験プロジェクト」に参加させていただき、過去問(2009年~2015年)の解説を聴き、さらに自分で書いた答案を採点してもらえるチャンスを得ましたので(論文マスター+過去問答練)、それをフル活用しました。司法試験の論文試験は理想(司法試験委員会の要求)と合格レベルの乖離が激しいのが特徴です。実際の上位答案を見て、2時間でどの程度書ければいいのか、また書けないといけないことを知ることができ大変有用でした。

働きながらの学習方法について

忙しさ自慢をするわけではありませんが、私の職場は一般的な公務員の職場と比べ業務量も多く、拘束時間も長いです。時間が限られているため、かえって集中して復習(主に暗記)が進んだと思います。仮に職場までの往復で1時間電車に乗るとすれば、1週間で5時間の時間が生まれます。これは結構大きなものです。また、休日は基本的に全て講座の受講に充てました。

最後に

正直、勉強をはじめた頃は、大学生や大学院生と競って働きながら合格できるのはほんの一握りの秀才だけで、たぶん自分はその一握りには入らないと思っていました。少ない可能性と思いつつ、浮き沈みありながら司法試験まで続けてきたわけですが、合格してわかるのは予備試験や司法試験は誰にでもチャンスがあるということです。合格に必要なことは多くの受験生が身につけている知識と答案作成能力です。いずれも特別なものではありません。反復と訓練により誰でも修得可能です。社会人の場合、置かれている環境は人それぞれですが、法曹になりたいという強い意志があるなら挑戦するべきです。その価値のある試験だと思います。