条文を読んでいく際に、「出題されるとしたらどのように問われるか」ということを特に意識しました

予備試験ルートで司法試験合格

S.Y さん
 

合格者イラスト
千葉大学法科大学院(既修)修了
◆ 出 身 大 学 /千葉大学法経学部
◆ 受 講 講 座 /司法試験演習秋生
※プロフィールは、2018年合格時点のものです。

はじめに

司法試験を意識したのは、中学生の頃でした。新聞で検察官の記事を読み、漠然とした憧れを抱いて、検察官になろうと決意しました。ただ、当時は検察官の職務に憧れていたわけではなく、単なるネーミングに憧れていたように思います。伊藤塾には、法科大学院3年生の時に入塾しました。演習が足りないと感じていたにもかかわらず、ついつい逃げてしまっていました。そのような性格であったため、一人で演習本をやるのは難しいと思い、演習秋生に申込をしました。

私がとった勉強方法

基礎的な法知識・法理論の修得について

基礎は判例六法をひたすら読むことで身につけました。判例よりも条文を意識することで、どのような論点であっても条文から遡って考える癖ができました。特に重視したのは、条文を読んでいく際に、「出題されるとしたらどのように問われるか」ということを意識することです。そうすることで、典型事例をインプットすることができ、本番でも出題意図を把握しやすくなりました。伊藤塾の演習秋生も、基本的な論点の問題が多く、トリッキーな問題が少ないため、繰り返し復習することで、基礎知識の定着に役立ちました。

論文式試験対策について

論文の対策としては、難解な論点に手を出さないことはもちろん、いわゆるAランク論点についても、原理原則、基礎知識から遡って書く癖を身につけました。いかなる論点も条文だけでは解決できないからこそ論点たりうるのであり、実務では条文だけで解決できる問題も多いはずです。そこで、まずは条文だけで解決できないかを探ることが法律家として大切だと考えました。司法試験でも採点実感や出題趣旨で、原理原則から遡って書くことが繰り返し求められています。

法科大学院における学習について

法科大学院入試の対策は、過去問を解くことに終始しました。似たようなレベルの法科大学院の過去問を解くことで、必要とされる知識のレベルがわかるので、どこまで勉強すればよいかの基準が立てやすくなると思います。学部生は法律を本格的に勉強し始めて間もなく、知識の取捨選択が難しいため、なんらかの基準を作るべきだと思います。

おわりに

とにかく条文を大切にしてください。司法試験では、論点が問われているというより、条文が問われていると思った方がいいくらいです。事案を条文に即して処理することが求められているのであって、暗記した知識を吐き出すことが求められているわけではありません。暗記するということは理解していないことの表れですので、短答など最低限の暗記を除き、日頃の勉強で暗記をすることは避けるべきです。