Vol.12 弁護士 平田佳広先生

原点は空港の現場。JALから弁護士への転身。

Profile

所属:スカイポート法律事務所
専門分野:債務整理、破産管財人業務など

目次

●規定に縛られた現実と、芽生えた使命感
●守る志を結果に変える、交渉設計力
●ゼロから築いた、法的思考と合格フレーム
●遅くない、社会経験が強みになる弁護士
●志と実力、両輪で進める法曹としての道

規定に縛られた現実と、芽生えた使命感

Q.自己紹介をお願いいたします。

平田佳広と申します。
弁護士になる前は、株式会社JALスカイに勤務し、成田国際空港で旅客系総合職として働いていました。

Q.法曹を志した理由は何でしょうか?

前職の頃、入国審査エリアの近くで業務をする機会がありました。
ある日、難民申請のために日本へ入国しようとした方々が、手首と腰を縄で縛られ、縦列になったまま入管の詰所から出発ゲートへと連行されていく光景を目の当たりにしました。
その場面は今でも鮮明に覚えています。
民間の航空会社員という立場では、規定に従って帰国便に搭乗させることしかできない。
「もし法律の専門家として関われたなら、あの人たちの力になれたかもしれない」
——その強烈な無力感と悔しさが、弁護士を志した直接のきっかけです。

守る志を結果に変える、交渉設計力

Q.企業での勤務、弁護士のいまへ、それぞれの時期で志はどのように変わりましたか?

「弱い立場に置かれた人を、法律の力で守りたい」という根本の志は、航空会社時代から今に至るまで一貫して変わっていません。
変化したとすれば、実務を重ねる中でその対象が具体的になっていったことです。
空港で見た難民申請者の方々も、弁護士として勤務する今日の依頼者の方々も、本質的には同じ「次の一歩を踏み出せずにいる人」です。
実際いま、多くの方々の再出発を後押しできるこの仕事の重要性は、実務を通じてより深く実感しています。

Q.これまでで最も記憶に残っている実務やプロジェクト、その理由を教えてください。

不動産の賃貸借をめぐる交渉案件が、特に印象に残っています。
賃借人の依頼者には、家族と共にどうしてもその家に住み続けたいという、強い思いがありました。
但し、状況は複雑で、相手方との交渉は最初からこちらに極めて不利な場面でした。
意識したことは、法律の条文や理屈だけで勝負するのではなく、相手がどう動くか先読みしながら、交渉の流れそのものを設計することでした。
いくつかの手を重ねた末に状況を立て直し、最終的に依頼者が希望通りの条件で居住を継続できる結果に持ち込むことができました。
この案件を通じて、弁護士の仕事は法的な正確さと同時に、状況を読む力や交渉を設計する力も問われると改めて実感しました。依頼者の方々から、法律の知識にとどまらず駆け引きを含めてきめ細かく動けた点を評価していただけたことも、大きな励みになっています。

ゼロから築いた、法的思考と合格フレーム

Q.伊藤塾で、どのような学びや気付きを得ましたか?

私は大学で西洋史学を専攻しており、法律の授業を受けたことが一度もありませんでした。
法律的な考え方そのものをゼロから身につける必要があったわけです。
伊藤塾は、「法律知識ゼロの人間でも、正しい方法で学べば合格できる」という道筋を示してくれました。体系的な学習のフレームワークがあったからこそ、実力を積み上げることが出来たと思っています。一般的な規範に具体的事実を当てはめて結論を導くという思考の型は、司法試験の答案作成はもちろん、今の実務での書面作成にまで直接活きています。
法律知識だけでなく、考え方の枠組みを身につけられたことが最大の収穫でした。

平田先生
 

遅くない、社会経験が強みになる弁護士

Q.社会人受験生へメッセージをお願いいたします。

社会人として働いてきた経験は、法曹になってから必ず力になります。
私自身、航空会社での接客経験が、依頼者とのコミュニケーションや信頼関係の構築に直接役立っています。
「今さら遅いのでは」と感じている方もいるかもしれませんが、社会での経験がある分、依頼者の立場に寄り添える弁護士になれると、自信を持ってお伝えしたいです。
一歩踏み出す勇気さえあれば、道は必ず開けます。

Q.法律を学ぶ意義はどんな点にあると思いますか?

法律は、困っている人を守るための最も体系的なツールだと思います。
法律を知っているか知らないかで、人生の選択肢の広さが大きく変わります。
私が成田国際空港で目撃した方々も、大企業からの請求に直面した依頼者の方々も、法律の知識とサポートの有無が結果を大きく左右しました。
法律を学ぶことは、自分自身を守るためだけでなく、社会で困っている誰かの力になれる可能性を手に入れることだと思います。

志と実力、両輪で進める法曹としての道

Q.志と実力の関係を、どのように考えますか?

志は、フライトプランのようなものだと思います。
どこへ向かうのか、どの経路で飛ぶのかを定めるもの——それが志です。
実力は、そのプランを現実の飛行として成り立たせるための、操縦技術です。
どちらが欠けても、目的地には辿り着けません。
私は「法律で困っている人を救いたい」という志を持ち続けながら、伊藤塾での学習を通じて実力を積み重ねました。
志があるからこそ、試験勉強の辛い時期も「これは目的地に到達するためのプロセスだ」と思えました。
実力があるからこそ、志が現実の力として依頼者へ届きます。
この両輪が揃って初めて、社会に貢献できる法曹になれると感じています。

Q.今後の展望を教えてください。

先ず足元では、実務をさらに深めたいと思っています。
複雑であればあるほど、丁寧な事実の整理と戦略的な交渉力が問われる。そこにこそ遣り甲斐があると感じています。さらに長期的には、入管での法律相談の経験を活かし、難民申請者の支援にもプロボノ活動として関わっていきたいと思っています。
弁護士を志すきっかけとなった成田国際空港での経験に、いつかきちんと向き合いたいという気持ちがずっとあります。

まとめ

航空会社で培ったスキルと原体験が、いま弁護士としての実務に活かされている点が印象深い。
知識と経験を駆使し、依頼者に寄り添い続ける姿勢に、安定感と信頼性を感じます。

 

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Vol.06 弁護士 戸川匠先生

トップロイヤーたちと臨む、
企業法務の最適解。

Profile

所属:森・濱田松本法律事務所外国法共同事業
専門分野:M&A、ジェネラルコーポレート

目次

●司法試験合格という志、社会的影響を持つ実務
●最適解を提供する、プロフェッショナル集団
●実務についても交えた、伊藤塾の講義
●その先へ繋がるように、目の前のタスクを丁寧に

Q:自己紹介をお願いいたします。

戸川匠です。M&Aを中心に実務しています。

司法試験合格という志、社会的影響を持つ実務

Q:実務家に至るまでの志と、いまの実務について教えてください。

「司法試験合格」。学生時代のメインはそれ1つで突き進んでおり、大きな志だったと思っております。

今は、M&Aを中心に取り組んでおります。
M&Aと言っても、取引金額が大きい案件や関与する弁護士の数が多い案件、そうした規模の大きな案件から、2~3人で行う比較的小さめの案件があります。それぞれ難しさや面白みがあるので、色々な案件に取り組んでいる状況です。

その他は一般的な企業法務、ジェネラルコーポレートと呼ばれるような株主総会対応ですとか、一般的な法律相談にも取り組んでおります。
加えて、関心があった知的財産法分野の案件もあります。

Q:印象に残っている実務を教えてください。

公開買い付けの案件です。
半導体の会社を買う案件がありまして、入所してすぐ、そのプロジェクトに参加しました。
半導体は今、世の中にとって必要不可欠で、需要がかなり高い部品かと思いますので、そうした意味でもかなり印象に残っています。

Q:実務には、どんなやりがいがありますか?

1つひとつ、社会的にかなり影響を及ぼしやすい案件が大手事務所に来やすいです。そうした案件に携わり、例えば社会でニュースになったりすると、社会の役に少しは立てたのかなといった気持ちになるので、そういったやりがいはあるかもしれません。

最適解を提供する、プロフェッショナル集団

Q:どんな先生たちが集まる事務所ですか?

各分野のトップロイヤー達が弊所にいますので、何も先例が無いような事例でも、クライアントのために最適解を常に提供する姿勢を皆さん持っています。本当に尊敬していますし、自分もそうなれるように頑張らなければと日々思っています。

Q:同期の方々とはいかがでしょうか?

本当に優秀で、非常に良い影響や刺激をもらっております。
特に弊所が、かもしれませんが、すごく仲が良く、みんなで頑張っていこうという風潮があります。
それぞれ強みがありますが、私も自分の強みと思っているコミュニケーション部分を活かして、今後同期と一致団結して頑張っていければと思っております。

戸川先生

実務についても交えた、伊藤塾の講義

Q:伊藤塾で得た学びや気付きを教えてください。

伊藤塾の講義は、先生方によって実体験(を話してくれたり)、テキスト内の勉強だけに留まらず実社会でどうなっているのか、を話してくださるケースもありました。
そうした講義はイメージもわきやすく、スッと頭に入ってくる講義だったと記憶しております。

その先へ繋がるように、目の前のタスクを丁寧に

Q:社会を変えるために大切なことは何だと思いますか?

「社会を変えたいからこうする」というよりは、いま目の前にある仕事やタスクを手を抜かず、ちゃんと丁寧に取り組むことで、最終的により良い社会の実現に繋がれば良いなと思って普段仕事に取り組んでおります。
信念という意味では、目の前の仕事を丁寧にすることです。
 
弊所は留学制度もありますので、留学へ行きたいと考えております。
そこで世界のロイヤー達を間近で感じて、多種多様な、より価値のある視点や知見などを養い、日本へ還元できたらと考えております。

まとめ

様々な案件との日々に、充実感を持ちつつも慢心しない戸川さんの姿勢は、
所属事務所の風潮や、志のある一流ロイヤーたちに囲まれているからこそでした。
塾生時代から変わらない、実力を磨き続ける素直さがありました。

 
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Vol.07 弁護士 小河利紀先生

仕事と学びの両立。
「法の専門家」への刺激と実現。

Profile

所属:TMI総合法律事務所 福岡オフィス
専門分野:M&A、ジェネラルコーポレート

目次

●県庁や証券取引所で働きながら受けた、弁護士への刺激。
●社会人時代の経験、実務の場で活きる強み。
●働きながら乗り越えた、司法試験受験。
●杓子定規の当てはめだけでは足りない、解決への思考。

Q:自己紹介をお願いいたします。

小河利紀と申します。
TMI総合法律事務所の福岡オフィスで弁護士をしています。

小河先生

県庁や証券取引所で働きながら受けた、弁護士への刺激。

Q:働きながら弁護士を目指そうと思った経緯を教えてください。

大学卒業後は福岡県庁へ入庁し、福岡県の発展のために貢献したいと思って働いていました。ですが3年程が経った頃、キャリアに若干の迷いを感じ、県庁以外の仕事も見てみたいと思って証券取引所へ出向することにしました。
証券取引所では上場審査等を担当させていただき、上場しようとしている熱意を持った経営者の方や、そういった経営者を支える公認会計士などの専門家の方と接する機会があり、大いに刺激を受けました。
また同じ時期に法科大学院へ進学していた同級生が弁護士になって活躍している話も聞き、専門家として、弁護士として、働きたいと考えるようになりました。
私は生まれも育ちも福岡県で、地元の発展や成長に貢献したい想いで入庁しました。その後、県の発展に貢献したい想いは変わりませんでしたが、制度全体を通しての貢献というよりは、1つひとつのクライアントと向き合って成長を支援することで、結果的に県の発展に繋がればいいなと考え方が変わっていきました。
上場審査でお話させていただいた公認会計士や弁護士などの専門家は、知見を高めてその後の業務にも活かせる仕事なので、己を常に高め続けられる業務である点に魅力を感じました。

社会人時代の経験、実務の場で活きる強み。

Q:弁護士実務と、社会人経験がある強みは何だと思いますか?

最近多く担当している業務はM&Aです。買収対象企業が法的な問題を抱えていないかということを調査や検討し、結果を踏まえて株式譲渡契約等を進めて買収を進めます。契約書の調査で判明した事項等を反映しながらディールを進める業務を取り扱っております。
弁護士はクライアントあってこその仕事ですので、クライアントとのコミュニケーションも非常に大事です。その中で社会人経験があると、企業の中でどういった流れで意思決定がなされているのか、どういう調整が必要なのかを、クライアント側の立場もある程度把握できます。クライアントとコミュニケーションを取る上では、そういったことを認識できる点が強みになっていると思います

働きながら乗り越えた、司法試験受験。

このまま続けていて合格できるのかという不安や葛藤はありましたが、専門家としての知見を活かして地元企業をサポートし、福岡県を盛り上げたい想いを持ち続けて勉強に取り組みました。
日々勉強を続けていく中で家族との時間は大切にしたいと考えておりましたので、勉強するときは勉強、家族との時間は家族、というように過ごしていました。勉強以外の時間もつくったことが逆に、メリハリを持ち集中して勉強するきっかけになったり、ストレス解消になって無理なく勉強を続けられる要因の1つになったのかなと思います。
伊藤塾の一番大きな魅力は、最大手の受験指導校ということで、合格のために必要十分な知識を効率的に得られる点かなと考えています。
具体的には、私が予備試験に受かった年はコロナでスケジュールがずれ、予備試験合格から司法試験本番まで3か月しかありませんでした。そのため選択科目はその期間しか勉強していませんが、伊藤塾の講座とテキストで無事合格できました。

杓子定規の当てはめだけでは足りない、解決への思考。

Q:法律家として心掛けていることを教えてください。

法律家になるためには、先ず司法試験に合格しなければならないので、合格に必要な実力を身につけることが第一だと思います。但し、実際に社会で問題を解決しようと考えたとき、身に付けた法的知識を杓子定規に当てはめるだけでは、なかなか解決には繋がっていかないこともあります。実際にクライアントが置かれている状況や意向などを総合的に考慮しながら、本当に目指すべき解決を考え続けることが、法律家として大事な考え方かなと考えています。

まとめ

小河先生曰く、「挑戦が遅いということはない」とのことです。
志も努力も弛まなかった証の先に、
社会人経験全てが活きる弁護士実務に励む姿がありました。

 
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Vol.05 裁判官(弁護士職務経験) 吉川 この実先生

裁判官と弁護士。
問い続ける「正しさ」。

Profile

所属:池田・染谷法律事務所
(「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」に基づく弁護士登録時)
専門分野:独占禁止法・競争法・消費者法

Q:自己紹介をお願いいたします。

吉川この実です。裁判官をしています。
今は判事補の弁護士職務経験制度を利用して、2年間限定で弁護士をしています。

法律家が実現できる、「正しさ」

Q:法律家を志した理由を教えてください。

私が法律家に魅力を感じたのは、正しいことを実現できるところ、そして時には「正しさとは何か」について問いかけることができるところです。
学生時代は、いつか私も法律家の一員となって、正しさについて考え、正しさを実現していきたいと考えていました。
今も初心を忘れず、過去の自分に恥じぬよう、常に「正しさとは何か」について考え続けたいと思っています。

中立公正、法律のみに従って判断できる裁判官

Q:裁判官への道を進んだ背景を教えてください。

裁判官になろうと決めたのは、司法修習生のときでした。
初めて裁判官の仕事を間近で見て、当事者双方の意見を聞いて、中立公正の立場から、法律のみに従って判断できるところに魅力を感じて裁判官になろうと決めました
(特定の事件については)1年目の裁判官でも、1人で裁判ができるとされています。そして1年目でも、1人の裁判官として責任のある判断が求められています。

裁判官と弁護士、双方から感じた弁護士像の違い

Q:どのような経緯で弁護士登録されたのですか?

3年目の最後に、弁護士職務経験の内示をいただきました。一生、裁判官をやるぞって決めてなりましたが、まさかこんなに早く自分が弁護士を経験できると思っておらず、ありがたい内示だったと思っています。

Q:弁護士としての経験はいかがですか?

裁判官の頃は、生の事実を的確な法的主張に落とし込んで、適切な証拠を収集できる弁護士が優秀な代理人だと思っていました。弁護士になり、実際に依頼者から直接声を聞いたときに、紛争というのは人と人の間で起きていて、何一つ同じ事件は無いのだと実感しました。単に法律家の手で紛争を法的整理するだけでなく、奥にある当事者の声というものを裁判官へ適切に伝えらえることが大事だと思いました。

判決書という「紙」と向き合う、重責や悩み、やりがい

Q:裁判官としての苦悩・やりがいを教えてください。

裁判には、重責が伴います。正しさには正解がなく、自分の中で結論を出すことにとても迷った経験もあります。また自分の中で結論が出たとしても、その判断をすることが怖いと感じたこともあります。判決書というものは言ってしまえば、ただの文字が書かれた紙です。ですが、その判決書は、時に人の命すら奪うものです。たった数文字打ち込むことに、手が震えたこともあります。それでも、悩み考え抜いて、納得のいく結論が出たときは、とても大きなやりがいを感じています。

真実と、正しくあろうとする人が救われる裁判所へ

Q:どのような社会像が理想ですか?

私は、真実と、正しくあろうとする人が、救われる社会であってほしいと思います。そして裁判所は、そのような社会を実現するための一つの機関であってほしいと思っています。時には正しさと正しさが衝突して、難しい判断を迫られるときもあるかもしれません。私にできることも限られているかもしれませんが、裁判所は、いつまでも真実と正しくあろうとする人が救われる、そんな場所であってほしいと思っています。

吉川先生

司法試験受験の支え、伊藤塾の「仲間」と「言葉」

Q:司法試験受験生時代について教えてください。

私の司法試験合格までの道のりは、決して順風満帆ではありませんでした。特に2回目の予備試験論文式試験に落ちたときは、私には無理なのかなと思ったこともありました。その時にもう一度頑張ろうと思えたのは、伊藤塾で出会った、たくさんの友人達のおかげでした。そして心が折れそうになったときは、伊藤塾長の「やればできる、必ずできる。」という言葉が心を奮い立たせてくれていました。予備試験に合格した後も、目前に迫る司法試験に向けて伊藤塾が講座を用意してくださったことも、短期で司法試験に合格するためにとても役に立ったと思っています。

人々へ影響を与える志、世界を変えていく原動力の実力

Q:「志は、実力を得て、世界を変えていく。」という言葉を、どのように考えますか?

一人で世界を変えることはできません。ですが志は周囲の人々に大きな影響を与え、実力は人々の心を動かし、いつか世界を変えていく原動力になるものだと思っています。私自身も裁判を通して、人々に語りかけ続けたいと思っています。来年の4月から、また裁判官に戻ります。どこへ行って何をするのか、まだ全然わかりませんが、新しいことに出会えると思うと、とてもわくわくしています。

まとめ

人を裁き、人を弁護するという重圧ある実務に臨む吉川先生。
その芯の強さは、様々な試練を受験生時代から乗り越えた実力ゆえです。
法曹を目指す方々の模範ともいえる「逞しさ」がありました。

 
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Vol.01 弁護士 國松 崇先生

伊藤塾で挫折を乗り越え、テレビ局のインハウスロイヤーからエンタメ法務弁護士へ

Profile

所属: 池田・國松法律事務所 共同代表パートナー
弁護士歴: 14年(64期司法修習生)
専門分野: メディア・エンターテインメント法務、コンテンツ監修、契約法務、リスク管理

現在の活動:
エンターテインメント法務への志と形成過程

Q: 自己紹介と、現在の法務活動について教えてください。

國松崇です。メディア・エンターテインメントの分野を中心に、リスク管理であるとか、コンテンツの法律監修や考査、あるいは契約、芸能関係、そうしたことを中心に仕事をしております。
弁護士になって今14年目になりますが、赤坂にある池田・國松法律事務所の共同代表パートナーを務めています。

Q: どのような志をお持ちなのでしょうか?

「メディアとかエンターテインメントの世界をもっともっといいものにしていきたい。日本のコンテンツを世界に広げる、そうした大きな流れの助けになりたい」というのが私の志です。
エンタメといった興行ものに対する憧れが、自分の法律家になるという夢ともちょうどクロスオーバーして、その結果、自分が一番働きたいところ、自分が興味を持って楽しく働ける場所はどこかなと考えたときに、法律家として、このエンターテインメントの世界で働くことが、最も自分のモチベーションも上がるし、あとは支えたい人がたくさんいるという答えにたどり着きました。

Q: どうしてエンターテインメント業界に興味を持たれたのですか?

私が小さい頃は、両親共働きで、基本的に私と姉の二人で家にいることが多くて、両親が帰ってくるまでの間に、何をしたかというと基本的にはテレビを見る、あるいはビデオで昔撮ったテレビの番組を見るといったことが中心でした。
なので、とにかくテレビというのは本当に身近な存在で、いろんなことをテレビから勉強したし、子守りをしてもらっていたという感じになります。このような幼いころの生活が、映像の世界や、エンターテインメントの業界に興味を持った原体験になったように思います。

司法試験での挫折と復活:
仲間と共に掴んだ合格

Q: 司法試験ではどのような経験をされたのでしょうか?

司法試験は一度落ちました。そのときは結構自信があったんですよね。ところが落ちてしまったのでショックでした。いろんなことやり尽くして、もうこれで大丈夫だろうと思っていたので、これ以上何すればいいのというふうになっちゃったんですよね。路頭に迷ったというわけじゃないんですけど、何から手を付けていいのかわからなくなってしまってしまいました。

Q: 伊藤塾に通われた理由はどこにありましたか?

私の場合は、弁護士など法曹を目指す人は伊藤塾に通うという人が周りに結構多かったので、改めて、司法試験合格という目的を持って伊藤塾に通いました。そこで得た知識、先生方の素晴らしい講義やテキストといったものはとても参考になりましたし、司法試験の受験まで繰り返し使わせていただきました。

Q: 司法試験受験指導校としての伊藤塾の魅力をどう評価しますか?

自分にとって伊藤塾で得られた一番財産は何かというと、ここで出会った仲間です。一緒に司法試験を勉強していた仲間がいたので、司法試験に一度落ちたときも、その仲間たちと一緒にもう一度、一から一生懸命やっていこうと誓い合うことで、メンタルを復活させることができました。
毎日毎日、渋谷にある伊藤塾に(当時あった)自習室に通って、とにかく仲間と励まし合いながら勉強を続けていくことで、最終的に司法試験合格に結び付いたと考えています。一緒の目的に向かって切磋琢磨していける仲間が集まる「器」のような場所、それが伊藤塾の最大の魅力です。

國松先生01

司法修習64期は就職難時代:
テレビ局のインハウスロイヤーとしてのスタート

Q: テレビ局でインハウスロイヤーとして働くことになった経緯を教えてください。

実は最初からエンターテインメント法務一筋というわけではなく、私の場合は当時の時代背景が大きく影響しました。私は64期という司法修習期なんですが、当時は大変な就職難で、法律事務所に関していえば、少し募集が出れば応募者が殺到してしまうような時代だったんですよね。
一方、ちょうどその頃はまだ数は少数ながら、会社の法務部で働く、いわゆるインハウスロイヤーという働き方もあるらしいぞ、という情報に触れました。そこで、もし自分がインハウスローヤーになるとしたら、どこで働きたいだろう?と考えたときに、真っ先に思いついたのが、子どもの頃から大好きだった、テレビ局だったんですよね。
とはいえ、ツテもないし、特にコネもないので、とにかくなんとかアポが取れないかと思ってテレビ局に直接電話をしてみました。
そうしたら、運が良かったのか、たまたま手の空いていた人事の方とお話する機会がもらえて、そこから紆余曲折あったものの、最終的には在京テレビ局に採用していただくことになりました。これがエンターテインメント業界の法務に携わる最初のきっかけでしたね。

Q: テレビ局ではどのような法務業務を担当されていたのでしょうか?

テレビ局でやったことは入社前に想定していたこともありましたし、想定していなかったこともありましたね。
テレビ局なので、番組などのコンテンツを制作するために稼働してもらう制作会社との契約、あるいは、出演者のタレントさんやスタッフさんの契約など、本当にさまざまな契約があるので、こういった契約書のチェックとか作成を担当するということがベーシックな仕事としてあります。
ほかには、番組コンテンツをどんどん海外に持っていくことが新しい潮流になっていたので、例えばコンテンツをリメイクして、それをアメリカで放送するとか、ヨーロッパや韓国での昔のドラマを再展開するとか、そういった二次利用に関する法務にも携わっていましたね。
番組をもとに、二次創作的に舞台化する、専用の劇場を作る、みたいな仕事もありました。こんな風に、本当にたくさんの法務業務に関わらせていただくということが、すごく私の中では経験になりましたね。

裏方として働いて印象的な実務:
契約書の向こうにあった感動

Q: 法律の仕事を通じてどのようなやりがいを感じていますか?

印象的な経験があります。とある劇場を作ることになったんです。劇場といっても小さな劇場ではなく日本初のいろんな仕掛けがある劇場で、とにかくそこでやるのは一流の日本の劇団さんとか海外から招聘した劇団の公演なんです。
それこそ更地から土地を借りるところから始めてですね、土地を借りて建物を建てて、その建物のいろんな仕掛けのライセンスも取って、さらに劇団と契約するとか、さまざまな契約がそこには紐付いていたんですね。
その契約を一つ一つ確認する、あるいはどういう契約を誰とするか、というデザインまで含めて、リーガルとして担当させてもらったという経験があります。
それで、ようやくまとまった契約が少しずつ形になっていって、現地でも、更地から少しずつ土台ができて、劇場ができて、装飾がされて、少しずつ劇場が完成していって、最後にこけら落とし。超一流の劇団がこけら落としでバーンと舞台をやったわけです。
それを私は端っこの席で見させてもらって、そこで、いろんな人が劇を見て楽しんでいる姿とか、感動している姿とか、そういうものを間近で体感させてもらったんですよね。
そのときに、自分がやっている仕事はこれだけ多くの人を動かしている、人の心を動かしたり感動させるということがあるんだな、ということをすごく実感したエピソードでした。法務の仕事って、普段は契約書を書いたり、誰かと契約や法律のことを話したりということばかりなんですけど、そういう現場での体感を通じて、自分が普段からやっていることが、実際は皆さんの笑顔とか感動につながっているということを感じることができて、それが自分の一つの大きなやりがいに繋がりました。

國松先生02

法律を学ぶ意義:
社会との接点を広げるツール

Q: 法律を学ぶことの社会的意義をどのように考えますか?

とにかく法律って社会全体に関わってるんですよね。カメラマンさんも映像を撮って、それを世の中に届けるのが仕事ですけど、そこにも一つ一つ契約や、あるいは規制する法律がたくさんある。社会を取り巻く法律というのは無数に存在するわけですね。
法律を学ぶことは、そういう社会の仕組みを知るということだと考えています。また、そういう社会との接点ごとに、法律家には多様な選択肢があるということも知って欲しいです。
私みたいにテレビの世界がいいなとか、エンタメの世界がいいなと思えば、エンタメの世界で法律を必要としている人は必ずいますから、じゃあ、そこで仕事をしてみようかなということもできます。

Q: 法律を勉強する魅力とは何ですか?

例えば、建築が好きだなとかいう人がいれば、その建築に関わる法律もたくさんありますから、建築に関する法律を勉強すれば自分の好きな建築の世界で働くことができる。
そうしたいろんな社会との接点があるので、その接点の延長にある仕事に法律という資格というが、武器を持って挑戦することができます。それが自分の世界を広げることにもつながると思います。
法律を勉強することで自分の世界を広げることができるんですね。なので、法律の勉強をすることは、自分の人生にとってもすごく必要なことだったし、人生の幅を広げる有効なツールだと常に思っています。

「志は実力を得て、世界を変えていく」への見解

Q: 「志は実力を得て、世界を変えていく」というメッセージについて、どうお考えですか?

やっぱり志はとにかく大事だと思います。いかに実力があったり、力があっても、志がなければその実力というのはいろんなところに悪用されたり、良くない使い方をされたりすることがあるのかなと思います。なので、志というものを、まずは原点として心の中に持っておかないといけないと思っています。

Q: 志と実力の関係をどのように捉えていますか?

志があるからこそ、どういう人間関係を築こうか、どういう法律を勉強しようかという指針にすることができるようになると思います。また、志と実力というのは、やっぱり、伴っているもの、一緒に育てていくものだと思います。それらが両方うまく嚙み合うことで、最終的にその志の到達点をグッと手繰り寄せる原動力になるんだと思っています。

司法試験受験生・法律家志望者へのメッセージ

Q: 伊藤塾を検討している受験生に向けて、最後にメッセージをお願いします。

伊藤塾には志を持った人が集まります。単に実力をつけたい、と思って選ぶ人もいると思いますが、それでも、やっぱり何か志を持ってる人が多いと思います。私の仲間たちもそうでした。
だからこそ、伊藤塾に身を置くことでそうした人たちとの関係もできるし、刺激ももらえる。それが、ひいては自分の実力アップにつながっていくということです。こうゆうところが、伊藤塾の本当にいいところだなというふうに、今でも思ってますね。

まとめ:
挫折を力に変える学習環境の重要性

國松崇弁護士の体験談は、司法試験合格において「環境」と「仲間」の要素がいかに重要かを示しています。また、司法修習64期という就職難の時代背景の中で、積極的な行動力でテレビ局のインハウスロイヤーとしてキャリアをスタートし豊富な実務経験を経て、現在はエンターテインメント法務の第一線で活躍する國松弁護士の言葉は、法律家を目指すすべての人にとって貴重な指針となるでしょう。

 
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Vol.02 弁護士 田原 洋太先生

スポーツロイヤーとしてのキャリア|田原洋太弁護士が明かす「スポーツ×法律」の可能性

Profile

専門分野:スポーツ法務、アスリートサポート、チーム法務、誹謗中傷対策
活動理念:アスリート・チーム・ファン全てのステークホルダーが幸せになるスポーツ界の実現
主な取り組み:
・COAS(アスリート誹謗中傷対策団体)設立・運営
・スポーツ大会での講演活動
・メディア記事掲載による啓蒙活動
・弁護士会でのスポーツ法シンポジウム登壇

スポーツロイヤーとしての志と活動理念

Q: まず自己紹介をお願いします。

田原洋太です。私は、スポーツの分野を中心に、アスリートやチームのサポートなどをさせていただいております。

Q: 現在、どのような志を持ってスポーツ法務に取り組まれているのでしょうか?

アスリート、チーム、そして、ファンのいろんなステークホルダーの方が幸せになれるようなスポーツ界になればいいと思って活動しています。

Q: そのような志を持ったきっかけは何でしょうか?

もともとスポーツ観戦するというのが非常に好きだったので、試合を見て一喜一憂したりとか、ほかのファンの方と一緒になって喜んだりする一体感を感じていました。特に自分自身が辛いときとかも、そういったところでエネルギーをもらえたので、今度は私が逆にエネルギーを与える側に立ちたいなと思ったのがきっかけです。

弁護士を目指したきっかけとスポーツ法務への道

Q: 法律家を志した理由を教えてください。

小学生の頃から法律を扱ったテレビ番組が好きで、漠然と弁護士に興味をもっておりました。また国語や社会といった科目が得意だという自負があったので、これを活かすために法学部に進学して弁護士になろうと思いました。

Q: スポーツ法務分野に興味を持ったきっかけは?

私が通っていた高校では、アメリカンフットボール部が人気がありまして、多くの友人が所属しておりました。私もその友人たちが試合や練習をしている風景を見て、アメリカンフットボールに興味を持ち、その後、アメリカのプロスポーツリーグであるNFLの試合も観るようになりました。

そのNFLの試合を観ていくうちに、アメリカでは弁護士やロースクール出身の方がスポーツにエージェントという立場で携わってることを知って、スポーツ分野で活躍できる弁護士になろうと思いました。

Q: その志は学生時代から現在まで変わらず持ち続けられているのですか?

はい。これまでずっと同じ気持ちでここまで取り組んでくることができ、基本的にぶれるということはありませんでした。もともと弁護士になろうと思った当時は、弁護士の仕事自体あまりよく分かっていませんでしたが、実際に弁護士になってみると、まだスポーツに取り組んでる弁護士の数は、ほかの分野に比べると多くないのではないかと思います。

そのため、スポーツ分野における弁護士の活躍の余地というのはまだまだあると感じています。むしろ、これからもどんどん取り組んでいきたいと考えてます。

伊藤塾での司法試験対策と実力向上の軌跡

Q: 伊藤塾で司法試験対策を始めたきっかけを教えてください。

私が本格的に司法試験の勉強を開始したのは大学2年生のときからで、当時、周りに司法試験を目指してる友人があまりいなかったので、そういった同じ志を持ってる方がいらっしゃる環境に身を置きたいなと思ってました。

そう考えたときに、やはり「伊藤塾」は、様々な大学であったり、バックグラウンドを持ってる方が集まって司法試験目指しているという環境でしたので、私も司法試験の合格を目指すのであれば伊藤塾がベストではないかと思い入塾しました。

Q: 伊藤塾の価値や魅力をどのように感じましたか?

一つは、志を持ってる方が非常に多く在籍しているので、皆さん非常にモチベーション高く勉強に取り組まれてます。このような環境の中で勉強できたことは非常によかったです。

また、講師の皆さんやスタッフの皆さんにも非常に熱心にアドバイスなどサポートしていただきました。特に、勉強の方向性というものをしっかり教えていただき、この二つは非常に伊藤塾に入ってよかったと思っております。

Q: 具体的にはどのような司法試験勉強法を取られていましたか?

私の場合は、何回もテキストを読み込んで、過去問を解くことをひたすら繰り返してました。基本的には伊藤塾での基礎マスターテキストを中心に、そこに記載されている論点だったり、重要な知識というのを優先的に覚えて、身に着けた知識を過去問や答練でアウトプットすることを行ってました。

Q: 司法試験勉強中に壁にぶつかることはありましたか?

周りに優秀な受講生の方が多くいたので、自分だけ遅れてるなとか、取り残されてるなとか感じることはありました。

そういうときは、一緒に勉強してる仲間に相談したりとか、あとは講師の方とかスタッフの方に色々お話を伺って、自分の勉強の方向性を見直したりしてました。

Q: 伊藤塾に入り、独学で勉強するのと違いはありましたか?

はい、伊藤塾に入って法律の勉強というのは一人でやるよりも格段に効率よくできたという実感はあります。おそらく私一人だけではなかなか勉強の方向性が決まらなかったり、モチベーションを保つのが難しかったのですが、伊藤塾という環境があったおかげで、司法試験合格する方向性の見直しやモチベーションを保つことができたので入塾してよかったです。

法律学習の意義とスポーツ実務での活用方法

Q: 法律を学ぶ意義について、どのようにお考えですか?

法律を学ぶ意義は、お互いの立場を考えて物事の解決を図る力を身につけられることが、一番意義があると思ってます。

法律の考え方の中に比較衡量という言葉がありますが、一方の当事者の利益だけを考えるのではなく、双方の利益を考えて、妥当な結論を導くことが大事になってきます。

この考え方を身につけられたということは、スポーツをはじめ弁護士として実務を行っていく上で非常によかったです。

Q: その比較衡量の考え方は現在のスポーツ法務でどのように活かされていますか?

スポーツにおいては、「アスリート」「チーム」「ファン」という大きく三つのステークホルダーが存在しますが、時には立場が対立してしまうことがあります。
ただ全てのステークホルダーは、最終的に勝利や優勝という同じ方向を向いて一緒に取り組んでいく必要があります。どちらか一方の利益だけを取ってしまうとその目標に到達することができません。スポーツにおいても、お互いの立場や利益を考えて最終的に解決することが非常に大事なことだと考えてます。

田原先生01

アスリート誹謗中傷対策「COAS」の取り組み

Q: COAS(アスリート誹謗中傷対策を行う団体)について教えてください。

COASという団体は、アスリートへの誹謗中傷を抑止するために活動を行っていこうという目的で設立した団体です。具体的には、今まではメディアでの記事の掲載であったり、あるいはスポーツ大会での講演などを行ってまいりました。

Q: なぜアスリートの誹謗中傷問題に着目されたのでしょうか?

誹謗中傷自体については、最近ニュースでも大きく取り上げられるようになってきていています。昨年のパリオリンピック・パラリンピックでも、実際に誹謗中傷を受けた事例が大きく報道されました。

やはり誹謗中傷を受けてしまうと選手自体が萎縮してしまうというのはもちろんですが、今後スポーツを目指していく子どもたちが安心してスポーツできる環境がなくなってしまうんじゃないかという危機感もありました。そのために何かできることはないかと考え、他の弁護士とともにCOASを立ち上げました。

スポーツ法務の特徴と業務の魅力

Q: スポーツ法務の難しさと面白さについて教えてください。

一口にスポーツ法務と言っても、民法や労働法、独占禁止法、著作権法などいろんな法律が関わってきます。それらの法律が適用される場面場面によって変わってくるところが、スポーツ法の特色だと思ってます。

そのため、いろんな分野の経験ができることはスポーツ法務に取り組む一つの魅力です。しかし反面、さまざまな分野に対応しなければいけないのが大変なところです。

Q: 具体的にはどのような法的問題がスポーツ現場で発生するのでしょうか?

例えば、スポーツのプレー中に怪我をしてしまったというときは、民法の問題になってきます。また、撮影や配信などが絡んでくると著作権法の問題になってきます。

ほかにも、一概にスポーツ選手といっても、プロ野球選手のように個人事業主とされる方ばかりではなく、一般の社員の方が企業のスポーツチームに加入してることもありますので、そういったときは労働法の問題が出てくることになります。

さらに、既存の法律だけではなく、スポーツ独自のルールというのがあります。例えばドーピングだったり、オリンピックのルールというのがあり、日本の法律だけではなく、こうしたスポーツ独自のルールも取り扱うことが、スポーツ法務の一つ面白いところだと思います。

Q: スポーツロイヤーならではのやりがいは?

やはりサポートしたチームだったり、アスリートが実際に試合で活躍していただけると非常に嬉しいです。実際にその選手が出ている試合を見て、ファンの方が喜んでいたける姿を見ると、この仕事をしていてよかったなとやりがいを感じます。

田原先生02

「志×実力」でスポーツ界を変える取り組み

Q: 「志を持って実力を得て、世界を変えていく」という考えについてはいかがですか?

非常にその通りだなと思います。特に、私の場合は周りにスポーツ法務に携わってる弁護士があまり多くない状況から始めたので、スポーツに関わりたい、スポーツ界を良くしたいという志を持ち続けて、それに向かって弁護士としてさまざまな経験を積んできたことが今に活きていると思います。

ですので、志をしっかり持って、力を身につけるというのは非常に大事だと思ってます。

Q: 伊藤塾で学んだ基礎重視の姿勢は現在の実務にどう活かされていますか?

伊藤塾ではまず、「基礎」というのが非常に大事だということを教わります。そのため、テキストを中心にしっかりと何回も基礎的な知識を身につけて、それをアウトプットしていくことを教えていただきました。

実際、実務においても、初めて触れる法律の分野だったり、知識というのが多くありますので、基礎的な知識を大事にして取り組む姿勢というのは活きています。

日本のスポーツエンタメを世界一にする展望

Q: 今後チャレンジしたいことについて教えてください。

日本のスポーツエンタメを世界一にしたいという思いがあります。私自身、今までスポーツを観てきて、勇気をもらったり、感動したり、かけがえのない経験をさせていただきました。

そうした経験をされる方が一人でも増えて、より多くの人に幸せだったり、頑張っていこうという活力が得られるよう、何か少しでもそのような力になりたいと思ってます。

Q: その志を実現するために大切なことは何でしょうか?

まだ日本のスポーツビジネスはアメリカなどに比べると発展途上にあると思ってます。その分、これから取り組んでいくべき課題などもいろいろあると思ってます。

ただ、そういった課題を一気に魔法のように解決するということはできないと思ってます。目の前の課題一つ一つにちゃんと向き合っていくために、法律の基礎的な知識をしっかり身につけて取り組んでいく必要があります。

その中で、伊藤塾で教わった基礎を大事にするという考えが生きてくると思っていますので、引き続き私自身も基礎を大事に一つ一つ取り組んでいきたいと思います。

まとめ:スポーツ×法律の無限の可能性

田原洋太弁護士の歩みは、高校時代のNFL観戦から始まった志を、伊藤塾での基礎重視の学習で実力に変え、現在のアスリート誹謗中傷対策やスポーツ法務での活躍につなげている成功例です。
法律の「比較衡量」思考をスポーツ界のステークホルダー調整に活かし、COASのような社会貢献活動を展開する姿は、志と実力を兼ね備えた法律家の理想像といえます。「日本のスポーツエンタメを世界一に」という目標に向け、基礎を大切にしながら一歩ずつ前進する田原弁護士の今後の活躍に注目したいと思います。

 
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Vol.03 人権活動家 土井 香苗先生

国際人権活動家・土井香苗さんが語る「法律で世界を変える方法」

Profile

所属:国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本代表
専門分野:国際人権法、人権アドボカシー、法制度改革、国際法務
主な実績:エリトリア国にて法制度構築支援、児童福祉法改正、LGBT理解増進法制定、国連北朝鮮人権調査委員会設置への貢献

法律家を目指したきっかけと人権活動の原点

Q: 法律家を志した理由を教えてください。

司法試験の勉強を始めた当時は、法律家になる気はあまりありませんでした。司法試験に受かった後、やっと弁護士の方々と知り合いになったのですが、そのときにたくさんの人権派弁護士の方々と知り合いになって、その人たちにとても憧れたというのが法律家になりたくなった理由です。

Q: どういうところに憧れたのでしょうか?

もともと弁護士のイメージが私の場合はそれほど良くはありませんでした。社会で困っている人を助けるというイメージがあまりなく、どちらかというと社会で成功している人といった印象を持っていました。
ただ、人権派弁護士の方々に会って、「こんなに社会で困っている人たちを助けることができる仕事なんだ」ということを初めて知り、すごく感激しました。

Q: 人権活動に関心を持ったきっかけを教えてください。

私が人権活動に出会ったきっかけと言えるのは、中学3年生の頃、ある本を読んだことがきっかけです。
それは、犬養道子さんという方が書かれた『人間の大地』という本で、アフリカやアジアの難民キャンプを彼女が訪れて、難民たちに出会ってその現状を書いた本なのですが、その難民キャンプの現状にすごくショックを受けたのがきっかけだったのを覚えています。

Q: その『人間の大地』はたまたま手に取った本ですか?

『人間の大地』は中学3年生の頃に学校の先生が授業の副教材として配ったものでした。プリントで10ページぐらいだったと思います。
その内容にすごく衝撃を受けて、学校の図書館にその本自体を借りに行って、全部読んだ記憶があります。

Q: その衝撃を受けて、どうしたいと考えましたか?

もともと国際的なことに興味があったのですが、ただ、国際的であればいいということではなく、難民たちが生まれるその原因、そういった人道危機や人権危機を解決するのに何らかの貢献ができる仕事がしたいと思うようになりました。
でも、そのときはこれだというのはわかりませんでした。あまりロールモデルがいなかったと思います。当時、緒方貞子さんが国連難民高等弁務官だったのですが、強いて言えば彼女のような人に憧れていました。ただ、あまりにも偉い方だったので、すぐに彼女を目指すという感じではありませんでしたが、そういった国際的な人権危機、人道危機に何らかの形で解決に関わりたいと思いました。

土井先生01

人権弁護士としての志と法律家の役割

Q: 土井先生の志は、端的に言うと何ですか?

世界中全ての人の尊厳が守られる世界をつくることです。

Q: その志は中学の頃から大きくは変わってないですか?

そうですね。志は一直線です。もう30年、同じ志でぶれずに生きていますね。

Q: 中学のときにそういう志を持つのはすごいですね。

『人間の大地』に出会えたことは運がよかったと思っています。こういう志を持つことは少なくないと思うのですが、現実の中で志とは違う仕事に就かざるを得ない方は多いと思います。
今では、少なくとも日本国内の人権問題や社会問題を解決するために、法律家が役割を果たすということは、ある程度は認識されていると思います。ですが私は当時、その点の認識が足りませんでした。また、国際的な危機まで解決するために、実は法律家が最短ルートの一つだということは、当時も今も日本では認識されていないのではないでしょうか。
私の場合は偶然司法試験に合格しており、そして偶然にも志を実現するのに法律家という職業が本当に最短ルートだったのです。

伊藤塾での司法試験勉強と憲法との出会い

Q: 司法試験の勉強をするきっかけと、伊藤塾での経験について教えてください。

講義で、初めて憲法について学びました。そして学んでみてその素晴らしい内容に本当に驚き、興奮しました。憲法13条の個人の尊厳が全ての中心だということを学んで、すごく感動したのを覚えています。その後は先生たちの言うとおり最低限のことを繰り返していたら司法試験に合格できました。

Q: 伊藤塾の何が良かったと思いますか?

とにかく最低限必要なものを全部わかりやすく教えてくれましたし、それしか勉強しませんでした。正直それほどたくさん勉強できなかったのですが、ギリギリだったかもしれませんがとにかく合格できました。
なにより講義の内容がよくまとまっていました。先生の話を聞いて、しっかりそれを繰り返して覚えるだけで、本当に合格できたので、とてもコスパの良い講義をしていただいたのではないかと思っています。
また、講義の内容が面白かったです。ですので、司法試験は難関資格ですが、続けられたというところはあると思います。

法律を学ぶ意義と社会変革への道筋

Q: 法律を学ぶ意義を教えてください。

法律は社会を作る骨組みだと思います。社会のあり方は法律が規定しているので、社会のあり方を大きく変えるためには、やはり法律を変えるしかない、あるいは作るしかないと思います。骨組みである法律を学んで、そして、それを作ったり、変えたりする力を持つということが法律を学ぶ意義の一つだと思います。
ちなみに少しだけ付け加えると、日本で法律を学ぶ際には、既存の法律をどうやって使うかのプロになると考えることが多いです。私も、司法試験勉強していた当時も、弁護士になった当時もそう考えていました。それはもちろんすごく大事なことなのですが、一方で、法律を作るとか変えていくためにも、法律家の力というのはすごく活きてきます。
しかし、それはまだ日本ではあまり認識されていない力ではないかと思うので、これからの人たちに期待しています。

エリトリア国での法制度構築支援と実務経験

Q: 司法試験合格後、エリトリアでボランティアされたそうですね。

アフリカの小さな国でエリトリアという国があり、司法試験合格後、すぐに1年ほどボランティアに行きました。
当初はアフリカで肉体労働のボランティアなどできればそれでいいと思っていたのですが、「司法試験に合格しているのだったら、法律作りの手伝いのボランティアがいいんじゃない?」というアイデアを受けました。「エリトリアは独立したばかりの新しい国なので、法律を作っているから、手伝えるのではないか」ということで、行く国をエリトリアにしました。
実際に、伊藤塾で学んだ刑法、民法や商法などを作っていたので、刑事法分野の法律作りの手伝いをしました。具体的には、日本の法律や世界中の刑事法の内容について調べて調査報告書を出すような仕事をしていました。

Q: 日本に戻ってきて改めて法律家の仕事を?

もともとは司法試験に合格した際に「これで法律とはさようならだわ」と思い、難民支援や国際的な危機を解決する仕事をしようと思って、その現場経験のためにエリトリアに行きました。しかし、その経緯で初めて本当の法律家たちに会ったのです。多くの人権派弁護士の方々に会って、法律家として人権侵害の被害者とともに権利回復を求める仕事ができると知り、素晴らしい仕事だと考え直して、それで弁護士になろうと決めました。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ設立と国際人権活動

Q: ヒューマン・ライツ・ウォッチを立ち上げてからの活動について教えてください。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは世界的にとても有名な人権NGOで、憧れていました。ニューヨークでヒューマン・ライツ・ウォッチの本部に1年間、フェローとして仕事をさせてもらいました。それをきっかけに東京にオフィス設立を試してみることを了承してもらい、東京でファンドレイジングをやり、東京のオフィスを作りました。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの仕事は、世界中の人権状況を調べて、国際法に違反している部分を認定した上で、それを解決する制度改正や実務改善を提案し、それを実際に実現するためのアドボカシー(政策提言/ロビイング)を行うという仕事です。私は日本政府へのアドボカシーを担当しています。
また、日本国外の人権問題、むしろそちらのほうが世界的には深刻な人権問題が多いのですが、そういった世界的な人権問題を解決するために世界的なアドボカシーを行います。その中で私は日本政府を担当して、日本政府の外交政策を変えるということもやってきました。

国連北朝鮮人権調査委員会の設立と国際的成果

Q: 国外の人権問題、特に北朝鮮の問題について教えてください。

日本では北朝鮮の人権問題は悲惨なものと認識されていると思いますが、世界ではそれほどでもありませんでした。そのため、国連でも大きくは取り上げられていませんでした。
国連の人権分野の本部があるスイス・ジュネーブのヒューマン・ライツ・ウォッチのディレクターと私とで協力して、当時の日本政府を説得して、日本政府が国連の中でのリーダーになり、国連人権理事会で決議を提案して通し、北朝鮮の人権問題に対する調査委員会を設置しました。
この調査委員会が北朝鮮における人権問題を一年にわたり調査した結果、「人道に対する罪」という国際犯罪に当たる可能性があると認定したため、それによって国連の中での北朝鮮の人権問題の扱いは大きく変わりました。
その結果、国連の安全保障理事会でも、北朝鮮の人権問題が議論されるようになりました。北朝鮮政府に対する国連からの、世界からの人権のプレッシャーというのはすごく高まったと思います。
現在、北朝鮮の人々が置かれている悲惨な状況を考えれば絶対必須の扱いです。そうした重要なことをスイスのディレクターと協力して実現できたということは、この仕事をしている冥利に尽きると思っています。

土井先生02

志の実現と法律家としての実力向上の関係性

Q: 志は学生時代から変わってないということでしたが、法律家になったりする中で変化はありましたか?

たしかに志は変わらないのですが、どういうふうに実現できるかという実現可能性についてはどんどん変わっていったと思います。
当初は世界をより良いものにすると言ってもどうすればいいのかわかりませんでした。司法試験に合格して法律家になって、法律という武器を持ってから、実は法律がその自分の志を実現するために、本当に最短ルートのツールだということに気づきました。
留学をしたり、ヒューマン・ライツ・ウォッチを立ち上げたりすることで、今度は世界を変えることの一端を担うことが現実的になりました。そういう現実化の可能性の変化はあります。

Q: 最後に、「志は実力を得て世界を変えていく」という言葉について、どう思われますか?

本当にそのとおりだと思います。法律家ほど自分の志を実力と経験によって実際に社会を変えられる仕事はないのではないかとさえと思います。それは日本社会もそうですし、実は世界のさまざまな重大な問題も変えられる力を持っています。
ですので、私は法律家になって本当によかったと思いますし、多くの方にそれを知ってもらいたいと思います。国連を動かしたり、日本の国の法律を改正したりするためには、法律の知識、そして実務の経験がとても役立っています。それによって世界中の法律家とも対等に渡り合えるだけの実力を身につけることができたからです。
その道を開いてくれたのが伊藤塾での講義でした。人権を初めて学んで理解した場が伊藤塾でした。さらに司法試験にも合格させていただきました。まさに私の原点です。

まとめ

土井香苗さんのお話から、中学3年生で抱いた「世界中全ての人の尊厳が守られる世界をつくる」という志が、法律という実力を得ることで現実的な力となり、実際に国内外の人権問題解決に結びついていく軌跡が見えてきました。
「法律は社会の骨組み」であり、「社会を変えたいと思ったら法律を学ぶ」ことが有力なルートだというお言葉は、これから法律を学ぼうとする多くの人にとって大きな指針となるでしょう。志を持ち続け、実力を身につけ、そして実際に世界を変えていく——土井さんの歩みは、まさに「志は実力を得て世界を変えていく」という言葉を体現したものと言えるのではないでしょうか。

 
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Vol.04 弁護士 越水 遥先生

法律以外でも成長できる
弁護士の持つ「天井が見えない面白さ」

Profile

所属:越水法律事務所
専門分野:M&A、キャピタルマーケッツ、ファイナンス、ジェネラルコーポレート

目次

●日本企業への誇りと、企業法務
●伊藤塾での、司法試験対策
●芸能活動を通して、女性弁護士の飛躍へ
●個々人の能力が、もっと開花する社会へ
●世界を変える、自信と発信

Q:自己紹介をお願いいたします。

越水遥と申します。
いまは独立して、企業法務を中心に、主にM&Aやジェネラルコーポレートに携わっています。

日本企業への誇りと、企業法務

Q: 法律家を志した理由を教えてください。

10歳まで過ごしていた海外では、日本人であること自体がアイデンティティになる世界でした。そして日本人と言うと「中小企業が頑張っていたり、戦後の発展があったりと、とても企業の質が高いよね」と言われることが多かったです。
子供ながらに、日本の企業はすごいんだなと思い、世界で戦える企業のために頑張れることがあれば嬉しいなと考えていました。

Q:どのようなきっかけで、事務所を設立されたのでしょうか。

企業法務弁護士である以上は、ビジネスを理解したうえで法律知識をアウトプットしていくことが非常に重要だと考えていました。
そのためには、ビジネスを自分自身がやっていなければいけないと思って事務所を設立しました。
今までは完全に法律的な正解を出していましたが、最近では「これが法律的な正解だったとしても、ビジネス的な正解はこっちだよね?」、「両者の視点から考えると、こういう解答がいいのでは?」と考えて解答できるようになってきた実感があります。
まだまだ私は企業法務弁護士として成長していける、法律以外のところでも成長の余地があるなと思っており、天井が見えないという意味で本当に面白い分野でやりがいをすごく感じております。

越水先生

伊藤塾での、司法試験対策

Q:伊藤塾の価値や魅力をどのように感じましたか?

本音ベースで、伊藤塾には本当にお世話になったなと思っています。
司法試験は、満点を取ることが絶対にできない試験ですし、逆に目指してはいけないと思っています。
また「法律をオールマイティに知っていますか?」という試験ではなく、法律家になるうえでこのレベルの知識は身に付けましょうということができていなくてはいけません。
そうすると、各論点に重要度の高い順でA・B・Cとランクがある中で、いくらCランク論点をマスターしていたとしても、みんなができるAランク論点をみんな以上にできていないと合格できません。
この点は、自分で学習するにはどうしてもわからないですし、分析しきれない中で、伊藤塾では全ての論点をA・B・Cと分けてくれました。
そこが、私の中ではとても大きかったです。

芸能業界を通して、女性弁護士の飛躍へ

Q:芸能活動を始めたきっかけを教えてください。

法曹業界に入って、女性が少ないことにものすごく問題意識を感じました。
法律は弱者を守る側面もありますし、全日本国民を守らなければいけないものですので、オールインクルージブであるべきだと考えます。
そうなると、法律を司る方が男性ばかりであったり、年齢層が偏ってきていることは、すごく大きな問題ではないかと思っています。
若い女性の層がもっと増えていかなければならないと、この業界に入って初めて思いました。若い女性も働ける環境ですよ、こんな魅力的な職業なんですよ、というところを発信していかなければならないと考えていたときに、テレビ出演のオファーをいただきました。
これは飛び込んでみるしかないなと思って、芸能業界へ入ることになりました。

個々人の能力が、もっと開花する社会へ

Q:理想の社会像を教えてください。

抽象論になってしまうのですけれど、いま自分自身が夢や志を実現していく中で、困難は多くありますし、まだ日本国内では起業家も少ないので、自分で何かを作ってやっていくということが他国に比べても少ないと思っています。
日本社会全体を勢いづけたり活気づけるためには、そういう活動をきちんとサポートできる体制にして、個々人がきちんと夢を追える社会を実現していかなければならないと思っています。
逆にそのような社会になれば、この国はもっと発展するし、個々の人達の能力も開花していくと思います。その先駆けに少しでもなれればいいなと思います。

世界を変える、自信と発信

Q:「志は実力を得て、世界を変えていく」という言葉を、どのように考えますか?

志はそれだけだと影響力を与えるものではなくて、いわゆる空っぽな箱のようなものです。そこに実力が付くことによって、初めて実体を持ったものになっていくと思いますが、私の経験としては、志と実力と、加えて追加したいことに自信です。
自信ができて初めて発信も成り立つと思うので、志というのは実力を得て、そして自信を持って発信することができて世界を変えていく、と考えています。

まとめ

優先度のもと、必要な知識に絞った司法試験への学習法は「ゴールからの発想」という、伊藤塾が大切にしている理念そのものです。その理念を実務家になってからも大切にされていらっしゃるからこそ、企業法務・事務所経営・芸能活動、それぞれを掛け合わせながら活躍の幅を広げている越水弁護士。法律家を志す方々が、実力に自信を付けていただくことを、伊藤塾も願っています。

 
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Vol.08 弁護士(元検察官) 蛯原俊輔先生

検察官から弁護士へ。
実務家に必要な、共通の心得。

Profile

所属:三浦法律事務所
専門分野:企業法務

目次

●検察官が持つ公権力、弁護士が扱える幅広い業務。
●実務家に必要な、当事者への思い。
●受験時代を支えた、伊藤塾の講義と仲間。
●志に見合う、実力を。

検察官が持つ公権力、弁護士が扱える幅広い業務。

Q:自己紹介をお願いいたします。

蛯原俊輔といいます。企業法務を扱う弁護士です。

もともとは検察官をしていたのですが、2019年に弁護士へ転身して、2022年から三浦法律事務所に所属して企業法務を取り扱っています。

小さい頃に祖父の影響で刑事ドラマを一緒に見ることが多くて、それで法律とか刑事について興味があるようになりました。

Q:検察官の仕事を教えてください。

検察官は、刑事事件の捜査と裁判が職務の大きなポイントです。
捜査は、基本的には警察から送られてきた事件、例えば暴行や窃盗、強盗や殺人などについて進めます。
また被疑者の取調べや、被害者への事情聴取もありますし、警察へ防犯カメラ映像などの証拠確保について指示をすることもあります。

そのように証拠を収集して、事案に見合った起訴か不起訴の処分を決めます。

Q現在どのような業務をされていますか?

企業法務を扱う弁護士でして、依頼者様は会社企業です。
例えば日常的なご相談ですと、契約書の確認や、
「こういったビジネスを始めたいけれど、適法性や何か法律に違反している点が無いか検討してください」という依頼もあります。
その他にも、会社買収のM&Aに関するご相談もあるなど、ご依頼いただいた相談を広く対応しています。

実務家に必要な、当事者への思い。

Q:印象に残っている案件はありますか?

ある窃盗事件です。
この事件は、私が担当していた被疑者が犯行を自供していく中で、あるクリニックに忍び込んで物を盗っていたことがわかった事案です。この件は、被疑者の自供から発覚した件だったので、自供の裏付けを取らなければいけませんでした。
私はクリニックの院長先生へ、「このように被疑者が言っていますが本当ですか」などと尋ねたりしました。
(そして犯人が捕まった後、)クリニックの先生が、
「この犯人捕まったんですね。本当に良かったです。」と言いました。
何故かというと、そのクリニックはその地域でとても成功しているクリニックだったため、「私は誰か同業に嫌がらせをされていると思っていました。全く関係無い連続強盗犯の犯行だと知って、人間不信が晴れた。」と仰っていただけました。
私はこの事件を通して、どうしても実務家をしていると、目の前の一件を沢山の事件の一件と思ってしまいます。但し、それは事件の当事者にしてみれば、当然人生に1回あるかないかの経験です。そうしたことに思いを致せなかったという気持ちを抱き、ハッとさせられたという意味で非常に残っている件です。

受験時代を支えた、伊藤塾の講義と仲間。

Q:伊藤塾を振り返っていかがですか?

伊藤塾の講義を私も取っていましたが、今、改めて振り返って思うのは、条文の内容だけでなくて、きちんと理解や背景、趣旨、立て付け、判例まで教えてくれたのが非常にありがたかったなと思っています。
体系的にポイントを押さえた講義だったので、非常にありがたかったです。
私自身、あの講義が無かったら、多分どこかで心が折れて勉強を続けられなかったと思っています。
また伊藤塾で一緒に勉強していた友達もいて、そうした環境で頑張ろうと思えたことも大きかったと思っています。

蛯原俊輔先生


志に見合う、実力を。

Q:未来の法律家へメッセージをお願いいたします。

法律家を志す方々は、いろいろな動機やモチベーションがあると思っています。そしておそらく多くの方は、社会に還元したい気持ちがあると思っています。
そうした志を持たれるのであれば、我々は法律家なので、きちんとした法律の知識を身に付けることが大前提です。そしてその志に見合うよう、先ずは勉強を進めることだと思います。
司法試験までの道のりは結構長いですけれど、先ずは最初の1歩目を踏み出していただけると良いなと思っています。そして、法律実務家の仲間が増えていくと非常に良いなと思っています。

まとめ

実務に臨むにおいても、司法試験の学習においても、真摯に一つひとつと向き合うことが大切だと感じた蛯原先生の言葉。
インタビュー後にも「難関試験だからこそ、挑戦に値する仕事ができる」と語ってくれました。

 
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