第11回 ガイア
「最初の一日か二日は、みんなが自分の国を指していた。三日め、四日めは、それぞれ自分の大陸を指さした。五日めには、わたしたちの念頭にはたった一つの地球しかなかった。」(サウジアラビア、アルサウドさん)
「見おろすと、大河がゆるやかに蛇行し、一つの国から別の国へとどまることなく流れていた。また、巨大な森林地帯が国境をいくつも越えて広がっていた。大洋が異なる大陸の岸を洗うのも見た。二つのことばが頭に浮かんだ。「共有」と「相互依存」だ。私たちは一つの世界なのだ。」(アメリカ、バートゥさん)
これらは7年ほど前に買った「地球/母なる星」(小学館)という写真集に出てくる宇宙飛行士の言葉です。「宇宙飛行士が見た地球の荘厳と宇宙の神秘」という副題がついています。
今でも私の宝物のひとつです。
漆黒の宇宙の中にポッカリ浮かんでいる地球が見えます。
こうして地球の写真をみていると時間や空間って何だと思わずにはいられません。
大きな宇宙の中の小さな地球、自分はその地球と一体なんだ、この宇宙の中で、地球の中で、自然の中で自分は生かされているんだと自覚できます。
宇宙からみれば国境も書かれていない地球。その中では日本という国家にこだわることがいかに空しく、試験という制度に縛られるのがどんなにおろかなことかがよく解ります。
思いは自由でありたい。
意識は無限です。時間と空間を自由に飛び越えることができます。
意識だけでも試験の合否や人間関係のむずかしさから自由になって、宇宙から地球をみるがごとき、すがすがしさを取り戻したいと思います。
そして、この宇宙の中の地球で大地や海や空と一体となった自分を感じたい。
宇宙と一体ということは、地球と一体、すべての生命と一体ということ。
生命は不可分であると考えたくなります。
他の人を自分と同じように慈しみ、愛することができるようになればと思います。
いやなヤツがいる、でも、それは自分の分身で自分の鏡と思えばいとおしくなる。
他人と争ったり、競争したりすることのむなしさを知ることができます。
自分自身の本来なすべきことはなにか、それだけを見つめて毎日を大切にすればいいのだと気づきます。
誰もが宇宙と同じく無限で絶対的な存在なのだから、何が起ころうとまわりを気にすることなく堂々としていればいいのだと思います。
苦しくなったら、空を見上げてみましょう。公園で大地に触れてみましょう。
試験なんて些細なものに見えてくるはずです。
(ガイアとはギリシャ神話の大地の女神のこと。転じて地球。)
伊藤 真
司法試験・公務員試験対策の「伊藤塾」塾長・伊藤真の連載コーナーです。
メールマガジン「伊藤塾通信」で発信しています。
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