2018.11.01
第279回 裁判官の独立
憲法では司法権の独立に関して、外部からの独立だけでなく、司法内部における個々の裁判官の独立も重要なことを学びます。「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」と規定する憲法76条3項が実効性を持つためには、裁判官が司法行政の統制からも自由であることが必要となります。報酬、任地、昇進などにより統制されるようでは、裁判官が自らの良心に従って独立して裁判などできないからです。もちろん、ここの統制には懲戒処分も含まれます。不当な処分を恐れて裁判官が萎縮するようでは、裁判官の独立、司法権の独立そして司法への国民の信頼は失われてしまうからです。司法権という権力の正統性の根拠は国民の信頼にあります。裁判結果が正しいかどうか誰にもわからないからこそ、公正な裁判がなされるはずだという信頼が裁判所の存立基盤なのです。