「仕事」と「法律」コラム

本コラムは、さまざまなバックグラウンドを持つ方々に、
その知識と経験を法律家という仕事において活かすことの意義や必要性をお伝えしています。
1人でも多くの方が法律家の仕事に魅力、やりがいを感じチャレンジしていただくことを期待しています。

このコラムは司法試験メールマガジンで一部配信したものを掲載しております。

自分をより高めるために努力するというプロセス自体が価値である。

切り拓く法曹

 
働きながら、またはサークルや学業と両立しながら司法試験に合格できるのだろうか、時間的な制約があるなかで勉強を続けていけるのだろうか、という漠然とした不安があるかもしれません。

前回ご紹介したミネルバ大学に通うある学生は、「誰にでも長所があれば短所もあり、そんな自分をより高めるために努力するというプロセス自体が価値である。すなわち、完璧でなくていい」と言います。
また、「家族や友人等周りにいる人たちは、あなたを支えたいと思ってくれている。すなわち、一人じゃない。些細なことでも積極的に人を頼ろう」と。※

毎年、予備試験や司法試験に合格された方々からたくさんの合格体験記が寄せられてきます。
体験記には、合格した今となって振り返ってみて思うこと(例えば、あきらめずに勉強を続けてきてよかった)や、今後の決意(このような法律家になりたい)などの思いも語られています。
そんななか、家族や友人などに感謝の意を表するコメントもしばし見受けられます。
「両親、友人、先輩方…の支えがあったからこそ」
「いつも立ち直らせてくれる家族のサポートのおかげでここまでたどり着けました」
「周りの友達に恵まれた」
など。

予備試験や司法試験に合格したのは、もちろん、最後まであきらめなかったご本人の努力の賜物です。
でも、勉強を続けてこられたのも、家族や友人など周りにいる人たちに支えられたことも大きかったといえるのではないでしょうか。
励まされたり協力してもらったりしたことがあったでしょうし、ときには迷惑をかけることもあったかもしれません。
「自分をより高めるために努力」している人に対して、やさしく手を差し伸べてくれたのです。
ある合格者は、「一人では夢は実現できません。周りの人への感謝の気持ちを忘れないでください」という言葉で結んでいます。

世の中に不安がない人なんていないと思います。
皆さんも、一歩下がって周りを見回してみてください。
「あなたを支えたいと思ってくれている」人たちがいるはずです。
伊藤塾も、「自分をより高めるために努力する」人を応援します。
法曹になって、困っている人を助けたいという強い志がある人は、ぜひチャレンジしてほしいと思います。

※http://college.nikkei.co.jp/article/114414521.html
2018/10/20

世の中に対して尽きることのない興味を持ち、学び続けることができる、未来の開拓者たち

切り拓く法曹

 
「ミネルバ大学」をご存知でしょうか?
今や世界最難関の大学と言われています(2017年入試の対受験者比合格率は1.9%以下)。

世界各国から学生が集まり、留学生比率は、ハーバード大学が10%、オックスフォード大学が17%なのに対して、ミネルバ大学は75%と群を抜いています。
ミネルバ大学の学生は在学中に、ソウル、ベルリン、ブエノスアイレス、ロンドンなど7都市を巡ります。そして、都市ごとに設定されたテーマに基づき、どのように問題を解決していくかを学ぶのだそうです。

ミネルバ大学が求める学生像は、「世の中に対して尽きることのない興味を持ち、学び続けることができる、未来の開拓者たち」です。※

ミネルバ大学の学生は、知的バックグラウンドの異なる留学生たちとともに日々学ぶ中で、驚きや新たな発見に出会うことがあるでしょう。
また、世界の諸都市を訪れることで、世の中には様々な問題が存在することを改めて認識することにもなるでしょう。

学生たちは、前に立ちはだかった問題の中には法的な視点からのアプローチが必要であり、法的に解決することが何よりも求められているものもあることに気づかされるのではないかと思います。
皆さんにも同じことが言えるのではないでしょうか。
皆さんは、学生時代やその後社会人として数多の経験を積んでこられたことでしょう。

皆さんが直面した社会に生起する様々な問題の中で、法的に解決することが求められているものがあり、自身が解決に向けて取り組みたいと思われたことはありませんか?

「未来の開拓者」は、なにも学生ばかりではないと思います。
社会人である皆さんも「世の中に対して尽きることのない興味を持ち、学び続ける」意欲があれば、十分に「未来の開拓者」を目指す資格があると思います。
そんな皆さんを、伊藤塾は応援します!


※以上、http://college.nikkei.co.jp/article/100040118.html
2018/9/20

金融関係、知的財産権、国際紛争解決の分野で

切り拓く法曹

 
法学教室455(2018年8月)号が、「切り拓く法曹」と題した特集を組んでいます。※
金融関係、知的財産権、国際紛争解決の分野で、先例のない新たな領域を切り拓いて来られた3名の弁護士が、法律家という仕事の魅力や醍醐味等を語られています。
A弁護士は、主に金融取引や金融商品の新たな仕組みの設計に携わってこられています。
B弁護士は、特許権の国際並行訴訟という分野を切り拓いてこられ、現在では、アメリカの特許権に関する訴訟でも日本の裁判所で審理を行うことができるというのが通説的見解になっているようです。
C弁護士は、国境を跨ぐ訴訟・仲裁・調停等に関わってこられています。

座談会の中では、グローバルな案件においては、どの国で・どの権利が・どの程度強いのかなどの情報収集を行い、戦略を立てることの重要性が説かれています。
そして、そのようなコントロールタワー的な人材が、世界的に欠如しているとのことです。

今まで伊藤塾では、AIや宇宙ビジネス、スポーツビジネス等の分野における法律家に期待されることなどを取り上げてきました。
様々なバックグランドを有する皆さんが、これまでに得られた知識や経験を活かし、また新たに抱いた興味や関心をもとに、かつてあまり取り組まれてこなかった分野における先導者として、さらには未知の分野におけるパイオニアとして果敢に挑戦されることを期待します。


※ 以下、「Ⅰ 開拓者として」(10頁~)についてご紹介します。
▼法学教室2018年8月号の購入はこちら(Amazonへリンクします)
電子書籍版)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07G33DJ5J/itojuku-22/

雑誌版)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07D57L753/itojuku-22/
2018/8/20

法律の専門家として携わることの魅力

スポーツビジネスと法務

 
先日まで熱い戦いを繰り広げていた、サッカー・ワールドカップが終わりました。
来年はラグビー・ワールドカップが日本で開催され、2020年の東京オリンピック・パラリンピック(以下、「東京2020」という)とスポーツのビッグイベントが続きます。※1

巨額の資金が投入されるスポーツは、様々な権利を生み出すビジネスとしての側面を有しています。
IOC(国際オリンピック委員会)主催のオリンピックでは、主催団体と開催都市、組織委員会等の間で契約が結ばれ、大会の運営、知的財産権、財務、メディア報道等について詳細な取り決めがなされています。
例えば、知的財産権に関しては、エンブレム、マスコット、ポスター、メダルなどが商標法・意匠法・著作権法等によって保護されることが謳われています。※2
オリンピック・パラリンピックにおいては、権利者の許諾を得ずに大会のロゴ等の知的財産を使用したり、大会のイメージを流用したりする「アンブッシュ・マーケティング」対策も重要になってきます。

このように、規模が大きなスポーツイベントでは権利関係が複雑かつ多岐に渡り、法的な対応を迫られる場面が多いと言えます。
また、プロスポーツの世界では、選手契約や移籍、代表選考の争い、ドーピング紛争、事故や不祥事の対応等についても問題になることがあります。
しかし、スポーツ分野を専門に扱う弁護士を多数抱える大手法律事務所が少なくない欧米と比べ、日本ではまだまだ不十分とされています。※3

今までスポーツをもっぱら観戦や実践の対象としてきた方も、ビジネスとして捉え、法律の専門家として携わることも十分魅力的なのではないでしょうか。※4


※1 東京2020の経済波及効果は、全国で約32兆円と試算されています
 (「 東京2020大会開催に伴う経済波及効果(試算結果のまとめ)」平成29年4月、東京都オリンピック・パラリンピック準備局)

※2 東京2020の開催にあたって、「開催都市契約」が締結されています
 ( 「開催都市契約 第32回オリンピック競技大会(2020/東京)」)。

※3「五輪まで3年、『スポーツ法務』で弁護士走る」
※4 スポーツビジネスと法務について詳しく知りたい方は、例えば以下の文献をご覧になってみてください。
・「 特集 スポーツビジネスと知的財産権」ジュリスト1514(2018年1月)号
エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク編『スポーツ法務の最前線』(民事法研究会、2015年)
・法学セミナー9月号が「これからのスポーツ法」と題した特集を組み、スポーツ法が果たすべき機能、スポーツにおける現代的な問題、実務家の活動等の紹介がなされるようです。
2018/7/20

「子どもの最善の利益」のために

スクールロイヤー

 
「スクールロイヤー」をご存じでしょうか。
やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」のタイトルで放映されていましたので(NHKドラマ、2018年4月21日~全6回)、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。※1

「スクールロイヤー」とは、学校で発生する様々な問題について、子どもの最善の利益を念頭に置きつつ、教育や福祉の視点を取り入れながら、法的観点から継続的に学校に助言を行う弁護士です。※2
いじめ、体罰、事故、保護者とのトラブル、近隣とのトラブルなど学校で生じる問題について、学校だけでは適切に対応することが困難になってきています。
そこで、法律の専門家の立場からこれらを未然に防止したり、助言や指導を行ったりすることが期待されています。

東京では、港区が2007年度からスクールロイヤー制度を導入しており、21人の弁護士が40校の公立幼稚園・小中学校ごとに登録されているそうです。
校長や教員は、電話で弁護士と相談ができ、当事者同士の話し合いに同席を求めることもできるようです。
大阪では、2013年度にスクールロイヤー制度が導入されており、年間約100件の相談が寄せられているといいます。※3
2018年度からは、全国10か所でスクールロイヤー制度が導入されます。

スクールロイヤーは、子ども・保護者、学校・教育委員会をつなぐ調整役として、「子どもの最善の利益」のために取り組むことが求められます。
スクールロイヤー制度が機能し、発展していくためには、“法的思考と福祉的思考の掛け算”思考が必要であるとも言われています。※4
従来の弁護士像とは少し異なるところがあるかもしれませんが、これまでの枠にとらわれることなく、新たなフィールドで活躍できるチャンスです。
教育現場の実情に精通している方、学校教育に興味がある方、福祉関係の分野に関心がある方…。
救いの手を差し伸べてあげてください。


※1  http://www.nhk.or.jp/dodra/yakeben/
※2 「『スクールロイヤー』の整備を求める意見書」(日本弁護士連合会、2018年1月18日)
※3  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28540720U8A320C1CC0000/
※4 三木憲明「子どもの最善の利益のためのスクールロイヤー」法学セミナー2018年6月号


伊藤塾出身の学校問題で活躍されている先輩
「高橋知典弁護士」を取材しました。 >記事を読む

2018/6/20

“守り”の法務から“攻め”の法務への転換

これからの日本企業に求められる法務機能

 
企業の国際競争力を強化する観点から日本企業の法務機能の在り方について議論を重ねてきた研究会が、報告書を取りまとめました。 ※1

企業法務というと、契約書をチェックしたり、社内で法的問題が発生した時に対応したり、場合によっては訴訟への対応やサポートをしたりすることなどが思い浮かぶのではないでしょうか。

報告書は、今後は、ビジネスのグローバル化がさらに進むとともに、IoTやビッグデータ、AI等のイノベーションが加速するなどにより、「法制度が整備されていない市場の創出・拡大が進んで」いることから、「これまで経験したことのない新たなリーガルイシューに対応する必要性が増してきている」と述べています(1-2頁)。
このような状況に鑑み、報告書は、これからの日本企業に求められる法務機能について、「リーガルリスクをただ回避するだけではなく、…経営と法務が一体となった戦略的経営を実現することが不可欠である」と述べて(40頁)、“守り”の法務から“攻め”の法務への転換を促しています。

伊藤塾のホームページには、「先輩実務家の声」として様々な現場で活躍されている、伊藤塾で学んでこられた弁護士等の方々のメッセージを掲載しています。
その中のお一人である吉田真実弁護士は、ヘルスケア関連企業の法務部に所属するインハウスロイヤーです。
吉田弁護士は、「法務やマーケティングといった部門間の枠を超え、最先端のプロジェクトの成功に向け議論をしながらやっていくことは、法律事務所では経験できないこと」だとインハウスロイヤーの魅力を語られています。 ※2
吉田弁護士は、頻繁に法改正がなされるなど、企業法務では新しいビジネスへの柔軟な対応が求められることから、「好奇心を持って、楽しく取り組めることができる方は、特に企業法務に向くと思う」とエールを送られます。

企業内弁護士数は2,104名、採用企業数は1,022社にのぼり(2018年1月現在)、年々増加傾向にあります。 ※3
「事業に対するリスペクトと好奇心を持ち、積極的に様々な業務と関わりを持とうとする」(前出報告書24頁)マインドを持った方は、インハウスロイヤーを選択肢の1つとして検討されてみてはいかがでしょうか。
法務の専門家として会社の経営にも積極的に関わり、重要な役割を果たすというダイナミックなお仕事ではないかと思います。


※1) 「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会報告書」(2018年4月、経済産業省)

※2) 吉田 真実先生 実務家インタビュー

※3) 法曹養成制度改革連絡協議会第9回協議会(2018年2月26日)日本弁護士連合会提出資料 1頁
2018/5/20

多様なバック・グラウンドを持った法律家が多数輩出されることが求められている

女性法律家

 
2018年4月1日現在、日本の弁護士数は40,098名、そのうち女性は7,474名で、その占める割合は18.6%しかありません。※1
また、検察官数は1,964名で、うち女性の占める割合は23.5%となっており、裁判官数は2,775名で、うち女性の占める割合は26.2%(いずれも2017年3月31日現在)※2と弁護士よりはましですが、やはり低い数値であるといえるでしょう。

様々な問題が生起しかつ複雑化の様相を呈している現代社会においてはもちろん、ますますそのような傾向が強まるであろう近い将来においては、それらの問題を解決するために、多様なバック・グラウンドを持った法律家が多数輩出されることが求められていると思います。
その意味では、数多くの女性法律家が活躍する状況が望まれるところです。

最近、女性弁護士・検察官・裁判官を中心として、それぞれの立場から法律家を目指した理由、仕事のやりがいなどについて語られた、打越さく良・佐藤倫子編『司法の現場で働きたい!』(岩波ジュニア新書、2018年)が出版されました。※3
打越さく良弁護士は、「理不尽な仕打ちを受けた人々…とくに性差別を受けた女性に寄り添いたい」との思いから弁護士を目指し、DV被害者からの相談を数多く受けてこられました。
打越弁護士は、弁護団の事務局長として取り組んだ夫婦別姓訴訟(最大判平27.12.16)を通じて、男性と同数の女性が政治にも司法にも進出しないと性差別が放置されてしまうとつくづく思われたそうです。

本書では、検察官については、短時間勤務など育児や介護等に配慮した制度が設けられており、配置も家庭の事情に配慮がなされていることが紹介されています。
また、結婚して子育てをしている裁判官は大勢いること、裁判官は自分の裁量で仕事をするため休暇も取りやすく、勤務時間や手当など育児面ではかなり恵まれていることなどが述べられています。
弁護士だけではなく、検察官や裁判官にもぜひ目を向けてみてください。

本書のあとがきで打越弁護士は、寄せられた原稿を読んで、弁護士になりたいと憧れていた時の強い思いや、弁護士になりたての頃の緊張感・ワクワク感を思い出し、弁護士になってよかったと述懐されています。
このメルマガをご覧いただいている女性のみなさん、本書を一読されてみてはいかがでしょうか。
勉強に行き詰ったときなど、法律家を目指そうと決意した時の熱い思いを蘇らせるためや、将来像を描く際の素材になるのではないかと思います。


※1) https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/membership/about.html

※2)「弁護士白書2017」より。なお、検察官については副検事を、裁判官については簡裁判事補を除く。

※3) https://www.iwanami.co.jp/book/b352598.html
2018/4/20

法律家がエンジニアや開発担当者と一緒になって、新たなビジネスを創っていく

宇宙ビジネスと法律家

 
前回(2018年2月20日)は「AIと法律家」と題して、AI時代に求められる法律家像等についてご紹介しました。
今回は、急速に広がりを見せている宇宙ビジネスと法律家への期待についてご紹介します。

現在、海外では1,000社を超えるベンチャー企業が存在し、宇宙から得られる地球上のビッグデータを用いた事業活動等を展開しています。
また、衛星のメンテナンスや宇宙ごみの除去、宇宙資源開発や宇宙観光等のビジネスへの挑戦も始まっているようです。
わが国においても、ベンチャー企業をはじめとする新規参入を促し、宇宙産業市場の振興を図ることの重要性が指摘されています。※1

宇宙ビジネス市場の活性化が期待される一方で、宇宙ビジネス特有の法的問題があることも指摘されています。例えば、ロケット打上げ契約や衛星契約においては特殊な問題があり、また、宇宙活動で損害が生じればその額は莫大なものとなるため、緻密な契約実務が求められるとされています。※2
宇宙ビジネスと法について造詣の深い小塚教授は、「宇宙ビジネスの分野は技術開発が先行して、問題が起きてから法律家に相談するというケースが多い」が、今後は「法律家がエンジニアや開発担当者と一緒になって、新たなビジネスを創っていく」ことを期待されています。※3

科学技術の発展に伴い、法律家の担う役割が増え、活躍するフィールドが広がるにつれ、法律家に求められるスキルも幅広く、また高度なものが要求されるようになります。
科学やテクノロジー、エンジニアリング等の分野の知識や経験を有する方々が、法律家への道を志してみるのも面白いのではないでしょうか。

※1)「宇宙産業ビジョン2030 第4次産業革命下の宇宙利用創造」(宇宙政策委員会 宇宙産業振興小委員会、2017年5月12日)31頁

※2)小塚荘一郎ほか鼎談「宇宙2法が開く宇宙ビジネス法務のフロンティア」(NBL1089
(2017年1月)号)11-12頁


※3) 小塚荘一郎「法律家が、新しい宇宙ビジネスを創っていく時」
2018/3/22

AIの仕事、法律家の仕事

AIと法律家

 
日本国内の601種類の職業について、人工知能(AI)やロボット等で代替される確率を試算したある研究によると、専門職的な業務でも、公認会計士や税理士は代替可能性が高いとされています(前者は85.9%、後者は92.5%)。
法律家の仕事もAIに取って代わられるのかというと、裁判官が11.7%、弁護士は1.4%と低い数値となっています(※1)。
AIが仕事を代替する時代が到来したとしても、リーガル・サービスに対する需要はなくなることはないでしょう。
もっとも、サービスの内容や提供方法は変容することが考えられます。
例えば、わが国においても、契約書の作成をAIが行うサービスが提供されており、弁護士の業務の一部をAIが代替している状況も見受けられます(※2)。
また、企業法務においては、AIの出した回答を参考としながら、数値化が困難な経営者の思いや哲学を共有し、経営理念の実現のためにサポートをしてくことも想定されています(※3)。
AIを味方に付けつつ、同時に自身のスキルも磨いていくことが求められるのだと思います。
AIやロボットの技術が発展・進化していく一方で、それらが惹き起こす法的問題が生じることも考えられます(※4)。
今後、ますます皆さんの力が必要となってきます。

※1)寺田知太ほか『誰が日本の労働力を支えるのか?』(東洋経済新報社、2017年)より。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492762310/itojuku-22/
※2) https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_1213.html参照。なお、本サービスを立ち上げたのは弁護士であり、込み入った条文を検討する場合は弁護士に頼らざるを得ないことから、広く契約書を作成する文化が広がれば、弁護士の需要も増えると予測しています。
※3) http://wedge.ismedia.jp/articles/-/11205参照。
※4)「自動運転と民事責任」「ロボットによる手術と法的責任」等興味深いトピックスを扱った書籍が発行されるようです。弥永真生・宍戸常寿編『ロボット・AIと法』(有斐閣、2018年3月予定)。
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641125964
2018/2/20

生涯学習の選択肢に「法律」を

人生100年時代

 
「人生100年時代」の到来が喧伝されています。
従来のような、高校・大学まで教育を受けた後に会社に就職し、定年を迎えて老後生活を送るといった単一のルートを皆が辿るのではなく、1人ひとりがそれぞれの人生を再設計しキャリア選択を行うことが求められるとされています。
そして、その際に重要なのが、生涯にわたる学習すなわち、「全ての人に開かれた教育機会の確保、何歳になっても学び直しができる」こと(リカレント教育)であると言われています。
参照:「人生100年時代構想会議中間報告」(平成29年12月)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/pdf/chukanhoukoku.pdf
これからの人生、皆さんはどのような「学び」のストーリーを描きますか?
教養として法的知識を身につける、専門的な法律の知識を身につけ業務にいかす、あるいは、少しハードルを上げて、弁護士等法曹の資格の取得を目指す…。
働きながら司法試験に合格された方が勉強を始めたきっかけには、様々なものがあります。
・「会社員として法務部門に勤務することが決まり、学生時代にはまじめに勉強していなかったこともあったので、これを機に、精緻な法的知識を身につけたいと考えた」(35歳、男性、会社員)
・「法学部出身で一度は公的機関に就職しましたが、ジェネラリストではなく、専門家としてキャリアを積みたいと思うようになり…」(29歳、男性、会社員)
・「学生時代、一度は法曹を志したものの、実質2年ほどで勉強をやめてしまいました。…旧司法試験受験時代私を応援し続けてくれていた祖父母が相次いで亡くなったことをきっかけに、本気で司法試験を目指そうと決意しました。その当時私は30歳を過ぎ…」(34歳、女性、無職)
社会人としていろいろな経験を積まれてきたことは、大いなる強みです。
弁護士等法曹として社会に生起する様々な問題・紛争を解決するにあたっては、その強みが必ずいきてきます。
さあ、皆さんも勉強を始めてみませんか。
2018/1/20

実務家インタビュー


司法試験入門講座とは

法律知識ゼロから、司法試験に必要な力を短期間で身につけることができ、予備試験合格および難関法科大学院特待生合格が目指せます。
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司法試験入門講座

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司法試験受験指導校選び3つのポイント