テキストをしっかりと自分の血肉にすることが基礎力向上の一番の近道です。

予備試験ルートで司法試験合格

H.I さん(23 歳)
 

合格者イラスト
東京大学法学部卒業

◆ 予備試験合格時 /東京大学法学部卒業
◆ 出 身 大 学 /東京大学法学部
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+ リーガルトレーニング、司法試験演習秋生、司法試験論文マスター、基礎マスター労働法、司法試験対策ゼミなど

※プロフィールは、2013年合格時点のものです。

はじめに

私は社会から不合理なこと・理不尽なことを少しでも減らしたいと思い、法律家となることを志しました。そして大学の授業は私には難解過ぎ理解が追いつかず、それだけでは司法試験に合格することは難しいと感じたため、受験指導校に通うことを決めました。そこで近しい友人が通っていたことから、私も大学4年生の春から伊藤塾に通いはじめました。
実際に伊藤塾の講義を受講してみると、テキストは大学の授業と異なり初学者が理解しやすいよう丁寧な内容となっており、伊藤塾長の講義も論理立っていて明快で、非常にわかりやすいという印象を受けました。

予備試験受験を目指した理由と予備試験ルートのメリット

私は法律の学習を本格的に開始したのが大学4年生の春と遅く、法科大学院の受験も周りより1年遅れでした。ですから合格すれば法科大学院に行かずとも司法試験を受験できる予備試験は、私にとって非常に魅力的でした。また予備試験は司法試験委員会の作成した問題を解き、採点をしていただけることから、法科大学院入試や司法試験の模擬試験として最上のものです。そこで法科大学院入試前の力試しも兼ねて、私は予備試験を受験しました。 非常に物量の多い試験である予備試験を体験したことで、法科大学院入試は問題の分量・難易度の点で相対的に軽く感じ、それほど緊張せずに臨むことができました。また予備試験に合格したことで2年という時間と数百万円の学費を節約できました。さらに予備試験に合格したことは就職活動でもプラスに働きました。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

基礎的な法知識・法理論修得のためのメインテキストには、基礎マスターテキストを使用しました。いわゆる基本書は、基礎マスターテキストでは不十分な点を調べるために使用した程度で、ほとんど使いませんでした。基礎マスターテキストには判例も多数収録されており十分な情報量がありますから、下手にいろいろな教科書に手を出すのではなく、基礎マスターテキストをしっかりと自分の血肉にすることが基礎力向上の一番の近道です。 私が基礎マスター段階の学習で意識していたことは3つあります。1つ目は、講義の予習・復習を徹底することです。私は講義の前にはテキストの予習をし、講義の後は次の講義までに前回の講義内容を最低3回は復習するようにしていました。予習をしておくことで講義内容が理解しやすくなります。また講義は1回1回の積み重ねですから、しっかりと復習をして講義内容を十分に理解しておくことが次回の講義の理解、ひいては科目全体の理解につながります。そして復習は、テキストの内容を自分の言葉で説明できるレベルまで理解するよう徹底しました。その結果として、答案を書く段階になってすんなりと自分の言葉で文章を書くことができました。
2つ目は、テキストに条文が出てきたら必ず六法で引き、音読することです。条文の知識は短答式試験で必ず問われますし、答案を書く時にも条文を引く能力は必須ですから、こまめに条文を引くことでその能力を鍛えるようにしていました。そして声に出して読むことで、条文の内容がより頭に残りやすくなります。特に長い条文は黙読では流し読みになりがちで記憶に残りにくいので、音読は有効です。
3つ目は、暗記事項は早い内から何度も繰り返すことです。私は講師の方が暗記するよう言った、あるいはランクの高い定義や要件・規範は暗記カードを作成し、就寝前や空き時間を活用して徹底的に頭に叩き込みました。暗記は一朝一夕では難しいものです。コツコツやりましょう。
基礎力はそこに短答対策や論文対策という枝葉を付け足していく幹のようなもので、基礎力がしっかりしていないと実力はつきません。伊藤塾には優秀な講師やクラスマネージャーの方々が多数いらっしゃいますから、不明な点は遠慮なく質問をして、確かな基礎力をつけましょう。

短答式試験対策について

短答式試験では条文や判例の細かい知識が問われ、一部クセのある出題がなされます。しかしそうはいっても出題には傾向があります。ですから過去問の収録された問題集を解き、傾向をつかみながら必要な知識を補っていくのが良いです。細かい判例は判例集に当たってもキリがありませんから、過去問で学習する程度で十分です。条文の知識は六法の素読をしましょう。なによりも、問題集を何度も何度も繰り返し解くことが大切です。

論文式試験対策について

論文式試験対策は、私は3つのステップを踏みました。 第1に、基礎マスター対応ゼミで答案の基本的な書き方を学びました。同ゼミでは答案の書き方の基本から懇切丁寧に指導してくださりました。少人数であったので学習効果も高く、それまで大学の定期試験で悲惨な答案を提出していた私もきちんとした答案を書けるようになりました。
第2に、論文マスターで問題分析力・答案構成力を鍛えました。答案の出来は答案構成の良し悪しで決まるといっても過言ではありません。私は1問あたり10~15分かけて答案構成をしてから講義に臨むようにして、答案構成の場数を踏みました。また模範答案を読む時にはその骨組みを意識して読むようにしました。
第3に、司法試験ゼミで予備試験レベルから司法試験レベルへとステップアップしました。予備試験の問題は旧司法試験の出題に近く、論文マスターまでの学習で十分対応できますが、司法試験は問題が長大・分析が困難であり、専用の対策が必要です。同ゼミでは予備試験合格者が司法試験に合格するために足りないもの・これからしなければならないことについて指導してくださり、司法試験の過去問の答案にもきめ細やかな添削をしていただきました。
基礎マスターで学習していることが答案でどのように使われるのかを知ることで、基礎力をより効率的に向上させることができます。ですから基礎マスターと並行して、論文式試験の対策も早めにはじめるのがオススメです。

直前期と試験当日の対策について

直前期は過去問と選択科目のブラッシュアップを行いました。直前期は学習も大切ですが、試験当日に向けて身体のコンディションを整えることがより大切です。
試験期間中は答案を書き続けるため身体は相当疲労します。ゆっくりとお風呂に浸かり身体をほぐして、翌日に疲れを残さないようにしました。

予備試験からの司法試験対策

予備試験と比較して、司法試験は問題文が長大であり論点が見つけにくく、取っ掛かりがつかみにくい出題がなされます。まずは過去問を解いて司法試験の問題に慣れることが大切です。
また触れなければならない問題点が多いため、答案の分量は多くなります。2時間で答案を書き切るためには時間配分をしっかりと考える必要があります。私は答案を書くスピードが遅かったので、限界までコンパクトな答案を書くことを意識し、時間切れに陥らないようにしました。

伊藤塾のゼミについて 

私は基礎マスター対応ゼミと司法試験ゼミに参加しました。ともに少人数制できめ細やかな指導・添削をしていただき、司法試験合格に大いに役立ちました。

 
予備試験からの就職活動について 

司法試験受験後就職活動をし、無事内定をいただきました。法律事務所は予備試験合格者の採用に力を入れており、合格者は就職活動で有利である印象を受けました。

最後に 

これからは法律家として、社会をより良くしていくお手伝いをしたいと考えています。伊藤塾長、伊関講師、その他伊藤塾のスタッフの方々には大変お世話になりました。これまで私を支えてくれた家族と友人達には感謝の言葉しかありません。
予備試験は合格すれば大きなメリットが得られますし、受験することのデメリットは全くありません。今後合格者数も増えていくものと思います。法律家を目指している皆さんには、1つのルートとしてぜひ臆することなく予備試験にチャレンジしてほしいと思います。